犬としての幸福があればいい、『ご褒美』で満足だよ――

言いなり

iinari

言いなり
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神82
  • 萌×245
  • 萌9
  • 中立4
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
13
得点
621
評価数
145
平均
4.3 / 5
神率
56.6%
著者
丸木文華 

作家さんの新作発表
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イラスト
minato.Bob 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784861348419

あらすじ

初対面のときから妙に懐いてきた男・剛に大学生の圭一はうんざりしていた。
野暮ったい外見で場の空気が読めない剛は、圭一に邪険にされてもにこにこ笑っているので、
所属するテニスサークルの仲間にまるで圭一の犬だと陰で揶揄されるほどだ。
ある飲み会で、剛は先輩に媚薬を盛られ、公開自慰を強要される。
周囲が囃したてる中、剛の熱い視線はただまっすぐに圭一に向けられ……!?

表題作言いなり

本川剛,同じサークルの冴えない同級生
坂井圭一,テニスサークル所属の大学1年生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数13

--

高評価なので読んだのですが、萌です。
イラストが素敵。

感想:
ゲームストーリーも手掛ける丸木先生の、元祖・主従逆転もの

飼い主気分の受が、攻に調教されて、ご褒美を強請る犬になっていく。
攻は、故意に冴えない容貌に仕立てて標的の受に接近していた。
徐々に、攻が居なくては心が満たされなくなり、麻痺していく。

多分、発刊当時は斬新な意外性が人気を得たんだと思う。
2023年に読むと、似た伏線を仕込む後発作品が多いので
余りドキドキしなかった。

0

安定の丸木エンド……?

表紙から激しそうな内容は想像できるが、思った以上にいじめの内容が胸糞。そんな過去を背負いつつ、別の自分になる努力を欠かさず生きている受けの圭一。記憶が蘇ることはあっても、日常生活に影響するほどの傷にはなっていないようで、安心するような掴みづらいような難しいキャラ。
攻めの剛はとにかく犬だった。

付きまとう剛への圭一の感情は、自分を一番にして欲しい独占欲に塗れている。少しずつ体を赦していく過程の中に、絆され要素はあまり見えなくて、流されているのともちょっと違う。犬に施しを与えるという表現が近い気がするが、それもどこか歪んでいて本心が汲み取れない。

小さなきっかけの連続で物語が進み、静かに、だが突然に圭一が変化する。盛り上がりも無く、淡々と種明かしがされていき、そういえば丸木作品てこんな感じだったなあと思い出した。
散々名前が出てきた沢村に何の仕掛けも無く、視点そらしの役割を果たし続けただけで、最後まで登場すらしないのは物足りないかな。とはいえ決着の付け方は綺麗なので満足。

執着を見せる剛はいろんな意味で徹底していて、すごく良かった。羞恥心のなさに引いてしまうところはあっても、惹かれるキャラになっている。結末も期待が持てたし、くっついたところまでは神だった。

後日談のように語られた物語では、圭一が犬化していた。この受けの廃人化というか傀儡化というか……これもまた丸木作品だなあと思う要素の一つ。
ただ、これを圭一の本質が戻って来たと見れば、なるほどねとはなるが、そうするとあの不快ないじめの数々に対する見方が変わってしまう。あまり気分の良くない憶測を呼び、ちょっと気持ちが落ち込んだ。深読みしすぎかな。

これが嫌なら丸木作品を読むなよ、と言われてしまえばそれまでだが。ラノベではあまり見ない単語に御目にかかれるところが好きでふいに読みたくなる。話も受けのオチ以外はとても好きだった。

0

よく出来た映画のような…


執着ものを書く丸木文華先生大好きです!

体格大、執着攻め×元いじめられっ子のお話。

いじめられた経験のある受けの圭一は、大学デビューで根は真面目ですが頑張って女たらしで軽い大学生を偽ります。

攻めの剛は、何故か最初からめちゃくちゃ受けに絶対服従のワンコ。
野暮ったくて大きくて熊のようだけれど受けの命令は何でも聞く。あと皆がビビるほどの巨根。
対する受けは平均とはいえ美人の部類。
この二人の体格差も見どころの一つです。

色々な犬(もやはワンコではない)を読んできましたが、作家さんごとの特色が出ているなと最近、気づきました。

また、丸木先生は伏線を置いたり物語にスパイスを加えるのが本当に上手い。
ただの執着攻めで終わるわけがないんです。
最後にはハッとさせられる。
これをBLで読めるの幸せだなぁと思いました。

内容に触れてしまうようなレビューを書いてしまってなんですが…、是非ネタバレなしで読んでほしい一冊です。

1

涙は出るし身体が痺れる程興奮した

タイトル通り、劇中に言葉としても描写としても様々なバリエーションとして出てくるのが読み進めるのにテンポよく、仄暗い顛末は読後感がありました。
ちょっと表紙と挿絵の絵柄に古さを感じてしまい、購入を躊躇していましたがすぐ読めば良かった!

