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yesterday wo kazoete
私がBL小説で初めて手にした小説です。実はファンタジーはあまり好まないのですがこれははまりました。なんども読み返して泣きました。この小説のおかげでBLの世界にいざなわれました。
多分泣いてしまうだろうと思い、お買い上げしたもののなかなか手を出せずにいました。
なんとなく泣きたい気分だったので読んでみるか!って気持ちに。
読んでみて… 後半のイエスタデイをひろって(攻め様視点)で、途中で本が読めなくなるくらい号泣。
や~、こんなに泣いた本は久しぶりです(;^_^A
受け様の男前っぷりには本当に本当にカッコ良くて。
本のカバーイラストを見るとただただ優しそうな印象ですが、実際はヤンキーなので言葉遣いも態度もなかなか荒々しいです。
死に纏わるお話なので、ハピエンなのか、ビターエンドなのか、バッドエンドなのか読んで確かめて欲しいです。(たくさんレビューがついているので…どんなエンドなのかはバレバレなのですが…)
私には死に纏わる部分がものすごく心に響いたし、
読後、二人の優しい愛と二人の友愛に「あ~読んで良かったなー」って温かい気持ちになりました。
涙腺が弱いせいでもあったが、1ページ目からホロリとなってしまった。前半は本当にしんどい。死にたくなかったのに死んでしまった、好きなのに近づけてはいけない、好かれているのに拒まなけれなならない、ひとりで泣かせるつもりじゃなかったのにそばにいてやれない…もどかしさに心が痛む。けれどどれだけすれ違わせようとしても、彼らは運命のようにまた同じ道を選んでしまう。
ここまではすごくよかったが、そんなに簡単に生き返させるのはあれ?ってちょっと個人的に納得できなかった。「愛の力」って言ってもね…
最近「パターン化」されているBL業界ではバッドエンドを書いてはいけないという暗黙の規則のようなものがあるらしい。わたしはバッドエンドなら必ずしも悪い話だとは思わない。逆に悲劇だからこそ傑作と評価される作品のほうが多い気がする。
でもそれはこの作品がいいか悪いかとは話が別だ。この作品はデビュー作にしてはすごくいい出来だと思ってるし、新人賞も獲ったらしい。切なくて最後まで泣いてた。いい作品と出会えて嬉しかった!綾ちはる先生の初読みはこの作品でよかった。
付き合い始めて半年、ラブラブな二人ですが
受け様三島は交通事故で死んでしまいます。
まだ、攻め様椿に言葉で「好き」と言っていなかった。
心残りがあるので、迎えに来た死神さんに
三島は椿に出会う少し前にもどしてくれ、人生をやり直したいと。
その願いは聞き入れられました。
三島は、将来くる椿の嘆き悲しみを避けたいので
カップルにならないように画策するのです。
以下激しくネタばれ!注意!
文章を引用しています!
感動する場面は
「椿…」
「三島、好きだよ」
知っている
「…俺は、嫌い、だ」
「ねぇ、知ってる?三島」
「三島、そう言う度に自分がどんな顔しているか」
「だから僕、三島がそういう度に」
「好きだと言われている気がするんだ」
とても素敵なお話でした(^-^)
ドラマCDが気になって、しかし死にネタ?
バッドなの?っと思ったら、レビューでハッピーエンドだという事だったので
ドラマCD聴いてから、小説も読んでみました
うん、泣ける。なんかもう....
NLだったら泣けなかったと思うけど、BLだから泣けたw
よかった!凄く良かったよ!オチまでは.....
うん。なんか今までの感動が一気に冷めたと言うか
ハッピーエンドで嬉しいからいいんだけど....
え!?そんなんでいいの?
そんな簡単な事でいいんです!?ってなってしまいましたね
オチが....もっと違う感じにしててくれていたら納得というかスッキリいけたね
椿も納得してないから、そりゃあ読者も納得してないよwww
まぁそれがファンタジーなんだもんね
後半の椿視点の話は....
冬至は死んですぐ死神復活してたけど
椿の方は何日経ってんの?って思わずツッコミしてしまった
しかし、人間ってもんは大切な人が急に居なくなってしまっまっても実感がわかないもので
葬式やら色々やっていると泣く事も忘れてしまい
冬至の最後の言葉「好きだ」の一言で冬至の死を受け入れてしまうのだ....
