1985回分、その身で罪を償え――奇才・木原音瀬が贈る、衝撃のアラブロマンス!

熱砂と月のマジュヌーン

nessa to tsuki no majnun

熱砂と月のマジュヌーン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神91
  • 萌×229
  • 萌19
  • 中立20
  • しゅみじゃない48

--

レビュー数
46
得点
648
評価数
207
平均
3.5 / 5
神率
44%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
GUSH NOVELS
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784796404914

あらすじ

石油王の息子だったファウジは、父親が倒産と同時に逃亡して困窮していた。
挙げ句、奴隷としてオークションにかけられ、ある富豪に買い取られる。主人となった男の紳士然とした態度に安堵したファウジだったが、連れられた館で待っていたのは耐え難い恥辱の日々で……!?

表題作熱砂と月のマジュヌーン

世話係
美貌の奴隷

その他の収録作品

  • Ⅰ(同人誌より)
  • Ⅱ(同人誌より)
  • Ⅲ(描き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数46

つらい

つらいけど神評価です。
でも読み終わったあと、気持ち悪さがまだ消えないです、、
ファウジが可哀想で読んでいられませんでした。読んだけど、、
ハッサンに会うために、目が見えなくなったあとも、地獄のような生活でも、生きようと、お金をためてハッサンに会いに行こうとしてるファウジが切なすぎました。

楽天で買ったら初回特典がまだついてました。
イギリスで過ごす2人が見れてよかった、、

後半10ページは読み返すたび泣けます。
電子化か新装版化の予定があるようで楽しみです。

ラージンが許せない。ファウジがクズでもラージンはもっとクズ。同じ苦痛がラージン、他の使用人にも降りかかってほしい。
悪いのはファウジの父親で、ファウジじゃないのに。
口が悪くて愛情表現が下手なだけで、ハッサンがラージンに叱られないように自分で宴の準備をしたり、ファウジは優しいところもあった。

ファウジにこんな酷いことをしているのに、ムスリムのラージンは神に祈っていて、、
ラージンに神に祈る権利なし!!

0

読む人を選びます…

はぁ…さすがBL極北はアラブでも健在ですね!
愛のない交接が延々と続くので、その手の描写が苦手な方はやめたほうがいいでしょう。ですが、”え、これ最後までずっとこんななの?”とかドキドキしながら読んだその先にあったものがね、最後の3頁くらいで世界が変わるので、、もう、なんだかすごいな、、としか言いようがなくて”神”としました。

美貌の受・ファウジが親の借金のせいで奴隷としてラージンという実業家に買われ、前半でかなりひどいお仕置きが繰り広げられるのですが、いろいろ痛いなぁと思えど、性格が強いし悪いから、そんなに不憫になりません(ただ、よく考えたら親の罪をそこまで背負わされるのはかわいそうだった…。)あんまがり強いから、恋でもしてみたらいいかもね、というラージンのアイディアで側近のハッサンとファウジの疑似恋愛(?)が始まり、それが後半の物語につながっていきます。

後半のファウジのとんでもねー零落っぷりには、さすがに胸が痛みました…。木原先生の容赦ない突き落とし方は、毎度新鮮な感覚です。性悪とはいえそこまで…と全方位から気の毒な境遇になっているのファウジのもとに、ハッサンが舞い戻ってくるのですが、そこからのファウジに対する放置プレイがすぎる!やはり、この人もどこか壊れてるんですよね。(いい思い出のない故郷を離れて外国で悠々と暮らしているのに、一度離れた元・”たぶん”恋人の様子が気になって戻るって、だいぶ好きだったと思うんですが、その自覚がないという…。)なにもかも失って、性格と口は相変わらず悪いけど、1mmほど健気に生きてる(ように見える)ファウジが哀れすぎて、早く助けてやって~と、ハラハラしてしまいました。

おそらく錯覚や思い込みのようなところから始まった恋だと思うのですが、当事者の自覚しないところで育まれて、そのうち絶望を生き抜く糧になって、最終的に愛を知らなかった2人が愛を知ることになるという、奇跡のようなラブストーリーだと思います。なんといっても、受の精神とケツの強靭さが尋常ではありませんね。。。生き抜いて、結果、”はぴえん”です。

”Mundane hurt"みたく同人誌でもいいので、その後のラブラブを描いてくれないかなぁと思ってます。

0

すみません、好きです

木原作品3作目にして、1番好きでした。
美しいこと、アオイトリの次にこの作品。
引き込まれるんだけど、ずーっとしんどい気持ちで読み続けないといけないのが苦行。で、最後まで読んでもスッキリせず悶々とした読後感。
考えさせられる。

それが、こちらの作品は読み終わって
間違いなく好き!と言える作品でした。
ただし、読者は選ぶ。
誰もが面白い作品ではない。
舞台はアラブお金持ちの子だったのに
没落して奴隷として買われるファウジ。
父親の悪行の身代わりに1985回辱めにあえば
自由の身にさせてやると主人に伝えられて
絶望するファウジ。

美しい外見に性悪な性格。
性奴隷として、ありとあらゆる酷い事をされまくり。
いやーーー!やめろーーー!!と言いながらも
割となんでも受け入れていく天性の淫乱。
大勢の前での複数プレイは当たり前、獣姦(ラクダ、ヘビ、ダチョウ、犬)、親子姦通、後ろを貫かれながらの舌ピアッシング。
かなりハードなプレイのてんこ盛りで、息つく暇もないほど。
アラブってシチュエーションがもしかしたら
こんなひどい事も実際ありうるかもなんて思ってしまったり。

可哀想な境遇に落ちぶれますが、救いのラストでよかったねー。
こんな性格悪い受けのファウジなのに、気になって仕方が無くなってしまう攻めのハッサン。
破れ鍋に綴じ蓋だな。
末永くお幸せにだよ。

もともと、ゾッとするようなヒリヒリするノンフィクションなんかも好きなので、すごく好みのお話でした。

笠井あゆみ先生の挿絵がものすごく素敵でエロさが増し増しでした。

1

差別とは

もともと同人誌で描きたいものを盛り込み、書き下ろしを加えた一冊との事で、この作品を通して描かれたメッセージとわ。。云々を考えず遠目で眺めるように読みました。土地的かストーリー的にか、神経がひりつくような心理描写はありません。
「マジュヌーン」とは、ジンに取り憑かれた=狂人 との意味だそうです。


ファウジが性格も悪く口も悪いと言われがちですが、私には今まで読んできた木原作品の中ではそこまでではないと思いました(変な擁護)。もっと現実世界に嫌たらしい奴はいるし、ファウジのあの状況で弱々しく怯んでいられない方が読む方も泣かずにいられます。強がって、本当は嫌なものを強要され、酷い言葉が口についても仕方が無いと私は思うのですが。それがどれだけ相手を怒らそうとする差別用語極まりないものでも、彼は元の日常生活で彼らに、同じ言葉をかけ貶めていたか?……していたな……

父親の罪を謝罪する気持ちを持てれば、とラージンは言っていましたが、あの状況でそんな気持ちになるものでしょうか?それよりも自分に向けられる仕打ちにしか目が行かないとも思います。父親の罪を具体的に想像出来ない馬鹿か、謝罪する振りして泣いて縋って免除して貰おうとか気付かない馬鹿。ファウジはそのどちらもです。
痴態を示唆するような所謂オッサンくさい台詞は好きなのですが、ショーの見物人とかが言うのはファウジが受ける仕打ちが余りにも可愛そうだし動物プレイとか引くのでこの本に関しては余り唆られませんでした。
それでも可愛いところはあり、最後の最後になっても自分の気持ちを上手く出せない、「片思い」の吉本(オールベストツンデレ)と並ぶ程のツンデレ具合が良かったです。

ハッサンは悲惨な奴隷時代があったこともあり、彼自身がファウジをそこまで好きではないと思っている(実際はどうか分かりませんが)こともあり、自主的な行動と思考はそこまで強くありません。彼視点のお話もぐいぐい引っ張るものはありませんでしたが、やはり最後の数ページでグッと引き寄せられたのは流石木原さんの小説だなと思いました。二人どちらも愛を知らず、好きと言った相手を意識し始めて好きになったというのが希望も夢もない世界らしい気がしました。

父親の犯した罪と償う為に散々な目に遭う息子、被害者達という話では面白かったのですが、合間に挟む濃ゆいショーのせいもあり主流になれていないのが残念でした。かといって最強ツンデレ奴隷と使用人の恋では描写が少なく甘さが一滴しかありません。ただこの1滴が最後にあることが何とも叙事詩っぽさになっていた気がします。欲を言えばあともう10滴位恵んで欲しかったですが。

2

皆大好き(偏見)アラブ物!!

木原先生の作品ってどうしてこうも余韻が長く続くのでしょう。
読み終えた後もふとした時にぼんやりと考えたり思い出したりしてしまう。
こちらもそんな作品です。

いやぁそれにしても勝手にメイン攻めは受けのファウジを買い取った富豪、ラージンかと思っていましたよ(笑)
それにしたって手出さないどころかそんな趣味ないとか言うし後半で心変わりするのか?と思いきや徹底した奴隷としての扱いを最後まで崩さなかった姿にある意味感動しました。
なんでもかんでも登場キャラが受けの美貌にやられて男が男を好きになるご都合展開にはならない……安心。

奴隷にされたファウジは悲劇の受け…でもなく。
父のせいであっても自業自得な所だってあるんですよね。
自分に助けを求めてこようが奴隷だからと気にすることもなかった過去のファウジ。
それを罪だと思わないから反省なんてするわけがない。
弱者を決していたわらない。
口は悪いしぶっちゃけクズな子ですよね(笑)

ただ親もドクズだったからそういう思考しかできないというかそう思うようにしか育てられなかったっていうのも悲しい話ですよね。
そんな環境でなければ心優しい子に育った可能性だってきっとあるんです。

ただ傍から見るとどうしようもない奴なんだけど、それをただの嫌な奴では終わらせないところが木原先生の凄い所の一つですよね。
情が移る…とも違うんだけど気になってしまう。

そんなファウジが奴隷という身分に落とされた転落物語。
エッチシーンはたくさんあるのですが、どれも新鮮で飽きがこない!!

