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saikou no kareshi
攻め様は天然の人たらし。料理上手の世話焼きだけどオカンにならず。トキメキもくれて。甘やかしてくれて、叱ってくれる。
人嫌いの受け様の要求を丸呑みせず。俺はお前の事が好きだから、お前が嫌がっても一緒にご飯食べたいし、お風呂入りたいし、セックスもしたい。
って言う口説き文句にノックアウトでした。
好きだから、相手のいいなりになるんじゃなくて、相手と一緒にしたい事を求める。
男らしさにメロメロです。
攻め様のこういう部分は仕事としてやってることじゃなくて天然ものなんです。
そして受け様。
こちらはこちらで最高の彼氏(受)。
仕事に一生懸命で、才能もお金もあって。モテ要素たっぷりで12人も彼女がいるのに、誰にも心も身体も許したことが無い。寂しさをこじらせたかわいこちゃん。なんとキスすらした事がない超純粋培養。
多分、この2人はもともとノーマルだと思うのですが、こじらせさみしんぼの受け様を甘やかしてくれて、内側に触れてくれたのは攻め様が初めてで。
プロ彼氏な攻め様にとっては、お客様だけど女の子じゃなくて。女の子を相手にするより変に意識しない分、危なっかしい受け様が気になって。誰にも触れさせなかったのに自分にだけ懐く受け様が可愛くて仕方なくなったんだろうなぁ。
甘々のキュンキュン。
読むと恋がしたくなる一冊です。
モテ技術を盗むため、プロのレンタル彼氏を部屋に呼んだ侑陽(受け)。
やって来た流星(攻め)は、イケメンなだけでなく侑陽の生活面までケアしてくれる完璧彼氏で……
冒頭、侑陽が複数の彼女からフラレるシーンで始まるので、遊び人なのかと思いきや…?
実は人との接触が苦手で、今までの女性たちとも身体関係なし。
それでも恋愛したいと自分なりに努力し、女性をもてなす技術を身に着けようとする姿がいじらしいです(女性に求めるハードルが高すぎて、なかなかうまく行きませんが)。
接触恐怖症や味覚障害は、両親が多忙で孤独な幼少期を送ったことが原因のようですが、本人はそれをトラウマと捉えておらず、プロダクトデザイナーとして生き生きと働いています。
働き者でしっかりしてるけど繊細な面も見え隠れするところが可愛いキャラでした。
流星はイケメンで包容力があって優しくて…と非の打ち所のないプロ彼氏。
侑陽の貧血や味覚障害を心配して手料理まで振る舞ってくれる献身ぶりです。
プロ彼氏としてだけではなく個人的にも侑陽に惹かれていて…という流れは王道でしたが、素の流星は意外と嫉妬深くて、そういう本来の性格が少しずつ出てくるところに萌がありました。
仕事描写も素敵。
食器デザインを得意とする侑陽が
オフィスでスマートに仕事してたかと思えば
陶芸家の友人の窯元をフラリと訪れ陶器を焼く等、
様々なアートシーンが描かれており飽きさせません。
友人の自家製露天風呂でのシーンも趣深くて良かったです。
ラブ描写は王道ですが、そうした細部の日常描写が素敵な作品でした。
◇カップリング
レンタル彼氏×12人も彼女(?)がいるデザイナー
◇あらすじ
受けは12人もの彼女(ただし受け自身が接触嫌悪のために
性的な関係はなく、ただ受けの部屋に集まって
ワイワイ寂しさを紛らわす子たち)を持つ青年。
ある日12人もいる彼女が、奇跡的確率で
誰も捕まらず、ふとした思いつきで「レンタル彼氏」を
呼んでみることに。
さらなるモテテクを「レンタル彼氏」から盗もうと思う受けだったが
そこで出会った攻めは、受けを「さみしんぼ」と評するのであった。
◇感想
受けが抱えている悩みが思った以上ディープなもの
(接触嫌悪・味覚障害・嗅覚障害)だったのが予想外。
すごく切なかった。
けれどトラウマを抱えてしまったきっかけが
具体的なものではないため
