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高遠琉加が贈る大人気ミステリーシリーズ、待望の完結巻! !
love letter kamisama mo shiranai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
13年。まだ幼さが残っていた彼らが大人になるまで。
それはあまりにも長い月日だったことでしょう。
夢中になって読んだ神様も知らないシリーズの完結巻。
読み始めて数日経ちますが、読み始める前まではこんなにも惹き込まれ、感情を乱され、胸が締め付けられる想いでいっぱいになる作品だとは思いもしませんでした。
胸がざわつき、ぽっかりと気が抜けてしまいました。
全てを読み終えて初めて分かるタイトルの深さにもため息が出ます。
読後の余韻がすごく、まだ物語から抜け出せないままこのレビューを書いています。
本当に素晴らしい作品でした。読めて良かったです。
どうか、どうか暴かないでほしい。
そんな気持ちになりながら読み進めるも、当たり前に登場人物たちへは声が届くはずもなく、1,2巻で張り巡らされていた点と点が無情にも繋がっていく。
正直なことを言うと、物語の展開の面白さには夢中になりながらも、なぜか登場人物たちの誰の幸せも願わないまま読んでいたのです。
幸福という言葉を使うには少々難しい、複雑な関係と過去を描いた作品だと感じたからなのかもしれません。
けれど、作中のとある1シーンには光や幸せ、救いに似たものを感じて安堵した自分がいました。
おそらく少数派だと思います。どこがどうとは内容に触れてしまうので書けませんが、非常に印象的なシーンのひとつでした。
この結末が良かったと思う方も、もっと違うものがあっても良かったのではと思う方もきっといることでしょう。
ただ、私にはこの作品がとても美しいものだと思えて仕方がないのです。
静かな月夜と共に何度も読み返したくなる素晴らしい作品でした。
これから読まれる方は3冊一気にぜひ。
刑事は犬のように犯人を追い詰める。
でも流が仕掛けた煽りは、麻薬中毒者を最悪な暴走に追い立ててしまう。
追い詰められて、ついに糸が切れるように壊れて、みんな血を流す。
「早く捕まえてやれば、救えたんだろうか?」
それより、最初の罪を犯す前に、佐希を施設に保護していたら、
犯罪に手を染めずに、済んだんじゃないかと思う。
喫茶店の叔母さんが、ネグレクトに気付いていたなら、佐希を保護してやれば良かったのに。
小説を面白くするためとは言え、ネジくれている。
佐希の最期のメッセージは、佐希の精一杯の本心だったんだと思う。
あれを、遺された司が、ジューンベリーを見る都度に思いだすだろうと思うと切ない。
生涯独りで、胸に抱えていくのかと思うと、
生き残るっていうのは、想いを抱えながら死を待つ残酷な罰のようだと思った。
三巻通してですが、最後はこうなるしかない、こうなるのがせめてもの救い、なんでしょうね。
攻めと受けのストーリーと思えばこれが一番良い形だったんだろうな。
司の選択というか生き方は、実際その立場だとそうなる人もいるよねって思う。流の無念さは計り知れないけど、あの時…という気持ちをそれぞれが持っていて、一つでも変わっていたら、違う選択をしていたらもっと違う未来があったのかも知れない。
でも、もう後は慧介と司が離れず、お互いを深く知ってまるごと受け止め合って幸せになって欲しい。
事件や話の流れは白夜行に似ているってのは同じように思いました。が、それに目をつぶれば、最後は慧介によって救われる話でもある(と、私は思った)ので、こちらの方が良かったかな。
ドラマ化とか出来んじゃないかと思いました。
咲希役が難しそうだけど。
巻を進めるごとに惹きこまれていった「神様も知らない」シリーズの最終巻。長編シリーズのフィナーレを飾るのにふさわしく、非常に読み応えがありました。事件の背景や真相に深い人間ドラマがあり、胸がえぐられました。登場人物を通して、魔が刺したり、迷ったり、人間の脆さや業の深さを存分に感じさせられる作品でした。
タイトルも反則ですよ!くれぐれも平日は読まないで下さい。翌日目がひどい事にww
長く続いたシリーズを読み終わり、BL版「砂の器」と思っていると、BL版「○夜行」という意見も多いようですね…。そちらの方は一時ブームになっていましたが、奇をてらう展開が次々と出てくるのが苦手で途中で挫折しました。オリジナリティに欠ける側面はあるかもしれませんが、「神様も知らない」は無理のない展開だったので入りやすかったですし、心理描写もじっくりと描かれていて、完成度は高い作品です。
