愛を棄てた金糸雀

ai wo suteta canaria

愛を棄てた金糸雀
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×219
  • 萌7
  • 中立5
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
10
得点
247
評価数
67
平均
3.9 / 5
神率
43.3%
著者
犬飼のの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
妓楼の軍人
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784344837089

あらすじ

男妓楼行きになるはずだった元華族の紳羅は敵国の軍人宋天遊に歌の才能を認められ、宮廷歌劇団の星歌手を目指すことになるが……。

表題作愛を棄てた金糸雀

25歳-33歳,敵国の軍人
15歳-23歳,宮廷歌劇団の歌手で元華族

その他の収録作品

  • 久しき花
  • あとがき

レビュー投稿数10

愛を棄てた金糸雀…愛を棄てた金糸雀…です(泣)

【愛を棄てた金糸雀】は【妓楼の軍人】のスピンオフ…。

発売されると聞いてからずっと楽しみにしていた
犬飼のの先生の作品です。

この作品の主要人物、紳蘭(花東紳羅)は特殊孤児院を出て美貌であるが為に男妓楼へ送られることが決まる…。天遊(宋天遊)は藍華帝国の軍人。

この2人が出逢うことは最初から決まっていた運命…。ゆっくり優しい時間が過ぎ引き寄せられていく距離………しかし終わりは突然やってきて…。

( ^ ^ )/■ぷち感想
2人出逢った頃の穏やかな空気(スイスの山を想わせる)が一変し…突然奴はやって来ます‼︎心の中で妓楼の軍人の時のように進んでいくだろう…と読みながら油断かましていたら『え”っΣ(゚д゚lll)え”えーーっ‼︎‼︎‼︎』と、度肝を抜かれる展開に…(汗)初めて読みました…アレがアアなる…(/ _ ; )涙させるBLが大好きでオススメですが心の準備が…いる…かもです/////それでも読めて本当に良かった♡

12

めちゃくちゃ語りたくなる作品


これはレビューやネタバレなしで読んだ方がいいです、絶対。

かくいう私は購入を躊躇い、ネタバレ覚悟のうえでレビューを読んでしまったのですが、本編を読んでいる最中にレビューの内容がチラついてしまい、思い切り楽しめませんでした…。

犬飼のの先生を信頼して読まなければ良かった…!
信頼できずに本当に申し訳ございません!!と土下座の勢いです。

それくらいやっぱり面白い。

また、今作は「妓楼の軍人」のスピンオフですが、私は順番通りで「妓楼の軍人」→「愛を棄てた金糸雀」をオススメします。


------------------------

ここからはレビューというより、もはや感想です。
※ネタバレかなりあります。



個人的に「妓楼の軍人」がもうすごく、すごく良くて…っ。
本当に理想の攻めで、今のところ同著者の中でNo.1攻めです。

今作の攻めもかなりのスパダリ。
権力も美も兼ね備えて、一目惚れで受けに夢中。
執着もあって文句なしの最高の攻めでした。

物語もすごく面白い!
ただ、お互い知らない7年間が省かれていて、この空白の時間を読みたかった…。
というのが正直な気持ちなのですが、ここを描いてしまうとシリーズになり兼ねないですもんね…。

そして最後の最後…!!
耐えに耐えたラストである種の種明かしが、私の思っていたスッキリ展開ではなかったのが少し、本当に少し心残りでした。
不完全燃焼と言いましょうか…。
真実を知った攻めサイドも見てみたかった…。

みなさんどうなんでしょう…。
これ凄く語りたいです。
でもこういう終わり方もアリですよね…。

あと、攻めの秘密についてはやはり前作と似通っていたものもあり、ちょっと新鮮味は得られませんでした。
それでもいい、面白いから…。

いや~~本当にいい作品を読むと元気が出ます。

1

8年越しの純愛

『妓楼の軍人』のスピンオフ。
前作受けと攻めもそれぞれ少し登場しますが、単体でも読める内容です。

前作同様、日本に似た架空の島国(大和)が近隣の帝国に支配されているという設定の物語。
今回はそこにヅカ萌やボーイソプラノ萌も加わり?、前作以上にオリジナリティ溢れる世界観が作り込まれています。


大和の逆賊遺児で施設育ちの紳羅(受け・15歳)は、隣国の軍人・天遊(攻め・25歳)に歌の才能を認められ、宮廷歌劇団の星歌手を目指すことに。
彼の側近の屋敷に引き取られ、「紳蘭」と名を変え、入団試験の稽古に励みます。

