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やらせろ。それが仕事を受ける条件だ…。ファンの要望に応え、文庫化決定!!
egaku nowa ai
剛しいらさんの良さを知ったのは近年なので、気が向くと少しずつ古い作品を読んでいます。
今回は、文庫化され話題になっていたので早速購入しました。
レビューしていなかったので遅ればせながら…
カバー絵がすごいですね。
少なくとも本屋さんで購入するには勇気がいるようです。
つくづくネット購入できる時代で幸せです。
大好な朝南さんでとても美しい絵です。
この絵でどんなにエロ重視のすごい内容かと想像すると期待はずれと思うかもしれません。または読むのをためらった人には心配いらないと言ってあげたいです。
この絵、実は主役の二人のようで二人じゃないんですね。
脩平が贋作として描いた絵の本当の画家とそのパトロンがコスプレごっこをして遊んでいた王子と道化師らしいのです。最後まで読んでからもう一度見てみるとよくわかりますし画家の愛と悲しみが背景に見えるようです。
本文中の挿絵も豊富で欲しいところにあるという感じで二倍楽しめました。
剛さんがあとがきでも、二度と一緒にお仕事ができないのが残念だと書かれていますが、読者としても非常に残念に思います。シリーズやリンク作品を読む時など一層感じます。
あらすじをみたところ、もっと傲慢で俺様な贋作師が弱みにつけ込み身体を要求し、求められた方も仕方なく差し出したものの辛い日々の中段々愛が芽生えて行くのかな…とおもっていましたが、すいません、そんな単純でありきたりなものではなく幸洋もいやいや身を任せるような他人任せで気弱ではありませんでした。
耐えながら救ってくれる人を待っているのではなく、父親を陥れた犯人を探し追求するための手段を周到に画策し全てをかけて実行しようとしたのですから。
健気で可愛い子も大好ですが、こういうふうに力強く戦う男も大好物です。
予想していた性格と違っているなと初めて感じたのは、幸洋が脩平に贋作を依頼に来た場面です。脩平が、実物の存在しない絵は描けないといったとき失意に泣き崩れる幸洋を、頑張るから帰らないでくれと抱きしめるシーンが好きです。
幸洋はずっと一人で頑張って来て後一歩というところで力が及ばないと弱気になり、
脩平は傲慢で人の事情などお構いなしかと思ったら幸洋に一目で心を奪われ急に地が出たみたいで、甘えん坊な寂しがりやの大型犬だったんです。
一癖も二癖もある脩平の父忠正に負けていないとこがまたいいですね。
本編では挿絵がなかったのでどんな容姿なのかと思っていました。
文庫化で追加された朝南さんのラフ画でみるとよくわかるのですが、裏社会のボスかと思う風格で脩平によく似たちょいワル親父です。
幸洋はこんな癖のある人と対等に言い合ったり時には言い負かしたりしてるんですから、立派です。
忠正もなんだかんだ言いながらも、結局脩平の連れてくる相手を苛めて追い出すのは秘密の漏洩を恐れるほかに、惚れっぽい息子が捨てられて悲しむのを見ていられなかったらしいから、ああ見えてもいいお父さんだったんですね。いい加減でエッチなだけじゃなくて。
BLとしてとてもいい作品だと思いますが、それ以外でも贋作家と鑑定士の愛とスリルとサスペンスで洋画のような趣なので、全年齢型でハリウッド映画になりそうなストーリーでした。
文庫化で書き下ろされた『描くのは愛欲』では、次の仕事のために京都の美術館を訪れる旅行です。二人の愛が一層深まる旅でしたし幸洋の母も安住の地を見つけたようで健康を取り戻し、四人でいい家庭を作って行くのでしょうということを予想させられる終わり方でよかったです。
「見てきたように嘘を書くのが小説家ですが、まさにそんな話」とあとがきに書かれていますが、まさにそんなお話で架空の話とわかっていてもリアリティを感じさせるたいへん面白い小説でした。
また若くして亡くなられた朝南かつみさんのイラストがとても素敵で小説にたいへんマッチしています。
このこともあとがきで読みそう言えば夜光花先生の「忘れないでいてくれ」のイラストもそうで「サクラ咲ク」では追悼でイラストなしで出版されたんだったと思い出しました。
やはり素敵なイラストだとしみじみ。
普段はあまりイラストにこだわらないのですが、いつも惹かれるイラストはこの方と笠井あゆみさんです。
さて、本編です。