司と佐季の特殊な○○関係の描かれ方が通常の恋愛関係に比べて効果的で、退廃的な美しさもあり印象に残りました。司の変わらずひたむきな愛に心が打たれます。心のボタンが掛け違えていく過程も哀しかった。
司が自分の事を佐季を唆した蛇と言いますが、きっかけはそうであり、確かに司でなければ、二人の関係はこんなに長く続く事もなく、とっくに破綻していただろうし、ここまで二人が罪を重ねる事になってたのか…という部分もあります。二人の出会いが悪く作用していた面もあるのが辛い。世知辛い世の中を生きていくためには陰と陽、対極のタイプの人が一緒になるのが望ましいんだろうな。
それでも陰のある人って魅力的だなー。関わる事によって破滅を導くとしても…。最後まで司のように佐季に肩入れしてしまう読者も多いでしょう。まさしく私だww
読み終わってからも流警部の捜査のやり方や、もう少し早く佐季を解放して欲しかったと悶々としました。結末での佐季は反則だよ…。司の心の半分は一生持っていかれるよね。側で司を支える慧介は生い立ちといい、過酷な使命を負わされてるなー。おくびにも出さずに生きれる強さを彼は持っているだろうけれど。
来世で司の木に佐季が寄ってきたとしても、違う選択をして、楽園を追放されずにすむといいな。。
子供は親を選べず、生まれた場所や育った環境でその後の人生まで左右される現実があります。佐季が犯した罪は決して許される事でないですが、人が人を裁く難しさを感じます。あのままあの父といて、佐季の人生はどうなっていたか…。綺麗事で済まされない現実があるなーと考えさせられました。事件の捜査以外で佐季に関わらなかった流警部に問いたかった。陪審院裁判が行われば、佐季は人々の心を惑わせていたかも…。
「神様も知らない」完結巻。
つまり、佐季と司2人の秘密が暴かれ、追い詰められる巻。
前作で現れた中根は司にまとわりつき、店のガラスや植木鉢などを壊す。
それを見て心配した慧介が中根を調べ、中根の母親が佐季の父親に殺された(事になっている)ことを知る。
遂に慧介が司と佐季の接点を見つけてしまう。
だが慧介はそれを流に話すことができない…
一方、佐季も中根が司にしている嫌がらせを知り、いつもの通り「排除」を考える。そして実行する。前のように。
だが中根は死なず、事件になるわけです。そして流がそれを知る。そして…
13才の少年2人が何をしたのか、その後どうやって生きてきたのか、その全てを悟る流。
この流が事件の糸口に気付いていくシーンは非常にスリリングです。
流は若き日のように佐季を狩ろうとはしていません。
なぜ気付かなかったのか。
なぜ救ってやれなかったのか。
そんな後悔と、今こそ暗い森の道から手を引いて日の光の中に連れて行ってやる、そんな心境で佐季と司を追っていきます。
さて、結末はもちろん破滅なのですが。
美しいクリスマスのゴージャスなイルミネーション、その中で起きる惨劇の視覚イメージは魅力的ですが、飯田は簡単に死に、佐季もまた、という展開はちょっと簡単すぎたかな…と感じてしまった。
佐季の最期は司ではなく流と共にあったことも意外でした。
事件の経緯としては、司が佐季に利用され洗脳され振り回された、と解釈されています。でも悲しくて神を求めた幼いあの日、佐季の燃える目に魅入られたのは確かに司の中に佐季に呼応する何かがあったからだと思うし、胸に同じ傷をつけ血を混ぜ合わせたその時、確かに2人は同じ血を持つ存在になったのだと思う。
事件が終わり佐季がいなくなった世界。佐季の書いたただ一通のラブレターの「さよなら」を読んだ時司の中の一部も砕け散り、それは慧介が何をしても元には戻らないのだと思う。
おそらく慧介は司を支え続け、司も慧介に応え、2人は長い時間を共にするのでしょう。それでも司は約束を拒み続けるだろうし夜はどこか遠い目をするのでしょう。
佐季と司の人生。追い詰めていくスリル感。慧介の純愛。全て非常に面白い。
ただ、やはりドラマチックの過剰を感じてしまう。
それは慧介の出生や、流が司法試験に受かっていることなど。
あと、あとがきはすぐに読まないほうがいいと思う。余韻が壊れます。
これしかないよねって結末でした。ただバッドエンドではないと言えるのかは分かりません。
佐季は…助かって欲しかったけど、最終巻で明かされた義母の殺人に司を巻き込んだ事、また、司を使って新たな犯罪を企てた時点でもうダメだなって…。
司を手にかけるのを思いとどまってからの流との最期も、「もう時既に遅いよ」という感じで冷静に受け止めました。それでも最後の手紙には涙を禁じ得ませんでしたが。
ひとつ残念だったのが慧介の真っ直ぐなキャラクターが最終盤でブレた点。
司が共犯者と分かっていて佐季に会いに行かせる(逃がす)なんて、、ちょっとショックでした。何が起こりうるか想像力無いんだろうか?
