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are ga nai hito no kuni
電子書籍で読了。挿絵なし、あとがきあり。
異世界トリップものです。
『アレ』があるばかりに王子の嫁として召還されてしまい『アレ」はなくともあっちの方はある王子との子作りを強制されるという理不尽な出だしなのです。王子は素っ気ないし、佳里也くんは怒っているし(まあ、当然ですよね)結構読み進めてもロマンチックの欠片すらない。
「これをどうやったらLOVEに持って行けるのか?」と心配に……(笑)。
『嵐のような恋(陳腐な表現でごめんね)』ではありません。
少しずつ相手のことが解っていって「こいつ、いいやつだな」って思う様になって、夢や人生観を知って、信頼できる様になって、気づいたら好きになっていたという様な、緩やかな恋だと思いました。
いや、ドタバタコメディではあるのですよ。
下記が一番吹いた所です。
(リキャルドが浴室から出て来た半裸の佳里也を見て)
「男だな」
だから、何回もそういっているってばさ(笑)。
タイトルからスケベな妄想を色々と繰り広げていたのですが、予想に反して「そこがないのか!!」と、ひとりで激しくツッコミ入れてしまいました。
松雪さんですからそうですよね、そういうのもアリですよね。
ということで、アレがない人々の暮す国にある日突然異世界トリップした受は、そこの国の王子の子供を産んで欲しいと半ば強制的に拉致監禁されてしまいます。
自分は女性じゃないという訴えも虚しく、かみ合わない国の人達に辟易しながらも、なんとなく意気投合した攻とのトタバタコメディです。
軽快な文章とテンポのいい会話で、すいすい読めてしまうのがこの作家さんの好きなところなんですが、今回は持ち前のコメディ部分が少しパンチが弱かった気がします。
アレがない部分についてのやり取りなんかは凄く面白くて、随所で吹き出したりもしたんですが、何となく物足りないなー……というか、自分の中でハードルが上がってるのだと思います。
最初は嫌々一緒にいたはずの二人が徐々に惹かれ合い、気がつけば両思い。万事解決! みたいな流れは見事です。ファンタジーBLのお約束もしっかり書き込まれており、突飛設定の中で王道を練り込んでくるあたり上手だなと思いました。
個人的には後日談の攻視点のお話が好きです。
イラストもファンタジー向きの美しさで満足。
1冊ぜんぶ表題作です。佳里也(受け)の視点で進みます。
ぱっと見ではありそうだけど、自分達とは違うカラダを持った者達が住まう異世界ファンタジーであることと、主人公が現実世界で学んでいたことが役に立つという点が、同じ幻冬舎コミックスで出ている「ウサギの国」シリーズと似たような感じがしました。
といって、ウサギの国シリーズが好きな人にお勧めかというと、ビミョーなところです。離れ離れになったり誤解するような、切ない展開がないというのが一番勧めづらいポイントでしょうか。
ウサギの国シリーズでは乳首が無かったのですが、この作品で無かったアレとは…予想外でした(笑)でもなぜ佳里也を女性と間違えたのがスムーズに納得できました!