獣姦盛り沢山!決して一種では終わらせない★っていうかしっかり獣姦読むの初めてだったので色々衝撃はありました。
そしてパパまで出てきてのヤりヤられはもう…あぁ……すっげぇ。

罰を最後まで与えるために絶望の淵に立たせぬよう希望という名の恋愛ごっこをさせるという展開はとても恐ろしかったです。

木原先生の作品って絶望に一癖二癖もあって本当に凄いと思う…個性が光りすぎです。

全体的にページめくったらいきなりビビる展開多いんだけど、強引さがないんですよね…滑らかにガツンとパンチ入ってくるかんじ。
おいおいおいってことを音もなく静かに滑り込ませてくるのうますぎでしょー。

ファウジが失明していることを知った時には頭殴られた気がしました。
そこまでやるか…と。

悪い同業者のせいで安すぎる給料がただの紙切れと交換されているとも知らずにそのお金で攻めのハッサンに会いに行こうとしていた…ここがいっちばんグッときたところです。

可哀想なんだけど、ファウジはファウジのままで…体は淫らになったけれども、いつだって生意気で。
最後まで本質は変わっていなさそうな描きが好きでした。

3

最後に明かされるタイトルの意味

アラブもの、獣姦、輪姦に恐れをなして、木原さんの作品の中で読むのを後回しにしていました。淫靡で過激な描写がこれでもかと続きますが、最後には愛という小さな希望が用意されており、そのコントラストに圧倒されました。こんな愛の描き方もあるのかと。

アラブの大金持ちの息子・ファウジは、白人娼婦だった母親の面影を色濃く受け継ぎ、金髪碧眼の美しい容姿を持っていました。しかし、大金持ちだった父親は没落し失踪。ファウジは、父親が性奴隷たちにした悪行1985回分をその美しい体で償う羽目になります。

復讐劇の首謀者・ラージンがファウジに課す凌辱の数々が凄いです。
衆人環視の中、奴隷や獣、情欲にまみれた金持ちの男たちにファウジを犯させます。仰天する酷さなのですが、ファウジがあまりに自己中心的で思いやりに欠けるので、つい、お仕置きもいいんじゃないかと思ってしまいます。ファウジは、父親が奴隷たちにもっと酷いことをしていたこと、奴隷たちも自分と同じように助けを求めていたことに全く思い至らず、自分の身に降りかかった不幸を嘆くばかり。唯一自由になる口で、世話をしてくれるハッサンや奴隷仲間を侮蔑し、傷つけ続けます。

ファウジを自殺させないために、ラージンがハッサンに命じて偽りの恋人を演じさせたことで、ファウジはハッサンを愛するようになります。ハッサンは仮初めのものだと割り切りますが、これが後々ファウジとハッサンを強く結びつけることになります。それが物語の一番面白いところだと感じました。ラージンが思い付きで与えた偽の絆が、やがて本物になるのですから、愛とは本当に不思議です。そして愛を道具のように使うラージンは、ひょっとして誰よりも愛を知らないのではないかと思いました。

ラージンの手を離れ、内戦後の国で一人、盲目になりながらも男娼として生き抜くファウジ。男たちに汚されながらも、心が折れないのは、お金をためて、いつかアメリカにいるハッサンに会いに行きたいから。ハッサンはファウジを忘れられず、密かに国に戻り傍で見守るのですが、ファウジは気づきません。幼い頃から性奴隷として扱われ、人を愛することを知らなかったハッサンが、ファウジの強い思いに触れて、その愚かさまでも愛しく思う描写に、胸が熱くなります。たくさんの試練を越えて、やっと二人は愛の入り口に立ったのでしょうね。小さな希望に心底ホッとしました。笠井あゆみさんのイラストも素敵。ファウジを愛おしそうに抱きしめるハッサンの表情がとてもいいです。

マジュヌーンとは、ネットによると、ジン(精霊)に取りつかれた狂人のことのようです。タイトルは、きっとファウジのことであり、ファウジの虜となったハッサンのことでもあるのでしょう。物語の最後の最後にそのことが明かされていて、深い余韻と共に、夜の砂漠に浮かぶ月とはどんなだろうと思いをはせました。

6

あんな事やこんな事や、てんこもり

木原先生と表紙に惹かれて購入してたは良いが、読む勇気無く長い間積んでた今作。
積んで数年、ようやく勇気を持って読んでみました。
あれ?耐性ついてたのか意外と大丈夫だった、というのが一番の感想。
とはいえ、キツいのは噂どおりでした。
親のやった事の尻拭いとはいえ、度を超すレベルで酷い扱い。
自分の扱いの原因を知り、ファウジが反省なり悔やんだりすればまだ可愛げあるのに、ファウジはずっと性悪のまま。
ダブルで胸糞悪いというか(笑)

I、IIはそんなファウジにイライラしましたが、IIIに至ってはファウジの健気な面が見え隠れしたのでようやくBLとしての萌えも僅かながらあります。
ラストは「これからが見たいんだよ!」となりましたが、初回小冊子(早くに買ってて良かった!)で少しは補填されるかな。

苦手なワードてんこもりな今作でしたが、さすが木原先生という事でどんどん読み進める事ができました。
ただ、萌え…は殆どなかったかな、という事で評価は『萌』。
今作は読めたけど、もっと苦手なワードがある『WELL』は多分ずっと読めないだろうな…(^^;;

3

受けを惨めキャラランキング1位にしたい

最後のページをめくり、はぁ…やっと読み終えたという疲労感が半端なかった…最初のⅠ章とⅡ章は同人誌として出されていたようですが、ちゃんと結末を付け商業として出してくださって本当に感謝しています。
正直辛かった…。こういうマニアックなプレイはすごく苦手で、木原先生の作品でなければ絶対に手をつけていなかったと思います。エロ度はまさに「変態」で、Ⅰ、Ⅱ章を読むのに何回か休憩を入れました…。
今でもファウジにはこんなひどい罰を与えるのは正しいなのかまだ結論が出てこない。確かに性格も悪いし、裕福であった時は奴隷を人間だと思ってないから、自分は奴隷になってそう扱われても自業自得かもしれないけど、子供のころ家の奴隷を助けなかったのも、父親の奴隷プレイを漠然と見ていたのも生まれてから彼はそう教わってきたからではないかと。
まぁ、神視点はとりあえず置いといて、ストーリーの内容に戻りましょう。いくら悔しいと思っていても、ファウジは最高に性格の悪い人ですね。好きと言ってくるハッサンに悪態をついて、でも本当はこんな自分でも愛してくれる人を感謝し、愛している。暗い日々の中で、ハッサンの愛だけが希望だった。ラージンに売り渡されても、男娼になって目が見えなくなってもハッサンに会うためにがんばって生きてきた。
食事もマメに与えられず、人と獣に犯され、給料もちゃんともらえていない上にハッサンに会うために貯めてきたお金も紙切れにすり替えられ、惨めでボロボロなファウジに泣けました…(泣)。BL作品の中でこれ以上惨めなキャラがいたら見てみたい。
初回特典の小冊子も拝読しました。お二人は幸せで(相変わらずファウジはわがままでマイペースだけど)何よりです。
いい結末になってくれたものの再読はおそらくないと思います。というか、たぶんできないと思います(苦笑い)。

評価にはすごく悩みました。簡単に「神評価」とか「趣味じゃない」とかを付けたくないというか…とりあえず中立とさせていただきます。

5

なんだかんだで神

元々は陵辱や過激なプレイを読みたくて選んだ作品でしたが、木原先生の力量でとても引き込まれやすく、かつ登場人物の心情の変化などがとても上手く伝わってきてとてもストーリーも面白かったです。
本は三部に分かれていて、ⅠとⅡは性悪の受けファウジが愛のない過激な行為強いられる場面がメインでとてもドロドロしている感じです。
読む人をとても選ぶと思います。

その時点では救いや萌えがあるなんて思ってもいなかったのですが、Ⅲからは何気に萌えましたし、受けのファウジもやっと少し好きになれました。
受けが性奴隷だったころ世話係で恋仲(?)だった攻めのハッサンが、一度アメリカへ渡ったのにもかかわらず受けのことを忘れられずにトメニスタンへ戻るところから始まる感じです。
娼館で働くファウジを見つける攻め。自分のことが別に好きではなかったのだ、忘れてしまったのだと諦めるハッサンですが、ファウジの目が見えないと聞き、名前を偽り喋れないふりをしてその娼館で働くようになります。
そうして少しずつファウジがそこで働く本当の理由を知ることとなります。それがなんと、お金を貯めてアメリカにいるハッサンに会いに行くため。相変わらず過激な行為に駆り出され、仕事仲間からの嫌がらせに耐えながらも攻めに会うことを切望するファウジが、なんだかとても健気で一途に見えてしまいました。

最後、ファウジは『アリー』(ハッサンの偽名) にパスポートを作ってもらい、アメリカへ渡らせてくれと願いますが、ハッサンはイギリスへ行くと頑なにそのねだりを拒みます。ハッサンに会うためにそんな『アリー』を殺そうとして失敗するファウジですが、そこでやっと漏れたハッサンへの愛がとても印象的でした。
失明した自分に唯一できる仕事をしようと娼館での劣悪な環境に耐え、殺人まで犯し、自分のことを覚えている確証もないハッサンにそれでもと会う覚悟があったファウジに、最終的には惹かれてしまいました、私。

そして、最終的には結ばれたこの二人をなんだかんだ全力で祝福してしまいました。

15

ハピエンを目指しつつハラハラムラムラしたい人にお勧め!

まずはプレイについて。
「泣きながら犯される受が好き」的な、陵辱プレイ好きな人はには絶対おススメ!

よくぞここまでエロを詰め込んでくれた!!!というくらい、陵辱、獣姦、ピアッシングなど次から次に変態プレイが出てきて、私はすごく好みでした。
(男性向けエロ漫画のような、すぐ欲しがる受けがあまり好きではないので、受けが嫌がっている描写に萌えます)

あと、竿役にしても、ちゃんと受けのファウジを気持ちよくさせようという意識があるプレイが多く、奴隷モノだったとしてもちゃんと救いがあるので読んでいて不快にはなりませんでした。



んで、物語について。
こちらも良く練られていて、最後の1ページになるまで読み手をハラハラさせてくれる構成が素晴らしかったです!