しかもここに来て「自分の中の犯罪者の血がそうさせる」的な事言い出すとは思わなかったもんで、、慧介に幻滅しました。ここから私この本のメインは流だと考える事にしました^_^流は最後まで真っ当な良い刑事さんでした、キャラも良いし。
司は…生きて罪を償う事が出来て良かった。出所してもまだ三十路前!人生これからが長いんだから、精一杯生きていってほしいな!
何年か前の作品ですが、今初めて読みました。
私、なんで今までこんな神作を読んでいなかったのか。めっちゃくちゃ久しぶりにBL本でボロ泣きしてしまいました。
とにかく、ほんとに司と佐季幸せになれお願いとひたすら願いながら読んでいたのですが、この事件この2人絡んでるんじゃ...と思うシーンが多々ありすぎて。読者側の心臓がえぐられるのではと思うほどのドキドキハラハラ。緊迫感尋常じゃないです。濡れ場ですら私はハラハラしていました。
3巻の最後のシーンの、佐季の司への想いと、司へのあのあれ(ネタバレを今更避けようとしてます)....。最期に佐季が流のおかげで少し救わて、良かったです。泣かない人、多分いない....。この本のタイトル、そういう意味なのか、と知って号泣しました。読み終わった後に、他の本なんて読めない、この本の余韻に浸りたい...ってなります。余韻に浸りながら、また号泣です。
レビュー打ってる最中でも、登場人物の想いをいろいろ考えてたら、ガシャーンなって泣けます。
全3巻。
シリーズタイトルである
「神様も知らない」は本当に深いタイトルだと思います。
こうならざるを得なかった。
ひとつの終末へ収束していく
遣る瀬なさ、悲しみ、切なさ、
そして相反する安堵。
止められない歯車のように意図せぬまま
奈落へ落ちていき、暗い道を歩き続ける
彼らの道が行き止まる時、
必然的に見える結末は涙を禁じ得なかったです。
そして、その運命に玩弄され
業を背負い続ける青年たちの悲劇を終わらせるため
愛故に追い詰める男たちの執念に
胸が詰まりました。
こんなに遠くまで来てしまった。
でも本当はどこへも行けていないのかもしれない。
青年たちは未だ幼子のまま、互いを唯一の標にして
真夜中の教会で震えている。
佐季と慧介は鏡映しの存在だったのかな。
自らの存在(血)に二方とも影が差していたけれど、
その根本を決定的に分けたのは
「はやく良くなりますように」と言ってくれるような
代償を求めない、無償の愛をくれる存在が最初からいたか...
