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sonochi qa yoru wo madowaseru
バンパイアものなのですが、一般的にBLでよく見かける吸血鬼とは少しイメージが
違うように感じます、それに裏切り者が出てくるのですが、それも吸血鬼と野犬の
凶暴化したものを足したようなイメージです。
主役の聖弥はたった一人の家族だった妹を亡くし失意の中にいて、残された物は
誰も住んでいない家を妹の入院治療でかかった二十歳の聖弥にとっては大きな借金。
それでも高校卒業から友人の兄に直々にスカウトされて働いている高級クラブで
働きながら返済をしている。
初めの異変は仕事中に犬の遠吠えを聞いた事から始まり、野犬が敷地に入ったのかと
思っていた時に突然現れた超絶美形の外国人男性。
初対面でいきなり顎を掴まれ瞳を覗きこまれる事態になるがビックリしたのもつかの間
その美形は目に前から消えてしまう。
お店の客かと思っていたら、やはりそうで大金を使い華やかに女性を何人も連れ、
クラブ遊びをする、それがテオドールだった。
そしてクラブの帰り道に野犬に襲われそうになったと思ったらそれは見た目人間なのに
何故か首に齧りつかれ、このまま血を吸われて死んでしまうのかと思った時に
店で会ったテオドールに助けられるのだが、その助け方が普通の人間ではありえない
跳躍を繰り返し、驚愕してる間に自宅へ押し込まれる。
はっきりした理由も解らず、それでも助けられたお礼を言えば今度は相手に驚愕される。
テオドールと店の裏庭で会った事も店のお客としていた事も忘れていないと言う事実が
テオドールにとってありえない展開。
聖弥にとっては、何故自分が襲われそうになったのか、襲ったあの人間とは思えない
凶暴な人物が誰なのか、しかし全て知っているようなテオドールは何も教えてくれず、
冷たくクールな視線を送るだけで相手にしてもらえない聖弥。
聖弥とテオドールの間にある不思議な縁、裏切り者の正体、テオドール達血族の成り立ち
そして、聖弥自身の人間としてのトラブル。
その全てが絡み合いながら、運命に導かれているような二人を描いた作品で、
派手なファンタジー色が少ない感じのちょっとシリアスだけど、ラストはハッピーな
新種のバンパイアのお話で面白かったです。
神楽日夏さん初花丸は、ファンタジーものでした。
今回、多分自分の萌えツボからはかけ離れた主人公(受け)なのですが、ファンタジーということで、この話が醸し出す全体の雰囲気自体に夢をもらったというか、どういうわけかロマンチックな感じのものって超苦手なのに、この話の場合は何だかドキワクしてしまったのです。
この作家さんの作品って少し温度が低めなのだと思うのですが、確かに本作もそうですがエッチシーンの温度が高く、その高低差が気に入ったのかな?
と、思うのと同時にやはりイラストです!!
笠井あゆみさんの色気のイラスト♪これがまた作品を盛り上げているのです。
エッチシーンの、あっと驚くアングル、あれ?4人?と思うような構図。
平素の登場人物にして、何だかちょっとお耽美を匂わせて、この話の超絶美形攻めにピッタリでして、より一層作品を楽しむことができたのです。
イラスト効果、絶大ナリ!
小さい頃に両親を亡くし、18の時に祖母を亡くし、唯一の身内だった妹を病で亡くし、天涯孤独の身の上になってしまった主人公・聖也。
妹の治療費を今の仕事先、高級秘密クラブのオーナーの好意で借りてその給与で返済しています。
高級秘密クラブといってもいかがわしいものではなく、ただボーイとして給仕をするだけの健全な仕事。
ある晩、銀色の髪の美しい男と出会う。
仕事の帰り道、正体不明の生き物に襲われ首筋に噛みつかれた所を救ってくれたのが、その美しい男。
彼は聖也が狙われてると言い、その血を一滴たりとも飲ませてはダメだと聖也に自分の証を残す為に首筋に牙を立てる。
それからも彼・テオは聖也の前に現れ、聖也を見守るのだが、実は曽祖父の血縁の者だと知り天涯孤独だと思っていた自分に縁戚がいるのだと嬉しくなり色々な事を聞きます。
テオが話す血族の話、そして聖也が狙われる理由を知るのです。
血族に迎え入れるはずだった男がアクシデントによりバケモノ化してしまい、テオの大事な人であった血族の長(聖也の曽祖父)を殺してしまったので、彼を追いその処刑の為に日本にやってきたのだと。
そのバケモノはより力を得るために曽祖父の血を引く聖也をねらっているのだと・・・
聖也がかなりおっとりさん?
危機感が薄いというか、何となく育ちがよさそうで、色々哀しいこと苦しい事があったろうに、あまりそれを感じさせません。
健気といってしまえば、健気なのですが、妹が亡くなってもとても悲しいのに涙が出なかったという、感情を内に込めて隠してしまうタイプだったのかな?
