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yami ni hisomu aikou
吸血鬼もので、この作品の吸血鬼は本当に不老不死、だって絶対人間には殺せない。
殺すには同族でなければって言う設定は意外と無いかも知れない。
それにファンタジー設定とはいえ、日本の神とも言える皇帝が吸血鬼一族だと言う
なんとも壮大な設定で、でもやっぱり吸血鬼もので日本人が皆吸血鬼って設定には
流石になっていない。
そこまで言ったら吸血鬼ものの意味が無くなるからね。
吸血鬼と人間との恋、それも幼なじみ設定で二人は幼い頃から相思相愛。
でも吸血鬼で名門一族の跡継ぎでもある弓弦は大人になって本当の意味で一族を、
自分を考えた時に、大好きな忠匡を諦める道を選ぶ。
しかし、忠匡は2年前から避けられていると思いながら嫌われているかもと悩みながらも
弓弦への気持ちを捨て去ることが出来ずにいる。
吸血鬼の名門一族の嫡男と吸血鬼を討伐する部門で働く忠匡とはいわゆる敵対関係。
結果的には弓弦が何者であっても思いを消す事など忘れる事など出来ないと
強い愛情で弓弦と共に歩く道を選ぶ男前の忠匡との擦れ違いラブです。
裏でヴァンパイアとつながっている大日帝国。
情報の隠蔽と洗脳が行われており、
国民は、なぜヴァンパイアが頻繁に出没するのか?ということを疑問にも思わず、
ただ怯え、身を守るのみ…という、ちょっと社会風刺も入っていそうな世界観でした。
ヴァンパイアの血をひく弓弦と、対ヴァンパイア特殊部隊に所属する忠匡。
幼き日に結婚の約束までした二人だが、弓弦は成長するにつれヴァンパイアの血が濃くなっていく。
初めて抱き合った日に、思わず忠匡の血を吸おうとしてしまう弓弦。そんな自分にショックを受け、忠匡をエサにする前に、忠匡から離れようと決意する。
血を吸うことを拒み、人間として生きようとするヴァンパイアは、やがて狂病にかかり、血を求め人間を襲うようになる。弓弦は、点滴により血を摂取することで狂化を免れており、そうしたヴァンパイア達から人間を守るハンターの役目も担っている。
忠匡は、そのハンターの姿を目撃しつつも、弓弦とは気付かなかった。しかし、ハンターの去った現場で、弓弦のペンダントと、幼き日に交わした結婚の約束の品を見つけてしまう。弓弦の自分への恋心を知るとともに、その正体に感づいた忠匡の決断は…
ブラックな設定の割に、二人が一緒になるための方法&結果はストレートなもので、結果的にラブラブ・甘々で終わります。そこが物足りないかも。一緒にいられれば他に何もいらない程の愛情を描いているのは分かりますが、せっかくなので帝国の暗部や、人間とヴァンパイアの共生の問題について、もう少し切り込んでほしかった気が。
【幸せにひそむ甘嵐】は、忠匡がヴァンパイアになるための儀式を受け、それから17年後の話。
皇太子の戴冠式を目前に控え、新しい大日帝国の歴史のはじまりを予感つつ、
永遠の愛を誓い合う二人。Hはないけど十分ラブ甘でご馳走様感あふれるSSでした。