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桜花学園シリーズが平安にトリップ?
miyabi ni koishite
桜花学園が現代から平安時代になったらこんな感じかも知れない、そんなどこか雅な
時代を背景にした平安学園バージョンなのですよ。
この作家さんの甘くて切ない恋心が、夢見る乙女系が好きな人にはウケるのかもと
思いながら読んでいたのですが、ホントに時代が変わっただけで、桜花学園の雰囲気が
そのまま感じられる内容でしたね。
新書版も読んでいたと思うのですが未レビューだったのであらためて再読してみました。
偶然の出会いから、互いに何故か惹かれるものを感じるが、攻め様と受け様には
身分違いと言う名の対立している学生寮同士で本人たちには関係の無いところで敵対関係
みたいな設定で、気になる相手だからと言っておいそれと会う事も出来ない。
初めは受け様から近づいて行くのですが、攻め様は何故か遠ざけようとする。
それは学生寮同士の諍いとは違う次元での攻め様の生い立ちが深く関係している。
次第に明らかになる攻め様の背負った背景なのですが、攻め様は共にいればいつか受け様を
傷つけるからと離れようとするが、受け様はそれでも攻め様の側にいたいと恋願う。
身分差や恨みを持つ相手の血縁者だと言う設定に、誤解や思い違い、どんな困難があっても
決して離れたくないと強く思う気持ち、そんな感情をちりばめながら描かれるお話。
続編もあるのですが、現時点でのハッピーな展開に変わりなく、ラストでは既刊の
「王子様はポリバケツに乗って」の作品に繋がる「そして来世の……」書下ろしが
この文庫化の読ませどころだったりします。
本当に運命の二人なのだと思える内容になっていました。