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yakan touhikou
久我さんもともと好きでしたが、レビューを見ると重いとかそんなのばっかりだったので手が出ず寝かし続けていたところ、Kindle Unlimitedで見つけたのでソッコーでダウンロードして読みました。
個人的には別にそこまでズーンとなるほど重いとも思わなかったです。
確かに攻めは重たすぎる荷物を背負って人生を生きていかなければいけないけれど、お話の最後はちゃんとハッピーエンドですし。
何を抱えているのかとかは読んでいただくとして、話のテーマが大きいにも関わらずちゃんとBLしてるところがすごくよかった。
というかエッチシーンが良すぎた。
表情が顔に出にくいクールな年下攻めと元気でおしゃべりな明るい年上受けって感じですが、この組み合わせ最高です…。
受けがマジックミラーのバスルーム(受けはマジックミラーだと知らない)でああでもないこうでもないとエッチの準備をせっせとしてるのを攻めがずっと見てたっていうのかわいすぎて笑いました。
そのあともテクニックを持ち合わせた年下攻めにとってもかわいく抱かれちゃってますし。
経験が豊富なのか、とにかく年下の攻めが受けを翻弄しまくり絶対的な自信で受けのことをめちゃくちゃ気持ちよくしてくれます。
この受け、ほんとにいままで女抱いてたんか?って感じです。
最近はエッチシーンを読み飛ばしてしまうことも多々ありますが、これは読み飛ばせないエッチでした。
年下くんが慣れてきて年上のことを「あんた」って呼ぶのがたまらない属性なのでそれも非常にありがたかったです~。
あと個人的には絵津鼓先生の挿絵も合ってると思います。
特に受けの元気でかわいらしいキャラにはピッタリではないかと。
ベッドの上で力を発揮するクールな年下攻めが好みの方、おすすめです。
訳アリの男二人が旅先で出会い、
UFOが出たという街を目指し一緒に旅をする。
一見ロマン溢れる旅物語ですが
それぞれの背負う過去は非常に重く、哀しい。
現実は変えようがないけれど、
短い旅を通じて互いに出会えたことで
少しだけ未来に希望が持てるようになる。
そんな切なくも感動的な作品でした。
婚約者と親友に裏切られたあげくリストラに遭い
失業中の成一(受け)は、ふとした思いつきで
UFOの目撃情報のあった街を目指し旅に出る。
旅の途中、同じくUFOを見に行くという
青年・ナトリ(攻め)に出会い、一緒に旅することに。
あまり自分のことを語りたがらず、
どこへ行くにもキャップをかぶっているナトリ。
彼は何者で、旅の目的は何なのか。
ほのぼのとした旅情を醸しつつも
ときに緊張感も漂う展開です。
一緒に旅するうち、
成一は本来の明るく天真爛漫な自分を取り戻し、
ナトリも、ときに敬語が崩れ「あんた」呼びになる等、くだけた一面が出てくる。
友だちのように軽口を叩き合う二人はとても楽しそうで、二人が旅先で出会う人びとも親切で温かい。
だからこそ、ナトリの背負うものが
明らかになる後半の展開がズシリと胸に響きます。
大切なものを奪われた人々の、やり場のない怒りと憎しみ。
そのような怒りのはけ口として、ナトリのような罪のない人々が、スケープゴート的役割を強いられているという現実。
一生「夜間逃避行」のような人生を送らなければならないナトリの境遇は、とても理不尽で哀しいものです。
本書の核は、そんな境遇のナトリと、
彼を好きになってしまった成一とが、
旅を終えそれぞれの現実をどう生きていくのか?
という点にあると思います。
成一は、ナトリを救いたいという気持ちを
社会への問題意識に昇華させ、
今までとは全く違う職業を選択する。
ナトリは、一生安泰とは言えないまでも、とりあえず地に足をつけて暮らせる環境と仕事を手に入れる。
遠距離恋愛でも、二人はとても幸せそうで
特に、人生を楽しむことに罪悪感を持っているナトリが、成一の前では自分を少しだけ解放できているところにホッとします。
本書のラブシーンは、一回しかないわりに
フェラやボール挿入などやたら濃厚なのですが
これも何かと制限の多いナトリの境遇を思うと
救いのシーンにも思え、何だかグッとくるものがありました。
重いテーマを扱いながらも、読後感は爽やかで
前向きな気持ちになれる一冊。オススメです。
久我先生の作品って、だいたい前向きなハッピーエンドで終わって、そこがいいところであり、そこが好きでずっと読んでいるんだけど、、
恋人と親友に挙式当日駆け落ちされて、オマケにリストラされた主人公が、引きこもりの日々から立ち直るお話。
主人公は引きこもりの後ろ向きの日々を、何とかしようと思って、UFO目撃で注目されている場所へと旅に出ます。
この「何とかしよう」が、果たして、立ち直りたくてなのか、全てを捨ててしまいたかったのか?