だったのかもしれない。
ただ愛される子どもになりたかった。
佐季はその母性を司に求めたのが、
運命の悪戯により司はその存在にすがったのが
この複雑な愛の根源なのかなと思いました。
さまざまなメタファーも数多散りばめられており、
その意味に気付いた時、物語が匂いたつように哀しみを帯び
胸が掻き毟しられるようでした。
(楽園の蛇の喩え、
遺物を隠した上に咲くのはなぜ梔子なのか、
司はなぜ切り花を売らないのか、
伝言にバイブルポケットを用いていたのは...等)
願わくばふたりが生まれ変わったら、
次はどうか光の道を笑顔で当然のように歩く
子どもでありますように。
この作品に出会えて良かった。
何度も読み返したいです。
タイトルが秀逸。
ラブレター・・・まさにこれで号泣です。
久々に声をあげて泣きました。
家族がいたリビングで読んでたのでかなり我慢したのですが、勝手に喉から音が出るくらいw
全3巻、むしろBL要素よりもサスペンス要素の部分で先が気になって一気に読んだのですが、
最後の最後・・・ただ一人の人を思う切ない気持ちに全部もってかれました。
そして3冊かけてじっくり、それぞれの人物の人生を見てきたから余計に胸打たれるのでしょう。
シリーズものは面白そうでも読むのに時間がかかるから尻込みしちゃうんですよね。
でもやっぱりシリーズになっているということは、人気があるから続いている、もしくはじっくり話が練られている読み応えがあるもの、ということですよね。
尻込みしてまだ手を付けてない他のシリーズものにもトライしてみようと思いました。
圧巻のラスト。
途中から予想はしていましたが、この悲しすぎる結末になんとも遣る瀬無い思いです。
2巻で佐季の魔性に私自身取り込まれ、肩入れしすぎてしまっていたため、タイトル「ラブレター」の意味がわかるシーンでは歯を食いしばりながら読みました。本当に悲しかった。
けれど、これ以上の結末はないと思います。
佐季と司の関係は、慧介の言うように端から見ればただの「執着」や「利用されているだけ」だったかもしれない。でも、佐季にとって司は「すべての心の支え」だったことも間違いなかったと思うんですよね…
佐季にとって、司のそばだけが心から安心できる場所で、言葉にはできなかったけど、ただ「そばにいてくれ」と願った唯一の相手。
そのたった一つの望みを、自分を食らう大人に阻まれ続けたために、罪を重ねる事しかできなかった佐季の悲しすぎる生き様が、言葉に言い表せないほど見ていて辛かった。悲しかった。
そして、正直2巻までは流の存在を疎ましく思っていたのですが、流もまた佐季を追い続ける中で「もっと早く捕まえてやれていれば」と常に苦しんでいて…その感情は執念や執着というよりも、一種の「愛情」でもあったのかな…
流が最期にこういう形で絡んできて、佐季が「悪くはない」と笑って思うことができたことがせめてもの救いです。
本当に、誰一人として無意味な登場人物がいなかった。
それぞれの視点で描かれているだけに、どの人物にも肩入れしてしまって、それに合わせて感情がジェットコースターのように振り回されて堪らなかったです…
この先も佐季は司の一部であり続けて、そこは誰にも触れる事のできない場所で、それを知りながら慧介はそばで支え続けるのかな。慧介にとっては苦しいかもしれないけど、慧介は太陽のような存在として、司の歩む先を照らし続けてあげてほしいと願います。
気のせいかもしれないし、それならいいのだけどこのシリーズ、あまり知られていない・・・のかな?
