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皆大好きキュンキュン男子高校生の寄宿舎ものです。場所は長野。自然の美しい場所にある男子の園。受け攻め以外の友達たちのキャラも魅力的でした。
成瀬(攻め)と宮原(受け)との運命的な出会い。2人は共に秘密を抱えていて中盤でそれらが明かされていき、2人の距離も縮まる。そんな時に起こった友人・溝口の同性愛発覚事件。皆仲良かったのにいざとなったら冷たすぎる。心がヒリヒリする場面でした。主人公達の代わりに差別を受ける辛さを請け負ってくれたような。しかも彼氏は年上で遠恋みたいだし可哀想すぎる。
主人公達も結ばれてからすぐに辛い別れが訪れる。アメリカへ行ってしまう成瀬に向かって「やり逃げじゃねーか!」と言う宮原。実際私もそう思いました。しかし成瀬にはどうしても宮原には言えなかった辛い理由が。もうびっくりした。バッドエンドかと思っちゃった。切なすぎる!
でも大丈夫。8年後の2人には映画のようにロマンチックなエンディングが訪れます。やっぱりBLっていいな!と思える珠玉の一冊です。
綾さんは作家買いする作家さまで、かつ小椋さんの挿絵ということで楽しみにしていました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。ごめんなさい、なるべく話の核心に触れる部分は書かないようにレビューしようと思いますが、ちょびっとは触れてしまいます。ご注意を。
なんというか、文章がすごくポエミィ。綾さん作品はややその傾向にあるかなと思っていますが、今回は時に顕著な気がしました。
で、序盤、単調な感じで話が進んでいくので退屈な感じ、というか…。いや、すみません。が、暁良が高校3年生の途中で学校を転校するとか、成瀬が学校で特別視されている理由がなかなか出てこないので話に入り込みづらい。
というか、彼らの通う高校は「進学校」。記述の形こそ違えど何度もその点が書かれ、強調されている。「進学校」ってさ、普通転校するって難しくないかな。しかも、高校3年生、かつ学年の途中で。
成瀬もLDなんだよね。学習障害児って、普通進学校には入学できないんじゃないかなあ。仮に特別枠があるにしても。
「進学校」というところがことさら強調されているのですごく違和感を感じた。これが、特進コースもあり、スポーツ推薦もある、普通の私立ならわかるんだけど。
さらに、転校するほど精神的に追い込まれた暁良の「初恋」。
それほど彼を苦しめた恋なのに、終わりがなんともあっけない。そこはもう少しモダモダしてもよかったんじゃないのかなあ。
なんか、あっさり成瀬に乗り換えちゃった感じがしました。
それと一番納得いかなかったのが、成瀬の抱える身体の問題。
えっと、彼はお父さんと同じものを抱えている、ということでしたが遺伝性のものなの…?遺伝するものではないと思うのだけれど。つか、それによってLDになるという風には医学的に証明されていないし、誤解を招く表現だと思うんですよね。
ごめんなさい、この点が気になるのは私の職業柄か。
あと成瀬のお母さん。私なら、高校生になる年で、体に爆弾を抱え、LDも持つ息子を海外の高校に行かせないなあ。大学生くらいの年齢ならともかく、中学を卒業したばかりの子ども。心配だもん。
等々、とにかく気になる点が多すぎて話に入り込めなかった。
出てくる登場人物たちがみんないい人すぎやしないですか。
彼らの両親、先生をはじめ、友達、寮母さん。悪い人が出てこない、優しい話にしたかったのかなと思うのですが、むしろそのせいで出来のいい、青春ドラマみたいになってしまっていて、人の好意が上滑りしている気がしました。
それと話を盛り込みすぎな気も。
彼らのお父さんたちの話って、必要かな。お互い恋愛感情があったのにもかかわらず、それぞれ女性と結婚して、そして息子たちが同じ年?偶然過ぎちゃってむしろしらける。
8年後以降の話が書かれていたのはよかった。成瀬の気持ちとかが、あれによってやっと理解できたので。
けれど全体を通して中だるみしすぎていて、そしてご都合主義過ぎちゃって、なんかなあ、という感じ。
綾さんの書かれる、一筋縄でいかない、複雑な人間関係の話は好きなのですが、これは盛りすぎな気がしました。
高評価ばかりの作品なのに、こんな評価で申し訳ない。
けれど、こういう感想もあるってことで。
高校3年生の暁良(受け)は、前の高校で起きたある出来事により、父親の母校の長野の高校へ転入した。転入1日目に学生寮で、ピアノを弾いていた寮長・成瀬(攻め)に出会う。なぜか初対面で気に入られた暁良は、以来成瀬を含めた友人たちと、半年の短く密度の濃い学生生活を送ることになる。
攻めの抱える事情が核心的なネタバレだと判断して、それには触れずにレビューします。
