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wakasama wa kannoushousetsuka
地方の名士の御曹子で小説家26歳×イタリアンのシェフ28歳、幼なじみ同士。
受けはかつて攻めのお世話係をしていたのですが、受けが中学一年の時に告白され、これは離れなければいけないと距離を取り、高校卒業後イタリアに料理修業にでます。そのまま10年が過ぎ、受けの父親の洋食屋が店じまいするため、イタリアンの店を開くことになり帰国。
攻めの若様は健気で一途でかわいいです。でも受けが、最初は意固地に攻めを拒んでたのに、攻めの現在のお世話係にちょっとけしかけられただけで急に攻めに対する気持ちに素直になるのが理解できませんでした。この程度でほだされるくらいなら、告白されてから15年も攻めを避ける?
くっついたあとの、受けの態度自体は好きなんです。気持ちにも快楽にも素直で、天然に攻めを振り回すような感じ。でもそれまでの態度と違いすぎなのが…。
あと若様の現お世話係も、せっかくなかなかいいキャラなのに、最初が三下っぽくてもったいなかったなー。
両親が引退するため洋食屋を引き継ぐことになった小原蓮(受け)はイタリアでの10年に及ぶ修行を終え帰国します。
蓮の故郷、柳城市は地方都市で江戸時代からこの地を治めていた大名の影響がいまだに強い土地柄です。蓮の店も、この大名のビリヤード場を当時の料理番であった連の先祖に下賜されたものでした。
子どものころ、蓮はその大恩ある伊勢谷家の若様のお世話係をしており、帰国にあたって10年ぶりに再会します。
蓮はお世話係として8歳の時から、若様が中学生になったのを機に任を解かれるまで、6年間ほど2歳年下の若様、伊勢谷京吾(攻め)の側にいました。初めて会った時の毅然とした態度に心酔し、相手のことを尊重してなんでも我慢してしまう伊勢谷をたくさん甘やかします。その結果、伊勢谷に執着され、男同士であること、立場の違いなどで悩みイタリアに逃げるように修行に行くのです。が、そのことを知らない両親が、帰ってこない蓮に業を煮やして半ば強制的に帰国させます。
伊勢谷は6歳の時母親を亡くし、忙しい父親が面倒みきれなくなり祖父の住む柳城にひとりでやってきます。柳城の殿様の若様だということでまわりから注目され、執事以下大人に囲まれながらも、その役割を一生懸命全うしようとしています。そんな伊勢谷が唯一欲しいと思ったのが蓮でした。
蓮がイタリアに渡ってからは、子供のころから夢である小説家になりベストセラーも出し、地元をモデルにした話の映画化もされたおかげ柳城も発展させることができ若様としての面目も保っています。
題名が「官能小説家」となっていたのに、この設定は話の半分くらいまで出てきません。
伊勢谷は本当に一途でした。悲しい話が嫌いで、どの話も楽しい話に変えて蓮に聞かせるのがとても楽しかったようで、小説家になろうと思ったのも蓮に読んでもらいたいと思ったからです。蓮が帰ってこなくて、文芸小説が書けなくなってしまいます。
そしてこの設定が唯一生きるのが、八つ当たりのとばっちりをうけた伊勢谷に謝りに行った蓮の何でもするという謝罪の代償が官能小説のモデルをするという展開です。
なんとなく、このシーンの為だけに官能小説家にした感じがするくらいで、この設定がなくてもこの話は書けたんじゃないかとも思います。
結局、連は何故伊勢谷を受け入れることにしたのでしょうか?
はじめ蓮は伊勢谷の将来のために分相応な伴侶が隣に立つべきだと思っているので、まだ自分のことを想っているのか勘ぐりながら接しているし、伊勢谷はまた蓮に逃げられたらこんどこそ立ち直れなくなるから様子を見ながら接しているし、一途な執着攻めが大好きなのですが、もっと強引に蓮に迫るのかと思っていたので、少し意外でした。
でも、私にはこの少しヘタレなところが良かったです。
相手の思惑をうかがいながらも付かず離れずで昔のような関係でいるのかと思われたのですが、思わぬ人の言葉で蓮の心が動きます。
10年という年月(告白されたときから計算すると14年)は身分違いで同性の伊勢谷を受け入れる覚悟を決めるために、また伊勢谷の想いの強さを知るために必要だったのかもしれませんが、とはいえ何一つ懸案事項が消えたわけではないのです。
できれば、もう少しこれからの二人がどうしていくのかということまで読みたかったです。
多分、蓮と交代したお世話係で今では伊勢谷家の資産運用を一手に引き受ける番頭の牧野とメイド長の二人は味方になってくれると思いますが、それ以外たくさんの人が働いていると思われる伊勢谷家に重鎮の気配がしないのが気になりました。(執事は存在のみ書かれています)そういう人たちへの根回しもきちんと終わらせてからの二人をみて安心たかったです。
ただ、蓮が伊勢谷と共に生きると決めてからの二人の蜜月はとても良かったです。
どれだけお互いのことが好きかを全身全霊で表していて、共に快感を追う姿はとてもかわいくて幸せそうで気持ちよさそうで読んでいるこちらも幸せな気持ちになるような二人でした。ずっと我慢してきた伊勢谷がこれ以上傷つくことがありませんようにと願わずにはいられせん。
「若様は官能小説家」…これだけである程度のテンプレートが決まってしまうようなタイトルですが、そのイメージが強すぎて少々肩透かしでした。官能小説家のくだりというか、あらすじにある「官能小説のモデル」云々の展開は物語の6割を過ぎてやっと登場するので、前半は「いつお話が動くのだろう…」と思いながら読んでしまいました。起承転結の配分で言えば間違いではないのでしょうが、タイトル負けしちゃったなぁという感じです。
伊勢谷は昔も今も一途に蓮のことが好きで態度も一貫しているのですが、如何せん、蓮の態度がよく分からない。前半では過去に親密すぎたことを反省して距離を置こうと10年も離れていたのに、些細なキッカケで急に開眼して伊勢谷の想いを受け入れる展開がまったくピンと来ませんでした。そもそも若様と自分は不釣合だから…とかそういう理由で拒んでいたはずで、根本的な状況は一切変わっていませんよね。幼い頃から両想いであると分かっているのに、10年ぶりに再会して、官能小説家であることを打ち明けられて、やっぱり両想いだったから安心して恋人になったってこと??…うーん、かなり打算的な気がします。
桜城ややさんのイラスト作品を久しぶりに読んだのですが、蓮がスリムと通り越してガリガリ体型に思えて萌えませんでした。特に口絵が…。まあ好みの問題ではありますが、和服の艶姿にはある程度の肉感が必要なんだなぁと痛感しました。
年下執着攻め
前半の若様のお世話がかりからの執着に至るわけがきっちり描かれていて、帰国して再会後に盛り上がって行く攻めの想いはよくわかるにですが、だからといって官能小説というのもなんだか突飛な感で後半は楽しめなかったです。
BL作品として売れそうなタイトルとして『官能小説家』を前面に出したみたいでタイトルありきの展開のように思えました。
官能小説が出てきたところから思ったような展開で想像したような方向で進んでいきます。
色々あったけど再会し想いが成就しハッピーエンドでいいのかな、問題は放置で?
と恋愛問題だけに注目すればルビーらしい軽い読み物として楽しめましがその後の背景とか細かいことを考えると気になって萌えきれませんでした。