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毒のように甘い、おまえの身体――刑事が愛した無垢なバレリーノの真の姿は……。 知られざる絶版名作を発掘! カリスマが描く、衝撃の官能BL!
ranryouou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ダークロマンスサスペンス~萌はあるようでないようである。
殺人事件の絡む愛憎まみれるストーリー展開は圧巻でした!!
が、主カプを勘違い、主役を勘違いしたためにモヤモヤ読了感。
前情報がなかったおかげで、どうなるどうなると味わえた面白さもありあますが、
え?え?そうなるの?え?これまでの展開はなんやったん?
心が追いつかず、最後の最後、関係が変わってからの2人をどんな目でみて良いか分かりませんでした…
どんどんと惹かれ合う桐生と玲司にキュンキュンしてたところに
玲司の真実が暴かれ…一緒に死のう!展開の耽美さに胸熱!だったんですよ…
フィス卜や腸内卵を腹パン!は どひゃひゃーとなり、
玲司に怒りをぶつける佐野のリョ-ジョクぶりに桐生への愛を感じて 胸いっぱい!だったんですよ……
桐生を通して、お互いの必要性を感じる佐野と玲司に
この2人が持つ狂気、共鳴しあう姿は、あぁ…となるけれど、
甘い?楽し気な関係性に変わったことを良かったね良かったねとはなれなくて。
佐野には桐生への想いを貫いてほしかった…
思いがあるから玲司と一緒にいるのかもですが、なんだか複雑。
玲司は可哀想そうだけど、結局は自分本位なところが、ちょっと…
桐生では、玲司の心を埋められなったからだとは思うけど、
なんで桐生だけ、こんな目に!!!!!
桐生に肩入れしずぎたため、なんだかなぁという気持ちがぬぐえませんでした。
イヤ〜…凄かった…
粗筋や内容は省略して感想だけ書きます。
正直、中盤までは。
山藍先生にしては随分普通だと思ったし、振り切ってない感を感じてた。
美少年、芸術、肉体の美、欲望の醜悪さ。
一般人にも連想できる範囲の舞台装置に感じてしまった。
十分面白くはあるけど、アノ耽美の女王・山藍紫姫子作品、と思うと物足りなさを感じていた。
しかし!
(ネタバレ注意↓↓↓↓)
中盤に主人公格の一人が死ぬんですよね…これにまず驚いたし、ここからの展開が怒涛だった…!
耽美よりももっと暴力的な世界観が立ち現れて、美よりも人間の「獣性」を感じさせる展開に目が離せなくなった。
凌辱も過酷。
フィストファックまで出てくるとは…でもここまでやるのが女王・山藍。
やっぱりさすがだわ…と脱帽気分です。
ダークでおどろおどろしくて。
痛み、残酷、憎しみ、裏切り、執着、血の宿命、猟奇。
物凄い残酷絵がステンドグラスになって、極彩色の光の矢となって突き刺さってくるよう。
耽美小説ですね。座裏屋先生のイラストがずーっと気になっていたのですが、山藍先生の世界観に自分が入っていけるか…自信がなくて、”いつか”と長らく思い続けて、やっと最近、山藍ワンダーランドに踏み込んでみました(とはいえ、やはり自信はない)。
凌辱好きなので、受の尻壊れるな…の連続はわりとファンタジーとして受け入れられるのですが、それ以上にサスペンスとオカルトの要素が強めで、なかなか手強かったです。”しゅみじゃない”というのは、”ええええ!?そうなっちゃうの?!”と夜中に叫びそうになった衝撃の展開が受け入れ難かったからです。。。前半と後半で大きく流れが変わるんですけど、前半の流れのまま着地したら、たぶん”神”だったと思います。途中からの佐野の役割が少し唐突に見えちゃったんですよね。そこから後半はしんどくて。過去のレビュアー様も指摘されていましたが、期待してた3Pがなかったのも、ちょっと残念でした。(表紙はイメージなんですね。いやまぁ、最終的に正解ではありますが…)
愛というより情念の世界ですね。ここまで暗くて深っーい業の話を描き切っているのは凄いの一言です。そういう意味で作家様へのリスペクトはあるのですが、、本作のオカルト味がちょっと私が求める耽美にはいらない要素だったということと、ここまで振り切っていると”神”or”しゅみじゃない”の2択だと思うので、後者になってしまいました。。。ただ、耐性強い方、JUNE育ちの方には、お勧めできます。
前情報なしの衝動買い。表紙絵とあらすじの印象から、てっきり刑事×魅惑のバレエダンサーの3Pモノかと思いきや…。
詳しい内容は他の方々が書かれてるので割愛しますが…凄かったです!登場人物のほぼ全員が狂気を抱えたダークなストーリー。中盤以降からの血みどろサスペンス展開には衝撃を受けました…!