受けは最後の最後まで俺様な高慢野郎なんですが、攻めと関わることでちょっとずつちょっとずつ態度が変化している様子が攻めのハッサン視点で読み取れ、文章力に思わず「うまいな~」と唸ってしまいました。

特に、攻めの心理描写が上手いな~と思います。
仕事だと割り切り、受けのファウジに対して無関心な攻めのハッサン視点でファウジを見ると、自分に気があると勘違いして高飛車になるファウジがめっちゃ滑稽に映りますw
そこから徐々に心が変化していく様子が面白い。

ハッピーでほのぼのとしたホモが読みたい人は読まない方がいいですが、ちゃんと最後はハピエンなので安心してください。
そこを目指しつつハラハラドキドキムラムラしたい人には本当におススメ。


====ここからネタバレです!未読の方は読まないで!=====




まあ1点だけ違和感ポイントを挙げるならば、「父親がクズだったから息子も連帯責任を負わされる」という設定にしては、ファウジに降りかかる災難が度を越えているような気もしなくはない...という所でしょうか。

失明させることは無かったんじゃないかな、、、みたいな。
目が見えないせいでお金を偽札とすり替えられていたり、食事を不味くさせられていたり、そういう不憫な描写が多くファウジに同情しました。。。
可哀想なのはプレイだけにしてほしかったな、みたいな気持ちも無くはなかったかな、プレイはまだファウジが感じてるだけ救いがあるしw
映画「ダンサーインザダーク」に少し似てるかな。
あそこまで救いようがない物語じゃないけど。

9

異色のBL

そもそも何でこの作品を買ったんだっけ…。表紙見て何かエロそうだな〜位の軽い気持ちで買いましたが、とんでもねぇ作品でした(笑)。
なかなかここまで愛の無いセックスが延々と続くBLも無いですね。異色の作品なので読んで良かったと思いますが辛いので読み返せないです。
最後の方で少し愛が出てきます。1番印象に残ってるのはラクダにヤラれるシーンです(笑)。獣姦モノなかなかないんで読んでみてほしい。

4

言うほど痛くはない

前評判を見て購入。痛いエロ、という先入観で読みましたが、個人的には1冊読むと王道かな、という印象。陵辱からのハピエンという意味で。
おそらく、短編が好評で続編とまとめて1冊になったのかな、と想像しました。若干ですが、最後のところまで、最初の段階から構想されていたのかな?と疑問にはなるくらいのつながり方だった。

最初はとにかく陵辱の限りを尽くされましが、エロ特化ストーリーという気で読んでいると、特段つらくはなく娯楽としてそれなりに楽しめました。

別の境遇で後に再会する、後編のところが救いがありますね。ここは物語として読み応えがあった。受けが健気に、攻めが一途になっていて、身を落とした受けがそこから逃れるまでのストーリーなので。

あまり身構えずトライするのがよいかもです。

3

ページをめくる手が止まらなかった

木原さんの作品は初めて読んだのですが、とても読みやすい文体ですぐに物語に引き込まれました。
続きが気になってしまって、寝る間も惜しんであっという間に読み切りました。

私は、主人公のことが終盤になるまで好きになれませんでした。ここまで好きになれない主人公も珍しいです。
ただ、Ⅲ章の主人公があまりにもかわいそうで、好きになったというか同情の念が湧いてきました。
小説を読んでここまで心揺さぶられたのは久しぶりです。
これは本当に素晴らしい作品でした。

ただ、痛いシーン(流血あり)やかわいそうなシーン、ひどいシーンなどたくさんあります。獣姦もあります(しかも三回も!)。一体どうやったらここまでのことが思いつくのでしょう?
そういったシーンが苦手な方には向いてないと思います。

4

エロだけ、ではないと思う・・・

私はこの作品、かなり好きでしたし、楽しみました。
複数攻めでよくある最後は皆で幸せになろう展開のエロ中心話だと思っていたので、その予想を裏切られたことが本当にいい意味で誤算でした。
ⅠとⅡはとにかくエロいです。嫌がるファウジが犯され続けるだけ。
なのに、Ⅲで泣けるんです・・・
ファウジはずっと性格悪いままだし、ハッサンも優しい男ではありません。むしろ結構酷い。
ファウジは全然好きになれません。なのに、どん底に落ちても罵詈雑言を垂れ流して傲慢であり続け、最後の最後でやっと「愛してた」と呟くファウジが哀れで・・・いつの間にか、感情移入というより、ハッサンと同じ目でファウジを見つめて美しいと思っていました。ファウジもハッサンも好きになれないし感情移入も出来ないのに、何故か涙が溢れました。よく分からないのに切なくて悲しくて胸が苦しくなって・・・読んでいて堪りませんでした。

評価の低い方のレヴューも理解できます。獣姦や輪姦が続き、性奴のファウジは感じちゃってはいても心を伴わない無理矢理な行為ばかりですし・・・私はジャンルとしてのアラブ物は読んだことが無いのですが、この作品はアラブ物だと期待した読者にとっては求めているものと違っているのかな、と皆様のレヴューを読みながら感じました。
私としては神評価だけど、広く誰にでもオススメできる作品ではないな、と思ったので萌×2評価にさせていただきます。

5

しんどかった

木原音瀬作品を読む時は体力と精神力が必要で、高い高い山の頂上…クライマックスには必ず幸せなシーンがあると信じてーー他の作家さんなら「萌えがあると信じて」読みますが木原音瀬作品ではソレは期待しないーーめげずに、へこたれずに読むことにしています。今作も、読み手の気力を削いでいくかのごとく過酷で容赦ない展開で、痛くて辛くて泣きそうでした。

これ…エロスじゃなくて虐待です。酷い虐待の連続で、出てくる人を誰も好きになれずに終わるかと思いました。ファウジは(やっぱりというかなんというか)人としてはクズで、でもクズだった頃の描写はほとんどないのでうっかりすると同情しそうになりましたが、そこは耐えました。因果応報だと思わないと読んでいられなかったです、本当に…。

Ⅰはファウジの視点、ⅡとⅢはハッサンの視点で描かれています。ⅠとⅡは別の同人誌に掲載されたお話で、Ⅲが書き下ろしなんですね。…とんでもねぇ。なんちゅードSなことをするんだ。私は初回特典の小冊子でやっと救われましたよ。

評価は「神」か「しゅみじゃない」の二択だと思って、長いこと印象に残る作品になりそうなので「神」にしました。同じ題材、同じ展開は他の作家では絶対に「読ませる」小説としては書けないと思います。

はー…今回もタフだったなぁ。甘々BLでも読んで癒やされよう。

11

なぜ ここまで…

つらい、最後まで読むのが苦痛だった。結構 他の木原さんの物は大丈夫だったのだけれど、これは ダメだった!ぜいぜい言いながら 最後までやっとこ読めたけれど、ファウジが可哀想で可哀想で… ううっ、けどまだ描きおろしが読めたからよかったけど これなかったら悲惨!もうちょっと主人公二人の幸せ場面欲しかったなあと思いました。はー疲れた。

1

なんじゃこりゃぁ〜の凄い世界でした…

いやぁ〜もぉ〜なんとも凄い世界でした。
でも面白かった…。
表紙から覚悟はしておりましたが、それをはるかに超える内容で、
やはり大好きな木原さんの作品、やっぱり読み応えがありました。
最後は本当涙が出そうになりました。

出てくる内容は半端ないエロてんこ盛りの世界。
だって奴隷ですから。
悲惨極まりないってのを通り越して最低最悪、酷いです。
正直初めての獣相手の所は、大好きな木原作品といえども
「なんなの、これ…」と読む気が挫けそうになりました。
アラブ系のお話は初めてだったんですけど、他のもこんな感じなのかな…
初心者の私は度肝を抜かれました。
でも不思議なもので、
最低最悪な世界なんですけど、あんまり下品に感じず、
出てくる人間を読んでいくから(上手く言えないんですけど)、
どんどんとこのお話に引き込まれていきました。
あり得ない世界なんですけど、気持ちにリアルを感じるというか。
これは私が騙されやすいのか…いや、やっぱり木原さんが凄いのだと思います。

主人公である奴隷ファウジ、私は好きでした。
彼は元々裕福な家で育ち、彼の父親が性奴隷を買って楽しんでいた。
彼もその事は知っていたし見てたし、別に悪いとも思ってなかった感覚の人。
なので当時、奴隷に助けを求められても記憶には残らなかった。
そして今、彼の周りにいる人々は、彼の父親の性奴隷だった人やその家族達。
本当はファウジの父親当人に対し復讐するものだと解っているけれど、
その当人が行方をくらました、「息子に償わせてくれ」と言い残した、ファウジ自身も当時助けを求められても何も感じない奴だった、だから今ここにファウジがいるんですね。
それでもってこのファウジは、
今周りにいる人々の恨みに対して申し訳なかったとかそういうものを微塵も感じてない。
父親は性奴隷に対して酷い扱いをしたけれど、今のファウジは性行為以外は大事に扱われてる。
けれどその事に対して感謝の気持ちもない。
高飛車で周りを罵倒しまくってる。
彼らの恨みを理解しようともしてない。
人から嫌われてもしょうがないという人物なのですが、
私はなんかこのファウジが好きでした。
これは私の希望的観測ですが、
周りにいる人々に対しての申し訳なかったとかそういうものは感じる事はあるはず、無意識でも。
でも人間としてを通り越してるこの世界で、媚びる事もなく罵倒にパワーを使い、生き抜いてる彼に私はなんか魅力を感じました。
周りの人々の事を考えると複雑な気持ちになるのはあるんですけど…うーむ…
途中で復讐をやめたラージン、ラージンの家の使用人達…
うーむ…

あまり入り込むと頭抱えるので、途中から恋愛が絡んできてよかったです。
それでもって3話があって良かったです。
自分の気持ちに気付いたハッサンとファウジのお話。
ハッサンはファウジが愛してると言った言葉が本心なのか、
生き抜く為の偽りの言葉だったのか知りたい。
物語はハッサン目線で進んでいくので、読み手もファウジの気持ちがいまいち解りません。
私はファウジに生き抜いて欲しい、折れないでいて欲しいと思いながら読んでいたので、
相変わらず高飛車なファウジがハッサンが死んだと聞かされた所で罵倒した時は
「どっち⁈どっちなの⁈好きだったの⁈」っと思いながらも、
「どっちでもいいから負けるな!」というのも思っちゃったり、
火事でファウジが館に戻ったと聞いた時は「流石にハッサンの事が…」と思ったかと思えば、
ベッドの下に隠したものを取り出そうとしてるのを読んだら「どっちでもいいから生きろ!」と思ったり、
なんか読みながら訳解らなくなってました(笑)
アリーを殺してでもアメリカに行こうとする所、
最後ハッサンに激怒する所、
私はなんかファウジが好きでした。

相当びっくりな世界でしたが、面白かったです。

3

奴隷と主人のゼックスパラダイス

こりゃーもう、けしからんですよ!
もう、エッチです。

なんつー力技なんだと思いながら、
タチの子もタチの子で、こう肝心なところでアレだし
ヤキモキしちゃいましたね。

木原先生のどエロは
トリッキーだなと思いながら
読み終えた時は、お前らずっと幸せにやってろと
最後はホンワカ満腹でした。

アハブものって、舐めたらいけませんね(。-_-。)