だから血縁のものと知った時の喜びはなんだか子供のようでした。
彼は寂しくて仕方なかったのですね。
しかし、実際20歳といえ、苦労しているとはいえ、ほんとうに子供っぽくて。
実はこういう青年は地雷なのですが、何だか今回は許せてしまえるのです(なんでだろう?)
一方テオですが、結構傲慢な感じがしつつも男前で、何気に聖也のペースに呑みこまれてる?
彼が聖也にこだわるのにはわけがあるのですが、自分でもその建前上の理由はわかっていても、その奥にある揺さぶられる感情にはニブチンだったみたいで。
その理由というのが、この血族にまつわること。
一応ヴァンンパイヤ設定なのですが、吸血行為で快感を得られるので、性欲はないとか愛する感情と言うものとは無縁だって思いこんでたというのもあるらしいのです。
それがどうして聖也には?というあたりのつじつまが、これがファンタジーなんだけど、何か納得しちゃう理由なのです。
セックスは必要ないと思っていたら、思い切りできてしまって、しかも欲情もして、貪欲にむさぼるテオというのが、ちょっとクるものがありました♪
これもドキワクの一因かもデス。
色々触れるとネタバレをもよおすのであまり触れられないです。
でも、このファンタジーのドラマティック&ロマンティックは、好みのタイプの路線をいってました。
何が好みの路線なのか上手く伝えられないのがジレッタイです(涙)
ファンタジーですから、ところどころの都合の良さとか、聖也の無防備にはつっこまないで(笑)
ヴァンパイヤものって色々な設定があって、作者さん毎に工夫が凝らしてあって、ほんとうに楽しめます。
エクスタシーに満ちた吸血描写も良いですが、
牙によるあちこちの甘咬み・撫で回しがエロティックでした~。
挿絵の笠井さんが描かれる大胆なアングルにも目を奪われましたv
唯一の家族であった妹を亡くし、人生を諦めかけていた青年・聖弥と、
元人間で辛い過去をもつ、いわゆる「ヴァンパイア」の血族・テオドール(テオ)の物語。
襲ってくる謎の男から、聖弥を守るテオ。
テオと出会い、聖弥は自分の意外なルーツを知ることとなります。
孤独だった聖弥だが、自分にもまだ血縁者がいることを知る。その嬉しさや、テオ自身に強烈に惹かれる過程で、寂しさに凍てついた心に熱が戻ってきます。
テオも、大切な者を2度も失った過去を背負いながら、血族の掟を厳守して生きていたが、聖弥という運命の相手と出会って激情を知り、どんどん情熱的に。
ツンデレだったテオがメロメロになる過程と、メロメロになってからの大変蜜月な2人を堪能しました♪
肝心の敵との決戦があっさり片付いてしまったのはご愛嬌。愛と聖弥の血の力は偉大ってことで。
どちらかと言うと、ヴァンパイアよりも人間の方が残虐で恐ろしく、
ヴァンパイアは、人間社会で苦しむ無力な存在に手を差しのべる存在として描かれている印象を受けました(テオの人間時代のエピや、聖弥の勤務先のオーナー問題などから)。
そんなヴァンパイアの生態ですが、なかなか作者さんのオリジナリティが効いていました。
自らを「ヴァンパイア」と称さず、極めて人間に近い生活を送っていたり、
様々な血族がいて、過激派の血族の暴挙が新種の化け物を生み出していたり・・・
SEXについては、本作のヴァンパイアは性欲がない設定ですが、
強く惹かれ合う相手に対しては例外であることが、聖弥とテオの心身の交流のなかで明らかになるという・・・とてもロマン溢れる解決でした☆
タブーである人間とヴァンパイアの恋。
曽祖父の血を受け継ぐ聖弥がそれを成就させたというのも、何やら運命的でロマンを感じます。
ところで、聖弥の家族が皆短命なのは、何か理由があると踏んでいたら、
曾祖母と父の件以外は特に説明されず、あれれ?となりましたw妹のことは伏線じゃなかったのか。
そんな引っ掛かりもありつつ、ユニークな設定とエロく幻想的な雰囲気にとても引き込まれた作品でありました。世界流浪編も読みたいかも?
2013/05/21発刊の、ちょっと古い作品。アマゾンキンドルで読了。
笠井あゆみさんのイラストが美麗です。
聖弥は、吸血鬼の一族の、どうやら末裔の主人公は美形の天涯孤独。
家族は揃って体が弱く病死して、とうとう最後の一人になってしまう。
妹が治療の甲斐なく血の病気で死亡した後、残った莫大な借金。
その借金返済を肩代わりしてくれた人物がが運営するキャバレーで働くことになる。
ある夜、奇妙な獣人に「美味そうな血の匂いがする」と襲われる。
それから始まる出会いと事件から、自分の出生の秘密を知り、祖母が愛して子をなした相手は普通の人ではなかったことを知り・・
吸血鬼系によくある恋愛物語で、登場する人物はみんな美形のキラキラ。
エロ場面少な目。
聖弥という主人公の名の通り、静かな夜を感じる展開でした。