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無理矢理抱かれている奴が、こんなによがり泣くものか
kinran no chigiri
中華風な背景を舞台にした内容の3Pものなのですが、結果的にはふたりの
王子と皇子に愛され守られる甘い話だったりしますが、この攻め二人の立場は
最終的に無冠になってしまう内容だったりもします。
始めは帝国の人質となった王子とその従者が、帝国で暮らして行くのですが、
その帝国の皇子に従者の琉思が見初められた事から始まる。
でも人質の火韻王子は、相手が従属の皇子なのに物言いもやんちゃで琉思は
気が気でないのですが、以外にも気さくな皇子に咎められることもなく、
二人はしばしば、皇子に誘われることになります。
しかし、そんな時に二人の祖国が帝国を裏切る思惑を持つと解り、皇子は琉思を
欲しいと思っていたこともあり、火韻を助ける代わりに火韻を抱かせろと迫ります。
この皇子は始めは綺麗な火韻を手に入れて遊ぶことを考えていたのですが、
火韻と王子の絆の強さを目にしてなんとか切り離したいとあれこれ画策。
でも二人を引き離すことは出来なくて、逆に自分にはない絆を持った二人を羨ましいと
思うようになります。
王子は、火韻に対していやらしい下心無く、亡き母に似た面差しの火韻を
守り大事にしたいと思っている感じなのですが、皇子と火韻の抱き合う姿を
見せつけられて火韻への気持ちが劣情込みになりますが、それもどこか思慕的。
皇子と王子は反発しながらも火韻を守り傍におきたいと言うことで一致していて、
以外に気の合う兄弟みたいになっていくのもなんだか微笑ましかったですね。
火韻の二人に対する気持ちは明確に違う気がしますが、ラストでは二人共
なくてはならない存在になっての一応ハッピーもの。
それでも二人共無冠になってしまい、3人で国を逃げる旅に出て終わる話で、
もしかしたらこの二人はどこかの国で今まで以上の権力を手に入れて火韻を
守りながら、3人仲良く末永く暮らすかもと思わせるようなお話でした。
あとがきによれば、近年の矢城米花先生は今まで執筆したことがないテーマに果敢に挑戦していられるそうで、本作「金蘭之契~皇子と王子に愛されて~」は初の3Pものとなります。私も3P作品を読んだことがなかったので、恐る恐るといった感じで読み進めました。
中華風な世界が舞台。大国・堯帝国を中心に冊封体制が取られており、南方の呂国も堯帝国に方物を献上し、人質を首都・香蓮に送って恭順を誓っていました。呂国の人質は第二王子・李火韻。齢18歳にして言動が幼く、やんちゃで後先考えず行動する少年です。火韻の従者・陶琉思は主が何かしでかすのではないかと気が気でありません。そんな憂い顔の琉思を見初めたのが堯帝国皇太子・藍堂でした。藍堂は琉思の美貌を気に入り小姓になれと迫りますが、琉思は忠誠を捧げる相手は火韻だけだと断ります。
あきらめたかに見えた藍堂。彼は度々火韻と琉思を狩りや食事に誘うようになるのですが、呂国に謀反の動きがあるというネタを取引材料に琉思に肉体関係を迫ります。呂国の裏切りが判明したら、呂国の人質である火韻は処刑される。火韻を守るため、堯帝国の皇帝に謀反の密告をしないことを条件に琉思は藍堂に身を任せました。それから夜が来るたびに琉思を抱く藍堂。しかし琉思の体に満足しながらも、藍堂は納得できずにいました。琉思の心がガキの火韻に向いているからです。二人の主従愛に不満を覚えた藍堂は火韻の目の前で琉思を抱き、3Pに持ち込みます。琉思と火韻の関係を壊そうとする藍堂の作戦でしたが…。
「金蘭之契」とは『易経』「繋辞上」が出典の言葉で「金のように堅く、蘭のように芳しい友誼」という意味。まさに友誼(友人に対する愛情・親しみ)いったお話で恋愛というより、友情ものでした。琉思を巡っての皇太子と王子の三角関係なのですが、攻めキャラである藍堂と火韻の間に友情らしき感情が芽生えてくるのです。
信頼関係で結ばれ、互いを大切にしている火韻と琉思の主従。当初琉思だけを自分の物にしたいと思っていた藍堂ですが、二人の絆が眩く映り、二人とも大切にしようとします。火韻たち主従と一緒にいると二人の仲間になったようで、彼らと固い絆で結ばれていると錯覚できたのでした。三人で過ごす時間は琉思のように命を懸けてくれる従者や部下がいない藍堂にとって幸福な時間だったのです。呂国の裏切りが発覚後、藍堂は二人の幸せを願って堯帝国を追われる身となった琉思と火韻を国外に逃がす手助けをします。藍堂自身は政変で廃嫡されて殺されるかもしれないのに、宮廷に残る道を選びます。一方、助けられた火韻は自分が藍堂の立場だったら恋敵を助ける真似など出来るだろうかと考えます。火韻から見たら藍堂は琉思を無理やり犯した憎い相手だったはずなのに…。
クライマックスでは捕らわれの琉思を救うべく、藍堂と火韻が力を合わせて戦います。
本作で個人的な見所は藍堂が見落としていた周囲の心根に気が付く場面。
政治的思惑と陰謀渦巻く宮廷。信頼できる相手などいないと思っていた藍堂ですが、反逆罪に問われ兵が攻め込んでくる段階になって初めて自分にも琉思のように命を懸けて忠誠を尽くしてくれる人々がいることを知ります。琉思と火韻の関係に嫉妬しなくとも、答えはすぐ近くにあったのです。藍堂に仕えていた彼らの心情を慮ると非常に切ない場面でした。藍堂の後悔も哀しい。
しかし後戻りはできない。過ちは覆せない。けれど今からやり直すことはできる。琉思と火韻を救うため立ち上がる藍堂が凛々しかったです。
さて、このような攻めキャラたちの成長と友情に目が行ってしまい、主人公の受けキャラはなんとも印象が薄い。受動的でひたすら耐えているだけで、主人公の魅力がありませんでした。二人に愛される理由も顔以外読み取れませんでした。3Pものって他に読んだ経験がないのですが、攻めが二人もいると受けキャラは影が薄くなるのでしょうか?
恋愛ものとしては〈中立〉評価ですが、友情ものとして〈萌え〉評価にしました。
ちなみにページ数は少ないですが、矢城作品にありがちの雑魚モブキャラによる輪姦あります。さすがにやりすぎでこの場面はいらないのではないかと思いました。