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初めての胸苦しさを恋だなんて知らなかった――。
hatsukoi no sorekara
幼い頃から泣き虫で、本当は寂しいけど一人でいようとする有馬。
おなじく周りから浮いてしまい一人でいることを選ぶ爾志先輩。
そんな二人を構う吉原先輩。
そんな三人のちょっぴり切ない三角関係からはじまった有馬と爾志の恋。
爾志のためにどんどん成長し(体も心も)強くなる有馬。
あの有馬が爾志を守っちゃう日がくるなんてね~(笑)
でもいいバランスの二人なのではと思いました。
そして全体を通して吉原先輩がいい味だしてくれてます。
失恋したのに二人を応援し、助け舟をだしてくれる優しい吉原先輩が素敵すぎ。
胸がしめつけられるせつなさもあり、可愛く微笑ましくもあり、とにかく優しいお話でした。
「初恋」、そして爽やか過ぎる表紙!期待せずにはいられません。
高校一年生の有馬は、小さい頃から泣き虫で、周りから守られてきていました。ずっと面倒を見てくれていた従兄の重荷になっていたことを知って、高校では一人で強く生きていくんだと必死です。先輩である爾志と吉原の出会いが有馬を変えていきます。
最初の頃の有馬は「守られたくない」「一人でいい」と、まるで周りが全部敵のようなとげとげしさがあって、正直可愛くない子でしたが(笑)、恋を知って、徐々に自分を見つけていきます。
前半は、初恋の初々しさがぐいぐい胸に迫って、きゅんとしました。
後半は、二年後に話が飛びます。有馬は、あんなに「一人」にこだわっていたのが嘘のように、仲間に囲まれて生きています。爾志は大学へ進み、揉まれながら大学生活やバイトをしています。一見、穏やかな恋人同士なのですが(実はこの時点で、キスは三回しかしていない清い二人なのです)、少しずつ二人の心に色々な不安が積み重なっていきます。
「これ」はばらさないほうがいいと思いますので、書きません。あとがきもあとで読んだほうがいいですよ。(作品情報で分かってしまうと思いますが。)「これ」については、読み進めていくうち、あれ?と思うこともあったのですが、まさか!!って本当にびっくりしました。
驚きましたが、後半の二人の心の揺れ動く様を読んできていたせいか、しっくりきました。
大きな事件が起きることもないのですが、不器用で、青くて、瑞々しい恋愛を堪能しました。
余談ですが、初回限定でSSペーパーがつくのって、いいですね。どこの書店で購入しても手に入るのは嬉しいです。
ホリーノベルズさんの本をまた読もうと、積み本から選びました。
小椋ムク先生のイラストにつられて購入したくらい、素敵なカバーイラスト♪
三人の人物の関係性が、遠近感を上手く使って描かれています。
渡海奈穂先生の本は多分、これで3~4冊目ですが。
レビューは…初レビューかな?
お話は、主人公の二人で何度も視点が入れかわって進む、ちょっと変わった書かれ方でした。
多分、主な登場人物が三人いるからですね。
有馬と爾志、爾志と吉原、有馬と吉原。
三人中二人が会話するシーンが多いので、章に関係なく視点が入れかわります。
でも、違和感はあまり有りません。
※結構ネタバレしそうなので、ここからは注意です。
チビで泣き虫で赤面症である事にコンプレックスを持っている、高校一年生の小松崎有馬(こまつざきありま)。
顔は綺麗なのに無愛想で、独りで油絵を描いている時間が好きな、高校三年生の爾志千冬(にしちふゆ)。
有馬と同じ保健委員で爾志の友人、三年の一学期にまだ部活に励んでいる、優しくて人気者の吉原。
過去のトラウマから、人に構われる事が苦手な有馬ですが。
同じ保健委員の吉原先輩に優しく構われて、その好意に甘えそうで必死に吉原先輩を突き放していました。
ある日、中学の時の世話焼きな友人から届いたメールを見て泣いていたところを、爾志先輩に見られてしまいます。
爾志先輩は、優しい吉原先輩の友人でしたが、真逆なタイプでした。
いつも一人でいたがる爾志の事を心配する吉原の優しさに、困っていた爾志は。
同じく一人でいる事を吉原に心配されている有馬に、一人でいたいもの同士一緒にいようと提案してきます。
昼休みは美術室近くの階段で、段違いに離れて一緒に過ごす二人。
やがて、他の人みたいに遠慮せず、互いの思った事をハッキリ言い合える心地よい関係になり…?