別れのシーンまでは良かったのです。受けと一緒に見事に騙されて、その事情の深刻さと、離れなければならなかった攻めの気持ちを思ってうるっとしました。
でも、唯一にして最大の疑問が、それならなぜ再会までに8年間あいたのか、ということでした。あの状態で別れて、問題が解決したら即会いに行ってしかるべきじゃない? なぜピアニストとして成功するまで放置なのか。
受けに恋人ができてたら、拝み倒してでも自分と一緒にいてくれるようお願いした、と言ってたけど、もし本当に受けに恋人がいたら恋人が気の毒だし、受けも不幸じゃないの。
再会したのが8年後だったときは、てっきり攻めの事情が解決するまでにそんなに時間がかかったのか、と思ったんですよね。でも違ったし。ならなぜ8年後なの。
結局、そこに引っかかって、そこまでして会わなくても平気だったんだな、と思ってしまったので評価は萌です。中立でもいいくらいだけど、そこに至るまではとても良かったので。
問題解決してすぐに会いに来てくれていたらなぁ…。
あと、ちょっと再会後の話がダラダラと冗長でした。くっついたあとの番外編は個人的には要らなかったかな。再会した瞬間で終わり、そのあとエピローグで別れの時の攻めの気持ちをちょっと書いてくれるくらいでよかった気がします。
「このネタをラストで持ってきたか」という感じです。
かなりズルい手法ですね。。。。一気に切ない方向に裏切られます。
ラストは、不意に涙がでそうになります。
「タイムリミット」。
それは高校卒業までの半年間だけではなかった。
最後の最後で、それを知る主人公。
最初は、静かに淡く始まる2人の関係。
恋なのか恋じゃないかも、分からないようなそんな静かなもの。
それはどんどん変化して…? というイメージのお話です。
◆◆ ◆◆ ◆◆
《CP》
ピアニストが夢の優しい寮長・成瀬 × 男の先生に恋した高校生・暁良
《あらすじ》
インハイ前に怪我をして欠場した暁良(受け)は、
高校3年生の秋に、父の母校に転校してくることとなります。
そこには、ショパンの「別れの曲」をしっとりと弾く成瀬(攻め)が
いました。
前の高校で男性の顧問の先生に恋をし、失恋した暁良の心を
成瀬は柔らかく包み、癒していくようでした。
寮生活も、仲間たちと楽しく送っていましたが、
卒業はもうすぐそこまで迫っていました。
卒業したら、成瀬はピアニストの夢のためにアメリカに行き、
もう帰ってこないのに……。
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最初は正直、ズルズルと始まる転校生活の始まり、
主人公・暁良(受け)と成瀬(受け)のありがちな出会いに
ちょっと退屈感を覚えながら、読んでいました。
暁良が前の高校の男性顧問に、電話で「想いには答えられない」と
フラレるところ。
ここは良かったと思います。
始めは「考えさせて」という男性顧問。
ストレートなのに、OKを出すはず無いのに、
何故時間をくれと言ったのか考えましたが、
「優しく、傷つけずに断る方法はなにか」を
考えていたのではないかと思います。
そんな人だからこそ、暁良は好きになったのではないかと。
結局、ストレートな物言いでフラレてしまいましたが……。
成瀬が弾いていた曲、ショパンの「別れの曲」。
これ、知ってる方は知ってると思いますが、難易度が凄く高いのです。
簡単そうに聞こえて、実はそうではないのです。
ショパンの有名曲は得てして難しい曲が多いのですが、
「別れの曲」も例外ではありません。
そして、ショパンは繊細な指のタッチと感覚がないと、弾くことが
できないそうです。
それを優しく弾く成瀬は、その情景が目に浮かぶようで
隣でじっとそれを聴く暁良が、とても合っている気がしました。
知らずのうちに、暁良と成瀬がなんとなくお互いがお互いを
「好きかも…?」と思いはじめたような折、
級友たちの話題に同性愛が取り上げられます。
気持ち悪い、考えられないなど、心無い言葉に、
自分たちが槍玉に上げられているわけではないにも関わらず、
深く傷つく暁良。
その情景は普通の男子校に、あまりに普通に存在しそうで、
胸が痛くなると同時に、成瀬と暁良の淡く芽生え始めた関係から
一気に現実に引き戻されるような感覚がありました。
しかし、これこそが当たり前の日常にある風景なのだと感じました。
悪いシーンでもなく、横槍でもなかったと思います。
「宮原、俺と、寝てよ」
直球で攻めた成瀬(攻め)。
高校生活、たった1回の2人の逢瀬は、
外が雪、寒い夜での寮の部屋の中。
「俺が、そっち…?」
と、受け攻めを確認する暁良(受け)には、ちょっとだけクスリ。
そして、体を繋げる暁良と成瀬。
小さく灯された恋の青春の1ページだと思いました。
そして卒業。
旅立ちの日程について、暁良に嘘を教え、ひとりでアメリカに行く成瀬。
追いかけて、駅で会い