途中、台風の近づく中、街道沿いの定食屋でたまたま相席になった男と旅を共にすることになったのですが、、、。
実は、自分は、性的には受け身で愛されたい体だったんだと知って、本当の恋愛感情を理解するっていうところはよかった。
でも、自分よりさらなる不幸を知って、自分の身に降りかかった不幸なんて、生きていればいくらでも取り返せるからって立ち直るって、、、。
うー
加害者と被害者、被害者家族と加害者家族、人間の感情はままならない。
ちょっとテーマが重すぎて、ラブロマンスの要素として持ち込むには難しかったと感じてしまい、微妙。
結婚式の日に花嫁と親友に駆け落ちされ、
その上リストラの憂き目にまであった内野が
旅先で出会った寡黙な青年ナトリ。
偶然の成り行きで、共にUFOが見えたという海辺の街に向かう二人。
再生の物語……
旅の終わりに、何も変わらないけれど何かが変わって
未来につながる道が見えて来る、そんなイメージ。
筆者は後書きでロードムービーが書きたかったと書いている。
その通りで、旅をしながらの些細な出来事、出会った人
それぞれの行動、そんなものが綴られながら
二人の持つ傷と、心が近づいていく様が見えてくる。
内野は旅を通じて持ち前も明るさを取りもどし、
自分の愛のあり方や、生きる道を見つけていく。
一方、ナトリが抱える痛みは、とても重い。
その痛みを解決するウルトラCはどこにもない。
ロードムービーらしく、明確な結論はないところや
勧善懲悪で切らないところが、秀逸。
Hシーンは濃厚で切ない。
ナトリはそれなりに経験もあることが伺えるが
刹那そうやって、ある種即物的に
生きる辛さから逃れていただろう彼が垣間見えて
エロティックというよりは、切ない。
現実はおとぎ話のように何もかもうまくいって
メデタシメデタシとはいかないが、
唯一の心通う相手と抱き合い、
苦しい消化するだけの人生に細く光が見えるような終わりは
心に染みるものだった。
書き下ろしやペーパーは、その後の二人が描かれている。
達観しているようなナトリの実は可愛い様子や、
二人のその後の生き方や、なんとも微笑ましい幸せぶりを
読むことができる。
:
久我さんの作品は割に読んでいるが、
フルールの二冊はどちらも意欲作に思える。
前作は明治時代を舞台にしたファンタジー、
そしてこれは関西弁でもなく、独特の関係を描く。
タイトルもまた美しい。
イラストが若すぎるというか幼く感じて
この淡々と抑制の効いた、世界観にはミスマッチな印象なのが
個人的には残念だったが、心に沁みる作品だった。
ゲイ×ノンケのCPですが、
ゲイがノンケを口説き落とす話ではありません。
受け視点で進むロードムービー的なお話の中で、
ノンケの方が一緒に旅する相手をゲイだと知らずに好きになってしまう。
こうしてざっくり書くと、ありきたりな筋書きのようですが、
旅の間の二人の空気感や、
旅先で出会った人との、時に温かく、時にきつい出来事、
傷ついた受けが、攻めとの二人旅を通じて立ち直り、
本来の明るさを取り戻して、
新しい生き方を見つけて力強く歩んでいくまでが丁寧に描かれており、
派手さはないものの、久我さんらしい読み応えがありました。
地味で重めだけど優しい、
読んで良かったと思える作品です。
受けが恋に落ちるくだりには若干の唐突感がありましたが、
他がしっかり描かれていて、
登場人物たちに上っ面な感じがなかったおかげで、
元々懐っこい受けが、婚約者と親友の裏切り
と口さがない周囲の態度に傷つき、心底落ち込んでいるところに、
すっと染み込むように寄り添える相手ができたら、
性別は関係なく惹かれるのもアリかもと夢見る事ができました。
攻めが抱えてる問題は、BLで取り扱うには若干厳しめでしたが、
恋愛だけを軸につらっと書かれた読み応えの無いような作品よりは、
ずっと好みでした♪
個人的に久我有加さんの小説は、明るく楽しく基本的には誰も不幸にならないドラマ作品…という印象だったので、このテーマは意外で、後半はとても胸に刺さりました。許すこと、そして愛すること。難しいけれど、読みながら色々と考えることができて穏やかな気持ちになりました。
また、序盤では特にナトリの容姿の描写などが可愛らしい雰囲気のイラストとマッチしていないように感じていたのですが、読み進めるにつれてこれが正解なんだなぁとすんなり思えました。読み終えてから表紙イラストを改めて眺めると、内野の眼差しがとてもいいですね。
