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ソラ様が欲しい
sora no oukoku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シン国シリーズ。「異界の王」に続いて読みました。
前半は、王族のソラの恋。
後半は、シン(神)国の始祖ライが「王族と認めなかった」瑠璃の物語。
ソラは、自分の神力を自覚していない。
一般人の熱烈なアプローチに負けて、懸想を受け入れてしまう。
何故、一般人と恋をしてはならないのか、生き神の力を発揮した後で、従者から訳を聞くけれど、恋を迷わなかった。
何時か死に別れる日が来ることを覚悟する、少し哀調の展開。
成瀬かの先生のファンタジーは、優しさを感じる展開なので好きです。
後半の瑠璃の物語も、愛が基底にある展開。
瑠璃だけが知らない出自の秘密がある。
それを婚約の際に知った結婚相手。
始祖のライも、父王も、ソラ達も瑠璃を思いやって秘密を守る物語。
こちらも、王族の結束と愛が土台の物語で、
始祖のライがほぼ不死で若いまま生きていて、王都内をたまに出歩いている点が面白かった。
この瑠璃の物語の関連が「僕だけの王子様」になるようです。
前作の異世界~と同じような世界観の異世界ファンタジーものです。
主役のソラが恋愛感情に鈍い感じだし、王子さま設定だからなのか従者に下半身事情の
お世話を平然とさせている始まりは小悪魔的にも思えます。
ソラは生き神様で兄王や従兄弟たちと共に名前に関連する力を国の租界神である
ライ様から血筋として授かっている生き神として国で崇められる存在ですが、
ソラは自分たちが神的な力を持っているとは思っていなく、小さな国の王子感覚。
それが後半になると自分でも信じられないような力や自分の生まれ持った宿命を
知ることになり、本当ならかなり辛い現実だと思える設定もソラの今を見つめる力が
かなりポジティブで暗さを全然感じさせない。
恋愛面でイマイチ盛り上がりが少ないと思うのは、ソラが長年夢見ていた自分の騎士から
熱烈求愛されて身体まで請われるように抱かれてしまっても攻めになる騎士を
困った相手だとすげなくしちゃうからなんです。
攻めの正宗は天青の騎士なのですが、大会を見に来ていたソラに女の子だと思い一目ぼれ
それが王子とわかっても、王子の指南役にされても恋する気持ちは変わらず高くなる一方
英雄みたいな騎士像と言うよりは大好きな相手が振り向いてくれないことにヘタレる、
そんな情けなさも感じるのですが、後半でソラはそんなところも可愛いと思うのだから
やはり生き神様は一味違います。
設定が設定だから、このまま行けば悲しい別れが待っているのかも知れない内容であり
ソラと従者の関係ももっと深く掘り下げて今後の展開をもう少し読みたいなと感じる作品
本編とは別にもう1編収録されているのはソラからみたら甥っ子になる王子様の瑠璃。
王の息子でありながら王族と認められていない瑠璃が隣国へ嫁にいく話はちょっと
切なくて、でも血のつながりが全てじゃないと思わせてくれるお話で良かったです。
表紙は完全に男×女に見えますので、書店買いしやすい仕様です。
初出は同人誌で、同じくアズノベルズさんから出ている『異界の王』と世界観を同じくする作品です。
『異界の王』で、攻めが花嫁を娶りに神託を受けに行ったシン国が今回の舞台。
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受けは膝まである金の髪を持つシン国の王弟、ソラ。
一族の始祖が神だったため、現在も空を司る生き神として民に崇められている王族の一員。
攻めの正宗は、国で最も優秀な騎士『天空の騎士』の名を与えられた20歳の騎士。
庶民出ながらも功績を上げ、ソラの剣術指南役となります。
