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anatashikamienai
Kindle Unlimitedで読みました。
実の兄弟ものですが、ミステリーっぽい作品。20年以上前の小説ですが内容は古臭さは全く感じません。心理描写も丁寧で、無駄と感じるところがなくて読みやすいです。
私は実の兄弟ものは背徳感を目的に読んでいるのですが、誰に迷惑かける訳じゃない、こんなに愛してるんだからと思う一方で、他人には絶対に知られてはいけないという苦しみや相手の普通の幸せを奪っているのではないかという葛藤もきちんと描写があったので大変満足しました。エロシーンも詳細でエッチでした。
【あらすじ】
兄が大好きな甘えん坊な弟×物静かな美人兄。
子どもの頃から友達と遊ばないほど仲の良い兄弟。家は放火に遭い、あることで弟は兄を庇った。弟は中学生の時に庇ったことを盾にとって肉体関係を求めるようになり、大人になった現在に至る。これだけだと執着攻めと不憫なほだされ受けが結ばれる話かと思いますが違います。ミステリー要素もあり。攻めである弟視点のストーリー。
攻めは若くても完璧なタイプが多いですが、この作品はきちんと男っぽいけど弟らしくワガママで甘えん坊で泣き虫な面があり可愛いです。両親に期待されている優秀な兄とは違い、あまり愛されず虐待を受けていた過去がありフリーターをしながら夢を追いかけているのも人間味があっていいです。
いわゆる年下の弟らしさ、大人っぽく頭のいい兄らしさがある設定になっています。なのでよくある弟だけど大人っぽいハイスペックな攻め、兄だけど健気で不憫な可愛い受けではないです。
以下、前半を軽くネタバレ。
弟は最初は抵抗した兄に強要した流れがあるから、大人になった今も兄は仕方なく自分に抱かれていると思っている。小さな頃から兄は弟に甘く、何でも許容する関係性。何でも許してくれる兄に甘える反面、自分だけの一方通行な思いに虚しくなり、解放してあげた方がいいのは分かるが出来ずにずっと苦しんでいる。
弟の何もかもを許容するけど自己主張のない兄が実はどう思っているのかが分からない。弟も決定打を言われるのが怖くて兄の本心を確認できないし、兄発信では求めてくれないし愛の言葉もないので、弟の虚しさと苦悩が限界に近づいていく。
そしてついに兄を解放しようとするまでが前半。
この流れだと、単純なら健気に弟のためを想ってあえて気持ちを言わなかったけど兄も愛してました、めでたしめでたしで終わるのかなと思っていたのですが、違かった。別れを切り出した弟に兄は思いもよらない告白をするので。弟の視点なので当然なのですが、弟と一緒に私も不憫受けだと思っていた兄の印象が序盤と中盤ではガラッと変わって「えぇ!」となりました。さらに他にも兄は弟に隠していることがあって、そこからミステリーな展開になります。結末は書きませんが。
中学生の頃からの関係なのでお互いに相手しか知らず、他人には目もくれず相手さえいればいいというのが非常に萌えました。
甘えん坊弟攻めと大人な賢いクールビューティー兄受け。好きな方におすすめです。
Kindleアンリミテッドになっていたので、軽い気持ちで読んでみた本作が大当たり。2000年刊行ということでレビューもないが、兄弟スキーな自分にとっては神作だった。二歳差の弟攻め。
まず正真正銘、血の繋がっているガチ兄弟。これだけでも尊い。
弟は生まれた時からお兄ちゃんが好きだと言っていて、弟が14、兄が16の時に初めて体の関係をもって以来、八年間ずっとその関係は続いている。
なので二人が社会人となっている序盤から、もう、いちゃいちゃラブラブ。とにかく弟が、兄を大好きなのが伝わってきて、甘えてるのがすんごく可愛い。
兄は無表情で本心を言わないタイプ。なので、弟は今まで何度も何度も抱かれて、すっかりその行為に溺れきっている兄を見ても、自分の想いは一方的なものなんだと思い込んでいる。
その理由は、二人の辛い過去にある。実は小学生の時に、二人の生まれ育った家は、家族が留守をしている隙に空き巣に入られ、その上、火事で全焼してしまった。
両親が共働きだった二人は当時鍵っ子で、数日前に子どもがどこかで無くしてしまった家の鍵を空き巣犯が入手して、放火したのではないかとされた。
兄弟はそれぞれひとつずつ鍵を持っていたが、無くしたのはどちらかと問い詰められ、弟は咄嗟に兄をかばおうと、自分の持っていたそれを、こっそり兄に渡す。
その時から母親はおかしくなり、家がなくなったのは弟のせいだと彼を責め、罵り、虐待行為までするようになる。だけど、弟は大好きな兄のためにそれらすべてを耐え、本当のことは決して口にしなかった。そのことで自分に引け目を感じているから、兄は自分を受け入れてくれているのだと、弟は思っているわけ。
中盤、そのことについに耐えきれなくなった弟が、兄に別れを告げる。もうこのあたりは本当に胸が苦しく、泣いてしまったのだが…。
このお話、全編攻めの弟視点なのだが、後半からのこの、今まで見えなかった兄の本心や、火事の真相などが判明するあたりは、めちゃくちゃ不穏な空気が漂っていてすごくハラハラした…!
一瞬、もしかしてお兄ちゃんがヤンデレとか、黒いキャラなんじゃないかと思ってドキドキしちゃった。けどそんなことではなく、兄は弟が思ってる以上に弟を愛していて、ふたりの将来を考えていた、という、めちゃくちゃ素敵なお話だった。
とにかく両親を同じくした兄弟なんで、生まれた時からお互いがずっと大好きで、キスもエッチも相手としかしたことがなく、これからもずっと一緒にいよう、っていう関係性が最高に尊い。
エッチも最初から上手くいったわけじゃないらしく、弟は一方的に激情をぶつけて、兄を傷つけてしまったんじゃないかと後悔してるのだが、これもまた尊い。
最後まで読んでわかる、兄の大きな愛情にも激萌えで、いやもう、本当読んでよかった。あまり知られていない作品かもしれないけど、ガチ兄弟好きな人にもっと読まれてほしいと思う。