Krovopizza
oyaji de assort
『愛とバクダン』『愛してないと云ってくれ』シリーズの番外編。
個人的に、オヤジが輝く中原作品の中でもお気に入りツートップの作品です。
◆『愛して~』番外編
【罠】
相変わらず小学生のような下ネタを吐く斑目と、あしらうつもりが策略にハマる坂下の日常譚。
【斑目の半分】
双葉と斑目のSM談義がくだらなすぎて面白い。「坂下先生はM」に同意w
ヘラヘラしつつ、陰ながら坂下のフォローに回る斑目はやはりカッコイイです。
坂下のため、金を返すよう島崎に説教し、食べたがっていたクレープを差し入れ…
食べさせたら格好良く帰るつもりが、欲情して襲ってしまうところも、
ドヤ顔でクサイ台詞言っても何故か決まってしまう所も、いいオヤジ攻めでしたv
◆『愛とバクダン』番外編
【猫】
仕事で大阪にいる謙二郎を想いつつ、子猫の世話をする竜崎視点の話。
辛い過去をもち、簡単には弱みを見せない謙二郎に何かしてやりたいと思う竜崎。
謙二郎は出てこないけど、中々なつかない子猫にその面影を見たり、
早く会いたいと思ったりと、竜崎の愛情と純情が趣深い短編でした。
【おかえり】
大阪から帰ってきて、竜崎やオリーブ達に囲まれ、今の幸せを噛み締める謙二郎。
いつか竜崎に感謝を伝えようと、遠い未来を思います。
老人になっても一緒にいるつもりの二人ですが・・・【あとがき】で衝撃の事実が。
◆【あとがき】
『愛とバクダン』の構想について。
どうやら竜崎は、あと10年もしないうちに命を落とす(予定)らしく、その最期のシーンも、ハッキリ決めてあるそうです。
死を描くことで、それまでその人がどんな生き方をしてきたのか、「生きざま」を現したいとのこと。
最近の中原先生の作品が、生死不明だったり、別れを予感させるようなラストが多いことを思うと、このポリシーは今でもあるのだろうと思います。
『愛して~』シリーズの最新刊も、完結は次巻だが、別れの可能性もにおわせる、切ないラストでした。
賛否ありそうですが、私は最近のビターな作風も結構好きです。あえてハピエンにしないことで、それまでの愛情や絆、失った存在の大きさが非常に強く感じられて心に響くし、そこに間接的な萌えを見いだせるんじゃないかと。
残された謙二郎が、今の竜崎の年(34歳位)になった頃の話…という構想もあるそうです。
悲しい話になりそうですが、竜崎の生き様を最後まで見届けたいし、その後の謙二郎の人生も知りたいと思います。この同人誌が発行されて随分経ちますが、いつの日かまた書いて下さることを願います。