全体の半分過ぎまで、佳里也とリキャルドは一部屋に幽閉されているのですが、その間に食事に催淫剤をもられます。ただ、そればっかりで五日間というのでなく、もっと魔道師達があれこれ策を講じて、二人が一致団結してそれに対抗するうちに…という方が面白かったかなと思いました。ただ、佳里也がドレスに抗うのや、ドレス姿で涙目のイラストは可愛かったです。長髪カツラのイラストも見てみたかったです。
健気な性格で可愛らしい容姿でなく、うたた寝してよだれも垂らす佳里也が主人公なのは面白かったと思います。リキャルドが惹かれていく場面が複数個所にあるのも、告白が唐突に感じなくて良かったです。
異世界ファンタジー、王子攻め×強面受けがお好きな方にお勧めだと思います。ただ、カワイチハル先生のイラスト自体が、雰囲気が可愛らしいので、職質されるような佳里也の強面ぶりは文章で楽しむことになります。
大学で造船工学を学んでいるカリヤ(受け)は、ある日突然異世界へ召喚されてしまった。その世界では女性が死滅してしまい、子孫を残すために異世界から女性を召喚したのだという。って、おれ男なんですけど⁉︎
なぜか異世界の人々は、女性っぽいどころかコワモテのカリヤを女だと疑いもしない。それどころか、王子であるリキャルト(攻め)と子作りしろと、ふたりまとめて部屋に監禁されてしまい…。
どう見ても男である外見のカリヤが女だと思われた理由は、この国の男にはないものがカリヤには付いていたからです。
…という設定をあらすじで読んだときは、てっきりち○こだと思ってました。でもち○こあって女と思われるのも変だな…とか。
そしたらまさかのアレ。ええっ攻めにはアレがないの、とドン引きしましたよ。松雪さんは以前にも乳首がない異世界人を書いておられましたが、よっぽどこういう設定がお好きなのか…。
異世界到着直後、女と間違われた受けが「俺の股間にはちんこと肛門しかない!」って叫んだときは笑ってしまいました。受けはかなりキャラが立っててよかった。
でも攻めがちょっと印象薄かったかな。印象というか、よくわからない。攻めだけが受けを男だと思って「これ男じゃないか! 男と寝るなんて嫌だ!」って言ってるのはいいけど、そこから受けを好きになるまでの流れがいまいちわからないというか、納得がいかず…。それまではまったく眼中になかったのに、女装させられた受けを見て動揺してる様子だったのにも萌えなかった。
全体的に、ギャグでニヤッとするところはあるけど、萌えがない気がしました。媚薬盛られて云々のときも、薬の効き目にギリギリ耐えるような色っぽさが欲しいのになんかやっつけ仕事みたいだし、受けのおもらしもあっさりで、もったいなかった。
あと、いくらファンタジーとはいえ、なんの説得力もない設定がなんでも許されるわけじゃないと言いたい。特になんで言葉が通じるのかとかは、魔導師の力によるものとか、適当でいいから理由つけといてほしかった。
アレがない人の国…一体ナニがないの??と興味津々で読み始めたら、意外な答えに思わず笑ってしまいました。
シュールかつ淡々とした世界観がいかにも松雪さんらしい一冊です。
大学生の佳里也(カリヤ・受け)は、ある日突然異世界にトリップ。
女性が絶滅した世界で、王子のリキャルド(攻め)と子を成すための「乙女」として祀り上げられ…というコメディ。
カリヤは人相が悪くどう見ても男なのに、なぜか異世界では皆カリヤを女性と信じて疑わない。
異世界ではカリヤは小柄な方だから、という理由に加え、この世界の人々には先天的にアレがないため、カリヤのアレを女性器のそれと勘違いしているのですw
そんな中、一人だけまともなのが王子のリキャルド。
カリヤを男と見抜く彼ですが、国王を始めとする多数派のパワーには勝てず、子作りのためカリヤと二人きり部屋に閉じ込められてしまいます。
口下手なカリヤと、男に興味のないリキャルドとでは、当然何の進展もなく。
食事に催淫剤を盛られても淡々と各自処理するのみ。
「寝るのか」「ああ。眠い」
「きたか」「ああ。食うぞ」
みたいな愛想の欠片もないやり取りが可笑しいです。
そんな二人ですが、リキャルドの夢(新大陸発見)とカリヤの得意分野(造船工学)が一致したことで意気投合。
さらに、他国の王子にカリヤが言い寄られたことで、リキャルドは嫉妬心を露にし…
と、物語終盤でやや強引にBL展開に持っていかれた感じです。
シュールな空気はツボだったものの、ストーリー的には引っかかる箇所がチラホラ。
カリヤは元いた世界に未練はないの?
とか、
リキャルドはいつの間にそこまでカリヤを好きになったの?
とか、釈然としないものは残りました。
一つ一つの小ネタは面白いものが多く、特に異言語同時吹替機能には笑いました。
異世界の言葉は自動的に日本語に翻訳されるけど、映画の吹替のごとく言葉と口の動きがズレているという…
そんなんでリキャルドの愛の告白を真剣に聞けるの?とやや心配になりましたw
タイトルから期待したほどの大爆笑はありませんでしたが、そこここでニヤニヤでき、コメディとしては手堅い一冊かと思います☆