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takurami no ai
たくらみシリーズ第二部第三巻です。
とりあえず第二部はこの「たくらみの愛」で完結です。
とりあえずと書いたのは、来年には第三部がスタートするらしいからです(笑)
奥多摩の練習場が襲撃され、それが金子の手引きによりなされ、三室は監督不行届が原因で処分されるところを庇った罪と、元同僚の峰を匿っていた罪を償う罰で高沢(受)は櫻内(攻)に地下に軟禁され…というお話です。
といっても、高沢が自発的に罰を受けているのですが…
とりあえず、色々と勃発していた事件の黒幕が判明しますが、当初から薄々思っていた通りの人物でした。
櫻内も結局は初めて再会した時から彼の裏切りを見抜き、信用させて尻尾を出させ、高沢からも嫉妬を引き出し気を引きたかったとは…どれだけ櫻内は高沢の事を愛しているのか、どれだけ策略家なのか、もう本当に凶悪なんだけど独占欲が可愛い(笑)
また高沢が色恋に対して、特に自分の感情に対して鈍感で無自覚、そして無自覚に周りをタラシている高沢である為に櫻内もらしくなく必死さが見えてそこがいいんです。
無自覚天然に振り回される泣く子も黙る櫻内。
冷静で冷酷、どんな事態にも慌てる事なく処理する事が出来るのに高沢が絡むとそれが崩れる。そのギャップがこのお話の好きな所で、今作ではその部分が沢山見られて良かったです。
櫻内の唯一無二の存在である高沢だけが自分の価値が分かっていないのが可愛いくも高沢らしいというか、天然ぷりに櫻内も益々愛おしく思うのでしょうね〜。
読んでいる方は、おいおい何で分かんないかなぁと突っ込みを入れっぱなしでした(笑)
八木沼組長は今回もいい味を出していました。
もう少し出番があったらもっとおもしろかったかも(笑)
シリーズ第七作目(第二部の三作目)。
来年発売の新刊から第三部が始まるとのことで、第二部は本作で完結です。
組に追われる元同僚を庇った高沢。
櫻内を裏切った自身を戒めるため、自ら望んで地下に監禁され、櫻内の責め苦を受け続けます。
とにかく感情の波が小さく、良くも悪くも鈍感な高沢ですが、少しずつ人間らしく(受け受けしく?)変化しつつあるように思えます。
櫻内と風間の仲に嫉妬するあたり特に。
元刑事が強引にヤクザの愛人にされてもどこか淡々としているのが面白かったのですが、第二部ではそうした高沢の個性は鳴りを潜めています。
そんな高沢を掌で転がしているようで、その実もの凄く執着している櫻内。
高沢の気を引くためあれこれ策略を巡らせたり、高沢に接触する男たちに(密かに)嫉妬していたりと、今回も独占欲全開でした(相変わらず高沢には伝わっていないようですが)。
真珠プレイのゴリゴリ感は今回も健在で、真珠を入れた美人攻めというのは何度読んでもギャップがあって良いものでした。
しかし、第二部完結の割に、二人のやり取りのテンションは低いまま(というか長い会話はほとんどない)で、やや盛り上がりに欠けるところも。
高沢が櫻内を自ら誘ったところは進歩でしたが、もう少し互いに想いを吐露してくれても良かったような。
高沢の内面が変化している割に、意思表示は相変わらず控えめなので、クライマックスのベッドシーンにどうもスッキリ出来ませんでした。
もはや言葉にせずとも何となく安泰な関係となりつつある二人ですが、強引に愛人にされたところから始まっているだけに、このまま大人しく愛人の立場に慣れてしまうのは面白くないような……
第三部では、喧嘩なり高沢の軽い反撃なり、新たな展開を経て更に強固な関係となる二人が見られれば良いなと思います。