今までに読んだことのない職業とストーリー。新しく知るその世界と展開に夢中で読みました。
幸洋はサザビーズの修士号を持っており画廊に勤めていた。そんな彼がある目的のために贋作師を探していたがようやく優秀な贋作師を見つけ出した。
かなり変わった人物でその父親もかなりの偏屈な男だった。贋作師の脩平は仕事を受ける代わりに掃除と料理そしてセックスを要求してきた。
幸洋は要求を飲めないと思ったが、目的のタイムリミットがあった。母親は余命いくばくもなくその母のためにも目的は果たさなければならなかったからだ。
そして脩平との暮らしが始まる…
幸洋と同じ画廊に勤めていた父親はある絵に関わることで騙されて汚名を着せられそして行方知れずになっていた。その汚名を雪ぐために大胆な計画を立てたのだった。
幸洋の画廊の経営者は代替えしてその娘が継いでいたが幸洋はその女から14歳の頃から付きまとわれ今では勝手に婚約者を名乗られていた。
父親の失踪にはその女も関わっているはずでなんとしても真相をつきとめたかった。その為に脩平の共犯者となったのだ。
贋作を作り上げるまでの準備がスケール感あって面白いです。その画家の本物の絵を見て脩平は目に焼き付け本物そっくりに仕上げるのですが本物を観にヨーロッパからアメリカまで飛びます。その旅行中のふたりのらぶらぶ感にどきどきしました。
絵を描き上げるときに今は亡きその画家の魂が乗り移ったようになるのは本当に霊が乗り移ったような、トランス状態のようなその描写も良かったです。
幸洋は目的のために体を投げ出したような形でスタートしましたが、お互いの欠けた部分を補うかのようにふたりは急速に惹かれあい、良きパートナーとなっていく感じが素敵でした。
ふたりは犯罪者ではあるのですが、暗さはなくまた読んでいて嫌悪感をぜんぜん感じさせません。
むしろ応援してしまいます。
幸洋につきまとう画廊のオーナーがとても怖いです。その執着がどんな方向に進むのか、嫌な結末になれないといいけどと心配しながら読み進めましたが、想像していたような酷いことにはならずホッとしました。
とても変わり者で愛情表現がまともに出来ない脩平の父親と病床のやさしい幸洋の母親の対比するような描きかたもよくて、幸洋と脩平、そしてもしかしたらと思わせる脩平の父と幸洋の母、それぞれに欠けていた大事な部分を補い合って新しい家族になっていくのだろうと想像できます。
ラストはとても微笑ましく応援したくなりました。
かなり衝撃的な面白さでした。幸洋たちは犯罪者ではあるんですが、ある意味勧善懲悪的なストーリーですっきりします。
09年のノベルス版の文庫化。
表紙が変わらずに朝南絵なのに突き動かされ、ひょっとして何かが?と期待して文庫も購入してしまいました。
ノバルス版を加筆修正、書き下ろしで【描くのは愛欲】そして、ご遺族の方の好意でキャララフが3P掲載ですっ!!
脩平の父ちゃん、カッコイイの♪
帯のコピーも当時のままに「やらせろ」の肌色表紙に、当時はちょっと勇気が要ったのに今は平気になっちゃったな~と思うのでありましたw
父親が若くして夭折した幻の天才画家と言われるポイズンの絵を持って行方不明になってしまったのが幸洋が14歳の時。
以来、芸大を卒業してサザビーズで修士を取った鑑定士として、父親が働いていた邑上画廊で半ば人質のように働いていたが、父親の無実を晴らす為の腕を見つけたのです。
それが天才贋作師の阿久津脩平。
彼に、父と共に行方不明になったポイズンの絵の対となる絵を描いてもらうことを依頼するのです。
破天荒な贋作親子と、冷静な幸洋とのやりとり、
キャラの総ても展開も楽しめるものがあります。
詳しくは旧版の方にレビューがあるので、加筆修正といっても旧版をひっくり返して対比させていないので、どの辺りが変わったのか見当はつきませんが展開は同じなので…
描き下ろしは、本編で幸洋の追う真実の鍵を握る人物の依頼で京都にあるポイズンの絵を脩平が描くことになり、京都に行った話しからです。
脩平は描きはじめると作家が降りてきてイタコになるらしいので(笑)じっと絵と対面し続けます。
軽井沢の家には、幸洋の母親と脩平の父親が留守番しているのですが、とても上手くやっている様子。
幸洋の母、破天荒父親を手玉にとるのは天然ゆえか(笑)
そして、光の加減を見るためにロンドンに行こうと言う脩平だが、幸洋が、例の人物の家に泊まろうというと嫉妬をみせ、いっそ俺たちの裸を見せてやろうぜと!?
