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hajimete no hito
主人公里久が両親と祖父母を事故により同時に亡くしたところを、叔父である千葉に引き取られる。色んな人にモテても興持てなくて飄々としていた里久であったが、ある日千葉とその友人のキスを目撃してしまい自分の気持ちに気づく。自分の本当の気持ちを千葉に告白する里久であったが.... みたいな流れです。
最初の方は里久の可哀想な境遇ながらも千葉とのほっこりする日常生活の中で甘さを感じられます。ですが、明らか両想いにも関わらずなかなか気持ちがすれ違う二人にもやもや。(いい意味です 笑)
里久が告白したことで別々に暮らすことになり結果的に7年間も離れていた2人!途中からもうずっと切なくてもどかしくて思わずやんでやねーんと突っ込みながら読んでました(笑)千葉がくれた高級時計を川に捨てるシーンでは思わずもったいなー!!!と言ってしまいました。私この小説を思い出す度終始時計のことを思い出しちゃいそうです....(笑)
医学系の大学生になった里久は千葉に捨てられた影響ですれています。次々と男と付き合っても一向に心を動かされるような人とは出逢えない。そんな中、大学の医学研究者である東江と付き合うことに。この東江が出て来てから俄然おもしろかったです。詳しくは書きませんが、あるページから豹変して....もうすごく怖かった(笑)甘さと切ないとハラハラが詰まった作品です。ぜひ読んでみてください!
橋本あおいさんの挿絵に惹かれて
手にとってみました。
叔父×甥の7年越しの恋を描いた長編です。
前半の「年上のひと」は
15歳の受けが叔父(30)に失恋する切ない話。
後半の「初恋中毒」は、それから7年後
すっかり擦れてしまった受け(22)が
叔父(37)と再会するという話です。
前半と後半とで、受けのキャラが
ガラリと変わるのが見所かと思います。
中3の頃は、真面目で可愛くて
叔父のことが大好きな優等生。
しかし、叔父に告白するも拒まれ
同居を解消されたことに深く傷つき、
遊び人のゲイ(美形)へと成長を遂げるという
変貌ぶりが面白かったです。
22歳の受けは毒舌で辛辣な性格ですが
初恋の相手(叔父)にだけは弱く
そこに可愛げがありました。
叔父は知的で穏やかな大人の男性。
しかし、受けに想いを寄せながらも自制し
逃げてしまうというズルい一面も。
叔父の気持ちが(読者には)早々に読めてしまうだけに、物語終盤まで保護者の顔を崩さない叔父の態度はかなり焦れったいですw
良く言えば真面目、悪く言えば面白味に欠ける
キャラクターと言えるかもしれません。
叔父の言葉が足らないばかりに
振り回される受けは気の毒ですが
一旦叔父と離れたことで逞しく成長し
再会後は言いたいことを言える
対等に近い関係になるという展開は
再会モノ&年の差モノとして萌どころでした。
また、受けの恋人がインパクト大です。
最初は優しい大人の男性然としていますが、受けに別れを切り出された途端ヤンデレDV男に豹変。
叔父に嫌がらせしたり
受けに暴力を振るったりと大暴れです。
叔父がこの当て馬から受けを助け出すシーンは
数少ない叔父の見せ場の一つかと思います。
本書のテーマは受けの成長かと思います。
叔父が(良くも悪くも)変わらない分、
受けの若さや勢いが際立っています。
ラストの、高校入学祝に貰った時計を
叔父の目の前で捨てるシーンに象徴されるように
受けは叔父に子ども扱いされることを嫌っており
ときに叔父を傷つけるような辛辣な態度もとる。
対等になろうとする受けの切実な姿が
ある種の切なさや緊張感を生み出していて
年上×年下らしい甘さは鳴りを潜めている点が
一風変わっていて面白かったです。
里久(受け)視点の「年上のひと」「初恋中毒」の中編二本立てです。
本のタイトルと表題作の題名が違うので、雑誌掲載作品かノベルスや同人誌の改訂版かな?と思っていたら、すべて書き下ろし作品でなんだか申し訳ない気持ちになりました。
「年上のひと」は10歳から15歳までの同居から恋愛になり別れるまでの話、「初恋中毒」は7年後に再会してから恋人同士になるまでの話です。
二人とも両想いなのに遠回りしたなぁという感想でした。何か障害が除かれたわけでもないので、7年という時間や距離を置く必要性があまり感じられなかったです。作中で書かれていませんが、中学生に手を出せないけれど、成人ならOKなのかなというくらいの印象でした。
叔父甥ですし、「家族」として守りたいという千葉(攻め)の気持ちは理解できるのですが、それによってどれだけ周りが傷ついたかと思うと、ハッピーエンドで良かったねとは思えませんでした。東江は里久に酷い仕打ちをしますが憎み切れなかったです。三木もなぁ…。
ただ、切ない年の差カップル、好きになってはいけない人、じれったい展開がお好きの方にはお勧めだと思います。私のようなズバッとみんなハッピー!好きにはちょっと合わなかっただけです。
橋本先生のイラストも作品の雰囲気にあった繊細なもので素敵でした!
