縞馬
Ferando’s wish
『僕の悪魔』『憂える天使』の番外編です。
〈フェランドのお願い〉という題名なので、可愛いお願い♡のお話なのかと勝手に思っていましたが、全く違いました(笑)
里玖とクラウディオが夕食を食べにリストランテへ車で行く途中、銃声が…思わず車内の全員が一瞬硬直しますが、女性が拳銃で撃たれた様子で、その女性が腕に抱いたスリングの中で赤ん坊泣いていました。
里玖は、放っておく事が出来ずに駆け寄ります。
その傍らに赤ん坊の兄である少年が壊れた人形のように立ち尽くしていました。
その少年がリノで、マウロのアパルタメントのお隣さんで、他のお話にも出ていた少年です。
里玖は頼る親戚もいないと言う二人を、出来る事があればしてあげて欲しいとクラウディオにお願いします。
そうして、リノ達はガゼッラファミリーで里親が見つかるまで預かる事になります。
しかし偶然にもリノの母親を殺したのはガゼッラファミリーと今、敵対しているアスタリータファミリーでした。
クラウディオはアスタリータファミリーとの事に決着を付けようと画策しますが、相談役であるアンドレアがクラウディオを裏切ってアスタリータファミリーに寝返ってしまいます。
そして、アンドレアからクラウディオと里玖が逃げている途中でフェランドも裏切り、里玖にお願いをします。
ー死んでくれー と。
とにかく今回もクラウディオの里玖に対する甘々が萌えて堪りません!
里玖のお願いを叶えるかわりに、ベッドでのお礼を要求しますが、
その要求がベビードールを着るだなんて(笑)
そして里玖も、クラウディオの仕事や、している事に対して分かった上で、クラウディオの事が大好きだから全部受けとめるだけだと言います。
そして里玖は目を瞑り耳を塞いでクラウディオの天使であり続けていこうとします。
最後にリノ視点のお話が。
お隣さんだったマウロの事や、里玖以外には全く関心がなく、冷たく怖いクラウディオの事がリノ視点でかかれています。
里玖はどこまでいっても周りの人を魅了していきますね。
クラウディオが、リノのまだ12歳という子供にも嫉妬する様子も面白かった〜(笑)
もっともっとこのシリーズのお話を読んでいきたいです!
2段組で60頁。成瀬さんが2年弱あたためていたネタだとか。
「フェランドのお願い」
クラウディオとディナーに向かう車中で銃声を聞いた里玖は、殺された女性の胸で泣き叫ぶ赤ん坊を見つけて降車する。マンマを殺されて立ち尽くす12歳の少年リノと赤ん坊のルチオ。クラウディオがドン・ガゼッラだと知ったリノはマウロのことを思い出して口にする。里玖は、マウロと仲良しだったリノの今後をクラウディオにお願いして、アスタリータ・ファミリーとの件が片付くまでドン・ガゼッラ家で保護することになる。その夜、里玖はリノたちを保護の御礼として、クラウディオに渡されたベビードールとショーツ姿でのエッチをすることに…。なお、リノは表向きはマウロと関わっていなかったせいで(同人誌『Angel Ring』の「マウロ」参照)マウロと親しかった裏付けがとれないクラウディオたちに密かに警戒される立場となる。
数日後、バールに向かう里玖とリノ。護衛はフェランドとテオ。道すがら、リノはマウロとの色々な思い出を語り涙をこぼす。そして、マウロの最期を聞かれて「マンマを助けようとして撃たれた」と里玖は教え、更にテオが「リクがマウロの仇を討った」と言う。それを聞いたリノは里玖に「Grazie」と涙ながらに礼を言う。リノの言動からマウロへの想いを悟る里玖。
その後、アスタリータ・ファミリーとの全面抗争状態となったガゼッラ・ファミリーでは、アンドレアとフェランドがドン・ガゼッラを裏切ってアスタリータに寝返ったふりをする。そして、リノを別の預け先に送る途中で、クラウディオと里玖はアンドレアに銃殺されそうになるがリノに助けられてフェランドと共にカタコンベから地下水道へと逃げ隠れる。里玖は、リノの行為は危険だったことを諭そうとするが、リノはマウロを優しいと言ってくれて、マウロの仇を討ってくれたから助けたかったと答えて、更に窒息死しかけたルチオをマウロが助けてくれた話もする。そんな暗闇の中、クラウディオの携帯に届いたメールを皮切りとして、里玖は「ヴァレンタインの約束を今、果たしてくれ」(同人誌『the tear of the moon.』の表題作参照)と言うフェランドに首を絞められて眠りにつく。そして始まる、カタコンベ内での真昼の殺戮。
事が終わった夕刻に目覚めた里玖は、フェランドに付き添われてリノと共にガゼッラ家に帰る。昼間の音と血臭の記憶に脅えたままのリノに「ドンがしたことを知っているのか?」「平気なのか?」と問われるが「大好きな気持ちは変わらない」と即答して、リノを抱きしめ慰撫して仲良く夕食の準備をする。
アスタリータ・ファミリーを根絶して深夜に帰宅するクラウディオ。暗い瞳をして血と硝煙の臭いをさせたクラウディオをベッドの中で迎え、何も問わずに受け入れる里玖。心の中でひっそりと、クラウディオの聖域(アンジェロ)であり続ける決意をする。翌朝、朝陽に照らし出されたクラウディオの「愛している、リク。私の天使」との言葉に微笑む里玖。
「リノの気持ち」
マンマを撃ち殺された直後からのリノの気持ちが綴られている。ガゼッラ家においてもらって里玖からマウロの話を聞くことができて心が潤ったと感じ、マウロが初恋だったのだと思う。そして、マウロの仇を討ってくれた里玖のためならどんな事でもしようと決心する。また、ドン・ガゼッラのことは苦手に思うけれど、冷徹なドン・ガゼッラが里玖の前でだけは甘やかで人間味が増して、ドン・ガゼッラである時ほど恐くないと思う。(里玖の肩にもたれかかって頭を撫でてもらっているリノを見て、眉を上げるクラウディオと心穏やかでないドンをなだめるフェランドが愉快)
真っ白で真っ直ぐな里玖の存在を頼りに、マフィアとマウロのことについてじっくり考えて自分なりの答えを見つけた時に、マウロを好きだと言えるだろうか?と考えるリノ。
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