2

良くも悪くも心に残ります

受け攻めのキャラクター性に重きを置かず、愛のない凌辱プレイの多様さを楽しめる人にはお勧めです。はじめは主人公ファウジが意に添わぬセックスをさせられていても、彼の色々と突き抜けた性格ゆえ同情心も湧きません。私がおかしいのかもしれませんがエロというかプロレス観てる感覚に似てます。あっ技決まった、って感じです。
そして、主人となった男ラージン側はたいへん中途半端で、奴隷相手に身体のケア、食住の待遇などにおいて所々につまらない優しさ(施し?)を見せます。ラージンにとって、ファウジは憎むべき相手なのに最後は放棄し責任を他人に投げる始末。どっちつかずな男だと思わざるをえません。自分勝手なのはファウジだけでなくラージンも同じ。親の罪は子が償わなければならないなどとよくわからない彼の中の一般常識を語り散々ファウジにそれを強行した後に、自身の憎しみの重さに疲れて自分だけ戦線離脱なんて虫が良すぎる。加えて、ラージン自身は宗教上男を抱くのを禁忌としているのに、大切にしていると鼻高々に仰る使用人のハッサンとアントンにファウジを抱かせる神経が信じられません。
攻めのハッサンに対しては、最後の章まで何の愛着もないまま終わってしまいました。「ファウジが本当に自分のことを愛していたのか確かめる」行為は理解できなくもない。だけど、その後のハッサンの心情にどうしても同調できなかった。BLに夢を見ているのかもしれないですが、受けがもし攻めの事を好きでなかったとしても、きみが好きならそれでいいじゃない…。ここまで追いかけてきた癖に自分のことを好きじゃないファウジは愛せないの?って思ってしまいました。
ファウジはとても生意気で馬鹿なお子ちゃまですが、作品の中で誰より一貫していました。最後までハッサンに会うために他人に身体を売って稼ぎ、生きようとしたところ。胸が痛みます。
中立にしたのは、この作品は良くも悪くも爪痕を残したからです。
こんなにモヤモヤして、色々考えてしまう作品も珍しい。これだけ読者に強い印象を与えるのだからすごい。
痛い、苦しい、辛いと思ってもページをめくりたくなってしまう魅力があります。さすが、木原さん作品です。
もしエロやプレイ内容に地雷がない未読の方は是非ご一読してほしいなあと思います。きっとBLの好みがどうというだけでなくて道徳心云々様々なことを考えざるを得なくなりますよ。
レビューなど書いたことなかったのに、何か吐き出さないと…!という気持ちにさせられました(笑)

8

あらゆるプレイを網羅

あらゆる鬼畜プレイを網羅しているといっても良いくらいの悲惨なエロが入っています。3Pや強姦でさえ苦手な私にはとてもキツい作品で、購入してから読み終えるまでかなりの時間と根気が入りました。

でも、読み始めたら最後まで読んで欲しいと思います。途中で終わってしまったら救いがなくなるので、ラストのハッピーエンドまで頑張って欲しいです!Ⅱまではほんと救いがないです。Ⅲはハッサン次第になりますので、ファウジのおかれた環境は酷いものでも、まだ希望を持ちつつ読み進めることができます。

初回限定の封入特典には、二人の後日談がちょこっとあるのですが、それがなしで本だけだと甘さが物足りないかもしれません。私はⅣとして短めでも甘い後日談が欲しかったです。

2

素直におなりよ

表紙のイラストとタイトルを見てとても淫靡なストーリーなのかと思ったら、プレイや設定をみるとなんとまあ盛り沢山。
評価も神としゅみじゃないが大体半々で…
これは是非読まないと!

これでもかという程様々なプレイが出てきたのに、ストーリーに悲愴感はあまりなかった。
それは、ラージンのファウジへの扱いがとても丁寧で非道ではないのと、ファウジが他人の痛みをわかろうともしない自分がすべてのクズで、どんなプレイをされてもすべて美味しくいただいてしまうからなんだろうと思う。
Ⅲでは流石に可哀相な気がしたけれど、やっぱり美味しくいただいていたから往って来いということで。

何年時が経ってもどんな境遇になろうとも、ファウジの傲慢で自分本位な性格は変わらなかった。
でも、最後の最後でハッサンの名前を呼んだファウジに、不覚にも涙目になってしまった。
やっぱりファウジにとってハッサンは生きる糧だったんだな。

でも、ファウジが自分の本心を素直に言ったのはここだけだった。
小冊子での2年後のファウジは相変わらず俺様で、そんなファウジをハッサンは甲斐甲斐しくお世話しているようだ。
ファウジにとらわれてしまったハッサンには気の毒だが、最期まで面倒をみてやってほしい。
なんとなくファウジの方が先に逝く気がするので…
ファウジは精神も身体も壊さずによく頑張った!
たまにはハッサンに日頃の労を労って可愛いことを言って萌えさせてやってほしい。

エロエロだけどやっぱり読み応えのある本だった。
FRAGILEに引き続き読んでよかった。

1

作家が性悪?

読むのに途中で疲れを感じる本です。
プレイに関しては輪姦は当たり前、特殊獣姦、ちょっとスカ、ピアッシングなどありますから、読む人は選ぶでしょうね。
主人公が淫乱で感じてても、愛は全くないプレイばかりなので、その点も平気な人。。。が読む本ですね。一応、むやみに傷つけないように配慮はしてます。

そっちよりも私が気になったのは、心情的な問題です。。
主人公に全く共感ができない。
現実に疲れたから、BLの世界のイイ男、素敵な展開に慰めてもらおうなんて思ってこの本を読むと痛い目にあいます(笑)
綺麗な外見に汚泥が詰まっている主人公。。。文中で何度もそう表現されてますが、ほんとその通りだよ、ファウジ。。

なんですけど、人間そんなにお綺麗じゃないよね~とか、まぁ、私も人の事と言えるほどイイコじゃないし。
と考えると、読めてきます。
プライドばかり高くて説明下手というか、説明しない頑固者の主人公。
頭が悪くて、想像力低くて、思いやりがなく根性なし。。。自分も似たり寄ったりだなとか思えばね。。

何にもできないけど、素直で可愛い主人公ってBLにたくさんいますが、ファウジは何にもできないくせに性格も最悪で悲劇のヒロインに酔っているだけの主人公です。。(そういう人って現実に結構いるよね、本人気づいてないだけで)

それでも文章力がある作家さんなので、「疲れる~」「もうやだ、共感できない」と思いながらも、引き込まれる。
そして、一応最後の最後でちょっと救いがある。
なので、一回読了後に、安心感を得たところで、再度読みたくなります。。(笑)
ピアッシングで感じてるシーン、最高です。。やばい。

エロ度は高いし、二度目なら結末知ってるぶん、エロも楽しめる。
本人が感じてて、裂けたりとか痛い展開がなければ私の地雷はそれほど踏んでないプレイかな。。。。いや、二輪挿しを一般的なプレイとか書いてる作者に毒されたか(笑)
その獣と獣姦可能なの?へぇぇーー、今度調べてみよ。。みたいな。感じになります。。


ところで、この作家さん。
読者に対してかなり性悪なのではないかと思ったりします。。
読者の我慢の限界を試すようなストーリー展開。
読後感に納得いかず「この作家の本は、二度と読まない」と思う人もいるでしょう。
でも文章力は高いし、エロ濃度もかなり濃いので、この本がたまたまこういう作品で、他の本は大丈夫かも。。。と読まされる。。。。ありそうです。。
まさに作者はハッサンを振り回す主人公ファウジそのものですね。

とまぁ、初レビューを書きたい気持ちにさせたこの作品、不思議な魅力があります。愛のない獣姦にプレイが平気なら、読んでみてはいかがでしょうか?

10

ビックリな……Hが!

凄い❗凄い❗
とにかく、Hが濃いです。おまけに、かなり………ビックリなHも有ります。
そして、最後は………えっ?この人とカポーかい??な展開。
途中少し、ストーリーに疲れましたが読みごたえはたっぷりです。

1

読む人を選ぶ

 愛も容赦もない、受けの性奴隷化→監禁・強姦・凌辱・調教・複数プレイ・衆人環視プレイ等があります。その中でも、獣姦と、ガチの親子、受けの自殺未遂、それにピアッシングは特に人によっては地雷になると思います。しかも主人公が相当に口が悪く、ハッサンら黒人の使用人を「薄汚い黒豚」などと散々な呼び方をして八つ当たりしています。
 というわけなので、これは大変に読む人を選ぶ作品です。
 現実世界ではとんだ人権侵害であっても、BLはファンタジー!だから問題なし!!と、特殊なプレイを楽しめる方向けだと思います。
 個人的には、ピアッシングプレイは、闇医者が適切でない方法でピアッシングを始めてしまい、ファウジが物凄く痛がる描写があって(後にハッサンが適切な方法で開けてあげる)、そこがちょっと受け付けなかったです。

 最初のほうこそ、ファウジは、これまで読んできたBL作品の中でも一番に性格の悪いキャラクターでした。口は悪いし傲慢だし、反省しないしヒステリックだし、思いやりがない。でも、第二部でハッサンと偽の恋人になったあたりから、朝目が覚めた時にハッサンがいないことにむくれたり、ハッサンにだけは他の男に犯されている姿を見せたくないと言ったり。第三部では、口の悪さは健在で、なかなか本心を見せないものの、けなげにハッサンを待ち続ける姿に、つい「結構可愛いところあるじゃないの」と思ってしまいましたw
 「アリー」に犯され、ハッサンの死を聞かされ、酷い言葉を投げつけられて、ようやくハッサンへの愛を口にしたファウジ。本当に気位が高い性格だと思いました。これほど自分の恋愛感情を認めない受けも珍しいですね。
 文句なしの神です。

5

アラブだろうと獣姦だろうと木原作品

3部立てになっていて、2部までは同人誌、3部のみ描き下ろしとのことでした。

2部までは父親の代わりに罪を償えとファウジがラージンのもとで復讐を受けます。復讐を遂げるまでは生かしておかねばという理由から、ファウジに希望として与えられるのがハッサンがファウジに思いを寄せているという嘘。それを発端にお話は締めくくられていきます。

ファウジに与えられるのは復讐のための凌辱なので、それはそれはひどいことをされています。ファウジを貶めるために行われてはいますが、傍から見ればしている方も大差なくどっちもどっちとしか思えません。その虚しさに気づきながらも、復讐のためという正当性を言い訳にしていたラージンが途中で放り出したのはわかる気がします。
それと同時に、そんなくだらない凌辱シーンを喜んで読んでいる方も同じ穴のムジナではないかと問いかけられているような気がして、居心地の悪さを覚えました。
現実にそれを実行するのと空想・ファンタジーの世界で読むのとではまた別ではありますが、凌辱されるファウジを「他人事」として見ていられる神経は、父親の横で見ていたファウジのそれと同等なのかもしれないと思い、この前半はもしかして木原さんからの痛烈な皮肉なのかしら?と思ってしまいました。
これでもかというように非道さを増してゆくラージンの仕打ちには、恨みの深さを感じると同時に、人間の欲望とそれを生み出す感情の迷宮の闇を垣間見た気がして、やはり木原作品なのだなと感じさせられました。

3部ではどん底に落ちながらも、一人希望への道をあきらめていなかったファウジがやっと救済されるまでの様子が描かれています。
嘘から始まったうえ、ファウジがどうしても信じられず、それでも忘れることのできなかったハッサン。ファウジとハッサンは、相手を信じられないという部分で共通していて、ファウジはそれを暴言で、ハッサンは無言で対することしかできないでいます。どちらも臆病が故に、考えることの迷宮から出ることができずにずいぶんと遠回りをしています。
お互いの心にやっとたどり着いた時の感動は、これまでのすべてを浄化していくようでした。

極限状態の人をモチーフにして人の心のややこしさを紡いでいく部分は、木原作品の得意とするところなんでしょうね。この作品にもそれはしっかりと生きていて、読みごたえがありました。こういうイロモノ的なモチーフを使っても損なわれないそれに、作者さんの力量を感じさせられました。すごいです。