過去に山藍作品は何冊か読んだ事があり、陵辱シーン等は覚悟の上でしたが、佐野が玲司にガチで暴行するシーンはキツかった…。玲司を憎む気持ちは分からなくもないけど、さすがに鬼畜すぎて…。
特に卵を挿入して腹パンで割るシーンは読んでいて気持ち悪くなりました。(ただし、その後ちゃんと後始末して雑炊作ってあげるというアメと鞭ww)
座裏屋先生のイラストは安定の美麗クオリティ。耽美な作品の雰囲気とベストマッチでした!
独特な世界観と巧みな文章、作品としての完成度は高いけど、BL的な「萌え」を求める方にはオススメできないです。うーん、評価が難しい…。
評価を中立としましたが、結論から言ってとても面白かったです。
本作は座裏屋蘭丸先生が挿絵を担当するとのことで知り、購入しました。
絵は全て言わずもがな美麗でうっとりしました。
また、作風ともとても合っていてすごく良かったです。
物語に関しまして、なんと書いて良いのか正直わかりませんが、序盤から溢れる寂寥に、どんどん引き込まれていきました。
このお話の中には、幸せっていう幸せは無いんだろうなと、感じさせるような展開が続いていきます。
なんだかとても、よくないものを見ている気分にさせられました。
またセックスの描写が艶かしく、世界観をより引き立たせていると感じました。
しかし、私はグロテスク・凄惨な描写に耐性こそあれど、特別好いている訳では無いので評価にとても迷いました。
神orしゅみじゃないの究極の選択です。
文章や世界観をとったら神。
読後感をとったらしゅみじゃない。
そこも含めて、面白い作品でした。
購入して良かったけど、もう2度と読みたく無いような、なんだかふわふわした気分。
評価は中立にさせて頂きましたが、サスペンス調のお話がお好きな方にオススメしたい作品です。
山藍紫姫子さん読んでみたくて、一番読みやすそうだったこちらを。
1990年の作品だそうです。
ロマンス、ダークロマンス、ホラー、ミステリー、サイコサスペンスといった成分がふんだんに詰まった一冊で、BL小説としてはどうだろう?といったところですが、娯楽小説としては先が気になるストーリーで面白かったです。
ハーレクイン×角川ホラー文庫みたいな感じ……と形容しようとして、1990年といったら角川ホラー文庫はまだなかったことにふと気づき。
ということは、山藍さんがこれを書かれたのは、今でこそごまんと溢れるサイコパスモノが大衆向けの1ジャンルとして確立されるより何年も前ということになります。
“最大の問題作”というのは、時代を考えれば大げさではないかもしれません。
絶世の美青年が「美」と「醜」を行き来する恐怖と、その恐怖が作り上げた醜い怪物の残酷な狂気。
それをこれほど耽美に書いてらっしゃるのはとてつもなく好みです。
己の美を取り戻したい一心で人の血を浴びる姿は、かの「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリを彷彿とさせました。
エログロに抵抗がなく、耽美+残酷+倒錯というキーワードにピクリとくるなら迷わずどうぞ。
程よいページ数で初読みにはもってこいだと思います。
ただこちら、評価はかなり迷う作品です。
サイコパスは大好きなのですが、それ以上の大前提として私は「勧善懲悪」が好きなのです。
どれだけダークサイドにいる奴等が魅力的でも最後はジャスティスに勝ってほしい。
だから娯楽小説として読むならこの結末はなんともモヤる。
一方で、ダークロマンスとして読むならこれで良いんだとも思う。
山藍さん自身“ラブラブな二人を書いているつもり”とあとがきで言ってらっしゃますし。
人としての倫理観を失いケダモノに成り下がった彼等は、自分の真の姿を解ってもらえる存在に出逢えたことで多少なりとも孤独から救われ、この先は彼等なりの生き方で生きていくのでしょう。