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ソラは性に対して、かなり奔放です。
近従に性処理を当たり前のように命じていたり、なんだかキャラがぶっ飛んでいて驚きました(苦笑
まあ王族ならばありえそうですがね。
反面、正宗はなんというか愚直で可愛いと思える素朴なところがあります。
これって攻めと受けのキャラが反対ならありそうなんですが…
ただそんな正宗ですが、ソラとの初対面時に手をとって指にキス(貴族様がやりそうなアレですよ)したのはこっちがキューンとしてしまいました。
しかし元が同人誌であったためか、なぜここで?というタイミングでえっちシーン突入。
おーいと、ツッコミたくなる展開です。
握手するのさえ躊躇していたはずが、なんですかこのキャラのブレっぷりは…
『男同士でこんなことおかしい』とかソラが思うのも違和感バシバシです。
男の近従にイカせて貰ったりしているわけですからね。
そしてファンタジー設定なので、『筋トレ』とか『拉致る』とかの台詞がひじょうに浮きます。
もうとにかくツッコミどころ満載ですし、きっと盛り上がりのシーンであったであろう竜との対決も、残念なくらい迫力不足でした。
同人誌の発表自体が数年前なので、今の方がやはり文章や表現がこなれていると思わされるのは仕方ないことでしょうが、これをノベルズで出すのはどうかなあ(価格も高いので)。
この本編だけなら『しゅみじゃない』にしたと思うのですが、後半のカップルが個人的にはかなり萌え×2でしたので間をとってこの評価にしました。
その後半の『偽りの血』は、攻めがギサイン王国の第四王子で20歳の來、受けはシン国国王の長子の瑠璃。
ただ、えっちはありませんよ(笑
ちゅー止まりです。
この來の、タラシっぽい(ここが重要です。俺様ではないのだ!)意地悪さが最高に良かったー。
瑠璃を光源氏の如く紫の上のように仕込みたいと思っているエロっぷりと、『(キスと裸を見ただけなのに)責任をとらせて貰おうではないか』とか拳を握っている(であろう)様が抜群に笑えました。
エロSは良い!
この短編の二人が次作の主人公のようで、本当はこの本編を読みがっくりしてしまったために購入は見送ろうと思っていたのですが、読みたくなってしまいました。
ただ『偽りの血』自体は攻めの一人称なんですよね。
日記調にもなりかねない一人称は苦手なのですが、このカップル…というか來が素敵過ぎなので次作の文章形態はまだ不明ですが購入決定です!
後編の2人の続きである「僕だけの王子様」を先に読んで大好きで、出会い編も読みたくて購入。
ウ~ン、やはり後編の2人が好き(≧▽≦)
表紙の2人「空の王国」
リョク王が治めるシン国。
受け様は、リョク王の弟であるソラ。
攻め様は『天青の騎士』の称号を持つ正宗。
唐突な2人の初えっちに、えっ!?と驚愕Σ(゚Д゚)
いきなりそれはないでしょう、ダメじゃんよ~。
いや別に受け様への愛があるのなら、最初は無理矢理でも受け止めますけど、この展開にはついていけなくて(¯―¯٥)
ソラの態度もどっちなんだよって感じで、イマイチだったんですけど、ソラが背負わされていた秘密を知ったらあらまぁ。
これから先の別離を妄想するとめっちゃ萌(#^^#)
そして、それを知っても好きだという気持ちだけでいいやって悩まないソラもいいな、と思ったのでした。
後編「偽りの血」
受け様は、リョク王の息子でありながら王族とは認められていない瑠璃。
攻め様は、花嫁を求めて宣託を受けに訪れているギサイン王国の第4王子來。
城を訪れる前に瑠璃と出会い一目惚れしていた來。
瑠璃に逃げられても、見つけて見せる、と算段しているのににまにま(#^^#)
スマートな王子様の顔して、内心では絶対瑠璃しかないって闘志を燃やしてるのが、とっても萌でした。
皆に愛されていても淋しさを抱えていた瑠璃が、健気で純真で愛おしかった。
來に溺愛されて幸せになるんだよ~という気持ちでいっぱいです。