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yama ni sumau yasashii oni
あらすじ:
環境調査会社に勤める理久(受け)は、開発予定の山の調査中、崖から落下。
山小屋で暮らす伊吹(攻め)という男に助けられ、足の怪我が治るまで彼の世話になることに。
一緒に過ごすうち彼に好意を抱くようになるが、彼には秘密があり……
理久は、子供の頃から何をやっても上手くいかない不運体質で、そのせいかどこか臆病でヘタレな性格。
ゲイで、男運も悪いため、伊吹への恋心を自覚してからもなかなか告白できずにいます。
伊吹は山奥で独り暮らす謎の多い人物ですが、見ず知らずの理久を介抱してくれる等、優しく面倒見の良い人物。
タイトルから予想される通り、彼の正体は鬼で、山の守り神。
山村に生きる人々を守ることを使命としていますが、人が山を切り崩していくに従い、いまやすっかり力が弱まっている…
そんな強さと儚さを併せ持つキャラクターです。
理久が山の環境調査を行う、お仕事モノとしての描写と、
鬼をテーマとしたファンタジーとしての描写のバランスが良く、読みやすい一冊。
硬派男前×健気というカップリングも王道です。
しかし、伊吹が理久の好意をあっさり受け入れてしまうため、ラブ展開として面白みに欠けるのが難点。
伊吹が理久に惹かれた理由として、理久のまっすぐな性格から来る『気』が挙げられていましたが、そんな抽象的な理由だけでなくもっと具体的なエピソードが作中で示されていればなと思いました。
また、理久の不運体質が何かの伏線になっているのかと思いきや、伊吹の力であっさり改善されてしまい拍子抜け。
理久の特殊な体質やゲイとしての悩み等の設定がストーリーにあまり活かされず、やや設定倒れになっている気がしました。
心優しい鬼と人間の純愛モノとして綺麗にまとまっていますが、
出会い→両想い→受けのピンチを攻めがカッコよく救う…と、あまりに展開がオーソドックスで、
個人的にはやや物足りなさを感じてしまいました。
中立寄りです。
環境調査会社に勤める若菜(受け)は調査の下見に出かけた山で、足を滑らせて倒れているところを伊吹(攻め)に助けられます。
足を挫いてしまっていて、手当てをしてもらい食事を貰い、泊めてもらい、山の中を案内してもらいます。
ゲイである若菜は伊吹に一目惚れしてしまいます。
山の調査に本格的に入る事になった若菜は同僚たちと再び山へ向かいます。
同僚たちは宿舎になっている村長の家で酒盛りばかりしていて全く調査をしないので、若菜1人で伊吹に手伝ってもらって調査を続けます。
が、どんどん好きになる伊吹への想いに耐えられなくなり告白してしまうのです。
が、伊吹に自分の正体は異形の者だと告げられます。
異種恋愛譚ですね。
神とも鬼ともその時代によって呼び名は変わるけれど、その山を守る存在である伊吹と、人間の若菜。
若菜は生まれつき運が悪く、事ある毎にトラブルに巻き込まれる悪運の持ち主です。
それでも、それにくさってしまうことなく、代替え案を考え、自分の不運に人を巻き込まないよう工夫して、前向きに進んでいこうとする努力家です。が、常に運の悪いので、自分から何かをするという事は出来なくなっており、消極的になっています。
伊吹は、人間に本当の姿を晒すと怖がられたり酷い言葉を投げかけられたりするので、あまり関わりあおうとはしないのですが、そんな人間たちの事も守ろうとする優しくて強い鬼です。
開発を少しでも自然に影響のないようにしたい若菜と、開発推進派の村長派、会社側の対立。村長派による強行手段に対抗すべく行動する若菜は普段の消極的な姿勢とは全く違っています。出来る手をすべて打って環境保護のために奮闘するのです。
自然保護と、若菜たちの恋愛と両方がどう決着するのか最後までわからず、ハラハラしました。
ただ、恋愛面では、伊吹が若菜に惹かれた理由がどうも弱いのと、若菜の飢餓感が半端なく、伊吹の熱量の表現が少ないため、空回りしてる感じがしないでもないのが、残念だったと思います。伊吹の方が若菜のに流されてるという気がしないでもなかったかな。どちらも同じくらい求めあってるとわかる表現がもっとあったらよかったんだけどな。
カラーイラストがとても綺麗で、特に背景が透明感があってる絵画のようでした。
恋愛面が弱いので中立よりの萌で。