大柄な剛が「ケイ君ケイ君」と言いなりになって好意を隠さないのは堪らなく可愛いし、飲み会で圭一の隣を死守しつつ様子を伺い、話しかける言葉が優しいのも癒されます。
鋭いことも時々放つんですが、基本的に言い方が可愛らしく柔らかいんですよね。

そんな犬の剛が、大好きで堪らない圭一を猛烈に欲しがり夢中で貪る。逐一実況して「好き好き」と連呼、顔中体中にキスの嵐。
「ねぇ、ケイ君触りたい。いいでしょ、触っても。いいよね。」
有無を言わさないけど一応言葉だけはお伺いを立て、言葉も欲望も暴走しているのが、なんかもう刺激がすごすぎて涙が出るし、横隔膜あたり痺れました(笑)
丸木先生の作品はどれも行為シーンが特濃ですが、その作品の性質で全然違うのが凄いです…

魅力的なキャラクター、圭一の冷めた自己分析と仄暗い立場逆転、濃厚なエロは神率50%越えも肯けます。

しかし面白い作品であるが故に、リアリティの無さに残念な気持ちもあります。
序盤での媚薬登場、あの飲み会の場で止める人間がいないのは(女性もいて)ありえません。
また剛の過去設定も都合がよく、圭一が許してしまうのも納得出来ませんでした。
そして剛の特大を、圭一が初めてでないとはいえすぐ受け入れる描写、個人的に日数かけた方が萌えました。でもすぐ夢中になって欲しがってしまうケイ君は良き。

その物足りない部分を踏まえてもやっぱり丸木作品は読み応えがあり、楽しく面白く興奮します。

0

下剋上は好きなのだけれど

スクールカーストの下位層の男にスキスキ大好きって言い寄られて、うぜえって思ってたら下位層どころか最上位の男でした、っていう下剋上ストーリー。
しかし単なる下剋上ではなく、“下が上になって、上が下になって、下がまた上に上がって、上がまた下になる”話であるところがたぶんミソ。
そして少しネタバレになりますが、隠しテーマがたぶん“いじめ”なのだと思います。

フィクションに対して「いじめダメ絶対!」とか言う気はさらさらないのですが、本作のいじめ描写はちょっと胸糞悪かったかな……。
というのも、本作ではいじめてる側もいじめられてる側も、ヒーローも傍観者もみんな自分勝手なので。
ラストのオチも、いまいち納得がゆかず。
うーん、という感じがしたお話でした。

ただ、攻めが受けを好きで好きでヤりまくるエロエロ地獄は大変よろしかった。
そして丸木先生の攻めはいつもガタイがいい印象ですが、本作の攻めは一層筋肉の鎧まとってる感じがしてよかった。
ガタイのいい、野獣みたいな男が最下層のフリしてるっていうのは萌えますね。

0

執着愛

異常なる執着…好きな設定でした。すごく良かったです!

当初から異常に圭一に執着し、圭一の言いなりになっている剛。

そして形勢逆転していきます。

剛がすべて告白したときに、常軌を逸した執着っぷりがわかりました。それ自体異常ではありますが、そもそも周囲構わず振舞っていたように見えたのも、全て用意周到にやっていたこととわかり、犬のように感覚的でおかしな人間ではなく、計画的で頭の良い人間なんだなと思えました。

圭一がだんだんと堕ちていく様が好きです。
剛の要望通り黒髪にして、お互い昔に戻ったような感覚を自覚しながらプレイをするのが良かったです。やっぱり本質は変わらないのですね。そして学ランとか…(電子版で読みましたが、最後に学ラン姿の圭一のイラストがありました~)

圭一は元々被虐性質ということで、このまま居心地の良いところに収まっていくのだと思います。それがはた目から見ればおかしくても、彼が選んだことでもあり、幸せなら良いかと思います。
その後の生活は「言いなり」通り、いくところまで行ってしまうんでしょうが、ちょっとでも続編が見れたら幸いです!

6

人間の核は変わらない

適度に遊んでオシャレもしている圭一と
犬のように圭一に付きまとい、言う事を聞くモサい剛。

変わりたい。
変わろうとしても
本質は変わらない。

おもしろかった……!
いじめっ子といじめられっ子も
丸木先生の作品も好きな私には
ど真ん中なお話でした。
仄暗さも良い。

攻めの剛の執着度合いと、互いの仮面を剥がしていく過程にゾクゾクしました。
計画性を持っているところもゾッとしました。
圭一は、罠に嵌ってしまったけど
最終的には2人で幸せなのだから
それで良かったのだと思います。

あと、最後の制服プレイはエロい。
もっとやれ!笑

6

バッドエンド…?

