モーニングキスをよろしく

年下受けの包容力に萌！

鹿乃しうこさんの挿絵？珍しい！
と思ったら、1998年の作品の新装版でした。
同日発売の「不完全で、完璧なキス」も同じく新装版で、書き下ろしSSでは二作が少しリンクしています。

あらすじ：
一人暮らしを始めたばかりの大学1年生・広夢（受け）は、路上で倒れていた泥酔イケメン・匡（攻め）を助けたことから、彼と仲良くなる。
近所のおばあさんにアパートの大家と勘違いされ、町内会活動に駆り出される広夢を、たびたび助けてくれる匡。
カッコいいのに時折ひどく子どもっぽい彼の生い立ちは…

真面目でウブでお人好しな広夢が良いキャラでした。
年上の匡に憧れていますが、実は精神年齢は広夢の方が上で包容力もあるという関係性に萌えます。

匡は、ヘラヘラした言動の裏に重い過去を抱える、意外とシリアスなキャラクター。
広夢に気安くキスしたり触ったりする彼は、一見ただのチャラい俺様攻め。
しかし後半で生い立ちが明らかになることで、実は広夢に甘える子どものような部分があったことが分かります。

匡の過去を知った広夢が、彼に抱かれながら彼の全てを包み込もうとするシーンが大変感動的。
書き下ろしで数年後の彼らの姿も見ることができ、とても幸せそうな二人にホッとしました。

台詞回しにやや古さを感じるものの、キャラクターや展開には引き込まれるものがあり、新装版で読めて良かったと思える一冊でした。

鹿乃さんの挿絵が流石の存在感で、このままコミカライズできそうなほどハマっていました。
コミカルさとシリアスのバランスや、匡のキャラクターが鹿乃さんの作風に合っているせいもあるかもしれません。

「不完全で、完璧なキス」と併せて読まれることをオススメします！