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himitsu
すんごく面白かった。
まさに秘密ってタイトルに相応しいお話だった。
秘密Ⅰは、受けの啓太視点
秘密Ⅱは、攻めの充の従兄弟、孝則視点
秘密Ⅲは、攻めの充の弟、樹視点
どの視点にも秘密の事柄があるんだけど、一作目が1番ディープな啓太の秘密[恋人を殺して冷凍庫に保管している]なんだけど、これは薄々違うんじゃないかな?と思いながら読んでた。
だって、周りが騒がしくないんだもの。人が1人失踪したらざわつくはず。警察沙汰にもなるかもしれない。それがないんだもん。
もう一つが充の秘密[文字の読み書きが出来ない]バカだと思われたくないからって言うけど、言動と行動が知的障害あるんかな?って思ってたんだけど、よくよく読んでいくとそれは無いんだね。
文字が読めない書けないって二作目のお話でどんな問題点があるか過去回想で書かれていて本当に生きづらい事だなと感じました。
二作目は孝則による過去回想。充を引き取ってどんな事があったのかここで知れた。最初は親しくも無い従兄弟の家庭の揉め事に巻き込まれて面倒くさいなと思ってたのに、引き取って同居生活しながら社会人としての基盤を作ってくれたのは孝則。
世話焼きだよね。なんだかんだ言ってずっと面倒見てくれてる。筆下ろしからテクニック伝授まで。充って愚鈍そうなのに、相手の反応をみての快感を引き出す能力は長けてるってのが凄い。喜ばせたい、褒められたい気持ちが大きいんだろな。
秘密は、孝則は充を愛する事は出来ないと突き放したけど本当は好きってところなんだろうな。甘くほろ苦いお話。
三作目の秘密が一番罪深いと思う。
これは、充弟の樹視点。読み書きが出来ない充は学校でいじめられていて、そのせいで自分までいじめに遭っていたから兄が大嫌いだった樹。どちらかと言うと差別主義者の父の影響をモロに受けてる人物。悪酔いして道で偶然介抱して自宅に連れ帰ってくれた兄充に対して金の無心されるんじゃ無いかと疑心暗鬼。関わりたく無いと思ってたりする。
充はそんな気持ち全然無いのに。久しぶりに会った家族に懐かしんでるだけなのに。
なんか嫌な気持ちで終わるんじゃないかと不安になったけどそれはなく、とても良い終わり方でした。
ただ、母親の判断がなんだかな〜と思わされた。
全部の不幸を充に背負わせたのは母親。
でも、この事があったから孝則さんと親しくなれたし自立出来たし、SEXテクニック身に付けられたし、運命の人 啓太と出会えたし、結果良かったんだよね。啓太にとっても充は最適な相手だと思うし本当に良かったねと思えた。
DMMブックスで講談社文庫版で購入。
解説はなかったです、残念。
新書版も持ってるので何処か違うところあるのか読み比べてみようかな。
大変遅ればせながら、『箱の中』を拝読したのは最近のこと。
そこからは木原作品にどっぷり浸かり、数作品を経て今作を拝読しました。
当たり前ですが、どの作品も素晴らしさに唸りました。
ここまで書くのか…と。
今作も読みだしたら止まらなくなってしまうことはわかっていましたが、やはりそうでした。
木原作品を読むたびに、容赦がない、といつも思います。
サラッと読み流す事ができずに没頭するしかなくなり、気づけば物語は終わりを迎えている、ということばかりです。
今作も没頭し気づけばあっという間でした。
3つの章に分かれていますが、組み立てが秀逸で最後まで読み切って初めて安心できました。
人間の身勝手さや、他人と異なること、他人と同じようにできないことへの不理解や拒絶、読んでいてそれが苦しくもあり、それが普通だとも思う。