でもなぁ…うーん、うーん…
エンドレスループに陥った末の、どっちつかずな「萌」評価です。
ちなみにこの作品、電書に抵抗がなければ電子版の方がお得な仕様。
SSペーパー+座裏屋蘭丸サイン入りイラスト+表紙イラストノーカット版+山藍紫姫子蘭陵王誕生秘話インタビュー付きです。
山藍先生に座裏屋さんの表紙で発売当時からずっと気にはなっていたのですが、痛い話だよなあ…と思いどうしても購入に踏み切れませんでした。がしかし、評価も高く綺麗な表紙につられ手に取ってみました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
これほど評価に悩む作品もない。と思いました。BL的な萌えという点ではかなり低い。けれど一つの作品として読むと、これはすごい作品だとも思う。
桐生の、妻への想いと玲司への愛情。初めは妻を弔うためだったのが、美しく儚い玲司へどんどん惹かれていく様は、あっという間に堕ちていく一人の男を見事に描きっています。
玲司も、あの美貌ゆえに凌辱され、そして悲惨すぎる過去の経験から怪物へと変貌してしまう。唯一自分を大切にし、愛してくれた桐生をああいう形で失う彼があまりに哀れでした。
そして佐野。彼の中に巣くう狂気がすごい。
とにかく玲司を取り巻く大人たちがあまりに外道で、そして彼の過去が悲惨すぎて、途中で読むのを放棄しそうになるくらいでした。そんな中、桐生と玲司の純愛がこの作品を救ってくれるのかと思いきや、そこで終わらない。
終わらないゆえにBLとしての評価は「趣味じゃない」なのですが、それゆえにこの作品の評価は「神」でした。事件の動機や真相にはびっくり。ミステリーとして読んでも遜色ない作品です。
桐生亡き後、桐生を愛した男二人の間に芽生えたものは愛だったのか。
これが20年も前に書かれた作品というのも驚き。すごい作家さんなんだなと感心します。
が、甘く優しいお話を好む方にはお勧めできない、ダークで狂気に満ちた作品でした。
冒頭の口調でまず引いた。なんだこの文章この後も続くのか?と不安になったけどほんぺんが始まったら普通の文になったからよかった。
感想としては、「本を破り捨てたくなった」しかない。気持ち悪い。気色悪かった。
玲司が可哀想。あのえみこだかえりこだかの女嫌いの玲司を拘束させて、無理やり性行為に及び自分が妊娠するまで中出しさせるシーンは読んでて本当に不快だった。木戸とやってろくそ女が
殺されて当然。むごい殺され方したらよかったのに。
ルームメイトみたいに外国の原作かと思ったけどこの人の作った話なんですね。この人の書いた本は買わないように気をつけます。
なんでハーレクインラブシックでこの本を出したのか意味がわからない
「しゅみじゃない(汗)」どころじゃないです。それくらいじゃすみませんよ。趣味じゃない以下のランク
美貌のバレエダンサー玲司を愛してしまった桐生。
愛し合えると思った矢先で、玲司の獣性が牙を剥く。一方で親友の桐生にただならぬ想いを抱いていた佐野。愛し合えないけど理解し合える、そんな異常な関係性が屈折した二人には一番必要だったのかもしれません。
玲司のトラウマも性玩具にされてきた過去も可哀想だけど人を平気で殺すのは相容れなくてやるせない。血飛沫を浴びたように赤い痣に覆われる白い肌、己の美しさのために玲司は殺人を繰り返すのだろうか。
危うさと痛々しさ、耽美が散りばめられたお話でした。
緩衝材無しで叩き落されるような鋭い激しさといじましさが終始漂う作品でした。
仄暗い狂気の兆しは感じられたのですが、その狂気をためて、ためて、たまったところで…玲司の核心に辿り着き、もうそこからダークネスな傷々しい狂気の連続。