高遠先生もこの三部作も、もっと評価されるといいなと思ってます。
bl版白夜行、の印象はありますが卓越した文章といつ果てるとも知れぬ罪をさまよう二人の切なさ、といった雰囲気は凌ぐものがある、と。
司を巡る慧介と佐季の関係にもときめきましたが、佐季に対しての流の思いにはグッときましたね。
「ずっと、お前の手を握ってやりたかった」という場面は私の中で一番のクライマックスでした。
そして、全てが終わり、服役後に田舎に移り住んだ司の元を訪ねる慧介。
死してもひっそりと司の中に在り続ける佐季の影と風に揺れるジューンベリーの木。
深い余韻が残る見事なラストでした。たくさんの人たちに読んでもらえることを願います。
snowblackさま、コメントありがとうございます。
そうですか、リアルタイムで読まれるときっとまた違いますよね。
私はbl歴が浅いので一気によめましたが、本当に感動しました。
答姐トピでは「世界の果てで待っていて」も話題に上がりますよね、続きを待ち望むアツイ気持ちは私も同じくです。
コメントいただきまして、感激しました(*^^*)。snowblackさまのレビュー、いつもとても参考になります。
霧笛丸さま、こんばんは。
高遠さんの作品には好きなものが多いんですが、
これはジリジリと続きが出るのを待って読み、一巻より二巻、
二巻より三巻と、どんどん惹きつけられて最後は涙涙だった作品です。
本当に、是非多くの人に読んでほしい傑作ですよね。
時々トピの話題に答えて、この作品の名前が出ることもありますし
広くかどうかはわかりませんが、評価は高い作品なのだと思いますが……
CPに関しては皆様のご感想が参考になりますので、刑事コンビの感想を簡潔に。
攻め・慧介が受け・司を匿っているとき、相棒の流刑事に激怒されている時のセリフが切なかったです。
「僕は警察官に向いてないかもしれません」
「向いてる向いてないではなく、お前はもうすでに警察官なんだよ!」
流刑事のこの答えに、胸がつまる思いでした。
流刑事のこの激怒の一言は、佐季を司を救わなければならない。どんなにつらくても、警察官として目を背けず救うべきなのだという思いが痛いほど感じられました。
※ネタバレ含みますし、割りと辛辣な感想を書いているので、読後に読んで頂けると幸いです※
この作品、レビューしようかどうか迷いました。
と言うのも、作品の完成度としては凄く高いです。流石、高遠先生というか。
ですが、どうしても萌えられなかったし、感情移入も出来なかったんです・・
高遠先生のシリーズで傑作物と聞いていたので、正直凄く悔しかったし、時間を置いてからもう一度読み直してみたりもしました。
結果・・、やっぱりダメでした。
元々、悲恋ものの作品が苦手なので、そういう意味ではこちらは最初から自分には合わなかったんだろうなぁとは思いますが・・、
それでもまだ、他ジャンルですが有名な某作品のように、最後まで貫き通す潔さとかどこまでも影であり続ける覚悟とかが伝わってきたら少しは感情移入出来たのかもしれません。(比べて申し訳ありませんが・・)
佐季は結局司を愛していると言いながら、自分の罪に荷担させているし、その後もずっと影になることもなく(偽の)光に当たり続ける人生を選びながら、司を解放してはあげないんですよね。
相手を振り回し傷つけておきながら「欲しい」と主張するのは、それは相手への真の愛情ではなく欲求だと思います。
一方、司も本当に佐季のことを想うなら、あの事件後すぐに警察に行き、自分も一緒に罪を償っていくべきでした。
逆にもし佐季の罪を一緒に背負って暗闇に落ちる覚悟なら、最後まで慧介に落ちるべきではなかった。佐季への愛情はあったのかもしれないけれど、どこか中途半端な共依存に感じられ、それが逆に佐季を苦しめ続けたのではないかと感じました。
勿論、今回の事件の発端は彼らの複雑な環境ゆえが招いたことで、幼い彼らに重い罪を背負わせることは酷だったのかもしれない。
でも彼らは自分達で責を負える大人になっても、同じ暗闇をさ迷い続けて、ある意味全く成長していない。辛い運命だったとは思いますが、追い詰められてからのあの終わりに至るまで何とか出来なかったのかと悔しい気持ちで一杯になってしまいました。
刑事の流には、この暗闇の中で最後に唯一救われたかも。
