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ゴミ捨て場で色男を拾ってしまい!?
fukanzen de kanpeki na kiss
1999年の作品の新装版。
同日発売の同じく新装版「モーニングキスをよろしく」とは、書き下ろしSSで少し物語がリンクしています。
あらすじ:
コンビニでバイトするフリーター・純輝(受け)は、ごみ捨て場に捨てられていた謎の年下男・格(攻め)をなりゆきで拾ってしまう。
なぜか純輝の名前を知っている格は、そのまま部屋に居座ってしまい……
受けが謎の男を拾うという冒頭の展開は、同日発売の新装版「モーニングキスをよろしく」と同じ。
しかし本書の場合、攻めの正体が物語のキーポイントとなっており、それが明らかになるタイミングで受けのトラウマも分かる…という点で展開が捻ってあります。
フリーターの純輝は悪い人間ではないけど、目標もなくコンビニバイトを続けていたり、誘われるまま格とセックスしてしまう等、やや流されやすくヘタレなキャラクター。
中学の頃は同性の親友を好きになるも想いを打ち明けられず、高校は中退、家出し家族とも絶縁状態で……
何事にも本気で向き合うことから逃げてしまう彼の性格は、おそらく家庭環境や中学時代の片想いによるもの。
情けないけど人間味あり、共感できるキャラクターです。
格は「おれを拾え」と命令する最初のシーンから俺様攻めかと思いきや、意外とワンコな一面もあるキャラクター。
「おれが捨てられたら拾ってくれる」という純輝との子供の頃の約束を信じ、彼に会いに来た一途さにキュンときます。
純輝に軽くあしらわれムッとしたり、下手なりに料理を頑張ったり、読み進めるごとに年下らしい可愛さが出てくるのが良かったです。
恋人になってからは、純輝を甘やかす包容力も見せるところも素敵でした。
攻めも受けも、文句なしにカッコいい!というタイプのではないけど、年相応に悩み恋をする姿がとても微笑ましく、二人の恋を応援したくなる展開。
書き下ろしで、共に二十代になった二人が「モーニングキスをよろしく」の攻めの店で飲んでいるのも、二人の成長が感じられて良かったです。
こちらも鹿乃さんの挿絵が存在感抜群。
生意気だけど包容力のある年下攻め、という格のキャラクターが、鹿乃さんの作風にもぴったりで、このままコミカライズして頂きたいほどハマっていました。
萌×2寄りです。
表題作の長編と、書き下ろしショートの2作品が収録されています。
表題作は純輝(受け)が主人公。
ゴミ捨て場から格(攻め)を拾うことから始まり、純輝が同居のストレスで胃潰瘍になり入院するというラストがなかなか衝撃的でした。元々苦手だったのに好きな人だから何でも克服できるわけじゃないよね、となんだか妙に納得してしまいました。
それと最初の「ゴミ袋に入っている格」の挿し絵が強烈でした。あらすじの「ゴミ捨て場に捨てられた」で転がっている姿を想像していたのですが、ゴミ袋に入っているのは予想外!これは鹿乃先生じゃないと許されないかもというイラストで、真面目な顔なのに可笑しいという雰囲気が素晴らしかったです。
1999年発売の新装版ということで、スマホや携帯電話が登場しないのが新鮮でした。純輝が家に帰ってくるのを玄関で待っているとか、潤滑剤がどこに売っているのか尋ねる場面とか、メールにラインで連絡したり気軽にネット検索ができる今ではぴんと来ないかもしれません。
ショートは格の視点で、純輝と北海道旅行に行く話。同時にリライトされた「モーニングキスをよろしく」とのリンク作品のようです。そちらは未読なのですが、あとがきによりますと似たような設定だけどそれを狙ったわけではなくたまたまらしいとのことで興味深かったです。
二人とも家族と確執があるようなのですが、その辺りは軽く触れる程度で流されていて、恋愛を中心にえがかれていました。ただ、純輝は虐待されたという過去がありますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。