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seiryu no toriko
受賞したデビュー作。
「青龍の雫」の銘を持つロシア産のアレキサンドライト、
宝石に関わるサスペンス風ロマンス。
政治家の娘と政略結婚を取り付けたい御曹司の有馬。
傲慢な有馬は、美貌の秘書の友也を無理やり愛人にしている。
青龍の雫が偽物とすり替えられる。
友也に「本物のティアラを取り戻したら関係を清算する」と有馬に告げる、
友也は妹を守るために、宝飾店オーナーの須賀に近づく。
友也は、本物を取り戻せたけれど、有馬は約束を反故。
・・その後の伏線回収が以外な結末で、面白かった。
こんなに面白い 作品を創作できるのに、休筆したのはホントに残念。
★後日談のSSが、「黒獅子の寵愛」に載っていた。
あとがきで知りましたがつばき先生のデビュー作だったのですね!
ストーリー展開がしっかりしており、エロもそこそこあって、サマミヤアカザ先生の挿絵も美しくて(薬指にキスしてる絵が特に!!)。
有馬が残念なボンクラなんだけど、痛いシーンは無いし、ストーリーが入り組んでいるわけではないので、エロだけじゃない、でも難しすぎないBL読みたい時におすすめ。
ふたりの距離が縮まるインド旅行と、大人の男と年下の男をかなりの頻度で行ったりきたりする須賀くんが好き。
デビュー作であることを知らずに読んだのですが、読みやすくグッとくる表現もあり、すごく好みな文章&お話でした。
嘘の告白から接近する名波と須賀の本心を隠したやり取りや、徐々に惹かれていく様は切なくもありときめきもありました。
ずっと隠し事をしていたこともあり、最後のHの甘さはすごーく幸せな気分になります。
全体を通してシリアスで、愛のない愛人関係もあったりと、ある意味今まで自分が読んできたルビー文庫の作品とは毛色が違う感じがしましたが、私はすごく好きです。
タイトルにある青龍とは、作中のキーアイテムとなるティアラに嵌めこまれた宝石『青龍の雫』の事だ。
大企業のボンボン・有馬(当て馬)が婚約者の為にフルオーダーしたティアラが偽物にすり替えられていた。
そこで、条件付きでティアラを内密に取り戻す約束を取り付けたボンボンの秘書・名波(受け)が、一番疑わしい人物とされているジュエリーデザイナー・須賀(攻め)の内情を探る展開となっていく。
どうにかして須賀に近づくのには成功したが、問題なのは名波がその手の潜入経験のない素人だという事だ。
てっとり早くティアラを取り戻す為に色仕掛けを仕掛けろという有馬の命令も無茶だし、渋々その難題を請け負った名波の無謀さにはハラハラした。
そもそも名波は、弱い立場に付け込み、無理強いで自身を愛人にしている有馬と別れたがっている。
有馬が相当狡い男だと承知していながらも、名波には一枚上手を行って出し抜くようなしたたかさがなく、きっぱりと縁を切れるのか?と不安を感じた。
有馬には密偵状況を一々報告する度にネチネチ攻められるし、須賀には名波がどうやって懐柔するのか面白がっている節が明らかで、何とも不器用なハニートラップぶりだった。
しかし、二人が生活を共にするうちに相手の誠意やひたむきさを汲み取って、お互いがほだされて両想いになっていく過程に、読む側も引き込まれていった。
ジュエリー、というか原石に関する薀蓄もさらりとしていて、その様子が須賀の仕事ぶりやデザイナーとしての姿勢を描写する一面として映えた。
きっかけが装飾品を巡っての展開だったが、攻めと受けの心情がどう恋愛に発展して交わっていくか、当て馬ざま~な展開まできちんとフォローされているしっかりとした話だった。
先日読んだ新刊が面白かったので、つばきさんの他の作品も読みたくなって手に取りました。幻の宝石・アレキサンドライトを巡って、嘘から始まるラブストーリーです。
最初から登場する、親の権力を振りかざして受けに酷いことをする男・和臣が苦手すぎるタイプで読み進めるのが辛かったのですが、この人が攻めじゃないと分かって本当に安堵しました。
受けになる名波は、和臣の父親に両親亡き後、妹共々世話になった恩があります。そのため、息子の和臣にも逆らえなくて、現在は和臣の秘書をしています。
この和臣、男女問わずに手を出す節操なしで、今は地位を手に入れるために近付いた代議士の娘と結婚しようと画策している最中です。だけど、その娘の父親に反対されていて鬱憤が溜まる毎日で、そのストレス解消で名波を抱いています。それも、名波の未成年の妹に手を出す…と脅してです。おまけに、女に手を出すと結婚に支障が出るから名波で我慢してるとか、エッチも自分さえ気持ち良かったらイイという感じで前戯も無しで、本当に本当に酷い男です。
それなのに真面目な名波は、和臣の言われた通りにするしかなくて。
そんな和臣の命令で近づいたのが、攻めになるジュエリーデザイナーの須賀でした。そして、須賀に取り入るために、恋愛オンチな名波が「好きだ」と嘘をつくのです。
真っ直ぐゆえに、須賀を騙しているのが辛くなる名波。
体さえも差し出して義務からしたエッチは、和臣と違って優しくて気持ちが良くて。どんどん須賀に惹かれていく名波です。
だけど、ある日、自分の嘘が全て須賀にバレていて、逆に騙されていたことを知るのです…。
始めの頃は和臣から名波への仕打ち、後半は須賀と名波のすれ違いが切なくて、胸が痛かったです。でも、その分、気持ちが通じ合ってからの甘々な2人の様子に萌えまくります。須賀が和臣をやり込めたのもスカッとしたし。
そんな、デビュー作とは思えないほど設定や文章が上手で、素敵な作品でした。
私も先生の他作品を読んで面白かったので、当作も手に取ってみました。
挿絵、サマミヤ先生だし。うふ。
そうかな-と思ってたのですが、案の定、先生のデビュー作 とのこと。
少々、各種設定に無理がないか???と一人突っ込みあったため
申し訳ありません、中立にさせていただきました。
エロ度は標準とあるように挿絵も、
イタしているところは最後に1、悪戯されているところが1、
キスシーンが1 で控えめ。
カラー口絵も着衣で 受けさんの指にちゅしてるところなので、問題なし。
お話は、大企業しゃちょーの息子が切り札的にもってた宝石を
盗られたので、その秘書(受け)が盗ったと思われる人物(攻め)から
取り返そうとすったもんだしてる間に、恋におちちゃいました てな話。
サマミヤ先生の絵があまりに美麗で、
受けさんがちーっと弱っちく見えてしまったせいか
ある程度の企業の秘書なんだったら、
もうちょっと剃刀ぐらいな切れ者でないとなあ・・・・と
ひっかかってしまってダメだったー。
だって、この受けさん 行き当たりばったりすぎ・・・
どうなるのどうなるの的に読み進みはしたものの、
色々突っ込んでしまって、残念でした(泣)
現代設定ものだったから、余計気になったのかな。。。