尚且つ、うねるような旋律を奏でながら終幕しちゃうものですから、
この後の二人はいったいどやって暮らしていくのだろうと考えるとちょっと恐ろしいものがありますね。
奇形とまで言われる程の美しすぎる美貌と蠱惑的すぎる雰囲気を纏った玲司、そして官能に訴えかける美しく洗練された情緒的な文章。
そこにはやはり非常に惹きつけられるものがあります。
玲司のサイコっぷりにも衝撃でしたが、手を血に染めなければ救われない獣、その獣は身勝手極まりない人達によって生み出された産物なのかもしれないと思うと不憫でやりきれなくなります。
佐野の中で巣食う異常なまでの執着心も恐ろしいです。
だからこそ咎人同士、内に潜む核は同じであり、均衡を保ち、また破れるのだと感じました。
玲司、佐野以外の人物も皆さん、それなりにぶっ飛んでいて不快感をじっくり味わう破目になりましたね。
それが、玲司と桐生の関係をどれぐらい柔らかく美しいものだったか、と一層感じさせるのかもしれません。
美しい表面を齧っただけではわからない玲司の内に巣食う暗闇と傷つきやすい獣。
それを支配するもう一匹の暴悪な獣…そんな二人の名前の付けようのない関係。
そこに究極の美のようなものを感じました。
座裏屋蘭丸さんの描かれる美麗なイラストもこちらの作品にとてもよくマッチしており、何度も見たくなってしまいます。
BLとして読むのならば自分の求める萌は殆どありません。
しかし、違った視点で見ると非常に興味深く、素晴らしいお話だったと思います。
どのような作風であろうとも、要は楽しんだもん勝ちなのかもしれませんね。
買っちゃいました。新レーベルのBL、だけど中身は20年前の名作。本の装丁については帯がブックカバーになっているのは個人的には嫌です。変な風に変色しそうだし。この作りは初回だけにしてほしい。でもこのおかげでコストを抑えてて、普通のブックカバーにしたら定価が高くなってしまうのならそちらの方が嫌だな。あとこの話は挿し絵つきなのにもう一つの海外作品の超訳の方は挿し絵無しで巻頭カラーの絵のみだったので買いませんでした。BL小説は挿し絵がある方が良いと思ってる派なので。なぜ同じレーベルなのに絵の枚数が違ってたのでしょう?謎です。あといつも行く本屋のBLコーナーになかったので(もちろんハーレクインのコーナーにあった)探しまくってしまい少しあせりました。
本の内容は山藍さんなので、エロてんこもりで素晴らしいです。20年前の作品ですがあまり古臭さは感じませんでした。サスペンス調で前半と後半で受けの雰囲気がガラっと変わるのがお楽しみです。でもやはり裏舞台で美貌のバレリーノが観客達に好きにされる・・の場面が一番インパクトが強く圧巻でした。すごいエロバレエ団です(笑)エロエロ裏ステージではバレリーナ(女性)もいるのにメインディッシュ・大トリがバレリーノ(男性)というのはBLならではです。
しかし、美貌のバレリーノは可哀想な境遇だったとはいえ性悪だったので個人的に萌えるタイプの受けではありませんでした。むしろ佐野から桐生への歪みすぎた愛情の方が激萌えでした。本人には想いを伝えられず周りから固めるって・・・どんだけ好きなの!って感じです。しかもお互い刑事ですしね。山藍先生の刑事受けも読みたかったな。
注:けっこう盛大にネタバレ。そして激しく長文。
キドバレエ団団長と後援会長の女性が殺された。刑事・桐生勲は被害者の後援会長である身重な妻が最期まで口にしていた「レイジ」という名と、ある一枚の写真を手掛かりに独自で捜査していた。