ここまマジで泣けますね。あの時言いかけて、やめた言葉を
こういう形で聞きたくなかったよね....椿辛すぎるぅぅぅ
長谷川ぁぁもっと早くいってやれよぉ(笑
それと、最後の死神の言葉で「もっと我侭になってもいい」という言葉
やり直しの時の椿は覚えていなくても意識していたのかもねぇ
BLに限らず、わりとよくある死神ネタです。
ラストはなんとなく想像できるとはいえ、私は好きです。
物語の冒頭で突然死んでしまった冬至。ひとつだけ願いを叶えてくれるという死神に「人生をやり直したい」と願う。大切な恋人椿が、自分を失くして悲しむのが辛いと考え、今度は恋人にならない選択をすると決断。
一年前に戻った冬至は、椿を冷たくあしらう様努力するものの惹かれ合う気持ちには抗えなかった。
冬至の死期が迫り、椿も何かしらに気づいて「どこに行くの」「僕も、連れてってよ」というシーンは胸が痛くなりました。何度拒絶されても、どうやっても冬至を好きになるという椿。「俺なんか、死ねばいい」と言う冬至に涙腺は完全に崩壊しました。椿のことが、本当は好きで好きでしょうがない。だけど苦しませたくないから、拒絶した。
幸せになって欲しいが為の冷たい態度だったのに、逆に傷つけてしまった。椿も辛かっただろうけど、冬至も相当に苦しかったことでしょう。
結局あの死神二人は、冬至がどう望んでも助けてあげるつもりだったように感じます。なぜなら二人は…。
切ない話が大の好物なのですが、バッドエンドは避けたかったので、なかなか積み本から抜けませんでした。
こちらで皆さんのレビューを参考にしつつ、バッドエンドではないようなので、期待半分不安半分で読みました。
う、うぅーん…。確かに他の方が仰るように肩透かし感は半端なかったです。
ラストまでは泣きました。冬至の痛いくらいに椿を想っての行動や言動。思い出があるからこそ、引っ張られる自分の感情との葛藤。
ハラハラして盛り上がってきたぁぁああ!って所でストンと落とされる感じでした。ゴールがもう少し先に見えているのに、いきなり途中で穴に落とされて、実はそこがゴールですよ〜、はい終了〜と言われたような…。
イエスタデイをひろって、では椿が冬至の死を受け入れられない状況に一緒に感情移入しつつ、泣きました。
そしてやっぱり同じ肩透かし感。
何だろう…。ハピエンにするにしても、もう少し何か捻って欲しかった。あの死神たちの存在する理由にもっと深い意味があれば…とか。
悪くはないんですが、もっとこう、こうさっ!……っっないのか!?と1人悶絶しましたwつまりは消化不良なんです。
私は基本的にご都合主義な話でも、そんなもんなんだろうと割り切ることが出来るんですが、これはまた違う意味で割り切るにはもう少し、何かのエッセンスが不足している気がします。
ラストまでが凄く良かっただけに、ガクッとくる脱力感は否めない。
納得が出来るようで出来ない宙ぶらりんにさせられる作品でした。(惜しいからこそです!)
今後に期待したいです。
高評価が多いため、すごく期待して読みました。ですが、大変な肩すかし感が…。
結末に、納得がいかないのです。
作中に、
「納得のいかない顔をしてらっしゃいますね」
「そんな屁理屈が通るものなのか~」
という言葉があるのですが、全力で「その通りだー! 私は納得していないし、屁理屈に思えるぞ」と言おう。
表題作の「イエスタデイをかぞえて」の終盤まで、死んだ冬至が1年前からの人生をやり直すのに、恋人だった椿と「恋人になるまい、なるまい」と努力していき、どんどん追い詰められていく描写の切なさは、実にすばらしい。読みながら「ぜひ、このままの切なさで突っ走って、号泣のエンドへ行って欲しい」と、私は思ってしまったのです。ところがこの納得いかないエンドでございました。
続編「イエスタデイをひろって」も、冬至に死なれた椿の引き裂かれた心情と、実は明かされる長い冬至への片想いのストーリーが実にいい。が、このエンドに、私はまたひっかかってしまうのでした。
なにかが実に惜しいです。
さて、冬至視点での「イエスタデイをかぞえて」で、冬至が椿を「かわいい」と思うところがありました。あれれ? 小柄な冬至が攻め? どっちがどっちなの? 私は「いざというときまで受け攻めがわからない」ストーリーが好みなので、本当に「いざというときまで」疑問を引っ張ってくれておいしかったです。
本作は、作者・綾ちはるさんのデビュー作だそうですね。
生意気ですが、デビュー作「イエスタデイをかぞえて」と、文庫書き下ろし「イエスタデイをひろって」とでは、格段にストーリー・文章ともに作家としてご成長された跡が伺えました。このような足跡が読めるのも、読者として本を読む楽しみです。
これがデビュー作ということで、生き残りの厳しい小説界に非常に勢いを感じる作家さんが現れた、と嬉しくなりました。
安易な死ネタは好まないのですが、バッドエンドも好きなので、正直表題作だけでは評価は【萌】だったと思います。