作中でぼんやりしてしまっている部分が残念。
(幼少期、忙しい両親にかまって貰えず…とあるけど
本人がそれらが原因だと思っていないため)
話としては、もっと明確なきっかけがあったほうが
盛り上がるのではないかなとも思います。
けれど「気づいたらそうなっていた」って
具体的な出来事がないぶん
ある意味リアルで根深さを感じますが…。
そんな受けが、最初はモテテクを盗んで
もっと女の子にモテたい!(そして寂しさを紛らわせたい)と
レンタル彼氏である攻めと出会うのですが
次第に「レンタル」の枠を超えて
惹かれていく流れは、とても自然に描かれていて萌えました。
攻めも、受けから受け自身の話を聞くことによって
どんどん「レンタル彼氏」ではなく、素の状態で
受けのことを心配し気にかけていくのが
言動で見えるのがよかった。
お揃いのダサTシャツをお土産で、攻めが買ってくる
シーンが、個人的に微笑ましくて好き。
最終的に、攻めに対して・攻めと一緒ならば
受けの悩みが解決されたのには、ほっとさせられました。
陶芸デザイナーの受けは、12人もの女の子を集めてサロンを作っているけれど、接触嫌悪症で誰とも性経験はない。ある日女の子に召集をかけたところ、偶然1人も捕まらず、でも誰かにそばにいて欲しかったためインターネットで目に付いた「レンタル彼氏」を使ってみることに。店からやってきたレンタル彼氏、流星(攻め)は、イケメンで優しく、受けの性格や接触嫌悪症や味覚障害、すべてを受け入れてくれた。それは自分が客だからだとわかってはいたが、何度もズルズルと呼んでいるうちに独占欲のようなものが湧いてくる。当の攻めも、受けを気に入ったようで、仕事をこえて世話を焼いてくれるようになり…。
遊び人の童貞と、イケメンなレンタル彼氏の話です。
まず受け攻めどちらにもあまり好意を抱けなかった。受けは、サロンに女性を集めてたり、触れないし恋愛できないけどちやほやされていたい、という性根が嫌でした。50項目の条件を満たす人となら付き合えるとか、何様? と思ってしまいました。
攻めは、結構性格が子供っぽくてわがままなのに、偉そうに人を諭すところが鼻につきました。客商売の腕を称えられている割にあまり客あしらいが上手くないかんじ。これは受け相手だからよかったけど、普通の女性客相手なら顰蹙もの、と思う言動が多々ありました。
あと、川琴さんちょっと文体変わったかな、と思いました。なぜか、森本あきさんの本を読んでるような気分になります。自分語りの会話主体で展開する文体とか、説明くさい明るさとか。いや、森本あきさんが苦手とかいうのではなく、むしろ割と好きなんですけど。
「レンタル彼氏って、ちょっと懐かしい響き」と思いまして、ググってみたら、うわぁ~出てくる出てくる。サイトをざっくり読んでみると『疑似恋愛(危なくない形でときめきたい)』とか『デートの練習』とかという単語が並んでいます。……ということは侑陽が流星をレンタルした『、ちょっと今寂しいから相手をしてもらってモテテクを盗みたい』という動機はそれほど変わったものではないのかも。
いや、BLの読み過ぎでそう思うだけかしら?
大変可愛らしいお話なのですが、容姿も良く、性格に大きな欠陥がある様には見えず、プロダクトデザイナーとしても成功している侑陽が、心を通わせることの出来る友人や恋人を1人も持った事がないということに、ちょっとばかり引っかかりました。
こんなに寂しがりなのに?
仕事を依頼している陶芸家の芹口さんとかと、仲良なりそうなんだけどなぁ。
生育過程でそうなったことが書かれてはいるのですが、どうもそれだけでは侑陽が他人に心を開けない理由が腑に落ちず、そのまま読み終わってしまいまして、ちょっとばかりモヤモヤが残っています。
いや、可愛らしいお話なんで楽しかったんですけれどもね。
うーん……どうしてなんだろう?
