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saki giichi no yuganaru seikatsu
「タクミくんシリーズ」は前作『Station』で完結と聞いていたので、まさかその続編になる『BLUEROSE』が刊行されたことに正直驚きました。それと同時に、どんな話になるのか読むのが怖くもあり、楽しみでもありました。
やりたいことは全てやり尽くして、今は快適な隠居生活のギイと、桜ノ宮坂音楽大学で、井上佐知の助手をしているタクミくんですが、気がつけば二人とも20代後半です。
佐知に届けられたバイオリンを調べる二人に、あの祠堂学院にいた二人を重ねてしまいました。
タクミくんはいろいろあった人だけに、どんな形でもいいから生きていて欲しい、できれば幸せになってほしいと思っていました。音楽大学入学後、周囲の上手い人に負けずに、バイオリンを弾いていて欲しいと思うところですが、現実はなかなか上手くはいかないようです。私は、カバー絵がおおや和美先生が手がけられてからのファンですが、今回からおおや先生の絵ではではなくなってしまったようです。本編には挿絵はありませんが、大人になった二人を想像するのは楽しかったです。
きっと、二人の関係はどこかで続いていく。そんなことを思いながら読み終えました。
stationの時のあの騒動はなんだったの。
結局、このシリーズしか売れるお話を書けない?角川としてもこのシリーズしか売れないとみたのか、ヤマもオチも意味もないとは言いませんがそれに近い内容・・・。
stationから11年の月日が流れていますが、その間のことは、ほとんど語られず29歳になっているふたり。
ギイは託生のそばにいたいだけで(私にはそう思えた)日本で隠居生活?が「いまだかつてない“多忙ではない日々"」
託生はといえば、成績優秀者だけが演奏できるNYでの演奏会でギイに再会したはずなのになぜかバイオリンを弾くことを職業としていない、自立しているんだかいないんだか・・・井上佐智の助手?
間に出てきた佐智へ送られた豪華なバイオリンへの謎解きはミステリー仕立てにしたかったのかしら?
さらに・・・島岡さんへの嫉妬心(なのかなぁ・・・)島岡さんとギイがふたりで暮らすことへの不安(どうして不安になるんだろう・・・)から同居を決めてしまうという結末。
同居するのは良いけどその理由がそこなの?
主人公が幸せそうなのがせめてもの救い?(私が託生ならそんな幸せはいらない)ですが、この後、また、ふたりの話が続くのでしょうか。
今回、当初予定していたタケル本のサイドAに対してのサイドBを先送りにしてサイドGにしたと作家さんは自身のサイトで書いていましたが今後はどうなるのでしょう。
シリーズ当初のきらきらした瑞々しさはすっかり影をひそめ、いったい何を伝えたかったのか、ただふたりは再会して一緒に暮らすことになりました、めでたしめでたしで読者を満足させたつもりなのか・・・。
シリーズが続いた年月、読者も成長しているのです。
こんな内容に単行本価格を支払う、そんな気力はもうありません。
ある意味、これで心置きなく私もシリーズを卒業です。
評価は中立としました。
彼らふたりの話が読めたらそれだけでいいと思われる読者の方もいらっしゃると思うので・・・この先、シリーズが続くのであればその読者を裏切らない内容で書き進めてほしいその期待を込めて・・・。
タクミくんシリーズ最終巻『Station』から一年足らず。
普通なら再び好きなシリーズが読めると思うと嬉しいはずなのに、『Station』の出来映えとそれを巡ってのファンの動揺?を思い出すと新刊が出ると知っても素直に喜べなかった。
この新刊でごとうさんの小説を久々に読んだ訳だが、僅か数ページで文章のまわりくどさに愕然とした。
心機一転で頑張って書いたのだろうが、ギイが隠居を決めた冒頭のやり取りも、ふんだんに盛り込まれた薀蓄も、新たな登場人物も一度読みでは頭に入らない有り様だった。
本当ならタクミくんシリーズ未読の新規読者もここから読み始める事ができる絶好の機会なのに、これだけ読み辛いと新たにファンを増やすのは相当厳しい気がする。
29歳のギイタクといっても、良くも悪くも変わっていない二人。
二人の元々の性格や幸せそうな雰囲気が変わらないのは良いことかも知れないが、せっかくの29歳バージョンなのに彼らの成長ぶりを実感できる部分がないって寂しい。
それと肝心の二人の再会については少し触れられていて、20歳頃のNYでのコンサートの場で感動の再会を果たしたと作中の回想シーンで盛り込まれている。
しかし、覚悟していたよりも早い再会のおかげで、祠堂卒業後の託生の『ギイに再会する為に頑張ろう!!』って決心が曖昧なものになってしまったんだな…と感じてしまった。
何故そう感じたかというと、プロになるのを諦めていながら音楽大学に残ってバイオリン科で助手として働き、井上佐智の庇護も受けているっぽい29歳の託生の現状にがっかりしたから。
音大生の頃は佐智の門下生として厳しい練習を積んでいたらしいが、卒業後サラリーマンなり教職免許を取って音楽教師として独り立ちしているならまだしも、漠然とした不安から『保険が~』と思い、まだ佐智の元へ留まっているのに何だか呆れた。
決心しないままでいいとこ取りな部分がずるい気がして、自立していない中途半端さに苛つきを感じた。
それなのに、また新たに持ち込まれたバイオリン絡みで話が展開していきそうな予感。
これから再び託生がバイオリンの事で迷うのかも知れないが、今後続編・番外編が出るとしてもまず文章の読み辛さをなんとかしてほしい。
そうでないと、多分私はこの巻でリタイアしそうだ…。