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kotori no su niwa nazo ga aru
作者の愁堂さんには悪いけれど、これってサスペンス風味のシリアスじゃなく、トンデモな部類に入るんですが…
この話のきっかけが学園内の一生徒の自殺の真相を突き止める為って経緯から入ってるので、トンデモと騒ぐのは本当は不謹慎かも知れないと騒ぐ一方で、ここまで突き抜けてくれると清々しいな、とも感じた。
旧財閥の跡取りとなる息子の為に、日本有数のVIP級の子息を集めて創設された全寮制男子校への侵入捜査を任されたのが26歳の童顔刑事・悠李。
登場人物は美少年だらけで、学園内の権力を掌握する生徒会、おまけに生徒会長がその跡取り息子で"様付け"で呼ばれるなんて、これでもかとドリームな設定が詰め込まれている。
学園内ではルールに染まらずに一匹狼な岡田が、校内で密かに根付いている『念友』なるものを持ち出す程に転入生(実は8歳年上)の悠李が気になるなんて、可愛いじゃないか(笑)
おまけにその相手の事を年下と疑っていない岡田に、ホントは一回り近く年上だと知っているこちら側としてはニヤケてしまったし、悠李のほうも時たま岡田と話している会話の中にボロが出る様子が可笑しかった。
本来なら年下攻め×童顔受けってのがあまり好みじゃないのだが、この話のマジックに掛かったのと、高星さんの挿絵が美少年だらけの内容に嵌っていた事、話の鍵となる岡田が一途で可愛いじゃん!!、と楽しめたのだった。
年齢差8歳。18歳と26歳です!年下攻め好きにオススメしてみます。
表題作232ページ、「後日談」17ページです。
どちらの作品も、刑事・悠李(受け)の目線で進みます。
「小鳥の巣には謎がある」
26歳童顔刑事・悠李(受け)は、自殺した少年の捜査のため、セレブな子弟が集う学園に潜入します。転入早々、生徒会長の才門に気に入られて「お茶会」に誘われる悠李。学園の特殊な環境に戸惑いながら捜査を続ける悠李に、岡田(攻め)が声をかけてきて…という内容です。
「後日談」
表題作の2年後。恋人同士になった二人のエロ話です。
犯人を探すわけでもなく、バイオレンスがあるわけでもなく、ちょっと危機はあったもののハラハラドキドキとまではいかず…どうにも中途半端な印象でした。
シリアスというのもちょっと違うのですよね。黒幕が生徒会長であることは端から予想がつきましたし、最初から正体がバレていたのなら、もっと色々罠を張るとかしてみたら良かったのでは。突然殺そうとするとか、ついていけませんでした。覚醒した相手が気づかない程度の悪戯なんてして楽しいんだろうかというのも疑問でした。岡田が父親に話したらすぐ解決するというのも拍子抜けでした。
ただ、自殺した生徒の友人・襟川は可愛かったですし、エピローグの遺書の内容は悪くなかったと思います。悠李も刑事としては頼りないですが、可愛らしかったです。悠李が実際は年上の社会人なのに、高校生の岡田を「先輩」呼びするのも萌えました。
登場人物は魅力があったのに、それを生かす事件が十分でなかった。そんな印象でした。
よくある全寮制男子校物にミステリー的要素が入ったお話で、最初はどんな物かとワクワクしていましたが、途中から先が読めてしまったのと、若干無理があるかなーという感じでした。
事件の中身に捻りがないので、ハラハラ感もなく、26歳の刑事さんが高2のふりをして、違和感がないっていうのもうーん。
あとは元々ラブ要素が薄かったので、後日談のエロにも全く萌えませんでした。
Hの最中の受けの「いこう」って台詞にも思わず笑ってしまいました。
笑うとこじゃないんですが、すいません。
帯にあった「念友」とか「お兄様」設定もほぼ生きていなくて、なんだか残念でした。