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hitorijime
うーん…
うーん…
なんて言うか、読後感がよくないんですよね。
冒頭は…
平凡真面目な教育実習生・湊と実習先の高校のハイスペ高校生・荻原の仄かすぎる両片想い、みたいな。
ところがある日一緒に乗った電車が追突脱線事故を起こし、湊を庇った荻原が膝に大怪我を負ってしまう。
その後、荻原は湊に家庭教師を頼んだり学校の送迎を頼んだり、とにかく湊を頼る感じ。
ここまでは普通のBL的空気感だと思うんです。
その後あるきっかけで荻原が豹変して、物語の空気感が一変。
とは言っても、「湊の報われない献身の切なさ」とも取れる。
だけど私には湊は「ひとりで勝手に自分を悪者にして」「なんでも言うこと聞いちゃうダメな受け」、荻原は「話も聞かず」「何もかも間違えてる卑怯な俺様攻め」にしか見えなかった。
ホント、何でなんでもかんでも許しちゃうのよ。
なにかと言うと膝を持ち出して口を塞いでくる卑怯な荻原。最後に反省したけど、だからなんなの?と言いたい。
全くザマアもなく、僕も好き好きでラブラブエンドって…
気が抜けちゃいました。
作品は中立、小山田あみ先生が素晴らしくて、総合では「萌」で。
受にひたすら執着する攻とどM受のカップルの話が好きなので、楽しめました。
ストーリーは危うくスリリングであり、テンポがよかったこともあって一気に読んでしまいました。
気になった点は、友人たちとのやりとりの描写が冗長であったこと。
受とその友人たちが話すシーンでは、この掘り下げやキャラ設定の説明ははたして必要なのか?と感じた部分が多々ありました。
(スピンオフを書く必要が生じた場合用に登場させたサブキャラなのでしょう)
せっかく2段組でじっくり書き込むのなら、攻と受の心の動きの描写にページを割くべきだったのでは?
また当て馬役のキャラの印象が薄く、2人に対して影響力不足であったことも拍子抜けしました。
もっと主人公たちの心が動くきっかけとなってくれないと、これではただのモブです。
最も疑問に思ったのは、紆余曲折のすれ違いの末に攻が漸く謝罪したと思ったら、それは足の怪我をネタに強請ったことに対してであり、手酷く暴行したことに対してではなかったこと。
自分の過去の行いをきれいさっぱり忘れてしまったのでしょうか。
破綻しています。
要約すると、駄々っ子クズの攻がうじうじした性格の受を10年かけて振り回す話です。
攻が受のことをずっと好きだったことはラストの告白で判明しましたが、では、なぜ容姿も性格も特に秀でたところのない受のことをそんなにも好きになったのか、そのポイントが分からないため説得力に欠けました。
受もまた、この駄々っ子クズのどこをそんなにも忘れられないほど好きだったのでしょうか。
謎です。
主人公たちの心の動きがもう少し丁寧に書かれていれば、読後感は違ったものになっていたかもしれません。
すれ違い萌えなんですが、なんか拍子抜けしてしまいました。
攻めは結構クズ寄りですし、
受けは共感できない部分が多かったです。
一回離れてから再開するシーンは良かったんですが
途中に飽きてしまった部分があったのもあり、
あまり感動することもなく想いを確かめあう場面が来てしまったという印象です。
仲介が入ってようやく誤解が解ける、という王道は好きなんですが
いかんせん攻めの行いが酷いと思ってしまったので、素直に萌えられなかったです。
もっと酷いことをしている攻めでも好きになれるんですが、
いまいちキャラ萌えできなかったところもあります。
題材と設定は良かったので、またチャレンジしてほしいと思います。
教育実習生の受が高校生の攻に強姦され、
十年後再会してまた脅され関係を持つ。
そんなシリアス展開なのにどこか間の抜けた雰囲気なのは、
明らかに両想いなのに二人とも自分や相手の気持ちに鈍すぎてグダグダすれ違い続けているため。
脚本の都合でちょっと無理ある思考回路にさせられているような不自然さがありました。
いくら怪我をさせた負い目があるとは言え、
自分を強姦した男を庇い、好きでい続ける湊(受)は
健気というかただのドMにしか見えず
度を越した低姿勢に辟易。
荻原(攻)は、好青年から鬼畜への豹変は面白いけど
それが本性とか湊への愛故とかではなく
衝動的な子供っぽい独占欲でしかないのが深みに欠け残念。
十年経っても湊への気持ちを自覚していないなんて
どんだけ鈍いんだと驚愕しました。
やっと謝ったと思ったら
強姦それ自体ではなく
怪我を脅しに使ったことを詫びていて
もっと他に言うことがあるだろと突っ込みたくなります。
湊がなぜ自分の前でだけ表情が堅いのか
本気で分かってないあたり、かなりの天然なのか?
タイトルや表紙から
いかにも苛烈でドラマティックな執着愛を
想像していたのですが、とんだお子様攻でした。
ノベルス二段組で分量はたっぷりあるのに
二人がここまで執着し合う理由や
荻原のパーソナリティの掘り下げが足らず、
湊の友人たちとのどうでもいい会話に
ページを割きすぎなのが勿体ない。
友人のアドバイスが湊の役に立つでもなく
(むしろ助言と真逆のことばかりしている)
友人たちとの絡みの大半が冗長に感じました。
濡れ場は椎崎作品らしく抑えた筆致でエロさ控えめ。
最初の強姦シーンが一番気合い入ってて、
ラストの両想いエッチはサラリと流されたのが
何とも尻すぼみでした。
表紙イラストが一番ドラマティックだったかな。
椎崎さんの作品は落ち着いてて基本好きなのですが、
今回は内容とタイトル、挿絵がちぐはぐな感じで
方向性が定まっていない印象を受けました。