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その森に潜んでいたのは秘密の恋
Ludendorffkou to mori no kemono
しばらく読んだところで、思わず表紙作者様を確認。…かわい有美子先生よね!?そして半ばまで読んで、(ぇっ、…かわい先生の初、人外モノ?!モフモフ系?!!ファタジー?!!!)
…いや~ほっこりいたしましました。人狼系は大概、血しぶく対決、うごめく陰謀作術、消えゆくモノの悲哀…そういう物が多いんですけど、(そういうお話しもドラマチックで好きです!)なんか今作はちょっと毛色が違う、ほっこりファタジー?!…これで終わるとは思えないし、これで終わって欲しくないお話しです(*^。^*)誰がどう見ても大型ワンコのユリアン、可愛い貴公子です♪
ちるちるの詳細検索で「ヘタレ」攻めでヒットしたのがこちら。
人狼の攻めって尊大なキャラが多いイメージの中、この攻めはどこかシャイで繊細な雰囲気をたたえた男で、めーちゃくちゃ庇護欲そそられまくりました。
最初は遠慮がちなんだけど、次第に想い溢れてスキンシップしまくりとかかわいすぎる。
私は獣姦が苦手で出来たら避けたいシチュなので(地雷というほどではないので読めることは読める)、最初は、獣姦を覚悟しつつ読んでいましたが、次第に、この攻めならむしろ狼の姿もめちゃくちゃ愛しているという証拠を示すためにもむしろ獣姦してあげてもいいのでは…?とすら思うようになりました。(獣姦描写はありません)
だって「誰も、私を愛しはしない」って呟くユリアンがめちゃくちゃ不憫で、不憫で……。
舞台は日本なんだけど、ヨーロッパの深い森を思わせる描写が素敵でした。
このまま二人でこのお屋敷で仲良く住んで欲しい。
だけど、受けのケンジはオーバードクターで非正規雇用で食いつないでいるので、週末婚という哀しみ……。
ケンジが不在の平日は、ユリアン寂しいだろうなぁ……苦しいだろうなぁ……週末を死ぬほど待ちわびているんだろうなぁ…とユリアンが可哀想になってしまう。
途中まで二人はお屋敷でいつまでも仲睦まじく暮らしました、ちゃんちゃん!みたいな童話っぽい雰囲気なんだけど、伏見から電話がかかってきた途端、あぁそういえばこの物語の舞台は現代日本だったっけ……と我に返る感覚というんでしょうか、そういうものがありました。
ケンジはこの先どう生きていくんだろう??
ドイツ語を本気で学んで、建築学に詳しいドイツ語翻訳者としていくのはどうかしら?
ユリアンの小説を翻訳したり……。それなら在宅OKだし。
とにかくユリアンと四六時中一緒にいてほしいです。
屋敷に戻ってユリアンを発見した後、ここでお話が終わり?落丁とかじゃなく終わりなの?みたいな唐突さを感じたのも事実ですが、とにかく攻めのユリアンのキャラが超好ましく読み終わった後にすぐ再読したくらいユリアンがツボったこともあり、おまけして神です。
時代的な価値がある中世ゴシック風のお屋敷を舞台にしたファンタジー、
でも、いかにもファンタジーだと言えるような内容はかなり後半になってから。
人狼や猫又が出てくるのですが、もしかしたらクマさんもいましたか?なんて
最後にふっと思うこともありましたが、流石にそこまでは出てきませんでした。
建築史学専攻のオーバードクターである藤森は前に教授のお共&通訳であったことがある
ドイツ人で、旧伯爵邸に住むユリアンに再び再会することになります。
それは教授がユリアンが住む屋敷の学術的な調査をしてみたいと願っていて、
1度あったことがあり、ドイツ語を話せる藤森なら屋敷に来てもいいと許可が出て、
藤森は教授になんとか屋敷の調査をさせてもらえるように頼んで欲しいと
ユリアンの元へ滞在をすることになります。
寡黙で顔全体を覆うような髭面の紳士で、気難しいと言われていたユリアンですが、
藤森に対する態度は友好的で、屋敷に滞在中にどんどん親しくなっていく。
さらに劇的に変わるのが、誤ってユリアンが自分のヒゲを剃ってしまって現れた
