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殺人事件で暴かれるそれぞれの想い
kyouhansha no housoku
2016年刊。
いおかさん得意の事件もの&バディもの。
捜査には熱心なのだが、誰もスタンドプレーを制する事が出来ないせいで周囲から持て余し気味の刑事・尊(たける)。
そんな尊でも、コンビを組んでいる越谷とは無駄な気を使わずに息が合うようだ。
この話の殺人事件では、被害者が尊の初めての相手(しかもセフレ)と知り、彼自身は戸惑いを見せるものの過去の若気の至りと割り切って淡々としている。
捜査上、被害者・本宮が名古屋から東京に出てきた15年の足取りを追う中で、越谷に押し切られる形で身体の関係を持つが、それをきっかけに越谷が尊に惹かれていったようで…
読み終えた後に率直に感じたのは、尊って周りの男達が放っておかない顔立ちなんだなと…
いおかさんの書くイケメン受けって大抵己の顔に無頓着なんだが、この話の尊は刑事らしからぬ魅了ぶりを振り撒いている。
15年前からの本宮の執着しかり、己がゲイかどうか迷った越谷しかり。
普段はサバサバしているのに、いざ越谷から告白を受けて、今までの延長で公私ともに付き合っていけばいいのに、素直に受け止められない尊のはもどかしさを感じてしまった。
まぁ、二度目のエッチもきちんと合意を得たうえの流れだし、身も心も気の合う相棒が恋人に昇格して何より。
最初は尊を目の上のたんこぶ的存在に扱っているふうだった同僚の刑事達だが、事件後には苦笑いというか『しょうがないなー』って感じで尊と越谷コンビを容認している空気に変わったっぽいのも何よりだ。
1冊ぜんぶ表題作です。尊(受け)の視点で進んで行きます。
尊はスタンドプレーが過ぎることから相棒が固定しなかったのですが、一年半前に越谷(攻め)と組んでから落ち着きます。そんな中、殺人事件の被害者が、尊が15年前に関係をもった相手だとわかって…という話です。
まず思ったのは、年齢が高いなということです。30代が「オヤジ」扱いの時代を振り返ると、こんなにカッコイイ30代なのに、二人が20代後半の設定でも問題ない内容だったのがちょっともったいなく感じました。特に尊はもっと過去に色々あったら越谷の特別感に厚みが出て良かったかも。
主人公の尊があっさりとした性格のためか、襲われた危機の場面でも、秘密がばれそうなドキドキも、あんまり感じませんでした。越谷がまた白馬の王子様のごとく颯爽と現れますし。個人的には「髪型が似ていた」のとソファの買い替えでもめるのが面白かったです。二人のイケメンなイラストも私は好きです。
意外性は少ないですが、その分安心して読めます。ひとつの殺人事件が起こり、捜査して、犯人逮捕&二人が恋人になるまでの三日間がすっきりと書かれています。あれはどうなったの?というもやもやがないのが見事だと思いました。コミカルとまでは行きませんが、軽く読める安定した面白さといった感じの作品です。
ひさしぶりにいおかさんの本を読みました。
警察系、バディものがお得意なんで楽しみに……
いおかさんらしく受け攻めともに男っぽいです。
会話が男ですね。
受けが女っぽくないのがいおかさんのお話のいいところ。
今回もいい感じに「男」でした。
見た目ハデ男と懐でっかいな男。
男×男ですが、エロエロしさはほぼないです。
恋愛あっさり。事件も案外あっさり。
淡々と話が進むのはいつものいおかさんだなーと思いました。
さくっと読みやすかったです。
ちょっと残念だったのがイラスト……
カワイチハルさんは嫌いではないのですが、外見が派手な御厨がなんというか……
昭和テイストというか。今風じゃないというか。
お話に合ってるといえば合ってるんですが、ちょっと微妙な感じでした。
しばらく離れてました。たぶん昔の作品は、ほぼ全部読んでると思います。昔は結構好きでした。リロードシリーズが、リバ好きとしてはいつひっくり返るんだろうって思いながらがっかりして(そもそもリバを書かれる方じゃないのでひっくり返るはずがなかった)、いつの間にか読まなくなってました。
久々に読んで、事件があって、男×男っぽさが出てて、いおかさんだぁ〜〜と楽しく読みました。イラストも、髪型のせいで尊が一昔前の美形に見える以外はとても好みで、よかったと思います。ただ、あまり甘さがなかったので(それが特徴でもあるんでしょうが)萌えたかといえば微妙でした。お話としては面白く読んだのですが。
読みやすいので、ちょっとした合間に読むには最適だと思います。
いおかさんでバディもの……と楽しみに手に取った。
最初の感想は、B-Princeってこんなに字が大きかったっけ?
