或いは、傷痕。

arui wa kizuato

或いは、傷痕。
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
4
得点
20
評価数
13
平均
2.2 / 5
神率
0%
著者
笹原にしき 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHY文庫
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784813041344

あらすじ

「おまえは今日から俺の愛人だ」
峰園偲はIT企業で社長秘書をしている。ある日、いつものように出勤した偲が目にしたのは、荒らされた社長室だった。愕然としている偲の背後から神鬼恭也と名乗る男が現れた。男は社長の借金の保証人が偲であることを告げ、逃げた社長の代わりに身体で返済することを要求してきて──!?

表題作或いは、傷痕。

ヤクザ(金融業者)
IT企業の社長秘書,23歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

こわいのか甘いのか。そこが中途半端?

社長がバックれた借金のカタにヤクザに拉致られた美人秘書・偲の運命やいかに…!

…というお話。
ヤクザ若頭の恭也は有無を言わさず偲を自分の屋敷に連れ込んで、のっけからカタギさんの太股に竜の刺青を入れて「俺のモノだ」宣言、という大暴挙をやらかして。
ならば恭也はとんでもない極道なのかというと、もうはじめからデレデレの甘々。
「被害者」の偲の方も、もちろん抵抗するし恐怖に震えはするけれど、すぐに恭也の優しさにグラグラと心が揺れ動き。
優しくされると好きになっちゃう、でも自分は借金のカタ、社長と話がつけばお払い箱になるだけなの…こんな思考回路で、ほとんど片想い。
一方恭也は「偲大好き」が組の若いモンにもバレバレなくらいなのに、偲にだけ通じてない。だから「両片想い」の2人ですね。
でも読者としては焦れが足りなくて、随分簡単に好きになるんだなぁと感じてしまう。
また、エロシーンも力を入れて書いてらっしゃる事は伝わってくるけど…
私個人の感想ですが、ご本人が自分で萌えてるのがわかるだけで、その萌えが読者にも萌えてるかはまた別の話、というか。作者様と同じ萌え属性の方には良いのでしょうね。
私的には恭也と偲のラブシーンより、偲が社長に襲われるシーンの方がキました。
すごくキモチ悪くて、恭也早く助けに来て〜!と焦った。ここは引き込まれて読みましたが、他はあまり感情移入できなかった、という事です。
あと、恭也も偲も寝すぎだと思いました。

1

シリアスなパッケージで中身はほのぼの

萌よりの中立です。

奈良さんのカバー絵とタイトルで衝動買いです。
それからしたらもっとシリアス寄りだと思ったのですがちょと違ってたみたいです。
今回はイラストとタイトルに一番萌えました。

確かにエブリスタらしくオンライン小説の雰囲気です。

朝会社に出勤したら社長が夜逃げ、取立てに来たヤクザから秘書である峰園が保証人になっているから払えないなら愛人になれと言われ…という導入部を読んで、コミック原作のドラマCD『秘書育成中』を思い出してしまったので黒田さんと阿部さんの声が聞こえてきてしまいました。

面白そうな設定ですがいろいろ惜しいところで萌えを逃す残念な作品でした。

峰園が働いていた会社の社長というのが、最初の中扉のイラストの小太りの親父らしく、田舎から出てきた青年が夢破れて行き場がなかったからといってうっかり騙されてしまうようなもんには見えないのですけどね…
峰園趣味悪いよ。
その上、ホテルで恥ずかし写真を撮られて以降無理やり性欲処理まで含めた秘書にされます。そして知らぬ間に借金の保証人にまでされていたわけです。

愛人にされたヤクザ若頭は人情派で、組長のお父さんもいい人みたいです。
アットホームな人柄のいい組員から慕われる次期組長さんです。
会社から拉致されるように組の屋敷に連れられてきたときには早速龍の刺青なんかさてちゃってもっと殺伐とした雰囲気で、借金のカタだということに悩んだりに追い詰められたりするかと思いました。
ありがちと言えばありがちですが、工夫次第でしょうね。
切った張ったや暴力沙汰は控えめでほのぼのしてやや横暴めなヤクザものという路線が好みだったら楽しめそうです。

神鬼は1年前に見た峰園があんまり幸せそうにない顔をしていたのが気になって助けたかったんだそうです。
初めっから溺愛甘々路線だったわけですね。

神鬼の側近である浮田と過去に因縁のある敵対する組織の犬丸組若頭も、協力する代価に浮田を貸せとか言い出すかと思ったらすんなり手を組んだのは肩透かし。相当悪辣なことをし放題な組織らしいので何かあるかと思いました。
浮田は恩人とも思う神鬼のために身体を張って要求を受け入れるとかね。
神鬼のことを好きな浮田(そんな設定ありませんが)かわいそうに…なんて方向にはいきませんでしたが。

借金踏み倒して逃亡してもなお峰園の体に執着していたダメ社長にはしっかり報復して怖いところに連れて行かれたみたいで安堵しました。

神鬼の友人の刑事と浮田は関係あるのかな。なんかツンな浮田に一方的に言いよる刑事、みたいな感じですけど。
それから、敵対する組織の犬丸組若頭にも面白い恋バナがありそうで興味持ちました。
好評だったらいつかスピンオフを書こうという目論見がありそうななさそうな…。

5

厳し目でごめんなさい!