というのも、ハッピーエンドに持って行くためにかなりのパワープレイをしたな、というのが手に取るように分かるくらいの無理くり感があるのです。
そんなあからさまなご都合エンドにするくらいなら、思い切って死なせておいて、転生ものにでも切り替えてくれた方が私は満足したかなと思います。
このラストはどういうことか頭を捻るし、どう考えても無理があるしで、そこまでの感動を返せって思ったほどです。
もの凄い消化不良感と「愛の力」なんていう使い古された感満載な言葉で締めくくられた不可解エンドにムカムカしながら読み始めた書き下ろし、攻の椿視点になってから評価が覆りました。
こちらは本編では書かれなかった、受の冬至が死んでからの話になってます。
受が死んでしまったことを受け入れられずにいる攻視点で、過去と現在を行き来する形でストーリーが進みます。
表題作もこちらも、結末が見えているので涙無しには読めないのですが、攻のあまりの切なさに涙腺崩壊。
最後がやっぱり微妙にご都合ではあるし、死神必要だったかと疑問は残るのですが、双方視点で読んではじめて完成された話になってます。
昨今のBL小説事情を考えた時に、こんな感じのラストにしないといけない、というのは理解してますが、そろそろ変化球でJUNE的な救いのない話が来てもいいと思うんだけどなぁ……。
なんだか出版社側が安定して売れると思ってる路線と、読者側の求めてる路線が平行線で交わらないというか。
売れなきゃ困るのはわかるけど、この作家さんのように新人作家さんの冒険をもっと許して欲しいなと思いました。
とはいえ、どんな凄い話が書ける人でも、デビューしないことには好きな話も書かせてもらえないと思うので、とりあえずはデビューしたことだし、人気作家さんになってアウトローな作品を発表されることを期待してます。
応援の意味も込めて今後作家買い決定。
恋人が死ぬ・・ということが決まってるストーリーだつたので
本は手元にあったものの、なかなか読めずにいました。
「これ読んだらぜったい泣くでしょ」と思いながら・・
案の定、私の場合嗚咽ではなく、かなり号泣に近かったです。
冬至目線、椿目線で書かれていることにより
どちらの気持ちにも感情移入できるのです。
最初は冬至。
自分が死ぬとわかって、あんなに愛していた椿を突き放し
自分と関わらないように仕向ける・・・
一度経験したことが蘇り、二人で過ごした時間を思い出しながら。
辛くて悲しくて何度もくじけそうになりながらも
愛する椿のために、心を鬼にして。
自分では鬼のつもりが、椿にはそう映ってなかったんですね。
だって嫌いになれるはずがないんですから。
椿目線は、主に冬至が亡くなってからのことが書かれています。
誰よりも愛していて、誰よりも大切で、
これからもずっと一緒にいるはずだった人がある日突然いなくなってしまう。
どんなに願っても、もう戻ってくることはない・・・
人間て本当に大切な人を突然亡くしその事実を受け入れることができないと
涙も出なくて、思考が停止してしまったように
そこで時間が止まってしまうものなんですね。
椿も冬至の死を頭では理解しているようで、心では理解していない。
そこにもう冬至はいない・・とわかっていても
椿の心がそれを認めてはいない。
長谷川から冬至の最後の言葉を伝えられたとき、冬至はもういない
もう触れることも言葉を交わすこともできないと気づき
初めて涙を流すっことができた椿に読んでるこっちも号泣。
今まで言葉に出さなかったけど、お互いにちゃんとわかっていた
「好きだ」こんな短い言葉がこんなにも衝撃的だったとは・・・
今までわかっているているようでわかっていなかった
ふわふわとさまよっていたかのようなはっきりしない感情から
冬至がもうそこにいないという
現実の世界に一気に突き落とされるような感覚。
そして、印象に残ったのは冬至の部屋を片付けていたお母さんと
椿との会話の中の『携帯電話』の話。
椿からのメールに冬至が保護をかけていた・・
たったそれだけで、泣けました。
男の子が恋人(男)からのメールに保護ですよ。
グッとくるじゃないですか・・
理解あるお母さん、そのメールでピンと来たんですね。
そして椿が持っていた合鍵で2人の関係に気付いたうえで
椿にお礼を言ってくれたお母さん、素敵でした。
そして、長谷川くんはじめたくさんの脇キャラもそれぞれ光っていて
お話を盛り上げてくれていました。
とにかくハッピーエンドで安心しました。
私、こんなに泣いたのに・・・
大学卒業後の2人もなかなかラブラブですが
番外編ペーパーのもっとその後の2人は更に熱くて・・・
切なくも甘く優しいお話でした。
ただ死神の件は、私のような単純な人間にはちょっと理解しにくかったです。
ドラマCDを先に聞きました。
どうしてもドラマCDのサンプルを聞いて、
この物語を知りたくなり、
CDも本も購入した次第です。
ドラマCDを聴いた後、
すぐに小説を読み始めました。
小説を読み始める前に「ここだけは抑えたい!」と
思ったポイントは2つ。
●ドラマCDで聴いた切なさは、文章になるとどうなるのか?
