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他の方も書かれていますが、まさにアラブ系BLの王道だなという印象でした。(架空の王国の王様×旅行者という設定ではありますが)
なので、アラブ系が読みたい気分の時には最適だと思います。
『月下の砂漠』というタイトルを裏切らない内容でした。
凌辱シーンが長い、と聞いていたので「そんなに?」と思いながら読んだせいか、特に長いとも酷いとも感じませんでした。
ただ、凌辱をした理由が攻めの愛ゆえではなかったのが、ちょっとなぁ……私の好みではなかった。
もちろん攻めは受けのことを気に入ったから捕まえたのでしょうが、自分の置かれている環境・状況への苛立ちを凌辱の理由にするのは好ましくないな、と。
それなら、思い通りにならない受けへの苛立ちを理由にしてほしいなと思ってしまいました。
個人的な好みの問題ですが、そのために評価少々低めです。
お話のメインは中盤〜後半の、攻めと受けを巻き込む大騒動にあります。
そちらの方のストーリーはおもしろかったです。
受けがすごく活躍するわけではないけれど、攻めのところへ行こうと必死になるあたりは胸を打たれました。
ラストも、素直によかったねと思える、いいお話でした。
後書きにとても思い入れがある作品だと書いてありましたが、確かに後の野原先生作品に通ずるものがある作品のように思いました。
前半はとにかく、拉致、監禁、凌辱、複数(ただし、挿入は攻めのみ)、モブによる輪姦(描写はあっさりとしたものでしたが、挿入ありなので、苦手な方はご注意ください)、媚薬、尿道プレイと、アラブ系BLの王道パターンを行く作品でした。
後半は、クーデターからの逃避行が、程良い緊迫感のある描写でつづられていきます。
前半のエロ展開から、攻めと受けの蜜月を経てからの逃避行は、まるで話の雰囲気が違い、1粒で2度美味しい作品でした。
好きなタイプのストーリーです。
和季は暴君 オレ様的な アーキルに気に入られ、監禁 凌辱。
今までの、生活環境の違いから、和季の思いはアキールに届かない。
アキールの思いも和季に通じない。
きっかけは、和季を襲った使用人たちを、裁判もなしに、
アキールが処刑したことだった。
今までの、過去の王たちのしてきた 横暴な政治。
弟王子がクーデターをおこした。
和季を日本に返し、
アキールは過去の王の罪をすべて背負って処刑されるつもりでいた。
アキールを殺したくない、和希との逃亡が始まる。
意外なところで アキールには、最大の味方がついていた。
アキールが
暴君から 一転して 和希の保護者に変化する場面
この辺がどうしても二人の感情に 入り込めなかったので、
評価低くしてしまいました。
後半の逃避行は、楽しく読めました。
和希とアキールの関係が変わって
逃亡を邪魔する敵ありでスリルありました。
あと、不思議なアキールと弟王子との関係も気になります。
弟王子とルト。
クーデターを起こした側の葛藤が知りたいなー
と思いました。