間違いなく、裸を見せたと思います(汗)
このロンドンに行った話しが(ポイズンとパトロンに二人が取り憑かれればいいのに)
初回限定の番外編ペーパーにあるのかな?と思ったら、違いました(ガッカリ)
キャラの濃さ、重い話なのに飄々としてしたたかなところ、ノベルス当時は「萌×2」がなかったので、今付けさせていただきます!
やっぱり面白いヨv
若くして非業の死を遂げた寡作の画家・ポイズンの絵とともに、14年前に姿を消した父親。28歳になる主人公・幸洋は、父の汚名を雪ぐため、そして自分と病床にある母を苦しめる呪縛から逃れるため、鑑定士としてあるまじき賭けに出ます。それは――ポイズンの絵画の贋作を制作して、真実を突き止めること。そのために天才贋作師・脩平の協力を請うた幸洋は、父親とふたりで孤立して生きる脩平と惹かれ合っていきます。ポイズンの作品に祕められた「愛」を感じ取るため、東京、パリ、ロンドンと旅をしながらポイズンに近づいていく幸洋と脩平。やがて二人は幸洋の父親にまつわる事実を突き止めるのですが―…。
いや~面白かったです。美術品ミステリーなテイストをベースに、それぞれ孤独な境遇にある幸洋と脩平が交流を重ねて自然と惹かれ合う様子が軽快なテンポで書かれています。脩平の父親もとてもナイスなキャラクターでした。美術館めぐりで海外旅行…素敵だな~~。
脩平は、帯と表紙イラストの雰囲気からもっと俺様で傲慢な攻を想像していましたが全く違いました。どちらかと言えば年下ワンコっぽいのですが、基本的にはカッコ良くて強引で頼もしい男です。受の幸洋も受け身一方ではなく、基本的には凛として強気です。二人とも、そういう性格である理由付けがきちんと書かれているので無理がなく、甘い雰囲気であってもイーブンな関係でいるところが良かったです。
クライマックスで、あんなに固執していた父親の行方が有耶無耶になってしまった点が気になったので評価は「萌x2」ですが、続編をぜひ読んでみたいなーと思う、お気に入りの作品になりました。巻末の朝南かつみさんのラフ画がとっても素敵でした。
電子書籍で読了。挿絵、あとがきの他、その他の収録作品も全て入っているのですが、惜しむらくは朝南かつみ画伯のイラストが小さい!ipad miniで読んでいるのですが、×2サイズにならないのですよ。目を凝らして見る限りにおいては、このイラストが素晴らしく美麗なので大変残念。
(2018.07.18追記)-------
まりぽん812さんから「イラストをダブルタップすると×2サイズになりますよ」というありがたいコメントをいただきました(コメント欄をご参照ください)。
このことを私が知らなかっただけなのね。
出版社さん・発行所さん、詰ってごめんなさい。
実は天眼鏡を使ってイラストを見ていたんですよ(笑)。次からそういう苦労がいらなくなるだけでも嬉しい。
--------------(追記終了)
さらに残念なことに、絵画の贋作に関わって『芸術とは何か』について鋭い考察があるお話なのに、表紙絵も一部切り取られていて(下半身部分が切り取られているので、青少年健全育成がらみの忖度なんじゃないかと邪推)「これって朝南画伯の芸術に対する冒涜なんじゃないのぉ!」と、ちょっぴりムッとしたりも。
この本の世界を堪能したい方は、紙の本でお買い求めになった方がよろしいかも知れません。先ほど調べたら、あちこち探せばまだ何とか新品で入手出来る模様です(多分、在庫のみだとは思うのですが)。
画廊に勤務していた鑑定士の父の汚名を晴らそうと消えた名画を探す幸洋の話、天才であったばかりに愛情に恵まれなかった脩平の話、腕があっても名がないばかりに贋作に填ってしまう忠正の話を初めとして、幸洋の母や収集家の棚橋など主要な登場人物が、ポイズンという画家の絵をめぐって人生がどんどん丸出しになっていく、という重層的な構造にただただ唸らされました。
これだけ劇的なのに、剛さんの文章はいつもの様にクールで淡々としているのも良いのです。
物語が重層的なだけではなく、ラスト近くに本物と贋作についての鋭い示唆があり、これには深く考えさせられました。芸術作品に付く価格についてもしかり。