このお話は、前半が高1と高3、後半が二年後の高3と大2になります。
二人にとって、この二年がとてつもなく変化のある時間になりました。
有馬はまず、まわりとの人間関係がガラリと変わります。
そして、見た目が変わります。
見た目良くなったのですから、喜ぶべきところなんですが。
有馬は、変わってしまった事で少し悩んでしまいます。
爾志は、一人暮らしを始めますが。
アルバイトが忙し過ぎて、なかなか時間が自由な空きません。
大学やアルバイト先の人間関係にもかなり悩んでいて。
仕事の経験スキルはどんどん上がりますが。
見た目では痩せ細っていきます。
生活能力スキルもかなり低いという…。
有馬と、爾志と、吉原と。
身近な人たちや、過去にトラウマだった相手などなど…。
様々な人間関係の中で、成長していく三人。
十代の頃の二年間て、確かに長くて変化も大きかったですよね。
嗚呼、これぞ青春やなぁ~と。
なんとも懐かしい感情が沸き立つ思いで読みました。
前半は、有馬がウジウジした感じで。
後半には、特に爾志が色んな壁にぶち当たってウジウジした感じになります。
しかし最後に腹をくくった爾志は、とにかく格好良かったです♪
ラストの爾志がある人物と話をした後の場面、一番のお気に入りです。
有馬と爾志と吉原と。
三人がお互いに、結果的に良い影響を与えあっていて。
色々あったけど、三人が三人とも自分らしい未来へ向かっていて。
素敵な読後感でした。
渡海奈穂先生、小椋ムク先生、素敵なお話とイラストをありがとうございましたm(__)m
前情報無しに読んだのでちょっとびっくりしました。三角関係の話だけどベクトルの方向が全部別々。BLでしかありえないやつです。最初に見た目も性格もザ・受けって感じの子が出てきて読者は惑わされます。
可愛い男子高校生が3人出てきて「さあ問題です。この中で誰が1番の受け気質でしょうか?」って感じです。全く攻め気質でしかない子も一名いるんですが。
そんな楽しいストーリーかと思いきや、モンスターフレンドが出てきたり、受けのバイト先がブラック企業だったりちょっと暗い要素も盛り込まれています。新書版なので内容が濃いです。
他の方もおっしゃってたように主人公達が高校生から始まって2年間のお話なのでキャラクターの心も体もずいぶん成長していきます。
病弱で過保護に育てられいじめられっ子だった有馬。
よく遊んでくれた優しくて憧れていた年上の従兄弟が、実は親から頼まれて負担に思いながら無理して世話してくれていたことを知って以来、人との間に壁を作ってしまう性格になってしまったのは仕方がないことです。
高校で出会った有馬と爾志と吉原
一方通行の三角関係だったんですね。
有馬は爾志が好き、爾志は吉原が好き、吉原は有馬が好き。
爾志が吉原に告白して振られてくれたのは有馬のためで、そこまで有馬のことを大切に思ってくれたことに感謝と喜びを感じた有馬だけれど、ちょっと時間をおいて夏休みに入って付き合うことになったのは唐突で驚きました。
公園で爾志を木に押し付けてチューする有馬のイラストを見た後すぐに2年の時がたっていて、テニス部に入ったことと背がグングン伸びてもっと伸びそうというところを読んだとき、もしや有馬が攻め?あるいは身長追い越したらリバに?
とかちょっと妄想してしまいました。
あんな可愛い顔で…頬染めて…めそめそ泣いてた子が…と親か親戚の気持になっちゃいました。
けど、やだやだ爾志みたいな男。
不器用とか無口を免罪符に気持を伝えないで、言わなくても分かれとか当たり前な態度もどうかと思う。
結局いつも有馬の方から折れて助けられて守られてるのに自尊心ばかり強い。
爾志視点の描写では有馬なしに人生は考えられないとか特別に思っていることも大事にしていて感謝してることもよくわかりますが有馬にはそんなことわからないでしょう。
絶対吉原先輩の方が優しいし楽しいしいいと思うのに一体爾志のどこがいいんだか。
対人関係についての考え方が共感できて一緒にいてラクだと言うのならそれこそ友人か先輩後輩の付き合いよくない?
で、恋人が吉原で爾志とは二人の共通の友人としてたまに掃除とかしてあげて、という方がスッキリするのにとずっと思って読んでました。
だけどそんな不器用でわがままで口が悪くて横暴で生活IQ低くて好き嫌い多くて人見知りで生きずらそうな面倒臭い爾志が大好きなんだと言うことがよーくわかりました。
残りページがわずかになってもまだチューから先に進めない二人にもうこのままなしでもいいよ、親友以上恋人未満で幸せならいいかもと思いました。
初回特典ペーパー「最後の階段」
爾志の卒業間近なある日、さみしくて泣き出した有馬にキスをしたときのこと。本編では有馬は泣いてる子をあやすためのキスだと思ってるけれど、その時の爾志はそんなんじゃなかったことがわかってちっと嬉しかったです。
三人の少年達の物語です。三角関係未満、恋愛未満ぐらいの瑞々しい雰囲気は伝わってきたのですが、思春期特有の心の揺れ動きにリアリティーを持たせようと丁寧に描写しすぎて逆にキャラクターに掴みどころがなくなってしまったなぁと思います。
渡海奈穂さんの作品はいくつか読みましたがいつも同じような印象を受けるので、単に相性の問題ですかね…。なんというか、もっとシンプルにできる展開を捏ねくり回しているうちに「…で、何が言いたいんだっけ」となる場面がしばしばありました。
人との距離の取り方がそれぞれ不器用な二人が惹かれ合うというのは思春期らしくて良かったと思います。吉原先輩はちょっと勿体なかったなー。