●ドラマCDでは分からなかった謎は、
詳細に事柄を述べてある小説では、解明できるのか?
そう思いながら、ページをめくり始めました。
ドラマCDは、かなり忠実に再現されていたんだなぁと思うほど
小説の文面でも切ない!
その時、その場所の絵がまるで
目の前に繰り広げられているようで、
三島(受け)と椿(攻め)の心情を思うと、
胸を締め付けられるようでした。
突然の事故で死亡してしまう三島。
死神に願ったのは、残してきた恋人・椿と
恋仲にならないように人生をやり直すことでした。
椿と出会わないように、会話をしないように、
突き放すように、こっぴどく扱おうとする三島……。
それらが全て椿への愛情そのものだったので、
読んでいて、胸がぎゅーっとなりました。
そこまで、三島の決意は、固かったのか……と。
でも行動が裏目に出てしまい、徐々に距離を縮めていくふたり…。
「おまえなんか、嫌いだ」と
三島は、椿へ何回言ったでしょうか。
何回苦しい思いをしながら、その言葉を吐き出したんでしょうか。
それを想像するだけで、頭がクラリとします。
人生をやり直す途中のクライマックス。
三島は雨の中、初めて椿の携帯に電話します。
椿は全部最初から分かっていたんですね。
三島が「嫌いだ」と何度もいう理由が…。
それが本当は「好きだ」と言っているということが。
雨の中、全てを捨てて、三島は椿の腕の中に飛び込みます。
「椿、……助けてくれ」
と。
三島は一体何に対して椿に「助けてくれ」と
言ったのでしょうか。
死ぬことに対して?
椿を思うことに対して?
椿を裏切っていることに対して?
やはり、三島は生きたかったのだと思います。
最愛の人・椿の隣に並んで。
それに対しての「助けてくれ」との懇願だったと
考えています。
そして、後半。
「イエスタデイをひろって」
これもとてつもなく切なかったです。
前半が三島視点で描かれているのに対し、
後半は椿視点で描かれていました。
三島を永遠に失った椿。
それなのに、葬式になっても、大学に行き始めても
涙も出ない椿……。
「お願いだから、早く三島の死を認識して。
そして、狂おしいほど悲しんで」
と、思いましたね…。
やはり椿には、自分の心に正直にあって欲しかったんです。
ついに、堰を切って三島の死を認識し、
張り裂けんばかりに悲しみを受け入れ始めた椿。
見ていて、切なかった…。
胸が張り裂けそうなほど切なかったです。
しかし、物語はドラマが有り、ハッピーエンドに。
心温まるラストシーンでした。
今まで辛かった分、本当に胸がほっこりして
心から「良かったね」と言いたかったです。
最初、心につかえていた謎も解け、
私としても心から祝福できるラストでした。
BLアワード2014の小説部門にもランキングされていて気にはなっていたのですが、痛い話かなあと手に取ることはなかったのです。でもちるちるさんのBLニュースでCDになるとの記事を拝見。興味をそそられ読んでみました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
初っ端から人の死という重い出だしで始まるので、最後まで読み切れるかと危惧したのですが、ストーリー展開が非常にお上手であっという間に引き込まれてしまいました。
死んだときに一つだけ願いを聞いてくれるという、その発想も良かったし、「恋人を残していくのが心残りだから『恋人にならないように』出会ってからの1年間をやり直したい」という展開もユニークで面白いと思いました。
恋人を悲しませたくないと願う受けの冬至。
どんなに冷たくされても相手を思い続ける攻めの武彦。
二人の抱える恋心に思わずウルっとしました。
ストーリーとしては、この二人がどうなるのかは予想がついてしまうのですが、過去の回想と今の二人を、それぞれの視点で書かれているので話に入りやすく、また感情移入しやすい。
二人を取り囲むキャラたちも非常に魅力的でした。長谷川くんや由香子はもちろん、やなヤツキャラの広岡も「あ~、こういう奴っているよね」と思える。冬至にしろ武彦にしろ、お互い恋心を抱くようになるまでの過程も無理がない。これがデビュー作と聞いてびっくり。とても完成度が高い作品でした。
ただ一つ。死神についてです。この二人が冬至たちを救った死神なら、始めに冬至の元に来た死神は誰なの?願いが叶ったってことは二人は消滅しちゃうの?とかちょっとグルグル考えてしまった。あまり深く考えたらいけないのかもしれないけど。
読後はほっこりと温かい気持ちになるお話でした。
淡々と落ち着いていて、
ずっと心の中に小雨が降っているような話でした。
非日常的、人が亡くなる話なのだから切なくないわけないと思う中でも、
メールの保護や