……という感じで、なんだかものすごくライトにサクサク。
派手な外見、単独行動ばかりを好む些か問題刑事の御厨と、
そんな彼と相棒を組めている(いられる)おおらかな越谷。
ある殺人事件の被害者が、御厨が高校時代のセフレだったことから
それを隠しつつ事件解決に向けて動く二人……
その中で越谷と御厨の関係が変わっていくというお話。
男前な二人のキャラはなかなかに好みだし、
いかにも男同士のロマンチックじゃないやりとりもツボだが、
どうも全体に事件ものとしても恋愛ものとしても物足りない。
逆に言えばバランス良く軽いので、読みやすいとも言える。
カワイさんの挿絵は悪くなかったのだが、御厨の髪型のせいか
妙に懐かしいというか、若干古臭い印象が……
それもあってか、全体に新鮮味がない印象だったのが残念。
髪型、私も思いました。設定通りなんでしょうけど、めっちゃ美形なんですけど、一昔前の感じが……。
電子書籍を購入しました。
まるまる1つのお話です。
この作者の作品は、『リロード』、『トゥルース』、『恋する証拠を確かめようか』を読んだことがあり、本作で4冊目。
『リロード』、『トゥルース』が物足りなくてご都合主義的な展開に感じて残念だったので、この作者は自分とはあわないと思っていたのですが……。
うっかりあらすじを読んでしまい内容が気になり購入。
前述の作品の中で一番良かった!
サスペンスも、ラブもほどよい感じ。
あっと驚くような謎解きがあるわけではないのですが、加害者や被害者の気持ちについて、ある程度書き込まれているし、ラブについても、ちゃんとお互いの関係の変化や気持ちも書かれています。
その書き込み具合が、前述の他の作品より丁寧で良かった。
私の好みでした!
購入して良かった。
自分とはあわないと敬遠せずにチャレンジして良かった。
巻末の試し読みの『不機嫌なデンティスト』も面白そうだったので、購入してみるつもりです!
捜査一課所属の御厨(受け・表紙右)は、刑事らしからぬ華やかな容姿とアウトローな性格で、署内でも異色の存在。
ある日、元セフレの男が他殺体となって発見され、その事件を相棒の越谷(攻め・表紙左)と捜査することに。
同い年の男前同士のバディもので、2時間サスペンスのようなコンパクトな展開に、いおかいつきさんらしさを感じる作品でした。
御厨は、殺された塾講師と学生時代に身体の関係があったものの、講師への特別な感情は特になし。
基本的に恋愛に関してドライで、捜査でも単独行動を好むマイペースな性格です。
そんな御厨に相棒として唯一付き合える越谷は、温厚で包容力のある男前。
御厨と違いストレートですが、今まで本気で女性を愛したことはなく、自身のセクシュアリティを確かめるため御厨に誘いをかけます。
そして一度寝たら本気になってしまい…という何のひねりもない展開に、いささかガッカリ。
すぐ告白するならまだしも、犯人に御厨が捕まって、それを救出して〜というクライマックスを挟んだ上でのこの告白なので、え、引っ張ったわりにこれだけ??とかなりの物足りなさを感じてしまいました。
二人の相性の良さ、越谷の人柄の良さは最初からずっと一貫しており特に紆余曲折もないので、ラストまでくっつかない展開の遅さに違和感があり、やや間延びした印象も。
御厨が拉致されても犯人に強気な姿勢を貫くシーンや、
越谷が御厨にゴムを買いに行けと言われ素直に応じるシーンなど、
キャラクターに魅力を感じる場面は多かっただけに、類型的なストーリー展開が非常に勿体なく思えました。