23

読む人をものすごーーーーーく選ぶ作品

2006年に出た同人誌でⅠを読み、ラクダ!に衝撃を受けて2007年の同人誌(Ⅱ)はこわくて読めず、6年後単行本化されたこの作品を発売直後に買っては見たものの踏ん切りがつかなくて袋から出せないまま約8か月w
なぜか急に思い立って、読んでしまいました!すごかった…!
読みだすと、続きが気になって一気に読んでしまいました。

人によっては特大地雷になりそうな要素のオンパレードです…
Hシーンは数える気になれないほど出てきますが、そのほとんどが愛なしで、強姦輪姦モブ姦乱交衆人環視あたりまえ…
さらに獣姦(ラクダ・ヘビ・ダチョウ・馬)・ガチ近親相姦(第3者により無理矢理・父息子)・ピアッシング(舌)などなど…
これ、よく商業ベースにのせられたな!と逆に感心してしまうほどw

受のファウジは、木原さんお得意の性格の悪い高慢(で少し頭が弱い)なキャラクターですが、父親がやりたい放題だったからって、息子のファウジがここまでの仕打ちを受けないといけないのかなと。
ラージンの人物像がいまいち掴めないっていうか、ほんと何考えてるのかわからないw
あと、ファウジがハッサンに夢中になるのはなんとなくわかるのですが、ハッサンがあれだけ見下し冷めた目で見ていたのに、なぜファウジを愛するようになったのか、やっぱりよくわからなかったw

陰鬱な世界観ではありますが、最後にはハッピーエンド(やや力技)になりますし、思っていたよりはすんなり読めました。
読む人をものすごーーーーーく選ぶ作品であることには間違いないです。

4

描写不足?

愛のないただ酷い陵辱が読みたくて買いました。
ですが、ファウジがこの扱いを受ける因果を下手に理屈付けたのが本当に痛い失点でした。

ファウジは、惰性に生きるダメ男ですが、父親に生き写しというほど、悪い男ではない。
父親ほどの悪い男が責められるならばそれはそれで萌えました。
獣姦、蛇姦と責め苦の嗜好も良かった。
しかし、ファウジ程度の中途半端なダメ男に、お前のような男は犯されて当然だ!これで悔い改めればいいのだが…という文章が繰り返されるたびに、え???となり、
出来損ないの因果論に、嗜好の良い責め苦で盛り上がった萌えも興ざめしました。

もう少し丁寧にやつ当りのような復讐である攻めサイドの心理を描写するか、それができないならいっそ、口ではファウジへ因果を言い含めながら、実態はただファウジを陵辱したいだけのサディスト展開にしてもらえたほうが、まだ納得感があった。

不合理な陵辱を期待して買ったというのに、中途半端な合理性を置いたがために、気が散って萌えることすらままならない。
蛇姦などプレイ設定が素晴らしいだけに、惜しすぎた。
読者を振り回して奇をてらっているのかもしれませんが、お粗末でした。
よって評価低めです。

5

好き嫌いがキッパリ分かれる

私には合いませんでした……
木原先生のファンですが、この作品は私にとっては趣味じゃないを通り越して、読むのが苦痛でした。
決して駄作だとは思いません。が、趣味が合わなかった。合わなかったのでいろいろ嫌なところが目についてしまった、ってことだと思います。
でも最後の一行まで読んだのは、やっぱり木原先生の筆力に引っぱられましたね。


愛が全くない凌辱がやたら繰り返されるのも好きではなかったし、なぜそこまで受け(ファウジ)が恨まれるのか理解できなかったし。

ファウジの父親が人身 売買で買ってきた男たちを性奴隷にして酷いことをしたから、父親が逃亡した今、その罪をファウジが償うのは当然だ!
父親が男たちを凌辱した1985回分(誰が数えてたんだろう)、ファウジが犯されたら許してやるよ!っていう理屈、やっぱり意味わかんないです。

元被害者は加害者(しかもこの場合、加害者の息子)に何をしても許されるんだ!それにこの息子性格悪いし、酷い目にあって当然だ!ってことみたいですけど、全く共感できず。
非常識な攻め側が、歪んだ論理と常識を振りかざしてファウジを裁いていくっていうのが、読んでいてうんざりでした。
そこが一番嫌だったな。

ファウジは確かに、もともと性格があまりよろしくない高慢で利己的な人でした。
性奴隷にさせられてからは、自分のことしか考えてないあさましい人間だなと攻め側(罰を与える側)に軽蔑され、責められ、あれやこれやの酷い凌辱の限りを尽くされます。でも、ここまで凌辱されたら、誰だって自分のことしか考えられないと思うんですけどね。


ファウジを落札したラージンも、よくわからない人にしか読み取れず、そこも不満。
表紙を見た限りじゃ、一番攻めっぽかったのに、ファウジを獣や人に犯されているのを言葉攻めするのみで見てるだけ~な人でした。
それはそれである意味大した精神力だし、信念のヒトなのかと思いきや、復讐は中途半端で放り出し…物語のキーパーソンが途中であっさり退場で拍子抜け。


物語は三章あるんですが、もともとは二章までで、最後の章は書き足したそうです。

それを読んで納得しました。最後の章だけ随分毛色が違うんです。
商業誌だし、なにがなんでもハッピーエンドに着地させようと苦心なさったんでしょう。
なんだか、こころなしかファウジもかわいらしい性格になり、くっつくべき人と結ばれハッピーエンド。
まあとにかく、後味は良くしたよ!という力技に感じました。
作品の完成度としては2章までの方がカラーが同じ分まとまりがよく、でも3章読まないと後味悪くてしょうがないという…。



この作品ほど、「神」評価と「しゅみじゃない」評価が両方とも多い作品は珍しいですよね。
私は無理でしたけど、お好きな方にはたまらないんだと思います。
文章もしっかりしてますし、情景が目に浮かぶようですし。
愛のない輪姦が地雷でない方は、一度読まれてみてもよろしいかと思います。
たぶん、おお、こんな辱めがあったとは!と発見があるかもです。
私は獣姦のバリエーションにびっくりしましたw

11

いったい誰の物語だったのだろう

素敵なタイトルなんですが、内容は、なんでもあり。
タブーの限りを尽くして、あれもこれも、めいっぱい詰め込まれています。
獣が出てくるお話ははじめて読んだのですが、だからなに?という感じ。
ファウジが奴隷に身を落とし父親の代わりにどんどん酷い目にあっていくわけですが、復讐のためにファウジを買ったラージンがいまいち中途半端。
使用人のハッサン、アントンの兄弟や客、はては獣にファウジを振る舞う?だけで自分は高みの見物。
さらには、復讐を途中で放り投げてしまうんです。そこがわかりづらかった。
ファウジはファウジで救いようのない自己中心的な人。
最後にとってつけたようなファウジとハッサンの恋物語があるのですが・・・。
全体を通して、キャラクターにあまり魅力を感じなかったのと、いったい誰の物語だったのかと・・・消化不良な感じがしました。

11

すごかったー。

書店で偶然見つけた本。
木原さんのアラブということで絵もキレイだったし買ってみることに。

読んでみるとなかなか壮絶でした。
ネタバレになりますが陵辱、複数プレイ、獣○がダメな方には到底無理だと思います。
ま、私も獣○は読んだことなかったし自ら手を出そうとも思ってなかったのですが。
読んでたら出てきたので、あらあらあら…みたいな(苦笑)

アラブものだからと多少のことは受け入れるつもりでいたのですが、もう最初っから上級アラブというか(笑)
「陵辱」というよりも「罰を与える」という印象の強いえちシーンの連続。
父親の罪を償うために行われる行為は全て数えられ、その罪の数をこなせば解放されるというものではあるけれど、そこまでの長さが計り知れない。
主人であるラージンはひたすら罪を与えるだけで当の本人にそういう趣味はないのか手を出すことはない。
ラージンから見れば罰を与えているだけなんだけども、そこに群がる人々の行為はやっぱり陵辱になるのかなぁ。
当の本人は嫌がっているわけですし。

性奴隷として買われてきたファウジが主軸となるのですが、元々は富豪の息子で奴隷を買う方の立場にいた父親の元に生まれていて。
そのせいなのか、幼少期から父親が奴隷にしてきたことも見てるし、それを今回罪に問われているような部分もあるのに、一切謝罪の言葉はないんですよね。
自分が現在置かれている立場について悲劇ぶる感じがあるだけで。
過去の自分たちの行いを悔いる様子はない。
だから、どんどんその罪を償わなければならなくなっていくんですが。
そういうどうしようもないファウジなんだけど、途中で与えられた「希望」によってめまぐるしく変化していく。
出口の見えない陵辱の日々の中で、それでも生きる価値を見出して。
言葉は変わらずキツいけれど、態度とかはもう見るからに従順で可愛くて。
そういうのが実に木原さんらしい。

そしてハッサン。
この人物もなかなかですよね。
幼い頃の奴隷の記憶があるからファウジに対して優しくしようという気もなくて。
自分たちが置かれていた境遇よりもかなり幸せな奴隷として生きているファウジになんの感情も抱いていないような。
世話の仕方の改善ということでラージンからの提案を受け入れて、ファウジがそれに傾いていくようになってもまだハッサンの心には煩わしさの方が残っているようで。
それが明確に実を結ぶまで随分かかったような。
そういう感情とはかけ離れたところで生きてきたせいかもしれませんが。

あとがきで木原さんが2話までで満足していたようなことを書いておられるのですが2話までで終わりじゃなくてよかったと個人的にはすごく思います。
3話になってようやくハッサンが動き出し、ファウジとのことを見つめ直すような部分が見えてくるので。
最後の方のファウジがせつなくてすごく好きです。
もう、ホント3話目あってよかったー!

個人的にはラージンも気になるところ。
男色には興味ないみたいなことを言ってましたが、それはこの先も変わらないのかなぁ。
ハッサンの弟であるアントンとの関係が動くとかないのかなー。

……そして、今、レビュー見てきて気づきました。
これ「冷血」のやつなのですね。
ラブレスなあれの。
だから2話までがこんなにも容赦ないのですね。
納得しました。

5

愛が感じにくい

購入する前にこちらのレビューに目を通していたのである程度、展開に予想がつきましたが、同作家さんの「FRAGILE」が好きな方は過度な期待はしないほうがいいかもしれません。

レビューで何人か今作が「FRAGILE」と似ていると書いていますが正直そうは思えず、何より受けのファウジがかわいそうでなりません…。
父親がかつてどのような卑劣な行いをしてきたのか今までろくに知らず、聞かされたときには様々な人や動物に犯されるだけの生活を強いられてる。そのような状態でファウジに父親に酷いことをされた奴隷、いわばファウジにとっては第三者の境遇を思いやり反省しろ、というのも無理な話ではないでしょうか…。
ファウジが悪態をつき、横柄な態度をとるからといって酷いことをされても文句は言えない、という設定についていけず終始ファウジがかわいそうでした。
しかしまあ、生意気なことを言いつつも身体は感じやすく淫乱というコンセプトのもと彼は書かれているのでしょうから…このあたりは好みが分かれるということなのかも知れません。
それにしても中盤まで受けに対する愛がほとんど感じられず進んでいったので非常にドキドキしました。終わりは緊迫感を持っておもしろく満足するものでしたが…!

