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「どうしたって、半分なんだ。なにを、どうしたって」
kageri no spica
最近阿賀先生といえば原作でしか新作を読めなくて残念に思ってるんですが、久々にこちらを再読して脳天かち割られました。。
ガッツリ女の子が絡んでくるんでその辺はご注意を…
元は一つでいられたのに、少しずつ分離してしまって、それでもなんとかバランスを取って生きていこうとする2人の不安定さが刺さる刺さる。。
共依存なのに、お互いが一番近くにいるのに、でも一つじゃない。
読んでて苦しくて、でもどこまでもイノセントで、大人になる事の残酷さが詰まった一冊でした
あらすじに書いてあることは帯にあるものですね。
これを読んでどんな内容かはよくわからないですけど、要約できるかな?(誰もレビューしてないし…汗)
小中高一貫の名門学校に通う「納見かける」と「羽根木なつめ」。
御曹司のなつめの邸宅を建築デザイナーのかけるの父が設計。なつめの母とかけるの父は友人でお互いの家も近いこともあって幼い頃より、かけるとなつめは兄弟のように育つ。病弱ななつめをかけるが献身的に尽くすのですが、歳を重ねていくうちにお互いの環境も変化していく。友だちを超えるような関係性と絆……それには深いわけがあるのですが……
かなり切ない系です。ラストシーンは他のレビューを見ると賛否両論です。
バットエンドに思えるし、思えないし……文芸小説ならこういうラストシーンもよくあるのですが、BL小説としてはあまりないかもしれないです。
わたしは阿賀さん大好きなので、まぁこういう余韻もいいかな?とおもいますけど、きっと好みが分かれるますね……
いつも阿賀さんの書籍でイラストを描かれているぱちさんの絵も帯のみです。帯裏に「本書は少年愛の描写を含みます」とあり、これがちょっと物議を醸しています。このコメントをみて「感じが悪い」と思う方が多いみたいです。
ハードカバーだし、書店によっては文芸コーナーに置かれることを懸念してつけたコメントなのかな?なんて私は思いましたけど……
紙媒体で購入。書籍を手にして感じたことは、著者以上に担当編集や出版社側がこだわっているのだな〜と。装丁は特殊な紙を使われていて、まるで月の表面みたいです。
書籍の出版は著者の意向もある程度聞いてもらえるでしょうが、装丁などのデザインは出版社や担当編集が作業をすすめていくものですから、そういうこだわりも「BLっぽくない」とか「感じが悪い」と思う方もいるのかも知れませんね……
ちなみに作中の「なつめ」のお坊ちゃんぶりは、遠野春日さんの『茅島氏の優雅な生活』の茅島級です(笑)
うーん……昭和の頃の『耽美』というか『JUNE』を読んでいる様な感じでした。
なかなか読み進められなかったのですよ。無茶苦茶忙しい時期に読んだというのもあるのですけれど。
お若い姐さま方には逆に新鮮なのかもしれませんが、私にとっては「どんな障害があっても幸せになっていいんだーっ!」っていう『BLの発明』がとてもとても刺激的だった経験があるので、いまいち乗り切れず。
10代の自意識がキリキリする感じの表現が上手いと思いました。
上手いが故にダメだったのかもしれません。
真面目に書かれた自意識って苦手なんです(あくまでも好みの問題ですが。それを笑い飛ばしたり、苦く感じている描写はだいすきなんですけれど)。それこそ『自意識が邪魔をする』から苦手なんだと思うんですけれど。