イケメンの顔と藤森が思っていた以上の若さにふたりはもっと近しくなっていく。
近しくなりすぎて、ユリアンに過剰なスキンシップをされ、初めて恋愛的な意味で
アプローチされていることに気がつく藤森なのですが、以外にすんなりくっつきます。
それに、関係を持ってからユリアンが人狼で代々ルーデンドルフ家には
人狼が希に現れると知り、ユリアンがそうだと知っても藤森はかなり
大らかに受け止めるのですが、やはり研究学者バカ系の人間は目で見たものを
的確に認識するのだなと思える流れで、人狼だからどうこうと言う展開にはなりません。
しかし、藤森が思っていた以上にユリアンにとっては人狼だということが
生まれた時から孤独で愛されてこなかった過去がかなり重くのしかかっている。
藤森が教授に呼ばれ、直ぐに戻るからと約束して出かけた後に予定より数日遅れて
戻った藤森が見た屋敷の荒れようは、逆に心にくるものがあります。
愛を希う寂しい狼が、妙に可愛く見えてしまうのです。
感覚的には美○と野獣の野獣を彷彿とさせるような奮起もありますし、
恋愛的に恋情のもつれみたいなものは感じられず愛しくて優しい感じが出ていました。
それに、目立ったキャラではないのですが、ユリアンの傍にいる使用人ふたりが
猫又だったのもあっさり藤森は受け止めるのですが、実はかなり男前さんだったのねと
感じてしまうお話でした。
BL版『美女と野獣』のような素敵な作品でした。
森に囲まれた古い洋館、森にひそむ謎の動物…。
まるでお伽話のような舞台設定にうっとり。
受が男らしくさっぱりした性格なせいか、
設定のわりに少女趣味な感じがしないのも読みやすくて良いです。
院生の藤森は、研究調査の一環で、Y県の旧伯爵邸を訪れる。
館の主のユリアンはドイツ人で、熊のような風貌の大男。
ある「秘密」のため人との交流を絶っていたユリアンが
利発な藤森に一目惚れし、一生懸命アプローチする姿がとても可愛いです。
藤森は男同士の関係をすんなり受け入れすぎな気もしますが、学者の卵だけあって、固定観念にとらわれないフラットな人柄が良いな~と思いました。
甘い夜を過ごした後、藤森は人狼化したユリアンの尻尾を見て
ユリアンの秘密を知ってしまう。
爪を隠し、藤森を傷つけないよう自分を抑えるユリアン。
寂しそうなユリアンを愛おしく思う藤森。
二人のお互いをとても大切に思う気持ちが伝わってきます。
クライマックスで、我を忘れ攻撃してくるユリアンを受け止める藤森は、とても男前かつ母親のような包容力もあって、相手のありのままを受け入れる深い愛情を感じました。
ユリアンの生い立ちなど切ない要素もありますが、
基本的にずっとラブラブで、人狼化したユリアンや猫たちのモフモフ感にも癒される。
読んでいて目尻が下がるような、ほのぼの甘いファンタジーでした。
【余談】
N県に隣接するY県とはY形県のことでしょうか。
実際に洋館が多く残っている地域なので、
モデルになった洋館があるのかな~などと調べながら
読むのも楽しいかもしれませんv
かわいさんの小説は初読みな上に、あらすじの予備知識もない状態で読んでみた。
俗世から離れたような雰囲気の中で、何だか現代ものではないみたい。
読み終わるまでに物語の起承転結のヤマ場がほとんどなく、平坦なまま終わってしまうのかと焦った。
受けの藤森自身、なんとなく周りの事に驚く事なく淡々としているせいもあって、結構順応性が高いのかも知れない。
唐突な告白後のラブシーンに性急さは感じたが、その以前の流れで育った国や環境によって恋愛の価値観が違うのね、ってシーンもあったので二人のやり取りは外国人攻め×日本人受けとして楽しめたかな。
しかし、この小説は評価に迷ってしまう。
人外モノとしてモフモフ萌えを期待するならば中立、自分の姿に悩む攻め・ユリアンの繊細さに惹かれるならば萌え、になるのかなぁ…
読んでいてユリアンの繊細さに魅力を感じたが、他の人外モノで結構派手な展開のものに惹かれるせいか、もの足りなさもあった。