単純に好きだという気持ちだけでは成り立たない複雑な感情に、振り回される身体や精神が苦しい。
妄想癖、ということすら自覚できていなかった啓太と、劣っている自分を受け入れてくれる啓太を盲目的に愛する充、充にとってきっと救世主であり理解者の孝則、それぞれの思いにいろんな感情が引っ張り出されるわ、やきもきするわで正直しんどいです。でも読まずにいられない。
充の弟である樹目線で書かれている最後の章は、これがあってこそ本当のハッピーエンドだと思えました。
手に取ったら最後、木原作品の中毒性たるや…
ストーリーももちろんですが、とにかくどの作品も人物の印象が強く残ります。
まだ未読の作品もたくさんありますので、この先もどっぷり浸かっていきたいです。
読んだのはホリーノベルズ、旧版です。
文庫の解説読みたかったけど…
で、この作品も「木原音瀬」です(笑)
男性同士の恋愛模様がベースにあるので、BLなんですけど、木原音瀬って言うジャンルなんじゃないかと思えてきます。
実写化出来そうな世界観。エロシーンはさっくり流しても成り立つんじゃないかな。啓太の危うい精神状態と杉浦のディスレクシア、二人が思い合えるようになる過程。秘密がそれぞれにあるんですけど、地上波深夜帯でやって欲しいな。視聴者は選ぶから難しいか。
物語の軸にあるディスレクシア、初めて聞きました。認知度が上がって泰のように幼いうちに気づいて手を打てる人が増えると良いな。最後に弟が理解するところまで書かれていたので、辛い話にも安堵の気持ちがあって救われます。
萌的には薄いですけど、タチの悪い男に引っ掛かっていた啓太が、本当の意味で相愛の関係に落ち着き、杉浦と一緒に人生を歩んで行っているのは良いなと。啓太を精神的に支えたのは杉浦の素直な愛情。月日が経って啓太は公務員になっているし、杉浦は通信教育を受けて調理師の専門学校へも進む。そのために啓太は前向きに杉浦を支える。
お互いが補完し合って成り立っている関係に落ち着いたようでホッとしました。
読後は、いやぁ、やっぱり木原音瀬は凄い、としか言えなくなった作品です。これだけのページ数でシンプルに構成できるのが素晴らしいと思う。
文庫版のみしか読んでいないので比較はできませんが、Holy novels版も今度購入しようと思っています。
ずっと前から読みたかった「秘密」よく利用する電子書籍アプリでキャンペーン中だったので購入しました。
知ってたけど、木原作品は苦しくて痛くてどろどろしてるものが多い。これもそう。
でもそこまでハードルは高くないかと思います。比較的読みやすい方です。
まず設定から重い。ハンディを抱える攻めと殺人犯の受け。実際は受けの方は妄想で実際には殺していなかったわけではありますが。
でもね、受けの元彼がひどいんです。クズのDV野郎なんです。そりゃ殺してやりたくもなるよ。
そんな元彼を殺す妄想を日常的にするうちに現実と妄想の境がわからなくなってしまって本当に殺したんだと思い込んでいた受け。
最初は攻めの名前すら覚えていなかったのに気がついた時にはどっぷりとハマってしまっていた受け。好きだ好きだと言われるうちに体を重ねるうちにどうしようもないくらい好きになってしまっていた。
結果としてこの2人は「運命」だったんだと思います。
個人的に攻めのこのセリフがとても好きです。
「殺してしまいたいと思うんだから、僕も啓太と同じなんだよ」
受けのことが好きで、大好きでしょうがない攻めの、健気さ、一途さ、真っ直ぐさが伝わってくるセリフだと思いました。
欲を言えばもう少し2人のラブラブなところが読みたかった……!
いつの間にか4年経ってるて!苗字呼びから名前呼びに変わっとるやん!!
そこもう少し詳しく……!