彼の執着ともいえる行動も自分のエゴと言ってしまえばそうですが、少なくとも佐季を本当の意味で救おうとしていたから。
ーー何とか最後までレビューを書いてみた結果、人物に感情移入出来なかったのは間違いないけれど、やっぱり物語には入り込めたのかなと思いました。
そして感情移入出来なかった理由も、自分的にはやっぱりあの二人、特に佐季には自分の運命と闘って貰いたかった気持ちが強かったからだと思います。
かくいう自分が闘えていないので、これは勝手な願望だとは感じますが、それでも最後に佐季に心の底から「頑張ったね」と言いたかったな・・・
『神様も知らない』の最終巻です。
この巻も途中途中で過去へと戻ります。
その時、佐季と司は22歳。
前巻で、13歳の時に佐季と司は大きな秘密を共有しました。
が、それと同等の秘密をさらに22歳でも抱えることになりました。
いったいふたりの行く末はどうなってしまうのだろうと、先が気になる作りになっています。
エキセントリックな人物や事件の多い中、この三部作を通して良心として登場しているのは慧介です。
慧介は司を愛して、そしてその手は司の罪に気づいても放されることはありませんでした。
司を陽の光のもとに引き上げたいと思いながらも、反面、月明かりのもとであったとしても生きていて欲しいと願う。
とても強い人でした。
司と佐季が出会ったのは、ほんの偶然。
でも、その偶然が彼らの道をそらせ、陽の光のもとを歩めなくしてしまった。
神様のいたずらとしても、不幸なことでした。
この作品を読むきっかけになったのはBLアワードにノミネートされていたからなのですが、本当に読んで良かったです。
やはり、この結末しかなかったのね。
BL的には司と慧介の関係とか、佐季の思いとか、そっちが本筋なのかもしれないけれど、
それよりもずっと、刑事物的に事件のピースがはまっていく過程があまりにもおもしろくて、
もう、これ、BLじゃなくてもいいじゃん。とばかりに、
セックス描写とか、寧ろすっ飛ばして読む勢いだったけど、
これが、
この結末での、全員がハッピーエンドが、
見事にBLとしての着地点で、
この、長い、長い、愛と執着の物語から佐季と司を解放させてあげるには、
やっぱり、この結末しかなかったのね。
いや〜泣きました。まだ読後間もないので、引きずっています。
重たかったです…しかし良い作品でした。三作品で、この本は、グイグイと引き込まれました。幼い子供たちが犯した大罪が、年を重ねて雪だるまが転がるように更に罪を重ねてゆく様を14年前、4年前、現在と時間軸を交差しながら、執念でベテラン刑事が事件を解き明かしてゆく物語。BLだと忘れて読みました。あと自分は、誰が受で攻なのかがはっきり認識しないまま読んでいました。それが物語の神秘性を高めて読んでいました。
登場人物も魅力的に描かれていました。美しく時に人を破滅させる佐季、その佐季の唯一の光である司、特に刑事の流は作者も思い入れ深かったようで、いい味出していました。わたしなんかは、ちょっと憎たらしかったですがね…もっと早く気づいてやれよ、とか、余計なことけしかけるから、あんな結末にとか。いや、しかし、捕まったら極刑だよな、あれしかないよなと、思いましたがね。
あの子が欲しいあの子が欲しいあの子が欲しい…佐季の心の叫びですね。佐季がケイスケの両親のような家に引き取られれば良かったのに。
窓からみえるジューンベリーがせつなすぎるので、できれば残された人たちのその後を読みたいです。高遠先生、よろしくお願いいたします。
高階先生のイラストも、大変美麗で、佐季の美しさや人間的危うさを更に引き立てていました。
あぁ…。やはりこんな事に…レビュー書きたくなるくらい打ちのめされてしまいました!…しかしこのお話しは【神】作品なのです!!
何もかも振り捨てて司に走ったらいいのに、次から次へと、執着受けにに泥沼のように愛されている佐季。何が大切な者なのか気ついた時には…。
そんな司のあれやこれやを慧介はすべて抱き込んで慈しんで行くんでしょうね。ジューンベリーの木と共に…。
おっ?これもネタばれ?!~ん???…ま、それはともかく。この三連作はしっかりと心をえぐる名作だと思います!(^O^)!
涙して読みました。素晴らしいです!