とりあえず、「FRAGILE」のような歪んだ愛を期待して読むのは少し危険だと私は思いました。陵辱メイン、エロ多めなアラブものという認識のもとなら楽しめるはず。

7

劣情的純愛の物語

すごい評価の分かれ方にかなりドキドキ。
私の場合はアラブものも木原作品も初読み(原作コミック以外)なので、期待値がまっさらだった分、評価も高めなのかなと思います。

アラブものの王道が、富豪や王子と結ばれるハーレクイン展開なのだとすれば、これはどちらかというと真逆を指向した作品かもしれません。
攻めのハッサンはファウジを性奴隷として買い取った大富豪・ラージンの使用人で、かつてはファウジの父親の性奴隷でもあった男。
そういう意味では、かなり変則的ではありますが、下剋上ものに近いのかも。

ハッサンは、個人的にかなり好きなタイプの攻め。
主人であるラージンの命令が絶対の、徹底した使用人体質。彼はラージンに客の前でファウジを犯せと言われれば犯すし(まさに白黒ショー?)、客がファウジを犯そうとすれば暴れるファウジを押さえつけたり、その他日常のファウジの食事の世話から体の手入れまで、全てラージンの指示通りに淡々とこなします。
こういう、感情を抑制して終始ビジネスライクに振舞う男が、ファウジという、美貌以外に何の魅力もなく、愚かで無力で、性奴隷として日々凌辱に痴態を晒すだけの男に、図らずも愛情を抱き始める…という展開、すごくそそられます。
ハッサンがファウジに対して常に慇懃で、「私」「あなた」で接しているのも何気にツボですねぇ。
挿絵のハッサンがまた超セクシー!
ヘアスタイル(坊主)は作者の希望だそうですが、本文からイメージする以上にハッサンらしい挿絵付きなのは嬉しい限りです。(月夜の3Pシーンの背景も大好きです。)

最初のヤマ場はⅡ章のクライマックス。
凌辱の宴で見ず知らずの男たちに犯されながら、愛するハッサンの名前を呼んで泣き叫ぶファウジに、ハッサンが初めて内側から突き上げてくる愛情と欲情を感じる場面…ってもう、煽情的にもほどがあるんですが(汗)
しかもそれは、ファウジがさらなる絶望と向き合わされるよう仕組まれた瞬間でもあって。まさに情熱と絶望に彩られた悲恋物語(マジュヌーン)です。
前半延々と繰り広げられるファウジ凌辱の宴シーンは、獣姦という今回目玉の趣向にノリきれなかったので少し冗長に感じてしまいましたが、全てはこの瞬間に向かっていくための布石だったんだってことで、すんなり納得。

書き下ろしのⅢ章では、一度は引き離された二人が再会し、ついにお互いの愛情を確かめ合うまでが、ハッサンの視点で描かれています。
ハッサンという男は、ファウジが愚かで淫乱であればあるほど、そしてハッサンへの愛情以外の全てを剥ぎ取られ、汚されるほどに、一層ファウジに狂わされてしまうんでしょうね。
或る意味嗜虐性と表裏一体にも見える彼のファウジへの愛情には、人間の独占欲の一つの本質が映し出されている気がします。

それにしても、ラージンの下での恵まれた生活を捨ててファウジの元へ走るというハッサンの選択も、ファウジとはまた別の意味で愚かそのもの。Ⅲ章ではラージンは登場しませんが、できれば、愚かなハッサンの選択に対するラージンの憐憫(或いは祝福?)の言葉を聞いてみたかった気もします。
でも、そんな愚かなハッサンとファウジだからこそ、二人が愛おしくなってしまう。

ラストシーンの、もはやゆるぎないものとなった純愛に、敢えて安っぽさと劣情をまぶした描写がとってもエロス。
ボリューム的にはかなりの部分を占めるファウジ凌辱シーンは、ラストの盛り上がりに向けての導火線みたいなもの?本当にエロいのはそこじゃない、御褒美は最後のお楽しみ…そんな作品です。
行為そのものよりも心理描写にエロスを感じたいという方にはお勧めできると思います。

12

私みたいに「なるほどね~」だけの感想もあるということで!

新しい(?)ノベルズだし(文庫は出てるけど)、
今回はこの本を読む前にいろんな方のレビューに目を通しました。
思った通り好き嫌いがハッキリとわかれる本でしたね。
読みながら、ここらあたりのストーリーのことを言ってるんだとか
内容が分ってただけに自分の中ではサラッと終了。


本編はレビューで想像がついたので小冊子から読んだという(^^;)
この小冊子だけ読めば結構2人いい感じで好きだなぁという感想。
そうして本編を読むと…
なんだかんだ、確かにいろいろと仕打ちを受けてましたが
読むシーン、シーンで「しょうがないわ」なり「そんな可哀想だよ」なり
自分の気持ちも行ったり来たりと揺らいでました。
が、やはりその後、小冊子を読むとなるほどね~という感じ。

4

愛のない、誰も楽しくない凌辱

すでに沢山の素敵レビューが掲載されていますので、私は誰得感想文で行きたいと思います(*^^)v

ファウジ(受け)がここまで傷めつけられ、獣姦までされちゃう理由がよく分かりませんでした。
父親は大罪を犯したかも知れないけど、ファウジとは別人ですよね。
それならラージン自身に、調教や獣姦を観賞する趣味があったという方が分かりやすい気がしました。

ファウジ自身の性格に問題があり、素直さや健気さなどの受けに必須(?)と思われる要素がひとつもないという点が、手酷い暴行と相殺にされているかのようで、違和感を感じました。
性格の悪さは凌辱の免罪符にはならないと思います。
ここは、歪んだ形でも良いから、愛が欲しかったです。
同作家さんの「FRAGILE」と決定的に異なる点はそこだと思います。

監禁されたファウジが命を絶たないよう、日々に希望を見出せるよう、という理由で、ハッサン(攻め)がファウジに恋を仕掛ける展開は面白かったです。
ハッサンはお芝居なのに、罠にかかったファウジが少しずつハッサンに心を開いてしまうのが、なんとも可哀想な半面、愉快でもあり、影からほくそ笑むいじめっこの心境になってしまいました。
ファウジより私の方が性格悪いかも…(-_-;)

…とはいえ、愛のない、誰も楽しくない凌辱は読んでいてとても消耗しましたね。

獣姦に関しては、これがあるとどうしても“しゅみじゃない”になってしまうので、人それぞれの趣向のもの…ということで、評価の対象にはしませんでした。
(ただ、これを書けることの勇気だとか、人と違うものを書く作者さんの意識の高さは天晴だと思います)

全体的に、ファウジの性格の悪さ、子供っぽさが克明に説明されればされるほど、彼自身に肩入れしたくなってしまい、ファウジがここまで不幸な目に遭い、犯されまくることが理不尽に思えました。
作者さんの思惑通りにはまったのでしょう☆
後半はもう、ファウジに何とか幸せになって欲しくてたまらなかったです。

そしてハッサンと生き別れ、盲目になったファウジ。
目が見えないのをいいことに、ファウジが大切に貯めているへそくりを、ただの紙片に入れ替えている人間の存在。
己の生き方、自らが選んだ生活環境とはいえ、ケチな弱い者いじめに対抗出来ない全盲のファウジが不憫でした。
そしてその紙片を紙幣だと信じ込み、アメリカに渡りハッサンと再会することを夢見ているファウジに、胸をつかれました。

ラスト付近、ファウジがハッサンに再会したシーンで、ハッサンが部屋で気配を消すと、不安に思ったファウジがあせってベッドの上を這いまわり、いないと分かると床に降り、椅子につまづき倒れ…などの場面は、可哀想で可愛くて、涙を誘いました。

ハッピーエンドで、読後感は悪くなかったのですが、ピースがぴたっとはまるような小気味よさや、帳尻がぴったり合うエンディングではなく、何となく希望が見出せるような、ふわーっとしたラストでした。
このゆるめの読後感は「FRAGILE」に似ていました。

しかしながら…、
皆さんのレビューを拝見すると「なるほど!」と納得してしまうような深い内容のものが多く、自分がこの本を、すごく軽い気持ちで読み終わってしまったんだな~ということを今実感しています。
納得出来ない部分は多かったものの「面白かった♪」と、普通~に思ってしまった自分はまだまだ初心者でした。

9

復讐と凌辱エロなアラブもどき

作者渾身のアラブものなのでしょう、これでもかと言うくらい様々鬼畜が入ってる。
レイプ系凌辱あり、複数凌辱に人前凌辱、複数の動物との獣姦に調教、近親相姦等、
様々なエロが詰まった1冊。
受けになるファウジが一心に罪を背負い、性奴隷になり父親の罪分だけ凌辱される内容。
更にファウジが精神的に壊れそうになると、生きる希望と言う偽の恋を餌にして
とことん生き地獄を合わせるお話なのです。

私が個人的に思い描くBLアラブ像は、攻めが暴君で人を人とも思わないオレ様で
使用人の前で当たり前にHし手伝わせ、奴隷のように拘束されつつも華美な宝飾品で
飾られ執着される・・・
あれれ?まんまこの作品の内容に似ている?いえいえ全然違います!
そこには愛が全然無いのです、作品は3部になっていて、1部目は愛ゼロ。
2部目にファウジに偽の愛を微かな希望に見立てる流れで3部目にようやくその片鱗を
覗かせながらと言う流れですが、どうしてもハッピーだとは思えない。

ファウジの父親が性奴隷にした数々の仕打ち、主であるラージンの身内もその被害者で
その秘書的な双子の使用人のハッサンと弟のアントンやラージンの屋敷に働く使用人が
全てファウジの父親の被害者ってのもびっくり展開。
帯に1985回分、その身で罪を償えってあるのですが、その回数分ファウジの父親が
性奴隷にした絶倫非道の数々なのです。

ただ、そんな親に育てられたから、ファウジも性格的には問題ありで我儘でプライドが
非常に高くて、顔以外は取り柄がなく、口を開けば罵詈雑言の嵐ですから、
内容的には痛々しい設定でも自業自得的な雰囲気があるので加害者被害者が
それこそ人間のその時の感情のように揺れ動く気がします。

ファウジに偽の愛情を見せて希望を与える役が双子の兄で世話役のハッサン。
ハッサンから告白を受けてもファウジが初めから素直になる訳ではないですが、
その意図は成功します。
ファウジは好きな相手が出来ても素直になれない意地っ張りで女王様タイプで
ある意味頑是ない子供のなのだと思えます。
罪を侵した父親に育てられているのだから、その子供は善悪を父親に教えられて
育てられるのですから、ファウジみたいになっても仕方ないじゃないと憐憫を感じる。

ファウジみたいな性格なら、悪いと思っても素直に非を認める事も出来ないだろうし、
好きな相手でも貶して貶める発言をしながらも実は大好きだと言う天邪鬼気質。
ファウジの図太い性格があるからこの作品も痛いだけで終わらずに読めるのだから
作者の力量なのだとは思います。
でもラスト方面で見せるファウジなりの一途さが逆に切なくはなりましたね。

そして、攻めの相手役であるハッサンは、黒人でアラブ人では無いところがアレレ?
単に舞台がアラブ地域で、復讐の総元締めが富豪のアラブ人ってだけで、
アラブ的なのは、性奴隷をお披露目する場所に集まる民族衣装を着た親父たちだけで
砂漠の雄大さが垣間見える雰囲気もなく、アラブ要素は鬼畜だけですか?
そんな風に思える作品ではないでしょうか。

やはり個人的に思うのは愛が無い凌辱話は萌えないし気分が萎えるということ。
ラストのファウジの姿がやっぱりおバカで切ないなぁと感じて終わった感じです。
それでも、やはりこの作家さんは文章が上手いし、読ませる作品ではあります。
凌辱系のあっぱれ獣姦に対して耐性があればかなり楽しめる作品だと思いますが
まるごとNGだと言う人にはおススメ出来ない内容だし、ダメな人はとことん
ダメだろうなと、私もそんなダメな一人になりました。

13

アラブというより・・・ゲテモノ系?