出会って間もなく恋に落ち、一線を越えぬまま愛し合う二人ですが、幸せは長く続かず。
皇帝の弟・王瑠に見初められた紳蘭は、彼に強姦されたあげく睾丸を切除され、彼の妾として囲われることになります。
天遊を守るため、自ら望んで王瑠の妾になったと偽る紳蘭。
天遊を遠ざけた後、彼との別れに人知れず涙する姿が切ないです。

それから8年。
紳蘭は宮廷歌劇団の第一歌手として名を馳せ、中性的な歌声で人々を虜にしています。
そんな紳蘭の舞台を欠かさず観に来る天遊。
今も天遊を想う紳蘭ですが、身体は王瑠のもの。
胸に復讐心を秘め、淫乱なふりをして王瑠に抱かれ続けます。
そしてある日、皇帝への謀反を企てる王瑠を失脚させるべく、天遊に証拠のテープを渡しますが……


8年間すれ違い、その中でも互いへの想いを失わなかった二人の一途さ、健気さが胸を打つ純愛モノ。
受けの処女が攻め以外の男に早々に奪われ、その後もずっとその男に抱かれ続けるという展開は前作と対照的。
何だかんだ「守られている」感が強かった前作受けよりも遥かに熾烈で孤独な境遇にあり、それでも祖国の民と天遊への想いを忘れない紳蘭は大変芯の強い主人公です。

紳蘭の運命を狂わせた王瑠も、大切な人を失った過去を持つ孤独な人物。
彼の同情を誘うようなエピソードを盛り込みつつ、罪は罪として裁かれるクライマックスの展開は大変ドラマティック。
彼への情と自身の使命との間で揺れる紳蘭の決断に手に汗握る展開です。

ラストには、8年の時を経て結ばれた二人の甘いシーンも。
肉体的にも社会的にも、様々なものを失った紳蘭ですが、それでも愛する人と結ばれ幸せそうな姿に安堵しました。

エピローグの天遊とある人物のエピソードは個人的には蛇足だったかな、と思いますが(大物設定がなくても天遊というキャラクターは充分魅力的なので)、前作からの流れとしては成程と思わせる展開でした。

攻め以外との絡み、身体欠損など読む人を選ぶ要素はありますが、ラブストーリーとしては純愛すぎるほどの純愛。
切なくロマンティックな世界観にどっぷり浸ることのできる良作かと思います。

前作と同じ萌×2評価ですが、個人的には前作より好み。
こちらもいつの日かCD化されたら嬉しいです。

17

『妓楼の軍人』とともに読んでいただきたい

犬飼さんに笠井さんの挿絵。そして『妓楼の軍人』のスピンオフと聞いたら買わずにいられようか、ということで手に取ってみました。内容はすでに書いてくださっているので、感想を。

『妓楼の~』はなんだかんだありつつも受けさんが攻めに守られている感が溢れていて甘い雰囲気でしたが、こちらは受けが「これでもか」という位切ない目に会っています。

初っ端の出だしの雰囲気はとても好き。
もともと良家の子息だった紳羅が男妾になるところを、そのビジュアルと歌声を買われ天遊によって救い出され、そして二人の間に恋が芽生える。
何とも甘い空気でグッと引き込まれました。

が、その後皇帝の弟・王瑠にレイプされ、去勢され…。
自分の不運を嘆きつつ、それでも両親の敵を討つためと、愛した天遊を守るため王瑠の愛人として過ごす紳羅。

紳羅の、この気持ちの切り替え方が非常に男前。男前なのですが、それ故に甘い空気にならない。
ここで、紳羅と天遊が、王瑠の目を盗んで通じ合っていれば甘い空気になったと思うのですが、天遊を守るために自分の気持ちを押し殺して紳羅が彼に冷たい態度をとるために何とも物悲しく痛々しい展開になってしまったのかな、と。

紳羅と天遊が出会い恋をし、そして王瑠によって引き裂かれるまでの期間はごくわずか。
そして、離れ離れになった後は、ほとんど接点もなく過ごしていきます。
それなのに7年間もお互いを愛し続けられた、というストーリーを、純愛と取るか、理解できないと取るか、でこの作品の評価は分かれる気がします。

