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flower step
見た目は無骨だが花を心底慈しんでいて温かみのある花屋の店主と、母親とのすれ違いを拗らせた末に花が苦手になった16歳の少年の心の触れ合いから発展していく恋物語。
始まりは花屋前のバス停でいつもポツンと時間潰しをしている将を店主の安藤が気に掛けてってきっかけから。
そこから将が花屋でのバイトを始めて打ち解けていく様子、恋心が芽生えていき両想いを確認するまでの過程がちょうど良い分量でまとまっていて、素朴で微笑ましい年の差カップルを静かに見守る事ができる。
この読み切り小説には、ふゆのさんの他作品でよく見かける派手な舞台も、大人同士の駆け引きも、スピンオフを意識した脇役もいない。
普通の高校生を主役にしたオードソックスな話が逆に貴重な気がしたので、先入観抜きで読んだほうがいい思う。
安藤と将の母親がそれぞれチューリップに込めた想いを軸にして、その気持ちを受け止める優しさや、安藤の側にいる息の合った親友の存在に焦ったりしてグルグル悩む様子も、将自身に年相応な素直さを感じ取れた。