主人公の内野は、見方を変えて突き詰めればダメなところはあるのかもしれませんが一般的には被害者で、普通の人で、当たり前のロジックで傷ついて拗ねています。逃避行の途中で出会った青年・ナトリと過ごすうち、彼の絶妙な距離感と雰囲気に惹かれていく内野ですが、思わぬ展開からナトリの過去を知ることになります。知らないから一緒に居られた――知ってしまったら一緒に居られないのか、と焦る内野がいじらしくて胸きゅんでした。
ロードムービー的な面白さも随所にありますが、コメディーになりすぎないテイストも良かったです。
実は途中まで無理にBLにしなくても良かったのでは……と思っていたんですね。
BLだから二人が恋に落ちて当然なんだけど、あまりにも攻めの置かれた立場がシリアスで理不尽でしかも現在進行形で救いがないので、恋愛どころじゃない……みたいな気分になってしまうというか。
だからエッチシーンもなんか浮いているというか、読むのがいたたまれなくて、流し読み……。
受けはノンケなんだけど、ノンケ君がこんな状況で「友達ではなく、恋愛の意味で好きだ」と目覚めてしまうのも、……え?!と思ってしまったし。
だけどエピローグがとても良かったです。
なんでUFO?と思いながら読んでいたんだけど、「UFOを見る確率より、離れていても確かに想い合える人と出会う確率の方が、ずっと低いかもしれない。」というここに痺れました。
そしてロードムービーのような小説を書きたい!という思いから、こんな重いテーマを絡めてくる、そして安易に大団円的ハッピーエンドにしない久我先生はやはりとても真面目な方なんだなという思いを新たにしました。
ブログに掲載されているSS「キミちゃんの一日」も良かったです。
絵津鼓さんのイラストに惹かれて購入。
やわらかくてキュンとするストーリーにぴったりでした。
ちょっと変わったテイストのお話し。
お互いに人生のどん底を味わった二人が、旅先で出会う。人生に疲れて、UFOを見ようと旅行に出たそれぞれ。旅先の食堂で相席になり、ひょんなことから一緒に旅行することに。
お互いに自分のことはあまり語らないが、次第に一緒に居て心地よいと感じるようになる。どこまでも純粋で素直な内野くんと、無口でぞんざいに見えるけど本当は優しい男前、ナトリくん。
そんな中、お互いの過去、特に攻めのナトリくんの重い過去が明らかに。どうやって助けることも出来ない、咎。行方不明になったナトリを必死で探す内野。ようやく再会した二人は、想いをぶつけあう。
やがて目的地についた二人は、せっかく両思いになったけど、別れます。
一緒に暮らしても良いような気もするけど、その出会いを切っ掛けに、穂弁護士を目指すようになった内野と、支えてくれる場所を見つけたナトリくん、それぞれの人生がまた回りだし、その中でお互いの気持ちを育てていく結末は、すがすがしかった。
一つの物語としてよく構成されていて読みやすかった。うわついてない書きっぷりが好感度大。
社会派BLとUFOを探しに行く事とどんな結びつきが…??と
読む前は多少身構えてしまうところもあったのですが
読み始めたらもう、とにかく先が気になりました。
想像していたより重い題材で
こうしている今もきっとどこかで誰かが苦しんでいるのかと思うと
胸が締め付けられるようでした。
信じていた人に裏切られるツラさ、
愛する家族を失う出口の無い悲しみ、
普通の生活が一変してしまうような出来事が
それぞれを雁字搦めにし常に付きまといながらも
時には温かい人情が生きている実感を与えてくれていました。
優しくて思いやりのある内野が
なぜこんな想いをしなければならないのかと憤りを感じましたが
見ず知らずのナトリ君を疑ったりせず、
懐いていく様子はとても微笑ましくて
哀しくなったりほっとしたり忙しかったですw
ナトリ君の事情が明らかになった時は気の毒としか言えませんでしたが
それでもこんなにナトリ君に心を許してくれるような内野との出会いがあって
本当に良かったね!!って思えました。
ナトリ君に対して、内野が少しずつ愛情を感じるのは自然だったんですが
後半の告白の「エロいこと込みで」はちょっとビビりました!
いや、その前に抱擁で自覚したからアリなのかもですが…。
でも気持ちを確かめ合うところはナトリ君が結構助平で嬉しかったです←
エピローグと『離れていても、そばにいる』では
もうお互い好きだからこれからはラブラブ!みたいな変に甘い展開じゃなくて
逆にそれが好ましくて
是非とも“本当の焦らしプレイ”をするナトリ君が読みたかった!!
萌ですが萌×2寄りです。