紳羅をレイプし、強引に自分の愛人に据える王瑠は『悪役』そのものなのですが、最後、謀反人としてとらえられた王瑠が紳羅に対して自分の気持ちを切々と訴えるシーンに、ちょっと彼が気の毒になってしまいました。

『妓楼の軍人』のスピンオフで、時系列としてはこちらが先になります。前作未読でもこれ単体でもちゃんと理解できます。理解はできるのですが、読み進めていくうちに『妓楼の~』とリンクする部分がどんどん読み取れ、さすが犬飼さんといった感じ。作家さんとしての技量に圧倒されました。
『妓楼の軍人』と合わせて、ぜひ読んでいただきたい作品でした。

ストーリーの展開としては王道で、最後はちゃんと結ばれる二人ではありますが、いかんせん途中の経緯が痛すぎますし、攻め以外の男性に(しかも『初めて』も)奪われる、という展開なので、苦手な方もいらっしゃるんじゃないかなと思いました。

作品としては文句なく神評価なんです。
が、紳羅が可哀想すぎちゃって。ストーリーの8割くらいが痛いストーリー展開なので『萌え』という点ではさほど萌えなかった、というか。

なので評価は迷うところなのですが、☆4つで。

5

こっちの方が好みかも

電子書籍版を購入。
表題作の「愛を棄てた金糸雀」、二人のその後を描いた「久しき花」(蓮が登場)、電子限定おまけの「愛を歌う金糸雀」(芙輝が登場)が収録されています。


スピンオフということで、本作を読む前に『妓楼の軍人』を読み返して復習しようと思っていたのですが、時間がなくてそのまま読み始めることに……。
すっかり設定を忘れていたので、「あー、はいはい、そんな話だった」と思い出しながら読み進めました。

本作だけでは、細かな設定はわかりにくいので、『妓楼の軍人』を読んでからの方が、より世界観に浸れると思います。

で、感想ですが……「はぁっ」の一言です。
マイナスな意味じゃないです。
なんというか、読んでいるうちに、肩に力が入りすぎてしまって……
読み終わって、やっと、一息つけるって感じ。

長い年月を積み重ねた、愛の物語です。
スピンオフだからか、『妓楼の軍人』と同じような話の運び方で、既視感あふれますが、こっちの話の方が、やや好みでした。

4

衝撃的な展開

犬飼さんって、美しい受けが攻め以外の男共に貞操を奪われそうな設定でも間一髪で守られ、なんだかんだで攻め以外とは致してないという話の多いイメージの作家さんでしたが…これは違います!

15歳の美しい受けが年上の美丈夫攻めと相思相愛になり、最初は痛くないようにと体の下準備も着々と進め愛を育てながら初体験目前という時に受けは他の男に純潔を奪われます。身分だけは高く性格の悪いカッコよくもない48歳のおっさんに。無理矢理陵辱された上に勝手に身体を手術して変えられ…その上、愛する攻めの命を守るためにその後7年間も大嫌いなその男の愛人でい続けます。自分の本当の気持ちは殺して悪女を演じながら。

ものすごく可哀想なんですが、この根性ある不憫受けに萌えました。同人時代は受けが可哀想すぎる設定を書かれてた方だとどこかで見たのでたまには商業でこういうのも新鮮です。最後に報われるという前提ですが。そうじゃないと可哀想すぎる。

このように受けは健気受け代表みたいな頑張り屋さんですが、攻めはと言えば後の番外編で本当の身分が明かされ、受けを救おうと思えば救える状況だったのに7年間放置したというのを知ってドン引きでした。なのでこの話の受けは好きだけど攻めは私には愛せない人でした。

受けが純潔を奪われた感想しか書いてなかったけど、王朝のある中華風ファンタジー+軍国時代の日本風ファンタジー楽しめました。犬飼さんらしい独特の世界観です。

2

なかなか痛い展開の中華浪漫

大和帝国の家族の遺子である紳羅(受け)は、敵国藍華に囚われ、妓楼へ送られる身であったところを軍人の天遊(攻め)に救い出される。宮廷歌劇団の歌い手になるべく天遊の元で励んでいたが、紳羅の美貌を見初めた王弟に攫われる。母国の敵だった王弟に復讐するため、そのまま王弟の元にとどまり復讐の機会を伺う紳羅だったが…。