伝えていなかった、伝えたかった好きだの言葉には涙。
在り来たりといえば在り来たりだけれどこの選択をした冬至始めこれを書き続けた作者さんは凄いなぁと。
個人的には、武彦も冬至もモテる設定の無いごく普通の大学生であったらより感動したかと思います。正直少し意味のない設定だったような気がして。
それから広岡にも何か意外性がほしい(笑)
彼らの立場、逆でも感動しただろうな〜。
結果的に(浮かぶ)ふたりが見れてよかった。
内容はざっくり言ってしまうと、大学生の三島冬至がある日、不慮の事故で死んでしまう。
死後に死神から1つだけ願いを叶える(但し生き返ることは当然ダメ)と言われ、「それなら自分の恋人と恋仲にならないように、二人が出逢った1年前から人生をやり直したい」と願うことからストーリーは始まるが・・・、
冬至がせっかく1年前に戻り、恋人である椿を何とか遠ざけようとするのに、意に反して椿は冬至に「友達になって欲しい」と近寄ってくる。椿はかなり手強く、「お前なんか嫌い」と言っても「僕は三島くんのストーカーだから」とニコニコ顔で一歩も引かない。
「経済学部の王子様」ともあだ名される程、容姿端麗・物腰優雅・学業優秀の王子様からのアタックに冬至の友人も攻略?され、いつの間にか友人達と一緒に行動するようになっていくうちに2人の距離は段々近付いていってしまう。
自分が死んだ後に悲しまないように、となるべく椿を避けつつも、ふとした椿の体調の変化や心情を見過ごせず、ついつい構ってしまう。けれども、どんなに椿に「好き」と言われても「俺はお前なんか嫌い」と答えざるを得ない冬至の気持ちが痛いほど切ない・・・
厳しく言うと、本当に死神に伝えた願いを叶えたければ、椿に中地半端に優しくせずに、最初からとことん突き放せばいいと思うんだけれども、どうしても恋人のSOSを見逃せず、また想いを立ちきれない冬至の気持ちが丹念に描かれていて、相反する想いにがんじがらめになっていく冬至に凄く凄く人間性を感じました。
きっと自分も同じ立場になったら、こうなっちゃうんだろうなぁ・・
ラスト付近で死期まであと数日に迫った冬至が椿を本格的に突き放そうとした際に、何かを悟った椿が必死にしがみつき、「ねぇ、どこに行くの。僕も、連れてってよ」という場面はもう・・、2人の幸せを心から祈らずにいられないです。
ちなみに、冬至視点が第1部で、椿視点のお話が第2部に入っています。こちらは椿が冬至と出逢った過去のお話と冬至が亡くなってからのお話が交互に語られていて、ストーリーの完成度としてはこちらが上かも。自分は2部を読んででついに涙腺が緩んじゃいました・・。
お話の構成や魅力溢れるキャラの描き方が上手なので、こちらがデビュー作と知ってびっくりしました。
全体的には甘いところもありますが、恋人への愛だけじゃなく、友人への愛情、家族への愛情が沢山含まれているこの作品で、久しぶりに温かい涙を流せました。
ちょっと疲れたなぁという時にお勧めの1冊です。
綾ちはるさるのデビュー文庫。
評価が高いのは知っていたのですが、『死』や『別れ』だとか、自身がヘタレなため読めないので避けていました。
でも、今回アワードにノミネートされていましたので、購入してみました。
受けの冬至は現在21歳、文学部の大学生。
ぶっきらぼうで粗暴に見えがちですが、他人を気遣える青年。
攻めの椿は、冬至の恋人。
繊細だが強さも兼ね備えた男。
大学では『経済学部の王子様』と称されています。
21歳の10月25日、事故にあって死んだ冬至の前に現れた死神。
彼は、ひとつだけ願いを叶えてくれるという。
半年前からつきあい始めた冬至と椿。
冬至は椿とつきあい出す前、死んだ一年前に戻り、椿と恋仲にならないようやり直したいと希望する。
せめて自分が死んだ後、恋人が悲しまないようにと。
思い切り純愛話です。
椿が王子様系攻めでわたしの好みドンピシャだったため、ハマったのはもちろんですが、冬至が縁を断ち切ろうと「嫌いだ」と返事をするたびに、このふたりはがどうなるのか気になりました。
ただ、冬至の決意ほどには冷たくも突き放すこともできていなかったのが、中途半端だったかな。
もう少し徹底しながらも苦しむさまがあった方が、泣けたかもしれません。
ラストの対決はちょっと設定に肩透かし感が否めませんでしたし、迫力不足でしたが、死神の正体なんかはアッとさせられました。
書き下ろしの『イエスタデイをひろって』は椿目線です。
三年前、椿が冬至に初めて出会った頃に戻ります。
そこから事故で冬至が亡くなった場面になったりと、時間軸が変化しますが、特にわかりにくいということはなかったです。
こちらの書き下ろし作の方が、スッと入り込んで読めたからかもしれません。