え、バッドエンド…?読み終わったあと、一瞬そんなことを思いました。
たしかに、こういう終わり方をした話は今まで散々読んできましたが、今回ほど衝撃を受けたものはありませんでした。
犬な攻め様は大好物ですが、これは違いました。たしかに犬ですけど、最後はその立場が逆転しましたので。
話はとても面白くて、ページをめくるたびに早く次へ、次へと読んでましたが、最後の最後で撃沈。
ええええと絶叫しました。(心の中で)
攻め様の執着ぶりもgood。ヤミっぷりもgood。受け様に徐々に本性?を見せていく様はキタコレ!とワクワクしておりました。しかし、やはり最後がなーと。
受け様が幸せならそれはそれでいい…じゃあこれはハッピーエンドかなぁと思いつつ、どうも釈然としないものがあります。
ただ、話の構成もイラストもとても好みのもので、2人でお風呂に入ってるシーンはとても萌えました!
イメチェン?した2人がもっと見たかったです!あと、中学時代の受け様が可愛かった!惚れるのもわかります、という先生のコメントに納得しました!本当に可愛いかったです♪
なので、萌えに近い中立で!

3

“言いなり”なのは…?

※本を読み終わっていない人は要注意です。ストーリーの根幹部分に触れての感想なのでネタバレ嫌いな場合はお避けください。



…なんかもうどんでん返しでした。
下克上のそのまた下克上で、人間やっぱり本質って変わんないよね!的な。

一見チャラくて俺様な圭一と、もっさくてなんでも言うことを聞く剛。
でも、いじめられっ子だった圭一はやっぱりどこか脆いところを持っていて、“遊んでいる”ように見えるよう頑張って…自分に鎧を着せていつかそれが見せかけではなく本当の鎧になるよう努力しているんですよね。
そんな圭一から見て、なんでも言うことを聞くけど結構図太い神経の持ち主。
サークルメンバーの中にはアイツいじめられっ子だったんじゃない?的なことを言っている人間もいるけど、実際にそれを体験した圭一は違和感を覚えるんですよね。

で、中学生の頃の嫌な記憶も時折挟みながらなので…「もしかしてー?」と思っていたら案の定な展開。

少しずつ囲い込んでいく剛の策士ぶり、そしてその根幹にある執着とか病み具合とかがもうすっごいドロッとしていて…。
もうねー狂気すら感じますよ。
過去の剛と大学で再会した時の剛、全然違いますもの。
ここまで変えて近づかれたら気づくの無理じゃない?!状態。
でもうっかり再会時点で気付かれてしまったら全力で拝み倒す予定だったらしいのですが、想像つかないわー…。
だってホントなんだかなんだ“犬”と思わせておきながら、嗜虐性とかが段々出てきて「あ、やっぱりいじめっ子だなー…」って感じますから。
特に圭一が“気付いたことに気付いてから”の言動がねー…。
あと最終的には圭一には「自分だけ」がいればいい的思考なんですよね。
だからどんどん大学内で圭一が接する相手は減らされていき、圭一も終いにはそれが自分の“幸せ”だと感じている。
なんともいえない読了感でした。

それにしても最初の方と最後の方の対称性が面白い。
最初は剛が圭一に呼ばれたらホイホイ走っていく感じだった。
終盤は逆に圭一が剛のもとに走っていく。
「言いなり」がいれかわってしまってるんですよね…。

そうそうそれから剛が圭一のことを「格好良い」「ケイ君みたいになりたい」って言っていた意味が最後のほうで語られて、あ!そういうことだったのか…って思いました。
明らかに方向性が違うだろ!ってツッコミを圭一を含めた各方面から入れられている外面ではなく「自分自身を変えようと思って努力して、変えてみせた」その姿を格好良いって評していたんですね。
なるほど~でした。

とにかくドロドロの執着ヤンデレっぷり。
サークル仲間の敦司だけが癒やし的存在でした!

17

変態執着犬攻め

丸木節炸裂の本作。
ただ、タイトルから最後までの展開と、途中のネタバレの答えが早々に分かってしまいました。
とはいえ、攻めの狂気的な執着ぶりにはゾクゾク来て、一心不乱に受けのことだけを思い続ける変態な犬っぷりも良かったです。
あまりに攻めの人格が変わり過ぎてたり、そこまで周到に策を練るか?!と色々無理があるなーとも思ってしまいましたが。
中学時代の話がもっと読めたら良かったです。
最後のホラー的な終わり方も丸木先生らしかったです。

0

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