12人の彼女がいる受:侑陽と、レンタル彼氏な攻:流星のお話です。
最初、12人の彼女って…とちょっと読むのを躊躇ったんですが、お友達のようなもので恋愛感情ではなく寂しさを紛らわせるための集まりでした。クズ受ではなかったので苦手な方はご安心ください。
モテテクを盗む為にレンタル彼氏を呼んだ侑陽。やってきた流星は、依頼主が男であることに驚きながらも、「俺を誑かしてみて」という侑陽に彼氏として接していきます。レンタル中、侑陽が接触嫌悪や味覚障害を持っている事を知って、流星はあれやこれやと構うようになり…。
接触嫌悪や味覚障害等、ディープな悩みを抱える侑陽。12人の彼女がいることも含めて、そんな侑陽を「拗らせたさびしんぼ」と呼び、味覚障害を治す為に病院に行かせたり、レンタル彼氏を超えて色々構う流星。流星が侑陽に惹かれ、侑陽が流星に惹かれる様子がよくわかり、きゅんとしました。
さびしんぼの侑陽が、流星を自分だけの流星にしたいと不器用に間違った方向に頑張るところには笑えるけどせつなくて、ようやく結ばれた後の2人は甘くてほっとしました。
受けが女子にモテるため(や、普通にモテてるよ)レンタル彼氏を利用するお話です。
個人的には、攻めが実はモテるのに自覚がなくてモテたいというならまだしも、受けがあまりに女子にアグレッシブだと引いてしまう部分がありまして…
帯の煽りもどうかなあ、ちょっと惹かれないなあ。
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受けは、大学時代に親の会社からブランドを企業した侑陽、23歳。
幼少期からの味覚障害・接触恐怖で、おまけに貧血症。
現在12人の彼女がおり、自宅をサロンと称しています。
攻めの流星(星二)は『ラブ24』で働くレンタル彼氏、26歳。
長身で整った顔立ちと気の利く性格によって、かなりの売れっ子。
侑陽がたまたまサロンに彼女が一人として集まらず、寂しさを紛らわせるために呼んだことが縁。
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人が側にいない(寄られ過ぎると接触恐怖なのでダメですが)のがダメな割に『五十の条件』なるものを作成し、それに該当しない子はダメという…確か男性芸能人の結婚できない(しない?)方にこういう人おりましたね。
その人も確か彼女たちを複数人ストックしていて、それを彼女たちも容認してわかっていてつきあっているという。
微妙にその芸能人の影がチラついてしまうのが残念です。
その方はものすごい肉食系なので侑陽とは真逆なのですが、なのにも関わらず序盤姿がチラつくせいで侑陽に好感が持てないスタートとなってしまいました。
侑陽自身は、そういう相手への求めるものを抜けば流星へメロメロになる様なんてすごく可愛いのにな。
攻めの流星はレンタル彼氏なんて職に就いているくらいなのでカッコ良いですし、会話も行動も女子羨望なスマートさです。
彼について不満はないのですが、最初から侑陽へ惹かれているのはちょっとしたことで表されているので、出来れば攻め視点も交互に読んでみたかったですね。
川琴さんの文庫はすべて読んでいますが、本編で攻め視点を書かれていた作品があったか記憶が定かでないのですが。(やはり作家さんによっては得意不得意があられるでしょうし)
ちなみに最後のSSは攻め視点でしたが、これはいまいちピンとこなかったかなあ。
作品自体が面白くなかったわけではないのですが、設定がちょっと突飛過ぎに感じます。
ただモテたくてのレンタル彼氏利用なら良かったのですが、本来はたくさんの女子に囲まれ裕福で才能があって…と盛り過ぎ感が否めません。
川琴さんの新刊ということで楽しみにしていた分、評価が厳しくなってしまいました。
攻め受けのキャラは比較的薄ぼんやりした雰囲気なのですが、侑陽の秘書と陶芸家の先輩は濃いですし魅力的でした。
特にワイルドな先輩のスピンオフとか読みたいです。