この時のお話で、椿が『王子様』ではなく『シンデレラ』であって、だからよけい『王子様』と外見を褒め称えられることが嫌なのがわかりました。
それに海の話も。
本編で椿が行きたがっていたのは冬至の田舎の福井の海だとはわかっていましたが、ただたんに冬至の田舎だからだと思っていたんです。
こういうエピソードがあってのことだったのかあと、妙に納得し、椿の乙女っぷりにこそばゆかったです(笑
黒沢要さんのイラストは初めて見たかな?とも思うのですが、この作品のどこかファンタジックで物悲しい雰囲気にひじょうにあっていて、素敵でした。
ちるちるさんで高評価なうえ私の大好きな路線だったので、すぐ本屋へ買いにいきました。
内容は皆さんが書かれているので、私は読んで涙してしまうくらいジーンときたこと、買っ
て良かったと思った事を伝えたくてレビューを書きました。
これから頑張って欲しい作家さんだと思いました。
できればもうちょっと続きも読みたいなー☆
受け様の冬至目線と、攻め様の武彦目線の二部構成のお話。
どちらも相手に対する想いに溢れていて、
読んでる間中、切なくて切なくて胸がキュンキュン痛かったです。
『イエスタデイをかぞえて』は、事故で死んでしまった冬至が、
死神に最後の願いを叶えてもらうところから始まります。
武彦が、自分が死んだ後にどれだけ心を痛めるか、立ち直るのに時間がかかるか。
恋人を悲しませたくない、独りで泣かせたくない。
ただそれだけが冬至の願いだったんです。
そして、死ぬ運命が変えられないのであれば、せめて武彦と恋仲にならないよう、
死神によって出会った一年前からやり直しますが・・・
本当は心から愛する人を。
相手にも強く想われていて恋人になれるはずだった人を。
嫌いだと偽って拒むことが、これ程哀しく痛いとは思いませんでした。
冬至が、武彦と出会わないように、関わらないように、
痛む心を必死に抑えて避け続けているのに、何故か運命は二人を引き寄せます。
武彦を傷つけるたびに、それ以上に自分が傷つく冬至。
辛すぎて苦しくて、読んでいて何度ももらい泣きしてしまいました。
「悲しませたくないから、出会わない」という冬至の選択の是非は、
とりあえず脇に置いておきます。
「自分は死んでしまった」と知って混乱している中、
自分か居なくなってしまった後の恋人を想う余りの、ただ一つの願いだったんです。
なのに・・・
運命の日の三日前。
全編通して泣きましたが、ここはもう、冬至が可哀想で可哀想で・・・
心の中の葛藤に引き裂かれるような冬至の姿に、私も一緒に号泣しました。
『イエスタデイをひろって 』は、冬至が事故で死んでからと、
三年前に初めて二人が出会ってからの武彦の思い出を、
交互に絡めて武彦目線で話が進んでいきます。
冬至は出会いは一年前だと思ってましたが、本当は三年前だったんですね。
武彦が、どれだけ冬至に救われたか、冬至を想っていたかが分かります。
こちらは、冬至が一年をやり直す前と冬至が死んでからの話なので、
『イエスタデイをかぞえて』とどう話が繋がるのかと思いましたが・・・
誕生日にもらった未来の約束。夢であり、夢でない記憶の中で。
その約束を、もう一度二人で交し合う・・・
染み入るようなハッピーエンドに、心から感動しました。
恋人との待ち合わせに急ぐ主人公が急死、そこから始まる切なくてもどかしい話でした。
生き返って、死ぬまでの人生をやり直せる。
主人公の冬至が、死の使者から選んだのは、椿と恋人になる前の1年前からのやり直しでした。
また死ぬことは決まっているから、残された椿の悲しみを慮って、再スタートは恋人にならないように頑張るのです。
生き返った冬至は、椿に近付かないようにするんだけど、冬至以外の人達にも生前と同じ1年だから上手くいかない。
運命とばかりに、恋人になるよう仕向けられているみたいです。
冬至には自分の最期の日までの記憶があるから、椿のこれからの言動が分っていて、自分が椿にどう感動してどう恋になったか、また再確認させられる訳で。
それで、恋心も辛さも何倍にもなる。
冬至の持って行き場のない思いに心がぎゅっとなります(泣)゛
もう1話、椿視点の話が入っています。
椿が冬至と恋人となるずっと前から、もっと奥底、執着し愛し下賜付く存在としていたことが読み取れました。
やはり切ない話ですが、椿を思っての冬至の思惑は、椿になんら影響しなかったんじゃないか?と、椿の思いの強さが印象深かったです。
最近、こういう痛さが特化された作品に出会えていなかったので、新鮮であってなつかしいなと思いました。
2人の恋以外にも、2人をつなぐ日常や優しい仲間のエピソードも多く加えられ、そして文章の雰囲気から、榎田先生の「魚住くん」を読んだ時のようなインパクトでした。
自分の中の最上の褒め言葉なんですが、どうでしょう?
