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Noel
物語の時代は戦後の日本。
当時6歳で孤児である受けを外国人である攻めが拾い、自分好みに育てます。
作中にもありますが、源氏物語をモチーフにしていて今風のBLにした感じ。
とはいえ、色んな受けが出てくるでもなく、至って攻めはノエル一筋。
最初から伴侶にするつもりで自分だけの世界に閉じ込めて、自分だけのものにしたいという攻めの執着が最高でした。
対する受けも攻めの執着を心地よいと思っていて、共依存。
後半はもう二人の世界です。
雰囲気はダークめでどこか仄暗さを感じました。
受けも実は…という秘密を持っていて、一癖あるのも読みごたえがあります。
美しい日本風景から戦後の焼け野が原へ
無垢で美しい少年から成長した自我へ
好きでいつまでも変わらないで欲しい気持ちと、変わってしまう・変えてしまう人間の対比が面白かったです。お互いの盲執っぷりはこの時代背景に合っていると思いました。
大好きな年齢差や体格差なんですが、カップリングとしてはあんまり萌えませんでした。
初めの行為シーンも結構無理やりで、今までの溺愛っぷりから想像と違いショックでした。けれどもそれがノエルを大人にしてしまった明らかなターニングポイントになり、立場逆転になるのは面白かったです。
後半の挿絵はすごかったですが、アレックスの彫りの深さや長身の体格が全く活かされてないのがかなり残念でした。表紙ももっと良ければなぁ。
丸木さん作品で、タイトルが「ノエル」、そして義父モノとくれば!近親モノ大好物属性としては飛び付かないわけはなく!
最初はすごい勢いで飛び付き読み始めたのですが、攻めが変な人で、受けも都合よく受けっぽいキャラで、それらがちゃんと筋が通っていて内容も良かったのですが、ちょっと途中で飽きました。
この本を買ったのは諸事情により2週間連休をもらった時で、連休に備えBLばっかり同時に50冊以上一気買いをして、読んで引き込まれたものからどんどん読み進み、途中で飽きたものはどんどん撥ねて後回しにしていったのですが、気が付けばこちらを読み終わったのが連休から2か月過ぎてました。
なんだろ?義父・執着攻め・美少年、大好きな要素が入りまくってるはずなのに……何も嫌なところというか引っかかるところもなかったのに。
ハッピーエンドだし。いいんだけど。
何故か読み終わって「(* ̄- ̄)ふ~ん」という感想でした。
攻めの性格が変な人過ぎたからかな?受けに人物的魅力を感じなかったからだろうか?
ハッピーエンドなんだけど後味が良い意味で悪い…笑
派手な展開は無く、場面も家の中での出来事が多いので割とサラッと読めるのですが最後のノエルのどんでん返し?には驚いた…前半のノエルの印象と違いすぎて…
他の方のレビューを見るに、丸木先生にしては展開が大人しめらしいのですが丸木先生が初の私からすると仄暗いホラー映画を観た後のような気持ちです。笑
再読したらすごく印象が変わりそうな作品でした、面白かったので萌×2で。
イラストがまたいい味出してて素敵でした〜
ヤンデレは好きじゃないのですが、この作品は清々しいほど二人とも病んでいたので逆に良かったです。まさに「二人だけの世界」で、さすが丸木文華さんの作品だな…と思いました。「クラシカルダークロマン」なんて書かれているのでどんな哀しい展開かと思いましたが杞憂でした。
出会った時は24歳と6歳なんですよねー。引用されている紫の上ごっこだと思えば萌えポイントも分からなくはないのですが、ロリ・ショタは苦手というか嫌悪感があるので評価は「萌」にします。
門地かおりのイラストがエロくて神秘的で良かったです。
日本フリークの美貌のアメリカ人アレックスが、
戦後まもない日本を訪れ、
自分の財布をすろうとした子どもの中に求めていた美を見出し、
連れ帰ってノエルと名付け大切に育てる。
まるで源氏が紫の上に出会ったような運命の出会い、
理想の伴侶として育てそして長じて……というお話。
源氏物語のイメージをうまく使いながら、
クリスマス、ヴァイオリン、レースやワインといったモチーフを加え、
レトロで耽美な雰囲気の中、閉じた彼らの世界が描かれる。
執着を隠さないアレックス、
自分を光の中に引き出してくれた彼を神と思うノエル……
いいですねー、こういう感じ。
ただ、予想よりずっと普通というか、
もっとブラックな展開とオチを期待していたのだが、
途中いろいろなエピソードは挟まるのだが、
終始美しくサラサラと流れていく印象だった。
初夜はこれまた源氏物語の新枕を踏襲する流れ。
読者は、その前のディナーで真っ白で華々しい衣装を贈られて
着ているところから予想がつくのだが、
当のノエルにとっては紫同様予想もしなかったことで、
困惑して怒って口をきかなくなる。
その後結局、ノエルもアレックスを愛していることに改めて気が付き、
今度は互いに求めあうというハッピーエンド。
アレックスの友人で善良なジョージの困惑と怯えがオチなのだろうか?
