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恋人と親友の間で揺れる受、しかもその恋人と親友の2人が親の再婚で義兄弟になって・・・と、これだけなら別にどうってことないんですが(まあベタな王道設定なら『受が』どちらかと義兄弟になるパターンが多いでしょうね)、この作品では親友との間に恋愛感情は介在しません。
そこがいちばんの意外性というか独自性でしょうか。
義兄になった友和(攻)が親友である輝弘(受)と男同士で付き合っているのを知った陽一が、自分も輝弘への気持ちに気付いて~というならBL的テンプレートでしかないですが(別にそれがダメなわけじゃないし、いっそそのほうがよかったとさえ思うよ)、これはそうはならないんです。
あくまでも陽一は『親友・友情』に固執し、同性愛を理解しようとせずに輝弘を『更生』させようとあれやこれやと邪魔をします。
これを三角関係というのは違う気がしますが、とりあえず三角だと仮定すると一辺が完全に友情なんですね。その点では確かに新鮮ではあるんですが、とにかくこの陽一が鬱陶しいことこの上なかったです。
なにコイツ!?小・中学生の女の子だってここまで『親友』にべったり執着して束縛はしないんじゃないの?と終始イライライライラ。
なんか、こんな陽一との『友情』を大事なものを犠牲にしてまで守る必要あんのか?と思ってしまった時点で、輝弘の苦痛や葛藤に共感しようがなくてどうにも無理でした。
あとは・・・申し訳ありませんがイラストのこうじまさんは(特に昔の絵柄は)小説の挿絵としてはかなりツラかったです。コメディならまだしも、切ないシリアスには邪魔なだけだと感じてしまいました。ゴメンナサイ。←こうじまさんの絵柄自体は確かに好みではないですが絶対ダメとまでは行かないし、最近の作品はそうでもないんですけどね。 どちらかと言うなら苦手には違いないけど。
私自身は友達より恋人の方が大事という考えではないので。結婚して家族になれば別だけど友達の方が一生の付き合いだしね。というわけで今回のお話、主人公が親友に隠し事したり、ごまかしたり、嘘をついたり、とイライラしました。親友に別れると宣言したにもかかわらず、恋人に拉致されて一緒にバイトしてウキウキ浮かれているのを見てイライラも最高潮。主人公が優柔不断で誰に対しても誠実ではないので、主人公が恋人にそこまで愛されたり、親友に大事に思われたりするのが納得いかなかったです。四方丸く収まるハッピーエンドですが、「幸せになってねー」とは思えませんでした。
親友か恋人か、その二人の間で揺れ動く話。
この題材そのものは面白いと思ったんですが、調理の仕方が私の趣味からはかなりズレてました。
まず男同士の親友で、そこまで束縛したり、なにもかもを打ち明けあったりはしないだろー、と。
「親友」というのは非常に萌える関係性ではあるのですが、女同士でもあり得ないようなベタベタした関係性は、むしろキモくて萎えてしまう。
あと主人公の優柔不断さにイラつきました。
「別れる」って親友に宣言したのに、結局別れずにそのまま。
どうせ別れないのは分かってたんだけど、最低限の覚悟すらないなら、最初から別れるなんて言うなよと。
で、別れないなら別れないで、ちゃんとそれを親友に報告しろよと。
親友ってこんな関係?
なんか違うんじゃ?