「バイトをしてお金をためてでも会いに行く。……好きだから」という
暁良に「会えない」と拒絶の返答しかしない成瀬。
「ヤリ捨てだ」と酷い言葉を吐く暁良に
「宮原は俺の奇跡」と、いつも言っていた言葉を口にします。
「奇跡っていうのは神様の贈りものだよ」と。
贈り物……ギフト。
暁良こそが、ギフト。
この言葉の真相は最後の最後で明かされます。
何故「宮原は俺の奇跡」とずっと口にしていたのか。
そしてラスト。 成瀬はピアニストの夢のために
アメリカに渡るのではなく、父親と同じ持病の治療のために
行くのだと知った暁良。
死ぬかもしれない持病。
決して何があっても、最後の最後まで成瀬はそのことを口にせず、
アメリカに旅立ちました。
必死にそのことを暁良に訴える溝口に、涙が出そうになりました。
「命」ネタは、ズルい。
「死」ネタは、ズルい。
こんなことをネタに持ってきたら、泣きそうになるのは
当たり前じゃないか……。
だからこそ、8年越しの再会はあまりにも嬉しかった。
ハッピーエンドを信じていたとはいえ、治療が成功して、
ピアニストの夢を叶え、そして暁良のもとに帰ってきた成瀬を
暁良と一緒に嬉しく迎え入れました。
書き下ろしは2つあります。
ひとつは幸せそうに暮らす、その後の2人の話。
ああ、良かった。8年超しの恋と愛だ…と思った話でした。
もうひとつは、ちょっとした成瀬の自己満足のような悪魔の一面を
見た気がした話。
あの感動のラストの裏に、このような気持ちが見え隠れしていたのか、と
ちょっと複雑な思いを抱かせてくれるような話です。
◆◆ ◆◆ ◆◆
全部ネタバレしちゃいましたが(今から読む方、スンマセン)
ホントに「死」ネタは、駄目です。NG!
しかもこんな場面で、持ってこられたら、もう……!!><
たまらんです。
我慢できないです。
心が駆け出しそうになります。
引っかかる点も何点かありましたし、ちょっと中だるみするような場面も
なくはなかったので、「萌」か「萌×2」か迷ったのですが、
目頭を熱くさせた作家さんの力量を鑑みて、「萌×2」で。
ある意味王道の学園もの。
丁寧な文章と落ち着いた物語の流れで気持ち良く読める。高校3年生の夏に転校する主人公には驚きだけど、そうした気持ちは理解できた。そしてそれが彼の一生を大きく変えることになるのだから、運命というものだったのかもしれないと思った。高校生という時期の傷つきやすさが書かれていて、自分の高校生の頃を思い出してしまった。
「Gift」というタイトルが色々なモノに係っていて、それは読者へもいえるのではないかと思う優しく素敵な1冊。
あらすじ:
都会から全寮制の私立高校に転入した焼良(受け)は、同級生で寮長の成瀬(攻め)と親しくなる。
ピアノの才能があり、卒業後はアメリカの音大への進学が決まっている成瀬は皆に慕われている一方、どこか孤立した雰囲気で…
高校3年生同士のお話。
夏休み明けから卒業までの半年という短い間で心を通わせ、恋に落ちていく二人の姿が瑞々しく切なく描かれます。
焼良は、前の学校の陸上部顧問の男性教師への片想いも今も引きずる青年。
眠る男性教師にキスをしたことがバレて、逃げるように転校したという経緯があります。
そんな焼良の秘密を知っても引かず、彼を励ます成瀬は、LD(学習障害)でに字がうまく書けないことに人知れずコンプレックスを抱く人物。
明るく大人びた性格で常に皆の中心にいますが、授業に出られないこと、友人たちに気を遣われることに密かに苦しんでいます。
こんな二人が惹かれ合う過程が丁寧に描かれており、半年という短さを感じさせない濃密な物語に引き込まれます。
ピアノについて、いわゆる「ギフト」(才能)を持って生まれてきた成瀬ですが、本人はその才能はLDというハンディキャップと等価でないと考えている。
そんな成瀬の想いが後半明らかになると同時に、彼がなぜ焼良を好きになったのか明らかになる展開に胸を打たれました。
ただ、成瀬がLDの上に○○○だったという設定は、少々盛りすぎな感が。
もちろん現実にそうした方もいらっしゃるとは思いますが、成瀬が卒業後焼良を突き放す理由としてはあまりにありがちで、展開としても読めてしまい、物語としてやや陳腐な印象でした。
また、高校生活の描写が、男子高校生の日常としては少々綺麗すぎな印象も。
同級生のゲイに対する嫌悪感等、現実の非情さも画かれている点は良かったですが、
ゲイのクラスメイトに偏見を持つ友人たちが、成瀬と焼良の関係だけはあっさり認める等、やや都合の良さは感じました。
とは言え、卒業後、年月を経て二人が再会するシーンはとても感動的。
その後のラブラブな様子や、それぞれに大人になった友人たちと再会する姿にもじんわり心が温かくなりました。
綾ちはるさんの既刊と比べると展開に意外性は少ないですが、正統派の青春小説として楽しめる一冊でした。
萌×2寄りです。