あと、攻め受けとも他の男と肉体関係がありますので苦手な方はご注意ください。
年の差の二人の、出会いと別れ、再会モノ。
年の差にありがちな、大人(攻め)の方が情けない感じがなくてよかったです。
この攻めはとてもきちんとした大人で、自分をしっかり律していた。
でもだからこそ、受けとのすれ違いが起きてしまうわけですが……。
一方の受けも健気でとても可愛かったです。
受けが攻めに引き取られることになるシーンはとても感動的。
こんなこと言われたら、引き取るつもりなくても引き取るよね、と思えました。
大人になってからは、以前のように素直になれなくなっている受けですが、でも攻めの前では何かの拍子に素に戻ってしまうところがあって、それがとても可愛かった。
切なさもたっぷりあって、年の差としての萌えも充分だったし、とっても面白かったです。
最初から最後まで、可愛いお話、といった感じでした。
両思いなのに攻のおじさんが受の甥っ子から逃げて無駄に時間を過ごしちゃう話…
あえて「攻が遠回りする話」と言いたい!!
だってねぇ、
受の里久くんが不憫すぎます。
攻である千葉さんの、家族として年上としての立場もわかるけどさ〰でもさ〰
前半でさんざん里久を拒絶しといてさー
今さらさぁー!!
あそこまですれて冷めた青年に成長するしかなかった里久がかわいそうでせつなくて…
初恋って、はじめてのひとってやっかいだなぁ。もう呪いだ。忘れられる訳がない。
家族を失った幼い里久に「家族になってくれ」と手を差しのべた叔父の靖之。
それから10年。15歳という歳の差に戸惑いながらも、二人は家族という関係を、協力して作り上げていきます。
里久が靖之を好きなのだと打ち明けるまでは。
こちら叔父✕甥の歳の差ラブストーリーになります。
里久が想いを自覚した途端、二人の関係が崩れてしまうんですが…ここの里久の心理描写が、読んでいてとにかくツラいんです。
まっすぐにぶつかっていく里久と、その気持ちは間違いだと断じて、受け入れない靖之。
ひどいんですよ、靖之が。大人の分別とか、家族の意義とか、色々考えたんでしょうけど、里久目線で読み、すっかり同調しているこちらからしたら、「そんなん知るか!」です。「ふざけんな!」です。
その場にいたら、胸ぐら掴んで張り倒したいぐらい腹立ちました。
里久がかわいそうでかわいそうで…幸せにしてあげたいと思いながら読み終わった前半(年上のひと)でした。
そして、後半(初恋中毒)。
初恋が無惨に砕けてしまい、オトコ関係がユルくなってしまっている里久。そりゃなー、恋愛観拗らせるのも無理ないわーと思いますよ。
7年経ち、新しい恋(?)をスタートさせていた里久は、思いがけず靖之と再会します。
現恋人の言動に不穏さが増すごとに、二人の関係も不本意ながら近付いていくのですが…。
再会時、里久は靖之に対してけっこう辛辣な嫌味を放つのですが、これが痛快でしたねー。
あと、里久の利己的なところがとても良かったです。
綺麗ごとで包んでないんですよ。
里久との関係修復を望む靖之の気持ちに応えないのは、もう一度見捨てられたら自分が耐えられないから、なんです。
「相手の為に」とか「周囲を慮って」ではなく自分が傷つきたくないから、というシンプルさに、とても好感持てました。
後半はウジウジしますが、全体的に可愛くて好きなキャラだった里久に対して、靖之に対してはイライラがずっと続いてしまって、信用できない男のまま読了したことが残念でした。
かと言って、自信満々な俺様キャラだったら、この話成立しないよな~と思うので、うーん、難しいですね。
これから靖之には、里久を苦しめた分以上に愛情を注いで甘やかしてあげてほしいな、と願うばかりです。
まあ、信用できないんですけどね(笑)。
今、私に『いじらしい恋の話を読みたい』気分が襲ってきていまして。
自分が未熟な所為できりきり舞いしちゃう様な。
互いのためを思うばかりに、気持ちがすれ違っちゃう様な。
で、このお話は確実にそういうお話でした。
でも、このお話、どうも引っかかるところがありまして。
それは当て馬で出てくる東江の『豹変』なんです。
千葉と里久が再び近づくためにそうなったみたいに感じられちゃったんです。
「もし、東江がスパダリのままだったら里久は絆されちゃったのかな」なんて思ったりして。
里久には「どんなにいい人と付き合っても、その人は千葉じゃない」と思ってもらいたかったし、千葉には「誰よりも里久を幸せにするのは自分だ」と気づいて欲しかったみたいです、私としては。
『年上のひと(家族を亡くした里久が叔父の千葉に引き取られてから、叔父への恋を自覚し、別の親戚のところに転居するまでが書かれています)』は、すっごい好きなんですよ。
自分よりかなり年上の人を好きになってしまった里久の『子どもであることをじれったく思う感じ』とか、好きな人に本気になられちゃった時に「怖い」と思っちゃうところなど、グッと来たんです。
そして「ずっと千葉と暮らしていたい」と思いながらも叶えられずに、千葉への想いを投げ捨てる(実際に『投げ捨てる』んだよね)ラストは、哀しい余韻がいつまでも残りました。