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orange no tenkizu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
標高1728mの志乃夫岳に抱かれた地方都市。
そこのローカル局の人気気象予報士の陽(ハルくん)と弁護士の須賀。
TVの爽やかなイケメンぶりとは違って、セックス中毒節操なしの陽と
たまたま知り合ってしかも同じマンションだということが判明し、
怒って呆れて振り回されるうちに惹かれて受け止めようとする須賀。
ある意味よく出来過ぎたストーリーなのだと思う。
脇役も存在感があるし、話も無駄がない。
だからこそ彼らが抱える過去の事情は、簡単に「予報」できてしまった。
文章も読み易く、流れに乗って読める……のだが、
物語の牽引力という意味では、そこは個人的にはマイナス。
実は彼らの過去に繋がりがあったことが後半分かるのだが
この縁を「運命の恋」と感じられるかどうか?か。
それと、飛行機事故というエピソードをどう感じるか?
これを題材にするのは、難しいのではないだろうか?と思うが、
テーマを重過ぎずに綺麗にまとめたのをよしとするかどうか?か。
さらには、陽のトラウマが分かる以前の呆れたビッチぶりは、
個人的には憎めなくて嫌いじゃなかったが、好みが別れるかも。
タイトルになっているオレンジが効いているし、
読み易く、面白い一冊ではあったと思う。
評価は、迷ったけれどとりあえず萌で。
※
最後に、全く個人的な気分なのだけれど、
攻めの須賀敦也という名前が、リスペクトしている作家さんに似ていて
それもちょっと引いてしまった要素です。
答姐で、自分や身近な人と登場人物の名前が被るとという話題があったが
身近な人じゃなくても、そういうのってあるかもしれない……
と思ったのでした。
硬派堅物攻め×淫乱(?)誘い受け
作者様買いです。
受けさんが事故に起因するPTSDでそれを乗り越えていく二人の愛の形…
というようなヒューマンドラマ?でした。
ストーリー構成は飽きさせないようにつくられており、
人の命を扱った重いテーマであるにも関わらず短時間で読めました。
しかしながら、昔の不幸な事故が底流にあるため、
どうしても「萌えながら」読むのは自分には難しいです。
描かれた物語の外で受けさんが計り知れない苦労をしているので、
作中で苦労させられるのはどちらかというと攻めさん。
お二人の人生のバランス的にはこれで合っているのだろうけれど、
どうにも攻めさんのおかれたポジションが苦労人すぎて、
入り込んで読むのは辛かったです。
攻めさんこれから幸せになれるといいなぁ…
そこでレビュータイトルがこうなってしまいました。
BLにはエンターテイメントと萌えを重視する私には、
正直だいぶ重すぎました。
ロマンスメインではない本として出会っていたら、
評価はもっと高かったかも??
評価は中立と迷いましたが心は存分に揺さぶられたので萌で。
作品自体が悪いとは全然思わないのです、偶然出会った二人が思いもよらぬ偶然で
過去につながる接点がみつかる。
受けになる陽は過去の出来事で重度の心的外傷ストレスを抱えながらも町で人気の
お天気キャスターをしている。
老若男女問わず人気で明るい表の顔とは別に過去の悪夢に魘されそれが原因で
誰かまわずなセックス依存に陥っている。
そして攻めになる敦也は亡き父親の意思を継いだ弁護士で、ある場所で敦也の車に
一方的に陽からぶつけられたことで知り合い、さらに住まいまでが同じマンションで
初対面なのにいきなり敦也の部屋にやってきて非常識な願いを当たり前のように
口にする陽。
どこか陽はエキセントリックな雰囲気のビッチになったりするのです。
そんな陽に強引に襲い受けされるような形で関係を持ち、身体から始まった関係が
いつからか敦也は陽に気持ちが傾き相手がセックス依存と知りながらも
自分だけを相手にし、他の誰とも寝ないで恋人になってと告げながら陽の依存も
どうにかしたいと素人ながらの考えでセックスをするルールーを作り抗う陽にも
約束を守らせるように説得しながら恋人関係をスタートさせる。
かなり精神的な苦痛を伴う恋人関係で辛い過去と痛みを現在進行形で感じるのです。
はじめに陽が敦也との過去の接点を知ってしまうのですが、かなり痛々しいのです。
二人の出会いは偶然というより必然だったように思えるストーリーでした。
しかしながら、話の大筋設定が航空機事故なのですよ。
地味にリアルで個人的にどうしても受け付けないというか受け付けたくない。
29年前の事故をリアルで思い出してしまってフィクションなのに読み終わった後に
しばらく過去のリアルなTV映像を思い出してしまったりして凹みました。
所詮フィクションだと思って読めば心の再生のような作品で素敵だと思うのですが
個人的にはその域にまでいけなかったけど、内容自体はいい作品だと思います。
タイトルのオレンジ、様々なところでそのオレンジ色が陽や敦也の心情と重なる。
私はダメだったけれど多くの人には好まれる作品なのだろうかとも思います。