キドバレエ団は裏で売春も行っている。このバレエ団が十八番とするのが舞楽『蘭陵王』をモチーフにしたバレエ『陵王』。たぐい稀な美貌を隠すため戦場ではわざと獰猛な仮面を着けて戦ったといわれる陵王を演じるのが、美貌の花形ダンサーの土御門玲司。玲司は幼い頃木戸に拾われ、客に身体を売らされていた。バレエ『陵王』の裏では、ステージの上で実際に陵王に扮した玲司を観客が犯すという饗宴も行われていた。
生前妻は玲司を特に贔屓にしていたので、桐生は偽名を使い彼に近づく。妖しい美貌、しなやかな肉体、数多の男達の肉悦の奴隷として歪んだ快楽を植え付けられた淫らな身体に反して、それを恥じる淑女のような反応。玲司の全てに惹かれ、溺れて行く桐生。玲司もまた、初めて自分を大切に扱ってくれる桐生を愛し始めていた。
そんな中度々殺人事件が起こり、桐生は妻の裏切りと玲司の秘密と罪を知る。
妻の裏切り…女を憎む玲司と妊娠するまで無理矢理繋がり、桐生の子供として産もうとしていた。
玲司の秘密…血を見ると全身に出る赤い痣。美しい玲司の、一番醜い姿。
玲司の罪…浮かび上がったおぞましい痣を消すためには大量の血を浴びる必要があり、そのために木戸と共に殺人を繰り返してきた。
妻を殺したのも玲司で、それを目撃した木戸の血で痣を消した。
玲司の美貌の裏に潜んだ残忍な獣と醜い赤痣。それを目の前にしても玲司を愛する桐生は、自分も死ぬつもりで玲司を殺そうとする。が、醜い姿を晒したまま死にたくない玲司は、桐生を殺し桐生の血で醜い痣を清めた。
そこに現れたのが、桐生の妻の兄で、親友の刑事・佐野清孝。佐野は殺された妻の捜査をしている時の桐生に不信を感じ、密かに桐生の行動を追っていて、桐生が玲司に惹かれていることも感じていた。佐野は、桐生に対し友情を超えた感情をもっていた。その桐生が目の前で殺され、激怒した佐野は玲司の動きを封じ殺そうとする。しかし、二人は互いの『何か』感じ取り、佐野は思いとどまった。
そこから、佐野の監禁・陵辱が始まった。
前半は、複数での陵辱はあれどエロは甘めで、危なげな美しさをもつ天才バレリーノとそれに引き込まれていく男の物語ですが、玲司の秘密が明らかになって、佐野のとの監禁陵辱生活の後半が怒涛の山藍ワールドです。
佐野の陵辱はバラエティに富んでいて、鶏卵をあそこに入れたり、ゲイボーイとのバイブ逆綱引き、そしてフィ○トファックまで…生卵とか割れたら殻が地味に痛そう!(((( ;゚Д゚)))ガクブル また、陵辱中に赤い痣を出させ、それを揶揄するという精神攻撃も。
最初は玲司を苦しめて嬲り殺しにするつもりだったのに、佐野はなかなか殺せずにいます。玲司のせいで、佐野は桐生を失ったのに。佐野の桐生への感情は愛を超えて執着という昏い感情といった方があっていると思います。親友の態度を崩さないまま、妹と結婚させ、2人のマンションまで自分の思う通りにしていたのだから。
桐生は死に、人々は彼を忘れるが、佐野と玲司の中でだけ桐生は生き続け、二人だけのものとなる。自分こそ桐生を殺し、自分だけのものにしたかったのでは…という己の心に潜む闇の獣。玲司を犯すうちに佐野はそれに気づき始め、玲司の処遇を決めかねていました。
玲司も抱かれるたび、桐生を殺した夜に佐野に対し覚えた獣性の共鳴を感じとっていました。
互いに持つ憎悪や殺意の中に、あの夜に感じた互いの獣の存在が入り混じって、それが心を揺さぶるんですね。
絡み合う二匹の獣。彼らの間に愛や慈しみはないのです。憎み合いながらも互いに共鳴し理解し合うことはできる。その考えにに辿り着いた後の二人が身体を繋げるシーンは、確かに愛は無いはずだけど、なんだかハッピーエンドにすら思える、美しくも激しい、まさに獣同士の交わりではないでしょうか。
赤く呪われた獣と、それを蹂躙し支配する獣。この二匹の獣を引き合わせた桐生を軸にした三角関係。互いに美しくも残忍な獣を裡に隠し持ち、一人の同じ男を想う彼らは、結局はお互いの存在しかないのだなぁとあとがきまで読んで私は結論付けました。
