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bishounen no koi
作家さんの新作発表
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本棚を整頓してきて見つけた本作。学生時代にBL好きが高じてゲイ・ホモと表記のある映画(レンタルビデオ)を探しまくっていた時に出会った物語。映画から先に観て、あとから小説・コミックの存在を知り集めてみました。DVDは探し始めた頃にはもう絶版で日本版を手に入れることが難しいです。
主人公の1人が最後は自殺してしまいますが、(受け取り側によっては)バッドエンドではない不思議な物語。初めて読んだ当初はこの結末になぜ?と疑問しか湧かなかったのに10年以上たった今は自然と受け入れる事ができました。
この小説には、映画では描き切れていなかった場面・心情が描かれていて一層物語に惹き込まれ感情移入出来た。結末は分かっていてもやっぱり同じ所で涙。
この物語は4人の男性が主人公。主体となるのはサムとジェットですが、残り二人のKSとアチンはサムの元恋人。物語はジェット中心の流れかと思うと、途中でサムの恋愛遍歴やその時期の恋人たちの心情も描かれているんです。
過去の恋愛で垣間見るサムの弱いさ・ズルさ、自殺を決意した時の心の声が、ただの自分本位なわがまま男にしか取れない点もありましたが、人間の本質なのかな?と感じました。
話しは変わりますが、私が一番心揺れて涙した場面が、一見傲慢で我が道を進むKSことキングスリーの輝(サムの中国名)への想いを表す所。スターを夢みているため、輝に対する気持ちを直接伝えない部分や、輝の居ないところでは存在の大きさに胸を詰まらせているシーン。サムの自殺した事を知った時の嗚咽を漏らす姿に胸を締め付けられました。
それなのに、サムは生涯で愛した人はジェットしか居ないとか表現している点に怒りを覚えました。が、ジェットへ自分の想いを伝えるために仕方なかったのかなとも・・・。色んな感情が胸にひしめく作品でした。
一番、可哀想なのが、サムを一心に愛したアチンですね。尽くしすぎると相手がダメになってしまうのは日本も共通してるかも(笑) なぜそこまでアチンにたいして冷徹な自分を通したのかサムの心が分かりません。
原作が台湾で発表された短編小説で、意訳された方も元々は翻訳未経験とあって、日本のBLやJUNE作品とは違った要素があります。中国語・広東語・台湾語は全く分かりませんが、出来ることなら原作の『中南湾 ~美少男之禁戀』も読んでみたいです。
同名映画の字幕担当者による小説化。
翻訳小説の様な読み難さは微塵もありません。
むしろBL小説と耽美小説の中間と言う感覚で
かなり読み易いかと。
映画の中に入り込む様に、登場人物達の心情が
染込んできます。