でもま、物足りないくらいの甘さが木原作品っぽい気はしています。
暗くて痛くて重くて苦くてでも最後にはほんのりした甘さが胸を占める。
シリアスなミステリーでも読んでる気分でした。おかげで一気読みしてしまいました。
読了後に「ああ、いいものを読んだ!」という感想が最初に出てくるのでこれは私の中では間違いなく神作品です。
2007年に刊行されたBLレーベルを一般ノベルスに改稿、文庫化して、LGBTと発達障害を扱う作品として再販されたもの。
これも「美しいこと」と同様に、初版と違う削られた部分がある、初版を探して読み比べしたくなったので、ホントでセール中の電子版を読んだ後、旧版をAmazonで注文しました。(感動した作品だけ紙版を買う)
この作品も、今世社会の歪を書きだして、マイノリティへの思いやりの目を向けている良作。
精神的に惨い仕打ちを受けている者同士の共依存・・で終わらない結末がとても良かった。
たった一人、自分を丸ごと理解してくれる人が居たら頑張れる。
人は「心の動き」を糧に生きる生物。障害の壁を超えるものじゃなくて、障害を消すものは「愛」 「愛し合えるたった一人」と縁が有るか無いかで人生が大きく変わるから、縁を大事にしろって、昔からいうんだなーと感慨。
冷凍庫がある自宅に帰りたくない誇大妄想で悩むゲイの大学生、啓太。
自宅に居場所がない、ディスレクシアの充。
狩猟をするわけでもないのに、一般人の家に大きな冷凍庫がある・・・ここから大体想像がつくけれど、冷蔵庫の中には啓太の秘密が納まっている。
BL版ミステリ―。「冷凍庫」の中に有るのは、死骸ではない。
「充は、ディスレクシア」
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ディスレクシアは「読み書き困難」、文字と音を結びつけ操作する力の発達が遅い障害。今は治療法が研究されていて、改善可能な障害。
★ディスレクシア
(英語: dyslexia、ディスレキシア)は、学習障害の一種
知的能力および一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害である。 失読症、難読症、識字障害、(特異的)読字障害、読み書き障害、とも訳される。
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メモ
秘密1:啓太視点「冷凍庫の死体」
秘密2:充視点 充は読み書きが遅いだけ、思考に伴う感情がある。
秘密3:充の弟、樹の視点 障害者を持つ家族の葛藤 充の家族は「居ない者」として排除していた
・・冷凍庫の死体、で読者を翻弄する展開だったけど、ホラーではない、愛の物語だった。
偏見の殻を破って本質を見る事が出来るひとと出会い愛しあうことで、運命は変わるし前進できる。
もうこれは、神評価、でしょう?!
hontoさんで割引になったのでお気に入りで温め続けてようやく買いました。もっと早く出会えばよかった定価で買うべきお話です。
冷凍庫に死体、web小説で見かけた展開になるのかと思いましたが家族のお話でした。
攻めの充くんはやわやわゆるゆるで大丈夫かなこの子という印象でしたが、読み進めていくうちにあんな家庭環境でも折れずまっすぐに生きてくれていることが尊くなりました。どんどん感情移入してひたすら泣くお話でした。
読み終わった今、啓太くんについて知りたくなっています。どうしてあんな妄想に取り憑かれてしまったのか、そこがアッサリしてしまったようで続編とか同人誌とかないのか気になります。
この2人続くのかな大丈夫かなと思っていましたが、II、Ⅲを読んだら充くんが運命だって言ったのは間違いではなかったなと涙しました。
充くんの従兄弟の気持ちも弟の気持ちもわかるし、でも充くんの気持ちもわかるし複雑です。でもきっと暖かくなるお話だと思います。
今年一番心に残るお話だと思ってレビュー(とは言えないですが)してみました。BLとか考えずにとにかく読んで欲しいです。