愛情を価格でしか表せない寂しさと、金銭とは別のところで成立する愛情の違いが腑に落ちる、とても素敵な決着のつけ方に感動してしまいました。
「ラブラブで萌え~」というお話ではありません。
もう新作を見ることの出来ない、剛さんや朝南さんがどれだけ真剣に創作を行っていたかが、お話とシンクロして垣間見える作品だと思うのです。
このお二人に大変お世話になった世代の私としては、お若い皆さんにも是非お薦めしたい一冊です。
初めまして。心交社さんの電子書籍の挿絵、ダブルタップすると拡大されるようです。(私が読んだものでは、そうでした。拡大されると画面からはみ出して、ちょうどよい大きさにはならないのですが。)既に試されていたら、すみません。
◆あらすじ◆
主人公は、銀座の画廊に勤める美術鑑定士・的場幸洋。
十四年前、画廊に勤めていた父親が、幻の天才画家・ポイズンの名画を盗み失踪――
父の罪を償うため、幸洋は画廊のオーナーである邑上親娘に母ともども安月給で酷使されている上、現オーナーで15歳も年上の弥生子に執拗に結婚を迫られています。
しかし、父の無実を信じ続ける幸洋は、病床の母親が生きているうちに父の汚名を晴らそうと、消えた絵と対になる贋作を世に出し、犯人をおびき寄せる計画を実行に移します。
が、贋作を依頼するため訪れた工房で、幸洋は意外な条件を出され…
若き贋作師・阿久津脩平が出した引受け条件とは、幸洋が住み込みで食事と掃除の世話をすること、そして「やらせる」こと。
最初は面食らった幸洋ですが、すぐに脩平と意気投合し、彼のアクの強い父親にも慣れて、二人で一つの目的のために動き始めます。
やがて贋作を完成させた二人の前に、浮かび上がってきた十四年前の真相とは?
サスペンス濃度は薄め。新婚ノリの甘甘ラブストーリーがメインです。
◆レビュー◆
剛しいらさんの作品を読んでみたくて、初読みしました。
作品のチョイスは、耽美な故朝南かつみさんの絵で表紙買い。
「やらせろ。それが仕事を受ける条件だ…。」
この帯に、この表紙絵。
贋作師というダークな匂いのスペシャリスト。
あらすじの、父親の汚名を晴らすというサスペンス要素。
これだけ揃えば当然シリアスもの!…と信じて疑わなかったのですが。
い、やー・・・これ、少なくともシリアスとはかなり程遠い作品です。といってコメディではないんですが、微妙にコミカル。
全く好みの問題ではありますが、とりあえずイメージ違いという部分で、ショックはありました。
ただね、何しろ笑えますよ。
脩平親子が横川の釜飯が大好物で、一食に2~3個ずつはたいらげるとかw
量も量だけど…釜飯ですよ、「カマ」飯!(勿論二人はナマの男も食しますしー)
しかも、幸洋が贋作を依頼する絵のタイトルが、「赤い薔薇の男」。
薔薇…?
ええ、そうなんです。ポイズンはゲイです!贋作者の脩平もゲイ!
脩平と幸洋の「最中」に「交代しようぜ」と割り込んでくる脩平の父親といい、そこかしこに笑いの要素が詰まってます。(ちなみに父参戦はあくまで笑うところ。3Pになったりはしません。)
でもって。
この表紙絵の渋い男(まあ普通にゲイ術家は左かと…)に帯の「やらせろ」というセリフをくっつけたところの想像では、無理やりな関係から入って徐々に…だと思ったんですが。
脩平って、もうなつこくて顔中舐め回してくる感じの年下わんこだったんですねー!!
二人、のっけから仲良くなっちゃいます。いきなり甘甘でほのぼの。
ラブいのが好きな人には、嬉しい展開かもしれません。私は…(モニョニョ…
絵画や贋作の世界に触れる内容は面白いですし、もっと知りたくなります。
でも、それほど絵画ネタには深入りせず、贋作の世界の闇にも踏み込まず。
幸洋に執着する画廊オーナーの弥生子も、女性だからか遠景にチラついてる程度。
サスペンスとしての面白さも期待させる筋立てでありながら、14年前の事件の真相が「…で、すよね~」な予想通りの顛末なのも、辛かったかな(T_T)
しかも犯人しゃべりすぎ…
やっぱり、目玉は新婚さながらのラブい二人? そこ、ですかね。
結局私が勝手に抱いてたイメージと違った、ということなんですが、そのショックを帳消しにしてくれる面白さも見つけられなかったので、今回は中立評価にさせてくださいm(__)m