一巻より二巻、二巻より三巻というふうに話はどんどん加速をつけて面白くなります。
この物語は主要人物が三人だと思っていたら4人だったんですが、その誰もが主人公になれるほど皆過去や感情を深く描いてあります。
そのため、台詞の一つ一つ、相手に掛ける言葉一つ一つが感情的で読み手にもずっしりと伝わります。
だから彼らに涙させられてしまいます。
慧介は出生の秘密のせいや司への思いから警察官である意味を自ら問い、母へも“産んで後悔しなかったか”などしたくない質問をしてしまう。
司は慧介との新しい生活に憧れながらもサキとの絆を決して切ろうとはせずサキを救うことに危険すらかえりみない。
流に“蛇は自分だ”と告げサキを絶対に責めない。この二人が絡んだのはこれくらいだったがそのシーンの存在感はとても大きいです。
流もサキを追いながら益々自分の無力さに苦しむ。サキをもっと早く救いたかった、早くやめさせたかったと。
サキの最期を流が見届けたけど、これがせめてもの責任のようで、やはり全ては遅かったという結果のようでもありました。
サキは慧介には酷い言われかただったけど司を利用している自覚がありながらも司を守りたいし繋げ止めたい、本当は独占欲だけだったんだと思います。彼のことを救ったのは子ども時代も最期も司だけだったし、サキにとってはそれで十分だったはず。ちゃんと自分の気持ちは司に届き、司のサキへの執着心も目にしたのだからサキにとってあれ以上の最期はなかったと思います。
本当に素晴らしい物語でした。
これから慧介に甘やかしてもらいながら早く司が心から元気になって欲しいです。夜が来ても辛くならないくらい元気な心になって欲しい。
慧介に“もう大丈夫”だって思ってもらえるくらい。
サキも望んでいるはずなので…
もともと、高遠琉加さんの文章は好きです。
この完結編を読むにあたって、1冊目から通して読みました。
小説を読んでいて、ぞくっと鳥肌が立ったのは久しぶりです。
評価は「神」以外にない、と思いました。
ただ、BLを読みたい人に薦めていいものだろうか、とは思う…。
これ、男女だったらベストセラーになるんでは。
わたしは東野○吾の『白夜行』を連想しました。
(パクリとかではむろんなくって、幼いころからの繋がりといったところ)。
秀逸な恋愛ものであり、サスペンスドラマである…
しかしこういう褒め方をされてBL作家として嬉しいものだろうか?
「すみません」って気にもなるのですが。
でも、これを「プロットが行き当たりばったり」(あとがきより)で
書いたっていうのだもの、恐ろしい子!(作家さん!)
無精髭の刑事、流は作者的に受けだそうで。わたしもだ(笑)。
この3冊目で思いがけず美味しいところを持っていったー!
でも、ご本人のBL趣味より作家としての力量が上回ってしまってる、といえばいいのか…
教会での美少年2人の逢引きなど、いっそ耽美的、古典的なエピソードが
作者の手にかかるとお話の必然となっていて…生きたっていうか。嬉しいのだけど、
そのエピもふくめ、お話が「かつて見たことがない」というような話ではないんですが。 でも、読ませる。
…どうにも、どうかいていいのやら~++;
とにかく神作品だと思う と記しておこうと思いました。
孤独な迷い子たちが悲しい、魂をゆさぶられるお話でした。
この結末しかないだろう……そうは思っていた。
でも切ない。
続刊を楽しみにしていた読み応えのあるサスペンスロマン、
「神様も知らない」「楽園の蛇」に続き、ついに完結編。
最後まで目が離せず一気に読み進めたが
近づく悲劇の足音に、ざわつく胸を押さえらずに読んだ。
*前巻までの内容は記しますし、「ネタバレ」表示にはしますが
この3巻の展開に関するネタは、やはり実際に読んで欲しいので
明かさずに書きます。
横浜山手の高級住宅地、広い庭のあるお屋敷で一人花屋を営む司。
決して誰にも明かさないが、マスコミを騒がす美貌のモデル事務所社長佐季は
共に重大な秘密を抱える幼馴染みで、唯一無二の存在だった。
肉体関係もあるが、決して日の当たる場所では会う事ができない二人……
犬の散歩を通じて偶然司と知り合った、刑事の慧介。
お互いに惹かれていく司と慧介……
一方慧介の先輩に当たる一匹狼のような流刑事は、
13年前、少年佐季の運命を変えた事件を今も追っている。
その執念とも言える思いの意味が、胸を締め付ける。