“途中でどんなに辛いことがあってもいいから、最後は二人が幸せになる話にして。死んだり、別れたりするのは絶対にやめて”
読んだのは新書版ですが、文庫のこちらに誘導されてきました。
木原さんの作品は十作品以上読んだところですが、主人公の殺人を扱った本は初めてです。
啓太は悪夢に魘され自分のアパートに帰りたくない。恋人を殺し冷凍庫に詰めたから。バーで出会った杉浦の部屋に運良く泊まり暮らすようになっても、部屋にぽつんと置いた冷凍庫は頭から離れません。
二人とも記憶が不安定で、啓太は自分の現状のいきさつを何度も再確認しなければいけないし、杉浦は方向音痴で名前も直ぐに覚えられない。
現実と夢が混ざりどちらも現実になっている状態で、何度も繰り返される冷凍庫の描写と作動音が映画的で簡単にイメージでき、ゾッとします。
啓太と杉浦はどちらにも重たい秘密(過去)があります。初めは啓太の秘密を中心に、そこから出会った杉浦と秘密を共有し、杉浦に話は移行していきます。
杉浦は言語障害が秘密というよりも、優秀な家族に“秘密にされてきた”というべき存在です。
読者にはその秘密よりも杉浦が抱く愛情表現が重く感じます。しかし彼の純粋な言葉の簡潔さ、ストレートな愛情表現は木原さんの小説の中で言葉の美しさをより際立たせます。それは「箱の中」の喜多川と同じ。
「嬉しくて泣いて、泣けることが嬉しくてまた泣いた」
「生きてるのに、生きてちゃいけないの?」
どんなに頑張っても勉強は出来ないし家族を喜ばせられない、恋をしても重たいと離れていく。秘密の中の純粋でどうにも出来ないやるせない部分が露出し、おしゃべりで子供っぽく叫び成長していく様です。
「秘密にする側」啓太と「秘密にされてきた側」杉浦。最後の数ページにこの作品の一番大事なところがぐっと凝縮されているように感じます。杉浦の弟 樹はずっと知らされていなかったことを母と姉から知らされます。ディスレクシアの事、杉浦を心配し動向を知っていた事、父を批判している事。
そして啓太も殺したはずの恋人を殺していなかった。二人の秘密が跡を残しつつ解け、前を向いて進む様子がうかがえて、読み始めには想像しなかった読後感に驚きました。
そして啓太にお願いをした杉浦の上記の台詞通り、この作品も人が死んだり別れたりせずに締めくくられました。ハッピーエンドや納得のいく終わりよりも、この作品の中で生きている杉浦が幸せである終わりだったのが一番嬉しいです。そんな気持ちで読み終える作品に出会えてそれもまた嬉しく、やはり木原さんの作品は面白いなと思いました。
余談/
従兄弟が「あいつ、セックス上手いだろ」と言うのでてっきりそういう仕事だとか、無理やりさせられていたのかと思いましたが、そういう訳ではなかったようで、自分の予防線の汚さを感じました(笑)
挿絵は独特なタッチでお洒落なのですが、個人的に持ったイメージと違っていたので最後まで違和感がありました。
木原さんの描く全然格好良くないのに愛しいと思える人物が今作でも生かされてます。
充のディスレクシアですが今なら適切なサポートが受けられる可能性が高いです、
世の中結構良い方向に変化してます。
今まで読んだ木原さんの作品の中では一番読後感が爽やかで、最初に読む作品としてお勧めです。
冷蔵庫の中身は空で人殺しは妄想だけど根本は解決してないんですね、啓太の妄想は続く可能性が高い。
全て受け入れる充の愛が深過ぎる。
木原作品は2冊目ですがこの作品も一度開いてしまったら最後、ページをめくる手が止まりませんでした。一読目は先が知りたくて、次は結末を知ってからの登場人物の言動の確認、その次は部屋の間取りなど細かい背景、、と貪るように読みました。内容紹介も読まずまっさらな状態で読み始めましたがとにかく話に引き込む力がとんでもなく強かったです。
主人公の啓太が冷凍庫を買う場面から始まるのですが既にここから不穏な空気が漂っていて先日読んだばかりの「積み木の恋」を思い出してしまいました。でも早い段階から啓太が死体を自室の冷凍庫に隠しているという状況はたぶん啓太の思い込みだろうなと思わせる表現がチラついていたので殺人という犯罪よりも秘密が登場人物にどんな影響を与えていくのかが気になりました。