同人誌で発表されたものを商業誌化+書き下ろしを加えて出された本作。一言で言うと先生の趣味のつまった本です。趣味に走りすぎて読者おいてけぼり感がパないのでドMな読者様にオススメです。

ちなみにプレイ描写に関しては、ものすごくザックリな言い方をすると、男性向け鬼畜ものをBLバージョンにしたような感じだなぁという印象です。(※男性向けの表現が苦手な方はスルーして下さい)
プレイ内容もそうですが、キモいおじさん達のセリフあたりは本当にそれらを彷彿とさせます。男性向けにあるんですよねぇ、キモオタ・おじさん・獣・妖怪・その他訳の分からんものに嬲られ犯される金髪碧眼の美少女が見たいというマニアックな趣向の以下略。まさしくその趣向のBLバージョン。

ちなみに私にはこちらの作品、惜しい!とか、何かが足りない!と感じる内容でした。
なぜそう思ったのか。*以下過度なネタバレ注意です。

ファウジは性格が悪い人間という設定になっていますが、同時に行動力のないおバカなキャラ。チ○コを切られそうになってビビって以降はラージンに抵抗することがなくなり調教されっぱなしで、この点が惜しいというか、パンチが足りなく感じた理由です。
ファウジにはぜひとも脱走のひとつもやり遂げて欲しかったです。ナイフを忍ばせてラージンの首をかっ切るぐらいのシーンがあっても良かったんじゃないかと思っています。それぐらいの腹黒さと、行動に意外性が欲しかったなぁ…と思うのでした。

だいたいラージンは主要キャラなのに扱いがものすごくもったいない!扱いが違ったら複数萌えが炸裂していたと思います。なのにラージンとファウジの関係萌が全くスルーとはどういうことでつか(#^ω^)ビキビキ 迷惑な当て馬というより迷惑な通行人A状態です。もっと濃厚な何かを期待していたとエロい人は言っていました。ちなみに私はハッサンとアントンの関係に萌えました。ファウジ・ラージン・ハッサン・アントンの四人の関係性に関して、もう少し深い関係萌が欲しかったです。主従萌や双子萌など、いくらでも関係萌が炸裂しそうな設定なのになぜそれがここまでスルーなんだろう。もったいなか~(^_^;)

そこをスルーしてまで何が何でもお書きになりたかったものがあるのですね~!それは『獣姦』プレイ☆何度も出てくるのでそこから熱気が伝わってきます。しかし何度も出てくると段々しつこいコントを見ているような気分に;;;もういっそ「アラブ」じゃなくて「アフリカ」で良かったんじゃないかと。案外アフリカver面白かった気がしているのですが…

お決まりの最後の展開はファウジが可愛い~と思えるのでそこは十八番展開と言えども好きなところでした。そこの数ページだけリプレイしていますwんも~ファウジ可愛や~♪
ただ、ここも自分的には萌が足りないのです~。調教もいいけど、個人的にはこういうおバカちゃんが入ったキャラの場合は”育てなおし系”のほうが萌えるんです。ハッサンって絶対隠れSだと思うんですよね~。なのでぜひともファウジを教育し直して欲しかったwファウジのあの性格がハッサンによって育てなおされたら。そこまで行ったらキャラ萌炸裂でした。「愛を知って変わる」の部分、もっと欲しかったです(T ^ T)

この作品はゲテモノに特化しているぶん、キャラクター相互の関係性や展開に大きいアラが目立つ印象でした。
そしてこの作品の中で最も締めておかねばならない設定は「ファウジが1985回分、罪を償わなければならない理由」ですが。これが自身の罪ではなくて父親の罪という点が一番の大穴でしょうね~;;;ファウジ自身の罪じゃないのにここまで罪を背負わされるのは強引に感じます。もっと言えば父親であるイワフの子育てが間違っているのだから、別の見方をすればファウジも被害者なのです。
ファウジ~、不憫な子よ。直系にして唯一の男児なのに、どうしてそんなにアホに育てられたのでしょうか…謎です。

一応ウリはアラブらしいんですが、定番のアラブラブロマンスを思い描いて手に取った人は色々ショックを受けること間違いなしです。お気を付けください。

・ファウジの償いの理由付がいまいち納得できない。ゆえにそれ以降の展開・プレイの全てに納得できなかった。
・基本、鬼畜ものは「愛ある鬼畜」のほうが好み。
・獣姦に対して特に萌えはない。
・複数の関係萌がほとんどなかった。
・おバカちゃんは調教より育てなおし系のほうが好み。
・最後に本音を言ったファウジとそれに対して燃えていたサットンの二人に萌えた!
というわけで中立にしました。
なんだかんだ言っていますが今後も極地作品を期待しております。

そして最後に。笠井あゆみ先生の絵が神!絵だけで萌まくりです。
中のカラー絵と同じクリアファイルを持っているんですが、エロ過ぎて普通に使えないよ…(;´Д`A 神絵で嬉しいファイルだけどね…

16

自分の苦手が一つわかりました。

つまらなくはないのですが、甘み成分があまりにも少なくて、好みではありませんでした。

「痛い」話でも、主役二人が想いあっているとか、せめて片思いなら切なくて良いのですが、この話は途中まで、主要な登場人物の中で誰かに恋している人が一人もでてこなくて、大切なエロ場面もあまりいやらしく思えません。
私がBL(エロ)を楽しむには恋愛の甘さが必須だと思い知りました。

それが描かれている最後のわずかなページを、砂漠でオアシスにたどり着いたみたいな気持ちでむさぼり読みました。
結末に救われました。

木原先生の、べた甘な話を読んでみたいです。

6

サイテーのアラブもの

まず、最初にことわっておくと、この作品、アラブものという形はとっていても
ちっともアラブものじゃない。もちろん、3P・複数モノでもないし。
あくまで木原音瀬のありがちパターン。
だから、アラブものや3P・複数もの好きが手にとって楽しめるわけではない。
うーん、強姦凌辱好きなら多少はあるかもしれないが。

人種差別用語と獣姦と輪姦をぶちまけてるだけ。
アラブものとか3P・複数の真髄にはちっとも触れてない。
壮大なお涙ちょうだいをやるために、
アラブものやら複数ものやらが利用されてるとしか思えない。
否、これは木原音瀬というブランドをひっさげているから評価されているだけで、
無名のアラブもの作家でやったなら、こうも話題にも評価にもならないだろう。

腹立つついでにネタバレ100%
煮ても焼いても食えない美形の金持ちが没落して、父親の敵の性奴隷になり、
そこで黒人の使用人に惚れる→意味のない凌辱進行→払い下げられて見世物小屋へ
→そして惚れていた相手に再会したが、口の悪い受けは盲目になっていた
なんじゃそりゃ!?「山椒大夫」か?「弱法師」か!? 
エロス描写もとにかく汚い。ファンタジー度ゼロ。
正直、激怒レベル。
アラブものってパラパラめくって楽しいからアラブものなんだが、
胸糞悪くなるような主人公イジメしかない。
父親の罪を子供に償わせるというのも、どこに必然性があるのかわからん。
目には目を…で復讐を是とする「タリオ」シリーズのような爽快感もない。

さらに、アラブものとはいっても、どう考えても白人と黒人だし。
有色人種に対する差別意識がチラチラしてるのもいやだ。
BLはエンタメであり、ファンタジー。
マンディアルグやJ・ケッチャムみたいな残虐性は求めてない。
少なくとも自分はそういうスタンスだ。
主人公をいじめるのは自分野のセンシティブ系でやってくれよ~。
凌辱・複数系に入ったところで、匂うようなエロス書けてないし。
大物作家の複数凌辱系って、どーもピントが盛大にズレてることが多いんだが、
こういうのを中身ある凌辱とでも言うんだろうか?
だったら、W・バロウズでも読むよ、自分なら。
これを中身と言わなきゃならないなら、
頭空っぽだと言われるご都合アラブや複数・3P系好きでよかったと思う。
アホ上等です。しゅみじゃない×10ぐらいつけたい。

39

ofnotice

ありがとうございます。
天下の木原音瀬に喧嘩売ってんのか!?と叩かれるの覚悟でレビューつけたら(繊細チンピラな絡まれ方されるのは慣れてるし)、すごいことになってるなぁと(笑)
ちなみに木原音瀬は好きでも嫌いでもないんですが。FRAGILEは好きな作品ですが、コレはあまりに腑に落ちない点がありすぎた、というのが理由です。
一言でいえば、こういうジャンルの空気を読んでほしかったなァ。

あき

同感です!
思っていたことをすべて言葉にして下さっているので私も拝見していて気持ちの良いレビューでした。

ofnotice

ありがとうございます。ラクダだの馬だの蛇だのダチョウだの動物園状態で、怒りのヒューズが…。エログロは好物ですがここまでやらないかん理由がわからんのですよ…。

理不尽・・・

話題作なので読んでみました。確かに話に引き込まれ、エロエロな描写も萌えたのですが、父親はともかくファウジはここまでされるほど悪いことしてないんじゃ?と思ってしまいます。犯罪の実行犯の息子で性格が悪い、目撃者なのに止めなかったというだけで、何年間もあんな目に合わされるのは理不尽すぎます。

終盤のハッサンとファウジの気持ちが寄り添う所はドラマチックで盛り上がりましたが、両想いにはなったけどあれがハッピーエンドと言えるのかも疑問です。後日談でファウジが飼い猫と大差ない生活で、ハッサンも嫉妬深そうなのでファウジを他人とあまり関わらせない感じなので、あれじゃ早く老けそうだし長生きできないんじゃ?と余計な心配してしまいます。まあ本人たちが幸せならそれでいいのかもしれません。