前巻は、司の前に13年前の事件で死んだ女の息子が現れ、
4年前長野の別荘地で起こった事件の報道をみた流が
休暇を取って急に長野に向かうところで終わっていた。
小さなほころびが、いつか人目にもつくほころびとなり
それを繕う為に、またどこかに歪みや傷が出来て行き……
華やかなクリスマスを舞台に、事件は怒濤の終焉を迎え
佐季と司、司と慧介の関係も、変わっていく……。
前巻まで、BL的に一体誰と誰がカップルなのか確信を持てずに
読んでいたのだが、それは私の希望だったのかもしれない。
個人的に佐季に思い入れて読んでいたので、
予測のつく慧介と司という組み合わせに、
抵抗したい気持ちがあったのだと思う。
そういう意味で最後の結末は、予想通りでありながらそれに留まらず
悲しくも救いのあるものだったかもしれない。
ラブレター……
最後にそれを読んでやはり泣かずにはいられなかった。
横浜山手、夜の庭、教会、失楽園……
などのイメージに彩られ、高階先生の美しい挿絵が花を添えている。
バッドエンドではないが、安易なハッピーエンドでもなく、
萌え……とは言えないかもしれないが、深く心をうつ名作です。
シリーズ1作目から読みごたえがあった本格ミステリーのラブもの。
次はいつ出るのかと首を長くして待っていた甲斐がある程に面白かった。
サスペンスドラマ風でありながら軽さが一切無くて作中にどんどん惹きこまれる。
13歳の夜から始まった司と佐季の物語、骨太ミステリーで、
絶対ありきたりなハッピーエンドな展開にはならない、なりようがないと思いつつ
目が離せない作品のラストはそれでも事件解決後のラストとしては最高だと
感じるものになっていて、闇に飲みこまれた佐季と佐季の光でもありながら
共に孤独と闇に飲みこまれてしまった司。
司には慧介との出会いがあったことが、結果的に光へ戻る道標になっているが、
佐季は、どこまでも司を求めながらも闇から抜け出せない、
佐季のラストはもの悲しくて、それでも刑事の流の腕の中で人の温かさを
最後に感じる事が出来た事が少しだけ救いだった気がしました。
タイトルの意味がラストでとても心に残る意味を見いだすことになっていて、
神を信じない神を司から取り上げた佐季が最後に神に願う姿が切なくて悲しかった。
みんな幸せハッピーものではないけれど、出会えてよかったと思える作品でした。
完結しました。
1巻で謎を提起し、2巻で流と事件の関わりの過去を見せ、そしてこのラスト巻は全てに決着がつくのではありますが、事件には何か必ず理由がある。
これは佐季編と呼んでもいいのかもしれません。
執念を持って佐季を洗うために長野へ出かけた流と、司が脅されていることを知り彼を心配して調べ始めた慧介のそれぞれの線が結びつき、当時13歳の子供2人の繋がりの可能性を見出した時。
佐季の姿が露わに明らかになっていくのです。
親に恵まれず、施設でも生き残る為に、養子先でも激しい妄執をされ、彼には不運だったとしかいいようがないのですが、彼に与えられたその環境から逃げ出す為にはそうせざるを得なかった彼なりの理由に、決して悪と決め付ける事はできませんでした。
彼が求めた光。そうなりたかったという司があればこそ、暗闇へ向かう方法しかなかったことがとても悲しいのです。
佐季が最後に残した手紙、それが題名です。
思わず涙を誘われてしまいました。
共依存の関係かもしれません、でもやはり佐季と司は心が繋がってちゃんと愛し合っていたと思うのです。
なので、ひょっとするとある種のバッドエンド系になるのかもしれません。
光と闇。光を求る人々の姿だったと思うのです。
切なく物哀しいラストでした。(バッドエンドではないけど)こういう結末以外にありえない話だとも思います。でもその表現が高遠さんはやはりお上手なんですよね。腕があるというか。「ラブレター」には泣かされます。読まれる方はハンカチ、ティッシュの準備をお忘れなく。
流と佐季のラストシーンも泣かされますが、佐季の人生に救いがあって良かったなと思えました。それにしても「佐季どんだけ魔性だったんだ」の巻でもありました。一応準主役だけど当て馬の位置の方だと思うんですが、強烈キャラとしてこの巻では佐季の魅力が光ってました。
司の思いも切なかったです。頑なな人ですが、長い時間をかけて慧介に心の傷を癒してもらえればいいなと思います。