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yabai kiss hodo ii
この作品はざっと書かれた感じで、なんとなく詰めが甘い気がしました。
ツンツンした美人キャラの八重樫。世界的企業プレアデスの監査部で、仕事熱心ながらも憎まれ役の部署で、他の社員には煙たがられている。
一方、護衛班にいる瀬尾はたくましいイケメンということになっている。
二人は、憎まれ口をたたきながらも、事件に巻き込まれたりしつつ、たまにエロいこともしつつ、仲良くなっていく、というストーリー。
仕事や会話で丁々発止、がうまく言った場合はこの作家さんの作品はとても読み応えある痛快なものになるのですが、今作は少しすれ違い系に寄ってしまったようで、瀬尾は憎まれ役の八重樫をかばいながらも、直接だと冷たくひどい態度で、あとでわざと意地悪してしまったと言われてもわざとらしくしか思えないところが今ひとつ萌えなかった理由かな。
仕事熱心だが、心は乙女でくよくよ悩む割に、快楽に流されてしまう八重樫のキャラも弱さが目立ってしまった。
義月さんの作品の攻めは受けに対してだけとても意地悪。体の関係もあるのにわざと傷つけるようなことを言って泣かせる。その後「可愛いから虐めたくなるんだ」みたいな展開になって最後には身も心もハッピーエンド。でもその過程での受けはかなり可哀想。ツンデレで仕事もできる人のことが多いので途中で泣き言も言わず限界まで我慢しちゃう。
BLの受けを愛する者としては酷い攻めに対してイライラしてしまうんですが、スパダリとか甘々な攻めばかり見た後だと辛口とも言える義月さん独特の作品を読みたくなります。本当にぶれずに上記のパターンのお話が多いですが(作者のお好みなんだと思います)、プロットもしっかりしてて結構エロくて抜群の安定感があるので。
このお話も例にもれず恋愛面では初対面の時からお互い好印象だったのに、誤解やすれ違いから大人のケンカップルみたいな関係になります。設定は受けが大企業の調査部という所に属していて、社内の人間には嫌われるような立場で、攻めは元刑事で受けのボディガードをする立場なんだけど「仕事だからお前みたいに嫌な奴でもちゃんと守るぜ」みたいなことを受けに面と向かって言っちゃう酷い奴なんです。受けは強がってても心の中では傷ついててメンタルボロボロです。
受けが可哀想だけど痛めつけられてるような描写にも萌えてしまうんですよね。最後は幸せになること前提ですが。BLってのは作者にも読者にもSっ気の目線がありありのジャンルですね。今更ながら。
設定もキャラも良いし面白い
でも、はっきり言ってあまりお上手ではないです
すごく読みづらい
え?これ攻めと受けのどっちが言ってるの?え?どっちの心境?
文章の切り替えがはっきり言って上手くないんだと思います
何度同じシーンを読み返したことか……
あと、せっかくのアクションが表現不足
身を翻したって書いておきながらいつの間にやら投げ飛ばしたことになってたりして
は?ってなることが多くて地味にストレス
この作家さん、他の作品でも同じようなこと書かれてるので私だけが感じたわけではなさそうです
惜しいなあ、ほんと惜しい
こういうので集中途切れて結果萌えに繋がらないんだよなぁ
是非、担当さまはその辺注意深く読み込んで作家さんに伝えていただきたい
BL って校閲が緩いのかなぁ
他にも誤字とか散見されるのもストレスなんだよねぇ……
職業柄、調査対象のプライベートまで明かしてしまって敵も多い八重樫は
綺麗だけれど非情で好きの無い男で
こういうタイプが乱れるってぞくぞくします!w
お互いを好きなのに素直になれないとか
憎たらしい気持ちになるとか好きなはずなのですが
なんかね、八重樫を貶めるような瀬尾の言い方に私が多少傷つきました;;
確かに、仕事とは言え八重樫の調査は結構厳しいし
瀬尾の部下を疑ってかかったとか
瀬尾が腹を立てるのもしょうがないと思います。
しかも、一緒のプロジェクトに参加する前に
瀬尾を騙して誘って革靴の底にGPSチップ埋め込んで
一度でも抱かれていたら話は別かもしれませんが
まるっきり未遂ってあたり瀬尾が気の毒ww
いい雰囲気でホテル行ったのにねぇ…。
義月さんは“大人のバー”ってイメージが勝手にあって
やはりそのあたりの駆け引きめいたものは素敵でした。
八重樫のピンチを瀬尾が救ったりハラハラな展開もありましたが
場面の臨場感というか…ちょっと私にはスッと入ってこなかったです;
たぶん私の理解力の問題です、すみません;
あと、瀬尾にあまり魅力を感じられなかったんですよ(泣)
「ほんっと、淫乱だよねえ。誰でもいいんだ?
やってくれる相手なら誰でも…」って瀬尾は言うし
「ちょっと感じたふりしたら、すぐに自分のこと好きだとか勘違いして。
気持ち悪いったらねえよ!」って八重樫は言うし…意地の張り合いもほどほどに…;;
瀬尾の言い放ったヒドイ言葉に傷つく八重樫の表情がたまらなくて、だなんて
ホント子供じみてるよ;
言葉責めはもっとソフトにしていただきたい……。
これはただ私の好みというだけですが。
さすがに最後は素直になる二人ですし
八重樫があんなにすげなくてきっちりかっちりしているのに
トランクに荷物を収められないで四苦八苦していて
なんとホテルのバスタオルが挟まっていたエピソードは可愛らしかったですw
世界規模のコングロマリット、ちょっと聞きなれない横文字だけど簡単に言えば
大規模な複合企業が舞台のスケールの大きなオフィスものでした。
受けになる八重樫はそんな会社の調査部チーフでイメージするなら査察でしょうか。
そして攻めになる瀬尾は警護班チーフでイメージ的にはSPみたいです。
瀬尾は元刑事でトラブルから警視庁を辞めることになった過去があるのですが、
かなり有能な人材だということで会社の警護班にスカウト予定。
しかし大規模な会社だから採用する人物の身辺調査が半端じゃないんですよね。
瀬尾の調査を担当したのが八重樫なのですが、一般的な尾行が瀬尾相手では出来なくて
八重樫はハニートラップのような手口で瀬尾に近づき発信機を付けて身辺調査の
続行をした為に、後に入社した瀬尾にバレて可愛さ余って憎さみたいな感情なのか
瀬尾は事あるごとに八重樫に嫌味や揚げ足取りをしたりして表面的に非常にクールな
八重樫は心に痛みを持ちながらもスルーしている状態から始まる話です。
瀬尾は意地もあるしいじめっ子体質でもあるようでかなり素直ではありません。
話の流れだと八重樫の方が意地っ張りな雰囲気もありますが、意地っ張りと言うより
気になる相手、好きになってしまった相手から嫌われていることで臆病な感じです。
職務が非常にクールだから傍目にも誤解されるような感じで結構可哀想なんです。
それが好きな相手となればなお更な気がしますよね。
大人の意地の張り合い風でもあるけど、そこに社内で起きた大きな事件が絡んで
単なるラブに留まらないサスペンス要素も入り込んでいて、かなり面白いです。
好きな相手を守る仕事をする瀬尾と好きな相手だからこそ巻き込みたくないと一人
行動を起こして危険に晒される八重樫。
テンポもよくて読み応えのある作品で楽しめます。