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18centi no kare no hanashi
母親の再婚で出来た義理兄に性的いやがらせを受け、転校先ではそんな兄(外面は良い)の事を好きらしい同級生にいじめを受け、でも母の幸せは壊したくなくて我慢している高校1年生の恵太。
そんな彼の前に突然現れたのが銀髪のイケメン、でも身長18cmのミスタークライシス
クライシスの中身はこの後に恵太と出会う恋人の理人で、恵太の死後(この時点ではなぜ亡くなったのか恋人は誰なのかわかりません)、自分も交通事故で死んでしまいこれで天国の恵太に会える!!と思っていたら変な神様が現れ「天国に行く前にひとつ願いをかなえよう」と言われたので恋人の過去にやってきたのでした。
理由は恐ろしく単純で恵太のはじめての男が知りたい!とかそんな感じ(笑)
クライシスと恵太の会話がコミカルな事、実母が再婚後も息子をかわいがっていること、義父との関係は悪くないことなどからサラっと読めてしまいます。
しかし恵太に襲い掛かる出来事は結構シビアです。
自分と性的関係を持とうとしている義兄はショタ趣味で病んでいます。
両親には本当の事は告げぬまま、一人元の家、学校に戻った恵太は穏やかな日常を取り戻しますが、母の妊娠をきっかけに義兄が事件を起こします。
それがきっかけで義兄は死んでしまい、幼馴染の友人は怪我をして・・・。
いろんな出来事のなか、常に恵太を助けたのは18センチのクライシスでした。
あるきっかけで一時的に人間大になれたクライシス。
なにかあるたびに慰め、やさしくキスをして、一番はじめに抱かれたのもクライシスでした。
それからだんだんとクライシスの姿、声が遠くなっていき。
大学生になった恵太は入ったサークルの新歓コンパでクライシスに良く似た理人と出会います。
そんなとき。今まで姿が見えなくなっていたクライシスの姿を見つけます。
彼はハトに乗ってやってきたもう一人の小人と一緒に旅だっていきました。
若き恵太が「自分」と出会うのを見届けて、迎えに来た先になくなった恵太と天国に向かう理人。
ややこしい(笑)
先に書きましたが、恵太とクライシスの起こってる出来事の割には緊張感のない(笑)コミカルな会話と、義兄以外の家族からは愛されていたり、幼馴染に救われたり・・・と割と心穏やかに、軽く楽しめるお話しでした。
ただ読み終わった後に・・・
恵太を無理やり連れ戻そうとやってきて事件を起こし、逃げてる途中で亡くなってしまった義兄。
出会って愛し合って幸せだったのに、先に死んでしまった恵太。打ちひしがれてた理人も事故で・・・・
と、死んだ人が多いんですよっ!!
本人達が幸せだったとしても!生きて幸せラブラブな姿が読みたかったな!と。
たぶん恵太も理人もそんなに歳とってないうちに死んでしまったようなのですが、ずっと恵太を愛してくれた母親や、やさしくしてくれた義父、歳の離れた妹はどんなに悲しかっただろうか・・・と違う意味でも残念に思ってしまったのでした。
でも恵太と理人の固い絆にちょっと甘め評価で(^_^)
ちなみにクライシスは「本当は17.5センチ」だそうです。←どうでもいい(笑)
この作品のタイトルを目にしたときに思い出したのが確かこんな小さなカレが
出てくるドラマが昔あったなと、そしてハッピーエンドではなかった気がして
恐る恐る読み始めれば、あっ!やっぱりこんな展開から始まるのかと言う内容で
この手の話はファンタジーでも苦手なんだよなと思いつつももしかしたらラストは
予想外に幸せオーラに包まれている作品かも知れないと願いを込めつつ読みました。
結果は、この作品をハッピーエンドと捉えるのは結構無理があるように思えます。
某世界名作劇場のフラン~とかのクライマックスに感動を覚える方にはアリの話かと
思うのですが、個人的には萌える気がしませんでした。
もっとも現世でもそれ以外の場所でも二人で居られることに変わりは無いわけだから
ハッピーエンドものなのは間違いないのでしょうね。
話の内容が死んでから始まるファンタジーで、恋愛の神様に願いを叶えてもらう
機会が偶然死に際に起こります。
その願いは恋人の子供時代にいくことで、後半でわかるのが恋人の過去に嫉妬したから
子供時代に行きたかったという、イケメンなのに可愛らしい願いでした。
主役二人の出会いが、偶然なのか必然なのか、鶏が先か、卵が先かみたいな
ちょっと哲学的な因果性のジレンマも感じたりする作品だと思います。
それでもファンタジー好きの心をくすぐるような終わりになっていたので
評価自体は萌えですが、設定から言えばちょっと避けたい内容だった気がします。
でも読み終わりにどんよりした嫌な感じは残さない作品だとも思います。
最後の最後でやっと解ったーっ!!
悪ぶってた徳永理人という人間が少年を庇って事故死。
だけど死ぬのは恐くなくて…
これでやっと先に亡くなってる大好きだった恋人の元へ行けると。
そこで現れたのが恋愛の神様で、
先に亡くなった恋人がお迎えにくるまで、一つ願い事を叶えてくれることに。
で、その理人が願ったこととは…
と、その願い事は読者には解らないまま、別の話になっていきました。
1人の少年と18センチの小人の物語で
読んでも読んでも願い事の意味が解らず、恋人が死んだ理由も解らす。
残り3ページというところでやっと理解できました。
理人が願ったこととは、恋人の少年期に行くこと。
そしてその1人の少年が先に亡くなった恋人で
自分は18センチの小人として過去に2人が出会うまでを一緒に暮らしてた。
そこで恋人の過去に何があったかもわかり
その恋人が死んだ理由も納得できました。
そして2人で天国です。
最初から1人の少年と18センチの小人がどういう関係だったかとか
解って読んでたら途中のお話も理解して読めたんですが
本当に最後の3ページになるまで意味が解らなかったので
話に入っていけなかったです。
なので1度目は意味が解るために、解ったうえで2度目を読むといいのかな。
出オチといいますか、最初に終わりを見せているといいますか。
最後の〆はこう持っていくんだよと見せてくれていたので、割とはじめらへんの段階で終わりが読める内容でした。
表題からして18センチの彼があれやこれやおイタしちゃうお話なんだろうなと勝手にそう思っていると何ともファンタジーだけでなくシリアスなお話も持ち合わせていました。
読んだ後にじわじわと心にしみてくるお話で、自分も外で読んでいなかったら確実に泣いていました。
ただ、読んだ後すぐにもう一回読もうとは思えず、しっとりしたお話をかみしめ強く生きようと思いたいときにもう一度読もうと思いました。