ただですね、
死の使者の老人2人の存在と、今現在の冬至と椿との関わりが疑問で、輪廻じゃなくなるから、パラレルワールドの冬至と椿?
永い繋がりが言いたかったのかも知れませんが、自分には今一不可解な存在でした。
もう1つ、また自分だけかも?なんですが、
ガラケー、クエストなどの語句は、文章が軽くなる・きれいではない感じがしました。
他に置き換えられる言葉があるので、そちらを使って欲しかったです。
切なさにふるふるしていても、それらが目に入ると冷めてしまうので残念でした。
でも、最近の新人賞の中の1番だったのは確かじゃないでしょうか。
次の作品が気になりますv
もしも、自分が死ぬとわかった時守りたい物は何ですか?
それは、愛する人の心。
素直じゃなかった自分、ひたすら優しかった恋人。自分が死んでしまったら、この優しい恋人の心はどれほど傷ついてしまうのか…
彼の心を守る為もしも人生がやり直せるなら、恋人にはならない!
恋人にならない様に冷たく接する三島、それでもひたむきに想いをよせて来る椿。
切なくて切なくて、涙が止まりませんでした。
今まで読んだ中で断トツの1番です!!
最後はhappy endなので是非たくさんの人に読んでもらいたいです!
主人公の死から物語が始まるという衝撃と、最愛の恋人のために、相手と恋人同士になる前・関わる前に戻ってやり直すというあらすじに惹かれ、購入しました。
やり直しても、いずれ主人公が死んでしまう事が確定している状態で、独特のハラハラ感があります。
主人公と相手役の椿くんに感情移入すればするほど、読み手まで一緒になって、どうか二人で幸せに生き続けて欲しいと祈ってしまうような作品です。
○冬至さんの印象○
ぶっきらぼうな言動で少し乱暴な印象を与えますが、かなり不器用で結構優しい人というイメージを受けます。
椿さんとはまた違った範囲で人望のある感じがし、また、生活力があるところが格好良いなと思いました。
○椿さんの印象○
周囲から見ると上品・綺麗・有能・人当たりも良いといった完璧さですが、そこに至るまでの過程を知ると、一気に人間味が増して近しく感じられます。
ひねくれたり、もっと人間不信になったりしてもおかしくない出来事を経てもなお、心根がまっすぐなので、完璧に見えても嫌味さを感じさせません。
お話は、一話目が冬至さん視点。二話目で椿さんの視点から、冬至さん視点では見えなかった事を伝えてくれます。
一話目では主人公の冬至さんの中途半端さ、椿さんと関わらない為の行動を自分のミスや不器用さでことごとく失敗し、いざ近付かれると拒みきれず、ズルズルと関わっていってしまうところが目に付きます。
恋人にならなくても、相手が自分に恋焦がれてしまったら、もうその時点でやり直した意味がないと思うので…主人公の思い切れなさがもどかしい。
椿さんから関わってこられるようになっても、自分から何か行動を起こして相手を離れさせようとする事が出来ないため、葛藤からくる波乱の大半は現実に表出することなく、主人公の内心で展開されています。
そのため、物語全体から見ると大きな動きもなく、メリハリに欠けるかもかも知れません。
もう少し冬至さんが頑張って上手く立ち回ってくれていたら、椿さんとの駆け引きにもスリルが生まれ、盛り上がりがあったんじゃないかなと。
あまりにも上手くいっていなかったため、私は少し冬至さんの覚悟のほどを疑ってしまいました。
二話目で椿さん視点から見た冬至さんを知り、印象がかなり変わります。
個人的にううん…?と感じてしまっていた主人公の人間的魅力が分かるエピソードが明かされてゆくので、若干私の中でネックとなっていた主人公への印象が改善され、素直に二人ともを好きになる事が出来ました。
一話目では主人公自身ですら覚えていなかった二人の本当の初めての出会いが、とても素敵です。
なぜ椿さんが冬至さんをすごく好きでいるのか、その過程に納得。
椿さんが王子様と呼ばれるまでの経緯も分かり、完璧ってだけじゃない、椿さんの人間味と、そこからくる魅力も伝わってきます。
全て読み終える頃には、良いお話だったなぁという印象。
幸せな結末を迎えられて良かったです。
アンハッピーから始まる奇跡のファンタジーラブって感じでしょうか。
ショコラ新人賞受賞作品なのですがこれは期待以上に面白かった。
賞を取ったからと言って全てが面白いと感じるものでは無いけれど、
ファンタジー好きの私にはかなりツボを突いた作品で感動までしてしまった。