『妓楼の軍人』のスピンオフです。同じ世界観の話で、前作キャラクターも出てきますが、こちら一冊でも問題なく読めます。

さて今作ですが、とにかくアップダウンの激しい話だったという印象です。
ネタバレ防止のため内容については詳しくは触れませんが、途中の展開が痛いやら萌えないやら非常に許しがたく、そこで評価が個人的に一旦地に落ちました。この作品の評価欄を見たら高い評価と低い評価で真っ二つに割れていますが、そういうあたりが許せるかどうかが理由かな、と思います。私個人の意見としては、そこで「しゅみじゃない」レベルに落ちたけど、そこから何とか「萌」くらいまでには持ち直したかな、という「萌」評価です。

そのへんの衝撃展開はネタバレなので置いておいて、他の部分で気になった点、良かった点などを。
受けが攻めに惹かれた理由が少し弱いかな、と思いました。自殺を覚悟したところから救われた、という感謝はわかりますが、敵国の軍人なことにかわりはないですし、そもそも自分の命をいつ捨ててもいいと思っているような受けなのに、そこから救い出されたというだけでそれほどまでに惹かれるかなぁ、と。
あと、攻めが「自分が昔好きだった人と受けが似ていた」というのは誰のことなのかな、と思いました。(読解力不足で、どこかで出てたらすみません) 最初はわからなくて、受けの母? とか思ったけど、あとあとの王弟の展開見たら王弟が昔好きだった人と同一人物なのかな、とも思ったり。謎が解けなくてちょっとスッキリしません。

良かった点は、展開が読めなかったこと。王弟に攫われるのも、萌える萌えないは別としてびっくりだったし、最後に明かされる衝撃の事実も、途中でそうかな、とかすかに思ったりはしたけどまさかな、と思い直したことだったりしたので、うまく騙されました。

グラフにするなら最初が萌×2、その後しゅみじゃない、そこからじりじりと萌まで上がった、というような盛り上がり曲線でした。

7

あーちゃん2016

はるぽん様
こんばんは。
私もはるぽん様のグラフに一票!です~
私は全く展開よめず、最後の最後に え? でした(笑)
まだまだ修行が足りません・・・

はるぽん

カナたんさん
コメントありがとうございます。
今冒頭部分を読み返して「これか!」と思いました。(笑)
正体もつながりました。
おかげで謎が解けました。ありがとうございます。

カナたん

攻めが好きだった人は、冒頭の笛吹き美少女ですよ!!
王弟が好きだった女性の娘です。
笛吹き美少女の正体はギロウの軍人を読むとわかりますよ!!

ちょっと長かった・・・

笠井先生のイラスト目当てと「妓楼の軍人」がめっちゃ好みだったのでget。
うきうきして読み始め、案の定、息詰まる展開になってきたーと思ったら。

あらら、まさかの痛い展開でした。
私だったら刺し違えるな。忍耐強くないんで。

そこから最後までがちーと長かった。
いつ起死回生の逆転打が出る?いつ?いつ?
(絶対残りはあまあまショートだと思い込んでた)と思って読んでんのに
まあ最後の最後の方まで、ひっくり返んないんだもん!!!!

妓楼の軍人も結構息詰まってたけど、
あっちは 触るな!ってぐらい嫌いな奴が深く関与してこなかったから
じりじりしながらも、うきうき読めてました。
こっちはなあ。。。ほんと触んな! でしたよん。うりゅ(TT)

ということで他のお姉さま同様、
萌2 → しゅみじゃねー ぐらい →萌 てな感じです。

そうそう(笑)学習したから、最初から扉絵はカバーに挟み込んで
開かないようにしてた私。
家で開くと あーらびっくり、やっぱ公衆前解禁不可じゃん な絵でした!
補正はないかもしんないけど、肌色一色~。
先生の描かれる美麗な衣装は、表紙と 中のモノクロでご堪能ください。
舞台衣装の受けさんが描かれてる絵はカラーで見たかったなあ・・・

2

あーちゃん2016

はるぽんさま こんばんは。

たしかにインパクト大ですね。
いまだにインパクト大の作品№1は?と聞かれると
あの「白雪姫の息子」ですもんね・・・

あれを超える作品はなかなか出てこない~
ちょっと戦々恐々としながらもつい手に取ってしまう
のの先生&笠井先生の組み合わせ。
私的には、円陣先生やみずかね先生と並ぶ 最強コンビです。