私的にはそれ程ノエルが歪んでいるとも思えなくて
(病んでいるのかな?私?)
そこもあまりインパクトがない感じだった。
全体にイメージフォトのようないまひとつ深くは抉られない、
ひたすら甘く美しい物語として雰囲気に浸りながら読了です。
舞台は戦後間もない日本。
日本を訪れたアメリカ人のアレックス(攻め)は、クリスマスの日に一人の孤児(受け)を拾い、彼にノエルと名付ける。
十年後、教養ある美しい少年に育ったノエルは、屋敷の外の世界に興味を抱き始め……
翻訳家のアレックスは極度の日本語・日本文学フェチで、幼少期のノエルを見た瞬間、彼を源氏物語の紫の上のごとく理想の美少年に育て上げようと決意する変態。
幼いノエルを日本人形のように飾り立てたり、ノエルを外に連れ出した使用人を首にしたり、ノエルの実の親がノエルを探していることを知りながら本人に黙っていたりと、とにかく異様にノエルを溺愛しています。
ノエルは純真無垢な美少年で、
「僕は、頭の天辺から爪先までアレックスのためにある」と信じて疑わないほど、アレックスのことが大好き。
使用人と外出したときも、自分の楽しみよりアレックスに誕生日プレゼントを買うことを優先する健気さにグッときます。
十六歳になる聖夜に初めて彼に抱かれ、戸惑い泣く姿が本当に不憫。
幼少期に誘拐され、数年後の初めての経験にショックを受けるという流れは源氏物語そっくりです。
ノエルにとってのアレックスが、父であり兄であり友人でもあったという点も。
しかし、その後の展開は甘々。
アレックスへの愛を自覚したノエルは、回を重ねるごとにエロ可愛くなっていきます。
幼児のノエルがただの無垢な子どもではなく、実は自らの意志でアレックスのそばにいることを選んだというオチは、いかにも丸木作品という感じ。
研究者肌で人の心の機微に疎いアレックスよりノエルの方が大人な面も多々あり、比較的対等な関係が良かったです。
源氏物語のオマージュ的要素もありながら、テイストは甘々で悲愴感ゼロ。
お互いしか目に入らないラストは丸木作品お馴染みで目新しさには欠けますが、昭和初期のクラシカルな雰囲気がとても素敵なロマンスでした。
丸木さんに門地さんの挿絵と聞いたら買わねば!ということで手に取ってみました。内容をざっくりと。スミマセン、ネタバレしてます。
敗戦直後の混沌とした日本が舞台。
フランス人の父とイギリス人の母を持つ裕福な家庭で育ったアレックスは、親日家の父親の影響もあり日本文化に傾倒しています。『日本』が好きすぎて、まだ混乱おさまらない日本へ翻訳家としてやってきます。
麗しい美貌を持ち、かつ良家の子息ということで何の不自由もなく生きてきた彼ですが、自分の興味にないことには全く関心を向けることはなく、両親や友達からも「変わっている」と言われています。
そんな彼が日本に到着してすぐ、スリに会います。そのスリの子を一目見て心奪われた彼は周囲の困惑の声をものともせず自分の養子として迎えます。
戦争で空襲を受け、恐怖のあまり記憶をなくしているその子に、会った日にちなんでフランス語でクリスマスを意味する「ノエル」と名付け、大切に育てていきます。
一方ノエルは、そんな彼に感謝しつつ彼が世界のすべてと敬い生きてきたのですが、ある日アレックスの屋敷に女中として雇われたあやめという名の女の子がノエルを変えていき…。
というお話でした。
なんというか、丸木ワールド満載、といったお話でした。
並々ならぬ執着心を受けに向ける攻め。
そんな攻めに戸惑いを覚えつつも、攻めに傾倒していく受け。
ある種病的な執着心を持つ執着攻めがお好きな方にはたまらないストーリーになっているかと思います。
が、今回のお話はノエル(受け)がアレックス(攻め)に一方的に執着される話ではありませんでした。まさに名の通り「箱入り息子」として育てられてきたノエルですが、そんな彼があやめと出会い自我を育てていく過程は非常にリアルだったし、ノエル自身アレックスに対して根深い執着心を持っていて、丸木さんらしいドロドロとしたストーリーがすごく良かった。
あと門地さんの挿絵が非常にエロかった…。
まだ幼いノエルが徐々に成長していき、アレックスによって開花されていく様は圧巻。表紙の、二人の衣装のチョイスがまた良い。読み終えてから表紙を見ると、門地さんの素晴らしい表現に感心しました。
まだ子どもだったノエルを見初め、長い年月をかけ自分好みに育てていったアレックスの執着心もよかったし、ノエルに拒絶された後のアレックスの一歩引いたようでその実…、という行動も良かった。
花丸文庫BLACKに丸木さん、そして門地さんの挿絵。どんだけエロいのかと思いつつ読みましたが、エロだけではなくて、お互いが唯一の存在であり、恋慕の情を育てていく二人の過程がきっちりと描かれていてすごく良かったです。
文句なく、神評価です。