イラストが奈良千春さんで、表紙の装丁トーンからしてかなり期待してしまったのは確かです。
しかして蓋を開けてみると、最初から結論を述べますと可もなく不可もなくといったところか?
設定展開ともに、突飛さや奇抜さはなく、とても王道の流れをとっていたと思います。

シビアで汚い事もするが情があるヤクザもの。
日本家屋に着物生活。
所有物の証としての太ももへの刺青
下着を着けない薄い着物の着用とちょっぴり強姦めいたエッチからの始まり。
多分そういったものが萌え要素として配置されているのだとは思うが…

冒頭の始まりはコテコテのあるある始まりで主人公が借金のカタに拉致されるところから始まり、物語の進行にしたがって主人公達の人となりと、そこにある理由や周囲の関係など謎解きのようにクライマックスに向けて明かされていきながら、主人公達が恋人となる。
回りの人物関係に男同士関係を持っているものを匂わせ、周囲も彼等を認めている。
などなど、割とというか展開設定全てにおいて既知というか使いつくされた要素で出来あがっているのです。
そんな中で何かキラリとするものが欲しかったかな~というのが実のところの感想なのです。

受けとなる偲について、冒頭秘書として付いている社長に無理矢理脅されていつも逃げ出したいと願いながら仕事をしていたという、彼の経歴からしても流され型の強く出られないタイプなのだとは思うが。
恭也に拉致されてそこで暮らす中でも、迷ったりハキハキできない部分などありますが、性格は一貫して彼は優しい人なのかという印象を持ちます。

恭也については、強引でヤクザな怖い面を持ちながらも、やんちゃ坊な雰囲気と男前な部分と偲に膝枕を要求する甘えん坊な部分も見せ、多分男としての魅力という部分になっているのかと思います。

負債者に対して容赦ない取り立てをする怖い面を見せながら、この話に登場する人々は一見怖そうで皆いい人でした。
唯一人、偲に執着し借金を負わせたキモい社長を除いては。
だからとてもとっつきやすい物語なんだと思います。

元が携帯小説?だからなのでしょうか?展開や周囲の配置にいつでもどのようにも進められるような部分を残して展開させてあるような?
そんなフレキシブルな作りを感じました。

9

シリアス、或いはほのぼの。

IT企業の社長秘書・偲(受け・23歳)。
ある日出社すると、社長室には
ヤクザの恭也(攻め)という男が。
逃げた社長の借金の保証人として
恭也は偲を拉致し…。

恭也の愛人にされ、太股に刺青を入れられ
借金を身体で返せと組み敷かれる偲。
こんな冒頭から
シリアスな話なのかと思いきや
思いの外アットホームな展開に。


オラオラ系に見えて、意外と優しい恭也。
刺青の痛みに耐えた偲を
「よく頑張ったな」と抱き締めたり
偲の膝枕で眠ったり
偲を自由にしてやるため
逃げた社長を探していたり…。

このように、
実は気さくないい人ですエピは沢山あるものの
偲に刺青を入れたり、無理やり抱いたりは
いくら愛があっても恭也のエゴでしかないので、
トータルで見るとやはり自分勝手な人という印象に。

恭也のキャラがどっちつかずなため
ヤクザ物としては温いし
純愛物としては理不尽という
やや中途半端な雰囲気の作品に
なってしまっている気がします。


でも偲のようなぼんやりさんには
これくらい強引なタイプが合っているのかも。

絵の勉強のため上京するも芽が出ず
学校をやめ、バイトと親の仕送りで
生活していたところを
怪しい社長に秘書として雇われ
セクハラに耐える日々。

社長が逃げてからは、今度は恭也の庇護下で
組の皆に嫁として迎えられ
恭也のため弁当を作る…。

う~ん、人生それでいいの?と思わなくもないけど
美人なこと以外とりたてて突出したものがない偲には
このまま仕事もせず
恭也の愛人として添い遂げるのも
一つの道なのかもしれません。

でも、母親からのメールに対して
作中でついに一度も返信しなかったのは
さすがにどうかと思いましたw
元気でやってるよ~くらい
言ってあげれば良いのに。
田舎の親御さんは心配するよ~など
本編とあまり関係ないところで
モヤモヤしてしまいましたw


色々書きましたが
ヤクザに見つかった社長の末路はかなり怖いし
脇キャラのヤクザたちもいい味出していて
極道っぽい世界観はそれなりに伝わってきました。

奈良千春さんの挿絵も
本編の「ここイラストで見たい!」ってシーンを
絶妙に取り出して素敵な絵にして下さっていて
ストーリーに華を添えていました。

作家さんのデビュー作ということで
今後の期待も込めて萌評価で♪

9

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