あと私はBLの受け様に夢見すぎていて、受け様は見た目だけでなく心も綺麗な人であってほしいと思っているタイプなので、お話は面白かったんですがちょっと辛口評価にさせて頂きました。

14

鬼畜でも切ない

前半の、救いがないのに主人公もひどい男で、これがどうなるのかと思いながら読み進めましたが、最後まで読むとやっぱり木原音瀬でした。
二人とも愛情を知らないので、それがどんな形をしているのかわからなかったのでこんな歪な形になってしまったのが切なかった。
小冊子まで見てやっとほっこりしました。

8

容赦ない木原作品

久々にいろんな意味でガツンとくる木原作品でした。
購入前から木原先生のアラブものと聞いてドギマギしておりましたが予想と期待以上で興奮冷めやまぬ状態でございます。

皆さんおっしゃっていらっしゃいますが「FRAGILE」を思わせるほど容赦ないです。数々のプレイに目を覆いたくなるほどでした…。
父のせい1985回分の罪を身体で償わなければならないファウジは木原先生お得意の外貌は良いのに性格は最悪です。個人的にこういう系統のキャラって最初は嫌いなはずなのに最後には可愛くて愛おしくなるんですよね。今回もまんまとやられちゃいました。
そして彼を奴隷として買い取ったラージンの策略、特にⅡの終盤は本気で恐怖を感じました。ラージンの補佐である双子ハッサンとアントンは従順にラージンの命令を実行していくのですが彼らも辛い過去の闇を背負っています。
とにかくキャラクターの徹底ぶりがよかったですね。そしてそれが非常に魅力的でした。
最初の方で「FRAGILE」を思わせるといっていますが、キャラクター的には「セカンド・セレナーデ」の2人を思い出しました。

今回、木原先生の新たな一面を窺うことができて私は幸せです。現代ものもいいけどアラブものも私イケる!!と思いました。これまでちょっと避けてきたんですがいろいろ手に取ってみようと思います。いやーしかしながらアラブものでここまで完成度が高いといいますか、興奮のるつぼと化す作品はそうそうないでしょう。これからも木原作品楽しみにしてます♪

5

ぶれのないアラブ

『FRAGILE』が08年で、この作品の同人発表が06,07年だとすると、ひょっとして『FRAGILE』はこの作品をたたき台にして出来たもの?
そう思えるほどに、主人公が重なります。
しかし舞台がアラブだけに、その内容は日本が舞台のものとは比べ物にならないくらい残酷で容赦なく、徹底して救いがないように思えます。
しかし、書き下ろしが付いた事でその最後の最後に訪れるほんのわずかの未来への光にとてもとても救われるモノを感じるのです。
そして、日頃アラブはちょっと苦手といいつつちょこちょこ見てはおりますが、この容赦なさと残酷な現実を突きつける展開は、自分がアラブものに求める本当のアラブだったのです。

そう思えたのは、主人公のファウジを買ったファウジの父を仇とし復讐をしたいと思っていた買主のラージンにブレが一切なかったところにあると思います。
彼はファウジを抱きません。
彼の側近であるハッサンを中心にその双子の弟であるアントン、宴の客達やその奴隷たち、果ては数々の生き物などに相手をさせ、
絶望から死を望もうとするファウジに、復讐を成し遂げるまで生きながらえさせる為だけの扱いであり、そこに情けは一切存在しないからです。
そして、ファウジにはだれ一人味方はいないのです。

ファウジもまたブレがありません。
徹底的に自分の事しか考えず、どんなに酷い目に遭っても自己憐憫の感情しか持ち合わせず、文句ばかり言い酷い罵り言葉を吐く。
確かに父親の所業のとばっちりでここまでとは思いますが、賢くない外見しか取り柄のない人間だったたけに、同情の余地は一切なかったです。

そしてハッサン。
彼がキーマンでした。
復讐を成し遂げるまで、ファウジを生かしておくには希望を与えるしかない。
そこへ「恋愛」という感情を偽物であれ与えれば・・・ということでハッサンが仕掛けるのです。
それに対するファウジの酷い言動、他の黒人奴隷を誘惑して見せつけるやり方、媚び方、実に浅はかでバカで丸解りで、誰かの庇護がないと生きていけないまるきりの子供の様子に決してハッサンはほだされてはっきりした愛情をもったわけではないとは思うのですが。。。

描き下ろしの展開は見事でした。
目の見えないファウジ、声を出さず身を偽ったハッサン。
愚かでバカなファウジを愛おしく感じるその瞬間。
これだ、この瞬間を求めていたのだと・・・

笠井あゆみさんのイラストがとても素敵でした。
ファウジの容姿といい、ハッサンとアントンがアラブ混血の黒人で坊主(超短髪)という設定も、見事にその雰囲気を伝えていてよかったのでした。(ダチョウ怖かった!)

20

たまゆまま

茶鬼さん!明確なレビュー待ってました。
勝手ながら、いつもいつも茶鬼さんのレビューには、お世話になってます。
私もこんなレビューが書きたかったのですが、とても力及ばず、早々に自分は感想のみを書いて、きっと茶鬼さんがやってくれるだろうと密かに待ってました!

こちらをたたき台にして大河内が生まれたかと思うと、ますますファウジにもほの暗い愛着が湧いてきます。
あのゴ○○リ並みの生命力と精神と体の丈夫さ!BLにはなかなか見られない受けで、本当に癖になります。

趣味じゃな.....くない!


あらすじを見たとき 今まで読んだことのないタイプで、わーーちょっと無理かもなあ><
と購入するのを迷ったのですが
それでも凄く気になったので覚悟を決めて購入

はじめて読んだときファウジがあんまり好きではなかったのですが後々のハッサンに甘える姿に不覚にもきゅーんときてしまいました。
かわいい!






4

木原先生の初アラブ?!

私も、(FRAGILE)思い出しました。
①ホント木原先生、アラブ物どこまでいっちゃうの~!うわっ…濃いよ~。
②は、ちょいと、ファウジが可哀想になり…。ただの毒舌ツンデレ君のような気がし始め…ハッサン、冷静過ぎ!ラージンさんに面白がられるハズですわ~♪
③強いね。ファウジ!としかありません。普通なら、どこかで人として壊れ落ちてるはず。
ワイヤーロープのような柔軟で、鋼のプライド。…ハッサンへの恋心のみで生き抜いたとしたら…そのあたりで(T_T)でしたです。
笠井あゆみ先生のイラスト、美しくエロく、堪能させていただきました(*^▽^*)

10

大河内・アラブ版!

以前、木原さんが出した同人誌『冷血』『冷血2』とその続きが載っている。

その同人誌のテーマがタイトル通り冷血なのだが、何が冷血かって、そこで受けのファウジに対して行われる性奴隷に対する様々なショーが冷血なのではなくて、この作品の根幹である高飛車・口悪・根性悪のファウジが冷血なのではないのかと思った。

ちょっとヒヤヒヤするような、侮蔑的な言葉や差別用語を惜しげもなくポンポンと吐き出し、彼の父親が行っていた奴隷への非道な様々な行為を平然と指差し笑っていたり、「助けて」と自分へすがり付いてきた奴隷がいたこと自体を忘れているのである。
ラージンがファウジに向かい「1985回分、その身で罪を償え」と言っていることを、本当に償わさせてやりたくなる。

しかしラージンたちは奴隷に身を落したファウジといえど、最低限の食事や身体のケアをしており、ハッサンやその弟・アントンやその他の奴隷だった人々がファウジの父親より受けた酷い扱いを思うと、何ともその身勝手な発言に怒りを覚える。
アントンの方で王道冷血ものを一本余裕で出来そうな程に、受けた扱いがファウジに比べて酷かった。(アントンは不幸・健気・賢く従順という感じだし)
それに比べて、ファウジときたら自分のしてきたことを考えもしないで、ポンポンと文句や差別用語やら、人の気持ちを弄ぼうとするし、この辺がなんとも大河内感満載。

大河内とは木原さんの作品の『FRAGILE』という作品の受けである。

終盤も大河内~!と思わせてくれる見せ場が待っている。
ハッサンのことが本当に好きだったいうことがわかり、「ハッサンにもう一度会うために、どんなに辛くても生きてきた」と言い、この時点で視力が失われているのだが「見えなくてもハッサンが現れたら絶対にわかる」と言う。
別人に成りすまし、ファウジの世話係としてずっとそばにいて、今もファウジに襲い掛かっているハッサンに向かって豪語するのである。

そうなのだ、彼はまったく気づかなかったのである。
普通のBLなら気づく感動的な場面で、ハッサンも少し期待もしていたのに、目に見えなく声も発しなければ、ファウジは気づかなかったのである。
彼が愛おしいと本当に思っているその存在に。

ああ、何とも愚かなファウジ。
愚かで、根性悪で、殺しても死なないような生命力に溢れたファウジがなんとも病み付きになる。

『FRAJILE』の続きが読みたい、続きが読みたい!と思っていたら、アラブ版がここにあるではないか!大河内ってばここに姿を変えていたじゃない!
そんな発見だった。

16

茶鬼

たまゆままさま、こんにちは

こちらこそ、たまゆままさまのレビューと同じ事を感じましてそうそう!って役にたったボタンを連打したくなりましたよv
私書くことないや、って思っちゃったです(^_^;)
ファウジと大河内、この図太い神経の持ち主である受けは実にアッパレでした。
本当にその点、アントンなんかはすごく悲劇のヒロイン(?)の物語ができそうでしたよね♪
密かに、アメリカに渡ったから宗教も緩くなるしラージンと・・・?なんて妄想をしておりました。

濃密で淫靡な、閉ざされた世界。

肌は透けるように白く 
瞳は青空を映したように澄んだブルー 
癖のある柔らかい髪はハニーブロンド

石油王を父に持つ美貌の青年・ファウジ
しかし、会社が倒産し奴隷オークションにかけられてしまう。


彼を買い取ったのは、見ず知らずの富豪・ラージン
彼に連れられた館で待っていたのは耐え難い恥辱の日々だった。





絡み合う淫らな身体と、それぞれの思惑。

絶望の日々の中で、
ファウジが見出した希望は、彼の世話係・ハッサンの存在だった。


絶望し、自害しようとしたファウジに愛の言葉を囁くハッサン
しかし、それはファウジの心を捕えるための残酷な嘘であった。


言葉では拒否しながらも、次第にハッサンに心を許していくファウジ
そんなファウジを哀れだとは思いつつも、愛しているふりを続けるハッサン



ハッサンへあてつけるように、他の男との仲を見せつけるファウジ

汚い言葉でハッサンを罵りながらも、
「他の男に抱かれている俺を見ないで」と健気な一面をみせるファウジ


奴隷でありながらも、傲慢で高飛車な彼に
あくまでも主人の命令通りに、愛を囁き身体を慈しむハッサン



本当に捕えられているのはどちらか。

13

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