大学の同期で恋人同士の三島と椿、物語は三島の事故死から始めると言う悲劇的なもの。
恋人との関係で、今まで生きてきた中で1番幸せで、いつ死んでもいいと思えるくらい
幸せの中にいた三島がまさかの急死。
そんな三島の前に二人の死神が現れ、三島の最後の願いを叶えてくれると言う言葉に
三島が願ったのが、恋人と知り合う前の1年前からやり直したいと言う願い。
それは、自分がいなくなった後に残された椿の事を思い、恋人にならない道を
1年前からやり直すと言う三島の恋人を想う精一杯の気持ちなんです。
やり直すことになった時間、でも運命は皮肉なもので同じような展開に
なるように仕組まれているような流れですね。
それを必死で気持ちを押し殺し、恋人だった相手を辛辣に避け、自身が傷つく。
愛しているから、悲しませたくないから、初めから接点の無い関係になろうと
必死でタイムリミットをやり直す三島。
読み進めていくと切ないまでの恋心が胸に染み入るのです。
それに読んでいて自分の勘違いも後半で気がつきました、三島はてっきり攻めだと
思って読んでいたら、受けでびっくりしちゃいました(笑)
勝手な勘違いなのですが、三島のやんちゃな感じや椿に対しての言動での勘違い。
それも個人的には面白かった訳なのです。
表題が三島視点での話で、同時収録されている話が椿視点での話。
1冊で2度美味しい読み応えたっぷりの作品です。
ただ、椿視点の後半は何度も涙に邪魔されて読めなくなってしまうと言う
かなり大変な状態になりました、不覚にもボロ泣きしてしまうのです。
三島視点よりも椿視点の方が、椿の三島が思っていた以上の想いが凝縮していて、
相手の死が全然信じられない現象と言うのは、読んでいても苦しいものでした。
こんな作品を書いてくれる作家さんに出会えたのが嬉しくなる作品でもありました。
あの死神も愛ゆえの存在ですね。
思わず泣いてしまいました!
前半は、ありがちなタイムループものという印象でしたが
後半がスゴイ。
あえて時系列をバラバラにし、個々のエピソードを補完することで
時を経ても変わらない大きな愛がすごく伝わってきます☆
付き合って半年の恋人・武彦との待ち合わせ場所に向かう途中、
トラックに跳ねられ死亡した大学三年生の冬至。
ひとつだけ願いを叶えてくれるという死神に、武彦と出会う一年前から
やり直させてくれと頼む。
武彦と恋人にならなければ、
自分の死が、これから就活や卒論もある武彦を苦しめることもないだろうと。
死神の力で、記憶を保ったまま1年前(二年生の10月)からやり直す冬至。
生前と同じように、たまたま同じ授業で出会う学部の違う二人。
美形で成績優秀、品行方正で「経済学部の王子様」と呼ばれる武彦が、
一見チャラチャラした外見・態度の、正反対のタイプの冬至を
とても気に入り、仲良くなろうとする。
いつも優しい武彦に冷たくすることに苦しみながら、
それでもそれぞれの友人を交えての友達付き合いが続く。
そして、冬至が死んでしまう10月が訪れ…。
ぶっきらぼうだが、本当はとても優しい冬至。
自分の死が、武彦や友人、老いた親を悲しませることに苦しみながら日々を過ごす。
生前も今も、武彦にはそんな冬至の優しさが分かるから、
どんなに冷たくされても諦めない。
後半の武彦視点の話で分かるのですが、武彦は1年前よりずっと以前に冬至に助けられたことがあり、冬至への恋心は、武彦の生い立ちからするととても必然的に思えました。
全てを知ったあと、命をかけて死神から冬至を守る。
お互いが自分より相手を思いやる愛を見せたことで起こる奇跡は、
死神の気まぐれのようで、実は必然でもあり、ホントに「愛の力」によるものです。
ファンタジーやSFとして読むと、ご都合主義な面もあります。
しかし、死と再生という切り口で二人の半生、恋を咀嚼することで
多くの人や出来事に支えられ出来ている人生の重みというものが伝わり、
深みあるラブストーリーに仕上がっています。
それぞれの家族や、ラブラドールのマリア、
そして、二人の関係に戸惑いつつも応援してくれる大学の友人たち。
それぞれのエピソードが大変印象的で、特に二人を見守る友人たちのスタンスが好きでした。こういう友達は一生モノだと思います。
社会人になっても、皺くちゃになっても、死んでしまっても、
いつまでも仲良く手をつないで一緒にいる二人の未来を、
作品の中でさりげなく見せてくれる。
読後はあたたかく幸せな気持ちになれる素敵な作品でした☆