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nusubito ni ai no wana
施設で育ち、同じ施設で過ごした幼なじみを病気で亡くした燿(受け)は、道楽でギャラリーカフェを開くかたわら、悪徳政治家の裏金を盗んで慈善団体へ寄付するという義賊行為を続けている。そんな折、燿は店を訪れるようになった勅使河原(攻め)と仲良くなるが、盗みに入った先に現れた正体不明の同業者と勅使河原の印象が重なるような錯覚を覚え…。
同業者(仮)という攻めの正体はあらすじからもわかるので、謎解き的な楽しみ方はないのですが、予想外にいろいろ楽しめた作品でした。幼少期の受けと幼なじみの可愛らしい初恋、受けの怪盗シーン、攻め×攻めカプ的な楽しさ、正体がバレてからの丁々発止のやり取り。
ワクワクさせられるお話でした。
まず何と言っても受けが男前なのがいいです。長身でかっこよくてケンカが強い、政治家の裏金を暴いて孤児施設や病気の子供に寄付する義賊。施設でともに育った初恋の幼なじみが心臓が悪く、急に容態が悪化して施設からいなくなったのを死んだのだと思っていて、幼なじみと同じような境遇の子を助けたいというのが行動原理です。幼なじみがいなくなったときの様子や、ラスト近くに政治家に礼を言う受けの姿には思わずうるっとしてしまいました。
一方、大企業のCEOである攻め。読者には最初から、受けに近づくのに思惑があるという情報は提示されています。育ちがよくおっとりとした印象だったのが、やがてワイルドで腹黒い、食えない男の正体が現れてきます。
受けのオトコマエさと、攻めのギャップに痺れました。盗みを働く受けが捕まらないかどうかにもすごくドキドキしました。
受け攻めどちらも長身でがっしりした体格の男前なのですが、そのイラストが小山田あみさんだというのがまた萌えたぎりました。細マッチョな胸板とか、ピッタリしたライダージャケットとか、もうもう眼福すぎます。ガッシュ文庫なのでカラー口絵がないのが惜しかったけど、表紙と挿絵だけでも十分堪能できました。
エッチシーンがやや少なかったのは残念。でもよくまとめあげられたエンターテイメント作品でした。個人的にはめちゃめちゃ楽しめました。
あらすじ:
昼はギャラリーカフェ経営、夜は怪盗として政治家の裏金を盗み、その金を匿名で養護施設に寄付している燿(受け)。
ある日、彼の店を客として訪れた青年実業家・光騎(攻め)と仲良くなり…。
作品データの方のあらすじで光騎の正体が一部ネタバレされていますが、一応本編では物語後半まで謎が引っ張られています。
といっても、物語前半で既にオチは見えてしまうので、先にあらすじを読んでしまっても特に問題はないと思います。
施設育ちの燿には、初恋の相手(美少年)がいて、彼が病死してしまったことがトラウマとなっています。
お金さえあれば彼は助かったのではないかとの想いから怪盗をやってきましたが、光騎と知り合ったあたりから、怪盗の仕事を度々何者かに妨害されるように。
ここまでの流れから、光騎の正体はかなり読者にはバレバレかと思います。
主人公の燿だけがなかなか気づかず、光騎に初恋の相手の話をしたり、怪盗稼業がうまくいかないことに苛立ったりしているので、読者としては少々まだるっこしい展開。
光騎のキャラが、正体が判明するまでは品行方正な紳士なので、そっちでイメージが固まってしまうのもややマイナス。
ラスト間際で実は腹黒執着攻めでしたと言われてもあまりピンと来ず、いまいち萌に結びつきませんでした。
絡みもラスト一回のみで、結ばれた後の余韻に欠けるのが惜しい感じです。
長身イケメン同士というカップリングや、燿の強気なキャラ、フォトギャラリーカフェのお洒落な描写など、いいなと思える要素は多かったのですが、ストーリー展開にはもう少し工夫が欲しい気がしました。
小山田あみさんの挿絵はいつもながら素敵で、男前×男前という攻受のキャラ設定にぴったりでした。