啓太は秘密を抱えて精神的に不安定、ゲイバーで出会った充にしても見た目はまあまあだけど愚鈍でしかも優しくしてくれれば誰でも好きになってしまいそう。そんな充を見下した感じで見ている啓太が徐々に充を求め依存していく過程が薄暗いんだけどなんだかとっても甘いんですよね。
会ったばかりで警戒しているはずなのに充の部屋でいとも簡単に眠りについたり、翌日には充を慰めながら膝の上で眠ってしまったり、とにかく啓太が無防備に寝てしまう場面になんともいえない心地よさを感じてしまいました。一緒にいる時間が長くなれば純真な充に情がわくのは自然だけど、体も許してしまうのは秘密という重荷から逃れたい気持ちが自分を好きだと言う相手と触れ合う事で得られる安心感で消え、同時に本能的な肉欲がムクムクと湧き上がってくるって感じなのでしょうか。。
解説で作家の伏見憲明さんのいう、どんなに個と個が純粋に結びつくことが困難でも、その術をみつけられなくても、あきらめない BLのハッピーエンド のためなのだろうか。。。 いや、、違う気がする。。にしても充は本能のおもむくままで啓太とのエッチが好きすぎて萌えます。。
そのエッチな充を育てた従兄弟の榎本がなんとも魅力的です。充の命の恩人であり自立させてくれたすごい人。なのに自由恋愛主義なので従兄弟の充とも性的な関係を持っちゃうとか。。だけど決してぶっ飛んでいるわけじゃないんですよね。中盤の「秘密Ⅱ」が榎本視点でのお話だったのでうれしかったです。
興味深かったのは「秘密Ⅲ」の充の弟の樹のお話。ここでようやく充は父親以外の家族と再会できるわけだけど実は母親と妹は充を不憫に思っていたことが嬉しかった。家族みんな冷たいのかと思っていたので。。弟の樹もなかなかの曲者だけど「俺はみんな兄さんのことを忘れたのかと思っていたよ。籍を抜くって言った時もみんな何も言ってなかったから」と心臓をドクドクさせながら言ってるあたりで妙な共感がありました。樹は充と再会した時に放った言葉を母親や姉には秘密にしておくのでしょうかね。。
正しい気持ちではないかもしれませんが、あくまでフィクションのキャラということで許してほしいのですが…
充くん(攻め)がとてもとても可愛くて。
見た目は普通の男性なのに、間が悪く要領も悪く人並みに立ち回れずすぐに泣くし重すぎる一途さで一心に好き、嫌いにならないでと伝えてくる。
焦ると舌っ足らずになりまるで子ども。
その様が妙に可愛くて萌えてしまいました。
100円玉を交番に届けるいい子ちゃんなので尚更。
そんな彼ですが、攻めです。身長も高いです。
ザ・受け!みたいな小柄で童顔で可愛い系な人物ではなく…どう見ても普通の男の中身がこれ…っていう奇妙さにゾクゾクきちゃいました。
歪んだ性癖かもしれんけど読んで感じることは自由…ということで許してほしい。
そんな大きな子どもを可愛い…とご都合展開で好きになることはなく、やばっ…とかおかしい…とリアルな内心を書きつつも、結局惹かれていく。
自分でもどうにもままならない…が、好きっていうリアルな人間らしい流れにいつも共感させられます。
序盤、「教えて。教えて!」とねだる充くんに間違った連絡先を伝え一度聞いたにも関わらず名前を覚えてさえいない相手だったのに。
タイトルにもある秘密の部分ですが、なんとなくそんな気がしていました。
ただあからさまに感じたわけでもなく、もしかしたら?実は?感を拭いきれず楽しめました。
この曖昧さ、境界のなさを筋にしたらすっごく怖いお話になりそうですね。
Ⅱの方では元彼との関係が分かります。
榎本ってなんか攻めのイメージあったんですけど、逆なんですよね。
先生の攻め受けはいつも私の逆イメージをぶっ壊していくのですが、すんなり読めるので有難いです。
お話のキャラってよりは現実のどこかにいるかもしれない一人の男…って感覚で見ているからかもしれない。