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yakusoku no hoshi wo kazoete
千鳥さん、二作目との事でしたが、私は初めて読ませていただきました。
穂波さんの挿絵で、30過ぎた男の同居話となると
反応せずにいられませんw
しかし、表紙で受けと思しきキャラが幼い気が…したんです…。
多少の違和感を覚えつつも、読まずにいられず購入してみました。
ところが、私的に序盤から怪しい雲行きでして…。
31歳にしては幼い言動の考古学研究員の岩森(受け)。
大学の時に「30になっても独り身だったら同居しよう」という
約束とも言えぬ戯言を実行しに来たのですが…。
妙に元気で年齢にそぐわない
「えー!うう、野瀬はそりゃかっこういいけど!けど!うらぎりものー!」
みたいなセリフ、
表紙で感じた違和感はココか…という落胆…(泣)
穂波さんのイラストは作品をきっちり表してくれていたわけです。
なんたって攻めの野瀬はストイックそうで格好良い!!
作中でもあまり表に感情を出さないタイプでしたから。
その野瀬が、突然自分の部屋に現れて
健気な面も見せながら甲斐甲斐しく料理も洗濯もしてくれる岩森に
大学時代感じた愛しさを反芻してしまいます。
建材会社勤務で忙殺される毎日で、
岩森を追い出す気力も失いつつ
当時と変わらない岩森をやっぱり今でも好きだとはっきり自覚して
もう会えなくなるかもしれない危機感に煽られ抱いてしまう姿は
確かに萌えました。うん。
ただ、やっぱり舌ったらずな喘ぎ方とかが
私の中では萌えに至らなかったのです…すみません;;
だいたい8年も音信不通だったのにわざわざ約束の為に突然現れた事自体、
好きに決まってるじゃんっていうシンプルな作りで
先がみえすぎているような印象でした。
あと、野瀬の胸中が()表記が多用されている文章が読み進めづらかったのです;
たとえば、(俺が、)とか(今の、)とかが…。
攻め視点は好きなのですが、ちょっとその表現がくどかったかなぁ……。
あくまでも私が感じた事ですので
元気で健気に頑張る受けがお好きな方や
ちょっとした行き違いがツボる方もいらっしゃると思います。
やはりどの作家さんでも読んでみなくてはわからない事かと…。
生意気な事を申し上げてすみません。
どうしても穂波さんの挿絵だと過剰な期待をしてしまう悪いクセです;;
カラー口絵の二人乗りの自転車や
作中の、欲情まるだしの表情も絡む裸体も相変わらず素敵でした!!!
…というわけで中立とさせていただきます…。
この作家さんとはきっと合わないのだと思います。
読んでいて少しも乗れない、内容が頭に入らない、誰がいっているセリフだかわからずに数行戻ることがしばしば、てっきり家でのできごとだと思って読んでいたら「帰る」と言い出して?ここどこ?と数ページ戻ってみたり…
野瀬のイラつく気持ちだけはすごく伝わってきて、早く追い出せよ、出てけって言えと思いながら読み進めていました。もっともそこであっさり追い出してはこのお話ができないのですけど。だから、一緒に暮らすための『共同の財布』を作るといった時思わず、あー言っちゃったよとつぶやいてしまいました。
だってこれって初めっから両思いのラブラブ生活じゃありませんか?大学時代から。野瀬は無自覚で岩瀬は自覚したからこそ気持ちのわからない彼との接触に臆病になった。でも八年後の約束のために自分も自立してそれなりな地位とか立場を築こうと頑張っていたんでしょうねというのが丸わかりだったので、あっさり先の見えてしまったストーリーにがっかりしました。
音信不通で行方知れずになった岩瀬の事情としては、恋愛感情として受け入れてもらえたわけじゃないことがわかっているから八年後にもし妻か恋人がいれば諦め、いなかったら告白して…という思惑があったんでしょうね、と推察しました。それが2~30ページ読んだくらいで筋が読めてしまい、どうか一捻りくらいして欲しいと願いましたが…
先の読める王道物も好きですがこういうのは楽しめませんでした。
そして共同口座を作ったり洗濯機を買ったりして無自覚に囲い込んでいく野瀬がおかしかった。そこまでしてどうして親しい教授に嫉妬したりいつまでも教えてもらえない携帯番号にイラつく『ままならない感情』が恋情からくるものだと気づかないのか不思議です。
好きなシーンは野瀬の誕生日の肉じゃが。肉じゃがが好きなんじゃなくて岩瀬の肉じゃがが好きだったと気がつくところ、そしてそれに感動する岩瀬。
最後まで岩瀬は好きになれないキャラでした。海外に行くにしても黙っていなくなり急に家に押しかけるにはどうかと思う。
相手の都合も考えず自分の欲望だけを押し付けてるみたいで。
まるで呼んでもいないのに勝手に家に来て手料理で絡め取りなし崩し的に追い込んで結婚することになってしまうマジックを使う計算高い女のように見えて怖~と感じてしまいました。そのうち「デキちゃったの~」と言い出しそうで。