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終わりが見えてたのに互いになーなーで付き合ってた交際に、
受けがけじめ付けて、次の恋に行くまでの、超地味な話。
あらすじでは、ベーシストとの別れの話が中心なのが察せられるのに、
表紙が幼なじみなのは、彼と引っ付きますよと、読者に安心させる為のものなのかな?
表紙詐欺と一瞬思わないでもなかったがw
ベーシストが堂々と女と浮気するクズなので、受けに同情出来そうなものだが、
受けの性格に、勝手に女に嫉妬する卑屈さが見えて、
強烈な嫌悪感や不快感は覚える程ではないけど、好感は抱けなかった。
今でいうメンヘラ。
普通にベーシストが脇役で、幼なじみ攻めとの恋愛が中心の話の方が、
個人的には、後味が良く感じただろうなと。
20年前の作品。リアルタイムでは読めていないのですが系統的に好きな作家様です。王道とは少しズレた角度から萌えを刺激してくるような切り口を持っていらして、何度かmy性癖を組み換えられてしまうような体験をさせていただきました。
これは主人公の俊が16歳から7年付き合ったキセン(基宣:もとのぶ)との別れを決めるお話です。
中高一貫校に入学して2年目に不登校になった俊。時々しか登校できない彼にいつも声をかけてくれる同級生からアマチュアバンドのライブに誘われ、キセンと知り合います。ベーシストのキセンは同級生の兄でした。
俊はキセンと寝るようになってからも、引きこもり気味のくせに寂しがりは変わらない。キセンが俊以外にも女の子たちと付き合っていることに気づいていたけれど、自分は男だから咎めるのはおかしいと黙っていました。
そろそろキセンと関係を続けるのは限界という頃、小学校の同窓会に参加することになった俊は、取りまとめ役の久禮を誘惑してオーラルエチをしてしまいます。キセンへの当てつけだったのか、それとも…?
これ、身も蓋もないいい方をすると、初めて付き合った男と別れたくなかったけれど、その不毛さに気付いて別の男に乗り換えた、ってだけのお話なんです。BLだから読めるっていうか…笑。いつもならグズグズした自己愛タイプの受けは苦手なのに、淡々とした語り口がなぜか切なくて。
本作はタイトルのとおり、俊と別れて涙を流したキセンの思いと、小学生の頃から好意を寄せていた久禮の思いを、俊は「知らない」ことを示唆しています。つまり、俊だけが一人苦しんでいるんじゃなくて、彼と関わっている人たちもそれぞれに苦しんだり傷ついたりしているんだよ、っていうメッセージが込められている。
受けだけに肩入れしない描き方がまず新鮮でしたし、好き合っている者同士が結ばれない、あるいは付き合っている人とは別の人に惹かれていく過程を描いた作品って、どちらかといえばマイナー。そこがね、なんだかムラムラときてしまうんですよ、初恋ハッピーエンドばかり読んでいると…。
描き方(文章)にもよるし、俊が女性だったらリアルで読めないお話だったかもしれない笑。この微妙なさじ加減が好き嫌いを決めるところなんだろうなー。
アホの子というか、ダメな子受けなんですが、いろいろダメで後ろ向きになっているところで、そんな自分を許して甘やかしてくれる攻め1と、同窓会で再会した幼なじみの攻め2の間で揺れ動く、というか、終わりに近くなっていた恋にケリをつけて、新しい恋に踏み出す、という感じでしょうか。
主人公はずるい部分もあるし、でも、そうなってしまうのも仕方がない部分もあり、そのへんを許せるか、否かで印象は変わると思います。
わたしは好きです。