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yagate yasashiku hikaru yoru
年下ヒモ男に、地味健気受けが
ひたすら尽くしまくるという作品。
読めば暗ーーーく嫌ーーーな気分に
なること請け合いです(?)。
攻めも受けも悪人ではありませんが
それぞれにダメな部分があり
そのダメな部分を自分でもどうにもできず
苦しむ様がリアル。
読んでいて全く癒されませんが(むしろドッと疲れる)、彼らの行く末が気になって結局最後まで読んでしまいました。
二人は大学からの恋人で、同棲中。
学生時代はアウトロー風でカッコよかった攻めですが、今や定職なしのヒモ男。
会社勤めの受けの収入で生活しています。
この攻め、
受けの金やカードを無断で使用したり
酔って仕事に遅刻しクビになったり
酔って女を家に泊めたりと
絵に描いたようなダメダメぶり。
やる気がないわけではないけど
目の前に楽しいこと(酒や遊び)があると
何も考えられなくなる、非常に直情的なタイプです。
受けは、会社でいじめられるような大人しい性格で
攻めを養うのに精一杯でスーツも靴下もボロボロ。
ストレスで肉体的にも弱り気味です。
一見同情すべき人物ですが、あとがきにあったように、健気すぎるのも考えもの。
思っていることをハッキリ言えない受けの性格が
「優しさ」でなく「弱さ」として
比較的冷めた視点で描かれていたように思います。
攻めが家に女を泊めたことで受けはとうとうキレて
出ていきますが、数年後再会。
心を入れ換え真面目に働いている攻めと復縁します。
しかし、攻めがいつか身体壊すんじゃないかとか
受けも再就職で苦労しそうだな~とか
心配は色々あり、明るい未来は想像し辛い結末。
そんな微妙なハッピーエンドが良かったです。
これだけ理性の弱い攻めなら
受けに暴力を振るったり、他の相手と寝たりする
展開もありそうなものですが、その一線は
ギリギリ超えなかったのが
ちょっとリアリティに欠けるかな?と感じました。
しかし全体的には、人間のダメな部分や思考回路が
生き生きと描かれておりとても印象深い作品でした。
ラストが気になって一気読みしてしまった一冊です。しかし、決して面白くてドキドキ!というタイプではなかったです。
幸せがいっぱいというラブラブなお話でなく、いわゆるクズ攻めというタイプですが、こういうタイプの攻めを思い返せばあんまり見たことなくて、う~ん、好みとは言い難かったですね。
というか、この攻めが好みだ!と思える読者はなかなかいないのではと思います。
そのため、萌えに繋がるのがむずかしい。
クズ攻めといっても、傲慢で俺様で都合のいい時だけ受けを女扱い、みたいな攻めはわりといるかもしれないですが(浮気し放題とか)この攻めはそれとも違う。
働かないで主人公の財布からお金を盗んでギャンブルや飲み屋につぎ込み、仕事を始めても怠慢からすぐ辞めてしまい、全てを社会のせいにして何もする気のないという、非常に後ろ向きでへたれた人物です。
主人公が会社でいじめにあっていても気がつかず、主人公の誕生日も忘れていて、主人公がコツコツ貯めたお金も使ってしまいます。
この2人が幸せになるにはほんとに落ちるとこまで落ちないといけないのですが、こんな不幸で不安定な状態のまま途中で終われなくて、最後まで一気に読んでしまいました。
最初のドロドロ部分が長く、非常に読んでいて辛かったし楽しいお話ではなかったです。出会わなければよかったね、という2人がなんとも言えず辛かった。
しかし、リアルな話、こんな男となぜ別れられないんだ?という気持ちがずっとあったのも確かですね^^;
好きだから、と言ってしまえばそれまでですが、友達がこんな男と付き合っていたらすぐ別れなさい!ていうか警察に行きなさい!という感じです。
離れられない執着心は感じられますが、本当にもっといい男が現れて主人公を守ってくれたら、こんな人のこといずれ忘れられるんじゃ…とも思いました。
というのも最初のドロドロが長いのに最後はあっさりなんですよね。
攻めが最後、立ち直って主人公を探してなりふり構わず土下座してでも謝って謝って謝り倒す!っていうならまだスカッとしたのですが、最後までなんとも消極的な攻めだなあ・・・と思いました。
不幸と幸せのバランスの取り方がちょっと甘いかな?という感じです。
今までしてきたこと、これで全部帳消しなのか?というか^^;
なんにせよインパクトのある話だったと思います。たまにはこういうのもいいかもしれません。