薄雲
flesh&blood
原作既読。
キャラクターブックに掲載されていたお話のCD化で、収録時間を考えると非常にお得なお値段だったと思います。加筆とありますが、倍以上のボリュームのお話になっていて、まずはそこに驚かされました。
私はスペイン組が好きすぎて拗らせてますので、ついに来た! と大喜び。
アロンソ(遊佐さん)とビセンテ(大川さん)の関係だけでも萌え狂えるというのに、そこにレオ(宮田さん)とアロンソの従者であるマルティン(千葉さん)も絡んできて、倍美味しい。
カイト(福山さん)も登場しますが、どうやら別録りだった模様です。
スペイン語の片言にはご苦労されただけあって、舌っ足らずなカイトの口調がとても可愛らしく、凄く幼く感じてしまうのが新鮮でした。快活なイメージのあるカイトが、病気によって少し弱っているのも声音から伝わってきて、とても丁寧に演じられているのに好感が持てます。
そして今回の主役はアロンソ様!
一体この展開を誰が予想してたでしょうか……まさかの遊佐さん独壇場(笑)
ひたすらアロンソの独白が聴けて耳が幸せでした。
ここに大川さんの深みのある美声が絡んでくるわけですから、就寝前の睡眠導入剤にしたのが大間違いってもんです。目がギンギンにさえて眠れなかった!
宮田さんのレオも、カイトとの対比がとても鮮やかで、先の展開を知ってるだけに少し切なかったです。
フリトも結構尺を取ってて、嬉しかったです。
最近の特典フリトって、大体主役2人で微妙な空気感の中、無理に盛り上げようとしてたり、淡々とお題にのみ答えてたりというのも多い中、スペイン組4人でワイワイガヤガヤ、笑いも飛び交いこちらが思わずニヤけるような賑わいでした。
福山さんだけ別録りで、それだけが少し残念です。
皆さん、この作品への思い入れや愛着が感じられるような言葉があり、膨大な巻数になっているシリーズを見て、思えば遠く来たもんだ……みたいな気持ちに。
めくるめく桃色展開になるはずの新シーズンが、延期でやきもきしてますが、スペイン組の再びの登場が非常に楽しみです。
全員プレゼントを目当てに本を買ってしまったのは初めてですが、どうしても聴きたかったので応募して手に入れました。
手に入れて正解!聴けてよかったです。
このシリーズファンなら聴いて損はないスペイン組だけの豪華なドラマCDです。
ビセンテは海斗と打ち解けて仲良くしているアロンソにジェラシーを感じたり、海斗の天真爛漫な性格を愛しいと思いながらレオを可愛いと感じてかわいがりたいアロンソ。
そんなスペイン組のほのぼのとした優しいひと時です。
遊佐さんのいい声の語りで落ち着いた物語でした。
心ならずも拉致されてスペインに連れてこられイングランドを思い沈む時があるけれど、ビセンテもアロンソもレオも思いやりある優しい人たちで悲しいばかりではなくつい心を開いてしまう複雑な心境の海斗の胸の内が切なかったです。
アロンソの過去話にマルティンとの主従の絆の深さが感じられました。
お互いが大切に思い信頼している関係がよくわかる逸話でした。
できればビセンテともっと打ち解けたいと考えているアロンソがかわいかったです。
美しいエル・エスコリアルでの平和なひと時がこの後の運命を知って聴くと切なくもなります。
福山さんの明るいタイトルコールから始まるこの一枚は、シリーズ初のスペイン組のみでのお話となっており、収録時間もしっかりととられ、じっくり聴くことが出来ます。トラック1~5までが本編(48分くらいです)で、トラック6には大川さん・遊佐さん・宮下さん・千葉さんの4人+別撮り(かな?)の福山さんのフリートーク(全部で16分くらいです)が収められています。これがまた実に和気藹々とした雰囲気で、皆さん仲良さそうだな、楽しそうだな、と、聴いているこちらも笑顔になってしまいます。
タイトルにも書きましたが、こちらのCDは終始アロンソのモノローグによって展開していきます。ですので、ビセンテへの複雑な想い、レオやマルティン等の周囲の人達への気持ち、自分の人生や出自・身分からくる葛藤、これまでの出来事、これからの出来事への思い、それらを全て遊佐さんが味わい深く語っています。遊佐さんがこんなに長く語られるのを、私自身は「忘れないでいてくれ」でしかお聴きしたことがなかったので、新鮮でした(勿論、このシリーズでもアロンソの独白は初めてですので二重に新鮮なのですが)。彼はこんな事を考えたり悩んでいたりしているんだなぁとか、主従の絆に胸を打たれたりして温かい気持ちになるのですが、その分、これからどうなってしまうんだろうと思いやられ、ちょっとした会話の中などにも、静かな穏やかさの中にじわじわと近寄って来るほの暗い影を感じます。