はるぽん

あーちゃんさま。
萌え曲線が同じでうれしいです。(笑)
犬飼ののさんの作品は、当たり外れがあるけれど、どれもインパクトが大きいですよね。

イヤになって、途中から斜め読み

読む人を選ぶ作品だと思います。
読みようによっては、「長い時間をかけた純愛」
ではないかと思いますし、
私のように「心ならずとはいえ、長年攻めを騙しまくった受け」とも
思えます。

受けが憎む相手に愛の睦言を囁き、
抱かれ続ける姿が多く出てきて、それにだんだん嫌気がさしてきました。
早く、攻めとの絡みが出てこいよー!
ちょっとくらい、救いがあったっていいじゃないか!
そう思いつつも、なかなかその場面は出て来ず…。
で、途中からパラパラパラーっとあまり読みもせずページをめくり、
読了…となりました。

◆◆◆

≪CP≫
皇帝に仕える軍人・天遊 × 逆賊遺子で歌手・神蘭

物語はほぼ神蘭(受け)視点で進みます。
神蘭に、これでもかこれでもかというほど辛い試練が
降りかかり、その度に神蘭は涙で打ちひしがれます。
しかし神蘭は前を向き、天遊(攻め)を守るために
憎む相手に長年、愛の睦言を囁き続け、抱かれ続けることを
善しとし、天遊に嘘をつきながら拒み続ける…というのが
本編を大きく占める中盤の流れです。


序盤はとても好ましく読めました。
15歳で美しいボーイソプラノを持ち、また美しい容姿の神蘭。
自害をしようと心に決めていたところを救ってくれたのが
皇帝に仕える軍人・天遊でした。
桜の木の下で歌う神蘭に心酔う天遊。
精通すらしたことがない神蘭に初めての精通を促される神蘭。
全てが甘くて、見ていて溜息が出ます。
たった3週間の天遊と神蘭との逢瀬。
しかし、それは無残にも打ち砕かれます。

神蘭は皇帝の弟・王瑠に拉致され、強姦され処女を
奪われてしまいます。
手弱女のようにしとやかで幼く、いとけない受けですから、
貞操と言う点でいえば、物語に出てきた時点で
受けが処女であれば、やっぱり処女は攻めに捧げて欲しいのに、
こんなにあっさりと悪の手で奪われてしまうのは、
やっぱり怒りを禁じえないですし、ガッカリします。
なおかつ、睾丸を知らぬ間に切り落とされてしまうという、
受けにも読者にもショッキングな出来事があります。
ええええ、エッチの時どうするのー!?
精液が出てこないのに、これでBLって成立するの?
ってか、何故サオだけ残したんだ??
お情けって言ってたけど、こんな中途半端に切り落としといて、
お情けになってるのかどうか…。

その後、皇帝の弟という地位を利用して王瑠は
言うことを聞かなければ、天遊に害を為すと宣言します。
それに心ならずも従う神蘭。

そしてそれが7年!! も、続きます。
7年もの間、神蘭はたった1人の人・天遊を想い続け、
また天遊も神蘭1人を想い続けます。
これは、いささか無理があるのでは…?
たった3週間で小さく育まれた愛が、7年間も貫き通せるでしょうか。
お互い、既に諦めきっている相手に対し、それでも
純愛を捧げ続けることができるでしょうか。
うぅーん、いやー、それは難しいと思いますね…。

神蘭が強姦され、睾丸を切り落とした王瑠を憎む…という
ストーリーは十分理解できます。
しかし、天遊(攻め)も神蘭(受け)に拒絶されながら
7年間も片想いを貫くのは、いささか無理があるように思えます。


しかし、ラストはハッピーエンド。
勿論、濃厚エッチもあります。

しかし……ここではもう無視されていますが、
天遊って妻子がいるんだよね…。
最初から冷え切っていると説明があるとはいえ、
それが頭の隅に引っかかって取れませんでした。

そして、ラストのラスト。
「妓楼の軍人」で出てきた人物が登場し、
全ての謎がつながるという場面がでてきますが、
これは「妓楼の軍人」を読んでいない人には
殆ど関係ない為、余計混乱を招くのでは?と思いました。

◆◆◆

評価としては「しゅみじゃない」にしたいところなのですが、
序盤の流れは好きだったんですよね…。
あんな甘々がずっと続けば、とは思いませんが、
受けに次々と降りかかる試練があまりに酷かったです。

序盤の良い流れのことを考え、「中立」とします。

9

受けが女性

受けが女性にしか見えません

0

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