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高校時代に知り合った3人の恋模様で幼馴染同士の慶慈と望、帰国子女の響生は
幼馴染のふたりの間に周りから見れば割り込んだような形で3人でいるようになる。
高校時代の3年間から大学生と、3人はいつも一緒にいて、線の細くて可愛い望を
間にはさみ響生と慶慈は恋のライバルに一見すると見える展開ですが、
結果的には響生を間にはさんだ三角関係ものでそれも最後には一人欠けてしまうと言う
かなり切ない思いを抱いてしまうようなお話でした。
響生は出会いからずっと望を巡るライバルだと慶慈を見ていた訳ですが、
望や慶慈にするとまた違う、それがこの作品のタイトルになっているようでした。
完璧なハッピーエンドとは言えない気がしますが、後味が悪いと言う思いも抱きません。
ただ、真実を知った響生が、これから様々な思いを消化して、知らず知らずに
確実に望への思いとは違うかもしれない愛情を慶慈との間に育っていた事を
自覚して、一気に燃え上がる愛ではないけれど穏やかに愛情を育んでいくような
そんな想像をさせるラスト感じます。
きっと、どこまでもこの三角関係はある意味終わらないのではと言う感じもしました。
表紙イラストからして『三角関係』風なんですが・・・
響生が、高校入学・入寮と同時に知り合った2年先輩の慶慈と同学年の望。
高校時代から、一足先に慶慈が卒業しても3人での付き合いが続きます。
響生が高校を卒業したときに、たったひとりの身内である父親が亡くなり、響生は親所有のマンションで暮らしていた慶慈と同居(居候)することに。
そして、大学3年(あらすじでは『大学二年』になってるけど)のときに、実家の事業失敗という噂で望が姿を消してしまうんです。
響生の母親の形見であるダイヤの指輪を持って。
う~ん、三角はともかく(もともと好みじゃないけど)3人の関係性がね~。
つまり、実際にはちょっと違っていたとしても響生と慶慈は望を巡る恋敵だったと認識されていたわけです。
個人的に『攻・受』がハッキリしてるのが好き、と言うよりそれが最低条件と言ってもいいくらいなんですよね。
とにかく(どんな形にしろ)『攻』的受が許容範囲外なので。
実際、 途中で望が消えた時点で読むの止めようかと思ってしまいました。望を好きだった響生(無自覚にも攻的ポジションってことだよね)が慶慈と・・・というだけでもう拒否反応が出そうでした。
まあ、ストーリー的には(オチがわかったので)最後まで読んでよかったかもしれない、とでも思っておきます。
しかし、このオチがまた・・・大昔の少女漫画のようで、ハッキリ言って脱力しました。逆にいまこれ持ってくるのは斬新なのかもしれないけど(いくらなんでも予想外って意味で)。
それに、ストーリーというか書き方ですが、時間の流れが早過ぎる気がしました。
前述の通り、冒頭の3人の出逢いは響生の高校入学時ですが、3人での生活がほとんどというか一切描かれないまま高校卒業です。
何せ、出逢って意気投合(?)したのかな~と思ったところで、ページめくったらもう卒業で退寮準備だよ。
そしてまた、あっという間に望が消える大学3年、さらに大学卒業間際・・・
それぞれの時期がワンエピソード程度でポンポン時が飛んで行くので、余計に入り込みようがなかったですね。
特に、肝心の絆の大元のハズの高校時代(3人が揃ってた1年間だけでも)の直接描写がないに等しいので、余計に『3人』の関係そのものに共感しようがなかったのかも。←いくらあとから言葉だけで語られてもね~。
イヤ、まあストーリー展開的に長いスパンで描く必要があったのはわかってるんだけどさ・・・
なんというか、読みながらただ『・・・はぁ(そーですか)』って感じでした。
ひとこと言わせてもらえば、これホントにラブストーリーか!?
とにかく、キャラクターに一切魅力を感じません。
個人的な好みとしては、響生が『受キャラクターとしては』問題外なんですが、好みを別としても慶慈も望もなんとも薄っぺらいキャラクターだなあとしか言いようがないですね。
申し訳ありませんが、ただつまらなかったです。再読する気はありません。
真崎さん、結構好きで一応でも作家買いしてるんですが、時々(決して稀にではなく)大きくハズしてくれるんだよね・・・
ただ、これは単に私の好みに合わなかったからかもしれませんが。
あとはイラスト。
上田さんの絵柄は綺麗で好きだったんですが、なんか変わった・・・?
こういう絵だったかなあ。特に、本文モノクロがいまひとつでした。
全編書き下ろし作品です。
上田規代さんの表紙が美しかったので、購入してみました。
三人描かれてますが、中央が受けさんで、左の黒髪が攻めさんです。
わたし、読む前は中央が攻めさんで、右が受けさんとばかり…(苦笑
受けの響生は綺麗と称される風貌の持ち主。
海外生活が長かったせいで、歯に衣着せぬ…といった性格。
攻めは、聡明で端正な顔立ちの渡世。
学生時代からすでに体格も良く、実直で信頼の厚い男。
お話は、響生が高校一年から大学卒業まで、渡世が高校三年から社会人までが描かれています。
スタートは中高一貫校の高校の入学式。
外国生活が長く、すでに高校卒業程度の学力を有している響生は、高校からの唯一の外部入学生。
そんな入学式の日に響生は、生徒会長をしていた渡世と、その幼馴染である望に出会いました。
この出会いが三人のストーリーの始まり。
望は小動物のようなクリクリとした可愛らしさで有名で、響生と渡世も目を引く存在。
そんな三人が一緒にいることが自然となり、大学三年の折に望が失踪するまで、響生のベクトルは望へ向っていました。
ただ、その気持ちが本当に恋だったかは謎です。
視点でないのに、渡世の響生への気持ちはわかりやすいです。
『ライクじゃなくてラブのほう』ってフレーズ、久々に聞きました(苦笑
望の失踪の件での着地点はちょっと昔の少女漫画ちっくで、残念な感じでした。
もう少し意外性か、または途中で匂わせることがあっても良かったのかも。
響生と共に読者に知らせるにはちょっと弱いですから、それならばいっそ想像つくくらいにしてもらった方が肩透かし度は低かったかな。