彩さんによる描き下ろし(多分)のジャケットイラストも素敵です。5人がこうして顔を揃えるイラストはそんなには無いと思いますので、ついじっくり見てしまいます(マルティンがいい感じに渋いですね、出来る従者そのものといった感じです)。表は淡いグリーンと衣裳の濃色の対比の効いた配色が美しく、裏は暗い夜の様な、それが切り絵や影絵の様に見える幻想的な一枚となっておりまして、視覚も十分満足させて頂きました。
少し気になった点を挙げさせて頂くと、時々、ほんの少しですが声が割れる様な、妙に反響する様な箇所があり、いずれも遊佐さんの台詞の時でしたので、マイクか録音の問題か何かでしょうか。自分は素人ですのでよくは判りませんが、それが少し残念でした。幸い、聞き苦しいというほどではないのですが。それと、これは気になったというのとは違いますが、物語の舞台状況上今回は海斗が終始本当にカタコトですので、いつもの滑らかなお喋りはほぼ聴けないです。判ってはいましたがそれも少し残念で、また、そういう場面を文字で読むのと実際に聴く際の違いを感じました。文字の場合、ひらがな=外国語を拙い感じで喋るという、文学界でのある種の約束事を自然と納得していますが、音だとそこまでの約束性が強くないからかな?勿論そんな海斗も可愛いのですが、その状況に完全にははまり切れなかったというのが素直な感想です。ただ、海斗が結核だった時や拷問で弱っているジェフリーを聴いた時も思いましたが、あんな風に自由に喋れない状況で、それでも感情を込めて演技をするってすごいなぁと、改めて感心しました。
あれこれ書いてしまいましたが気になった点はどれも本当に些末な問題で、総合的にはいつもながら全サとは思えないほど楽しませて頂きました。原作では戦闘に入っている彼らのこれからが大変気になると共に、新シーズンのCDも待ち遠しいです。
snowblackさま、こんにちは、はじめまして。
コメントをくださいましてありがとうございました。
長々としたレビューになってしまいましたのにお読みくださり、
ご丁寧なコメントまで頂戴いたしまして、本当にありがとうございます。
とても光栄で、嬉しく拝見いたしました。
はい、ジャケットが両面ともにとても素敵でした。
レビューを記入したとほぼ同時に画像が表示されるように
なっておりましたので、結果的には蛇足になってしまいましたが(^^;
雪舟先生の優しい色遣いも大好きでしたが、
彩先生のドラマティックな配色も本当に素敵ですよね。
物語とも似合っているなぁと、いつもそう思います。
snowblackさまはアロンソさま御贔屓でしたか!
でしたら尚更入手なさる機会がおありだとよろしいのですが…。
来し方行く末を思い、様々な愁いに囚われるアロンソさまの心の内を
遊佐さんが見事に再現されていらっしゃいますので、
snowblackさまのようにアロンソさまをお好きな方でしたら
ぜひお聴きにならなきゃいけません!というほどのCDでした。
御懸念の通り、(お話の内容的に無理も無いのですが)全体のトーンは
決して明るくないですし、しんみりとなってしまう場面もあるのですが…。
(特に子供の事が話題にのぼった際、傍にいた海斗が黙り込むシーンなどは…)
終始静かな雰囲気、でも、嵐の前のそれ、という感じを受けました。
この作品は本当に群像劇ですよね、私も全く同感です。
主人公は海斗でも、他の人もそれぞれに同じくらい顔が見えると言いますか…。
主だった人物なら誰を主役にしてもこういったCDを作れそうですよね。
これからもぜひ、例えばラウル視点などでも聴いてみたいなと思いますが、
…無理そうですかね(苦笑)
何らかの形でもお手に取れますよう、本当に、心から願っております。
もしお聴きになれましたらsnowblackさまのご感想もぜひ拝見したいです!
長くなってしまいましてすみません。
コメントを本当にありがとうございました。
(こちらにお気づきになって下さるとよろしいのですが(><))
rhodoriteさま、レビューをありがとうございます。
こういう全サなど非売品の詳しいレビューは
手に入れられなかったファンにとっては嬉しい限りです。
珍しい顔ぶれのジャケットも美しいですが、
スペインの光と影、裏面も説明して頂き実物を見たくなりました。
アロンソさま贔屓の私は、迫り来るスペインの悲劇を思うだけで
胸が締め付けられそうになるのですが
アロンソさまのモノローグなんて、その内容に関わらず
涙なくては聞けないような気がします。
その内容が、穏やかだったり温かかったりすればする……。
それにしてもアロンソさまのモノローグというのは、
それだけ彼が人気者だということでしょうね。
主役二人だけではなく、群像劇としても魅力的で
一人ひとりに重みがあるのが、
F&Bの素晴らしいところだと再確認です。