お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
数あるBL本の中でも、かなり珍しい設定の本です。
お金もあって顔もよく野心もある男が手に入れたい男が気にいったものは、自分ではなにも出来ない位の弱い生き物で。
顔も平凡で会社でも雑用係な凡庸タイプで、兎のような小動物受けです。
攻めと似た者同士で仕事が出来るメガネ美人な榎本さおりという女性が、攻めと一緒に受けを可愛がりつつ、上を目指すという話です。
いつ喋ったのか思いだせない位に、受けの影が薄いです。
BLですが女性がよく出てくるので、苦手な方はご注意。
情報室部長・松秀良門(30過ぎ)俺様攻め×営業二課社員で兎のように弱い平凡人間・戸田忠志 流され平凡受け
パーティー会場で忠志に目をつけた良門は、取引先からの絡め手から入って、段階を踏んで忠志を手に入れる。
平凡な人間の忠志が執着していた幼馴染の英司からも、完全に手を切らせる。
攻め視点なので、弱々しい受けが流され続けて、もう言いなりです。
ある種の保護欲をそそる受けで、そういう特性の人にはたまらないようです。
確かに自分と似たタイプの油断出来ないタイプはいらないだろうし、平凡な人間を一から美しく磨きあげる喜びは、なんとなく理解出来ます。
忠志と同じ職場で仕事が出来るさおりと良門が出会ってから、ただでさえ薄い受けの影が益々薄くなります。
頭脳が足りないのではないかと疑惑を抱かせる位、受けは大人しいです。
命じられた事は覚えられるので、学習能力はあるのですが。
野心家の良門とさおりが組んでぐんぐんと伸し上がっていく様は、見ているだけでも爽快でした。
新しい試みの珍しいBL本だと思います。
『ルドルフの数』に若い頃の忠志が出ていて、忠志がストーカー気味になる程、執着していた幼馴染の英司がメインのリンク作が出ています。
エロ:★1 してはいますが、描写は薄いです。
総合:★4 BL本っぽくはないですが、新しさが面白かったです。
CDを聞いた後に原作シリーズも気になったので読んでみました。
「ルドルフの数」の続編というかスピンオフにあたりますが単独で読んでもまあ読めない事は無いんじゃないかなー(多少人物関係の深みには影響してくるけど)
この作品で特筆すべきはともかく女性の存在が大きいという事。
脇を越えてもはやメインキャラの一人と言っても過言じゃないと思います。
忠志[受]は臆病な兎と例えられる様に、大人しいを越えて流されるまま黙って従うままな性格。
そこがイラッと来るか可愛いと取るかで作品の評価が別れそう。
特に美形でもなく破棄もなく頭は悪くないんだけど飛び抜けた才能も無いといったそんな忠志ですが、何故か良門[攻]と、社長の前妻の娘で実力と魅力を備えたさおりの2人に目をかけられ愛でられます。
最後は、結局良門とさおりの2人に忠志は実家から彼らの元に引き取られ、彼らの元で生きていく道を選びます。
ただ流されるままに見えていた忠志が最後の最後でまだ英司に拘っていたのが隠された執着が見えた様でさらっと書かれているんだけどそのシーンが印象的でした。
口絵を始めとして挿し絵にも女性がふんだんに出てくるのでBLに女性はいらないってタイプの方は避けた方がいいかも。