二段組とはいえこのページ数でよくぞこれだけ詰め込んだなと山藍先生に脱帽です。なのに内容が薄いわけでもなく、心理描写は簡潔に表現され、けっこう濃くてバイオレンスなこともあっさりと書かれているので満足な読了感。玲司のぶっ飛んだ設定も、佐野の凶暴性も、山藍先生作品なら納得!って感じです。
欲を言えば、座裏屋蘭丸先生の描く美麗な玲司とか、玲司と2人の攻めとの絡みの絵をもっとみたかったなぁ。
一人の刑事が、妻を殺した犯人を捜すサスペンス
とは 違っていました。
山藍紫姫子氏のストーリーは、怪奇もの特有な 恐怖を感じてしまう。
美貌が故に 性の玩具にされた少年。
彼に対する、暴力 陵属シーンは生々しくて痛々しい。
殺人鬼を探して薄幸の少年に近づいた桐生だが
本当の鬼がどこにいるかは 誰も気が付かなかった。
ジキルとハイド氏のように、変貌する殺人鬼。
容姿の醜さを知られるのを恐れていた鬼の正体を知って
桐生は殺された。
桐生を追っていた 佐野にすべてを知られ、復讐のとして監禁 虐待を
される 玲司。
虐待は もちろん 強姦 sM的な攻めが続く
桐生の死によって 壊れてしまった佐野の魂との共鳴。
陵属のため あてがわれた ユリエを殺した時
玲司と佐野の壊れた魂が 重なり合った。
殺人鬼を愛した
殺人鬼とともに生きることをのぞんだ
悪徳を美とするような 世界観の中に引きづり込まれるように思える。
妻を殺された刑事が
とあるバレエ団ダンサーに接触する。
妻が死に際に呼んだ名と同じ名前を持つその美青年に
刑事は抗いがたい魅力を感じ…。
不義密通、殺人、復讐、凌辱強姦など
あらゆるドロドロ、エログロが詰まった本作品。
168ページ(2段組)という短さながら
ダークサスペンス、ホラー、人間ドラマなど
様々なジャンルのエッセンスが詰まっており
非常に読み応えある一冊です。
まず印象に残ったのは
舞楽『蘭陵王』に着想を得た劇中劇の激しさ。
裏公演で行われるそれは公開売春のようなもので
美しきバレエダンサー、玲司扮する陵王が
敵方に捕らえられたところを
客が舞台上で思うまま犯すことができるという代物。
ガラス瓶の挿入などプレイの痛さもさることながら
男に虐げられて生きていくしかない玲司の運命を示唆しているような描写が非常に象徴的です。
そして玲司という人物の描写の巧みさ。
儚げで美しい容姿と、不憫な境遇。
悲劇のヒロインのような姿から一転、
後半に驚きの事実が明かされることで
一気に忌み嫌われる醜い存在に姿を変える。
その落差の描写が素晴らしいです。
自分の美しい容姿を心の拠り所とし
醜い姿を人目に晒したくないと縮こまる姿は
悲しきモンスターのようで痛々しい。
そんな醜い姿で、酷い言葉を投げつけられながら
犯されるのがまた凄いのです。
さらに玲司、佐野、桐生という三人の男の愛憎関係。
愛情の反対は無関心である、とあとがきにあるように
『無関心』以外の何かで強く結ばれた男たちの
凄絶な物語に圧倒されます。
特に、耽美なダークヒロイン物(男だけど)かと思いきや、突如現れた伏兵により、アブノーマルな監禁物へと移行していく話運びにはゾクゾクさせられました。
そして何といってもエロ描写。
玲司が生卵を入れられたり
玲司ともう一人のゲイボーイとで
四つん這いになって一つのバイブを挿入し
逆綱引き状に押し合ったり・・・
コメディと紙一重なエロ描写の数々は
アイディア、筆の巧みさ共に素晴らしいものでした。
94年に立風書房から出版された本書ですが
今読んでも古さを感じさせない面白さがあります。
巨匠の貫禄を十分に感じさせる本書は
ハーレクイン社の復刻BL第一段に
非常に相応しい良作であったと思います。